JP2534539Y2 - 携帯用ヘアブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、コンパクトで使い勝
手のよい携帯用ヘアブラシに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ヘアブラシといえば、柄部と
ブラシ台部とが木材あるいはプラスチツクで一体的に成
形され、そのブラシ台部の表面に、所定間隔でブラシ毛
が植設されているものが一般的である。しかし、最近、
若者を中心に、衛生志向が高まつており、櫛のみなら
ず、ヘアブラシを鞄やポケツト内に携帯して出先等で手
軽に頭髪のブラツシングを行うことが当たり前になりつ
つある。また、旅行等においてもヘアブラシの携帯が行
われる。そこで、このような携帯専用のヘアブラシとし
て、最近、柄部とブラシ台部が折り畳めるようになつた
ものが出回つている。

【０００３】上記携帯用ヘアブラシとしては、例えば図
１１に示すようなものが知られている。このものは、柄
部１とブラシ台部２とが、その連結部３において回動自
在になつており、使用時には上記柄部１を延ばして柄部
１とブラシ台部２とを略一直線状にし、携帯時には、柄
部１を矢印のように回動させてブラシ台部２側に折り畳
んで、ブラシ台部２に植設されたブラシ毛４の上面に重
ねることができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記携
帯用ヘアブラシは、柄部１が折り畳めるようになつては
いるものの、一直線状に延ばした形状は従来の一般的な
ヘアブラシと何ら異なる部分はない。すなわち、ブラシ
台部２は幅の太い略長方形で、柄部１は上記ブラシ台部
２の幅よりもやや小さめでその連結側が細くくびれた形
状になつている。そして、上記ブラシ台部２に植設され
たブラシ毛４は、ブラシ台部２表面のＲ面に沿つて放射
状に開いている。したがつて、上記ヘアブラシを折り畳
むと、放射状に開いたブラシ毛４が、柄部１との重なり
部からはみ出して、鞄内等に入れた場合に他のものに引
つ掛かりやすいという難点を有している。また、このは
み出したブラシ毛４に、糸屑や埃等が絡みついて不衛生
となりやすいことも問題となつている。

【０００５】この考案は、このような事情に鑑みなされ
たもので、折り畳んだ状態でブラシ毛が柄部からはみ出
すようなことがなく、コンパクトで使い勝手のよい携帯
用ヘアブラシの提供をその目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この考案の携帯用ヘアブラシは、前後方向に長い柄
部と、それ自体の後端部が上記柄部の前端部に回動自在
に連結され延ばされた状態で上記柄部と一直線状になり
折り畳まれた状態で上記柄部と略平行になるブラシ台部
とを備え、上記柄部とブラシ台部の幅寸法および回動す
る部分の長さが互いに同一に設定され、しかも上記ブラ
シ台部の上面にはブラシ毛が所定間隔で垂直に植設さ
れ、上記ブラシ台部の底面にはその前端部から後端部に
わたつて陥没溝が形成され、上記ブラシ台部の後端部の
上面には、その左右両側部に一対の軸受部が相対峙する
ように立設されているとともに、両軸受部間に左右方向
に延びる平行な２条の突条が突設され、上記柄部の前端
部に、上記両軸受部間に収容され両軸受部に回動自在に
支受される回転軸部が突設され、この回転軸部の外周面
に、上記一直線状に延ばされた状態で上記両突条間に着
脱自在に係合する突条が突設されているという構成をと
る。

【０００７】

【作用】すなわち、この携帯用ヘアブラシは、柄部とブ
ラシ台部の幅寸法および回動する部分の長さを同じに設
定し、しかもブラシ毛を、上記ブラシ台部から垂直に植
設させたものである。したがつて、この携帯用ヘアブラ
シを折り畳むと、直立するブラシ毛が、ブラシ台部と柄
部との間の空間内に収まり、全体が略直方体状になつ
て、凹凸の段差が殆どない形状となる。このため、ポケ
ツトや鞄等の中に入れた場合に、他のものにブラシ毛や
連結部等が引つ掛かることがなく、出し入れが容易とな
る。また、ブラシ毛の間に埃や糸屑等が絡みつくことも
なく、ブラシ毛を衛生的に保つことができる。しかも、
上記ブラシ台部の後端部の上面に形成された一対の軸受
部間に左右方向に延びる平行な２条の突条を突設し、上
記柄部の前端部に形成された回転軸部の外周面に、柄部
とブラシ台部を一直線状に延ばした状態で上記両突条間
に着脱自在に係合する突条を突設したため、ブラシ台部
の平行な２条の突条と柄部の突条を係合させることによ
り、上記一直線状に延ばした状態に柄部とブラシ台部を
位置決め，保持することができ、ブラツシングしやすく
なる。また、このような位置決め用の各突条を、ブラシ
台部の後端部の上面および柄部の前端部の回転軸部外周
面に設けたため、各突条が柄部およびブラシ台部の幅，
長さに殆ど影響を与えることがなく、ヘアブラシ全体が
大型化しない。さらに、ブラツシング時に毛髪の抵抗で
ブラシ台部が左右方向に押圧されても、この押圧力を、
ブラシ台部の両軸受部と、これに回動自在に支受される
柄部の回転軸部とで受け止めるだけでなく、ブラシ台部
の平行な２条の突条と、これに係合される柄部の突条と
でも受け止めることができるため、上記押圧力に対する
強度がアツプし、長期使用に耐えうるようになる。その
うえ、ブラシ台部の底面に、その前端部から後端部にわ
たつて陥没溝を形成したため、この陥没溝に人差し指を
沿わせた状態にしてブラツシングを行うと、細長いヘア
ブラシを自在に取り扱うことができ、ブラツシングしや
すくなる。

【０００８】つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳
細に説明する。

【０００９】

【実施例】図１はこの考案の一実施例を示している。こ
の携帯用ヘアブラシは、柄部１０と、上記柄部１０の一
端側に回動自在に連結されるブラシ台部１１とを備え、
上記ブラシ台部１１には、図２（正面図）および図４
（平面図）に示すように、ブラシ毛１２が長手方向に沿
つて５列並び、各列のブラシ毛１２が互い違いになるよ
うな配置で垂直に植設されている。また、上記柄部１０
およびブラシ台部１１の上面は、ともに幅方向の中央部
がやや高く盛り上がつていて、幅方向の断面が緩やかな
円弧になるような曲面に形成されている。なお、柄部１
０の底面は平らであるが、ブラシ台部１１の底面には、
図３（底面図）および図５（ブラシ台部１１の連結部の
断面図）に示すように、長手方向に沿つて、平面視長穴
状で幅方向の断面が円弧状の陥没溝１３が形成されてい
る。

【００１０】上記柄部１０とブラシ台部１１の連結部
は、図４および図５に示す、ブラシ台部１１の端部上面
から立設する左右一対の軸受ガイド１４と、図６および
そのＡ矢視図である図７に示す、柄部１０の端部に突出
形成された回転軸部１５との係合によつて構成されてい
る。より詳しく述べると、上記ブラシ台部１１の軸受ガ
イド１４を水平方向に貫通する穴１４ａ内に、上記柄部
１０の回転軸ブラシ台部１５の左右両側面に突出形成さ
れた半球状突起１５ａが嵌入されてこの部分を中心にし
て互いに回動自在に連結されている。なお、図５におい
て、１６は、ブラシ台部１１上面に、幅方向を横切るよ
うに設けられた２本の突条で、柄部１０（図６参照）の
回転軸部１５の下端面に形成された突条１７と係合する
ことにより、図８に示すように、柄部１０とブラシ台部
１１を一直線状に延ばした状態を固定保持するものであ
る。また、図４および図５に示すように、上記ブラシ台
部１１の左右の軸受ガイド１４の上端部には、それぞれ
略１／４球状の切欠部１８が形成されているが、これ
は、上記柄部１０とブラシ台部１１とを連結させる場合
に、まず上記切欠部１８内に、柄部１０の半球状突起１
５ａをはめ込み、その状態で上から回転軸部１５を押し
込むことによつて簡単に両者を連結できるようにしたも
のである。

【００１１】なお、上記柄部１０およびブラシ台部１１
は、その幅寸法が同一であり、また上記連結部における
回転中心からそれぞれの先端部までの長さが同一に設定
されている。したがつて、上記柄部１０とブラシ台部１
１を閉じた状態では、図９および図１０に示すように、
柄部１０とブラシ台部１１とが平行、かつ先端を揃えた
状態でブラシ毛１２を挟み、全体として略直方体形状と
なる。

【００１２】このように、この携帯用ヘアブラシは、折
り畳んだ状態で、全体が略直方体状となり、柄部１０と
ブラシ台部１１との間に、直立するブラシ毛１２が収ま
つて外側にはみ出るようなことがなく、柄部１０とブラ
シ台部１１の形状もほぼ同一で凹凸差が最小限に設定さ
れているため、ポケツトや鞄等の中に入れた場合に、他
のものにブラシ毛１２や連結部等が引つ掛かつたりせ
ず、出し入れしやすい。また、ブラシ毛１２の間に埃や
糸屑等が絡みつくこともなく、ブラシ毛１４を衛生的に
保つことができる。そして、この携帯用ヘアブラシを延
ばして使用する場合には、柄部１０とブラシ台部１１が
一直線状に延び、しかも両者の幅が同一であることか
ら、連結部に手指がかかつても、この部分に段差がな
く、使い勝手がよい。また、このとき、ブラシ台部１１
の底面（ブラシ毛１２が植設された側と反対側の面）に
設けられた長穴状の陥没溝１３に人差し指を沿わせた状
態にしてブラツシングを行うと、細長いヘアブラシを自
在に取り扱うことができ、ブラツシングしやすい。そし
て、ブラシ毛１２自体も、長手方向に沿つて５列、各列
のブラシ毛１２が互い違いになる配置で植設されている
ため、全体の幅が細いにもかかわらず、ブラツシング効
果が高い。しかも、ブラシ台部１１の平行な２条の突条
１６と柄部１０の突条１７により、柄部１０とブラシ台
部１１を一直線状に延ばした状態に位置決め，保持する
ことができ、ブラツシングしやすくなる。また、これら
各突条１６，１７が柄部１０およびブラシ台部１１の
幅，長さに影響を与えることがない。さらに、ブラツシ
ング時にブラシ台部１１に作用する左右方向の押圧力を
上記各突条１６，１７でも受け止めることができ、上記
押圧力を各部で分散して受け止めて、長期使用に耐えう
るようになる。

【００１３】なお、上記携帯用ヘアブラシは、細長くて
コンパクトであることが一つの特徴であり、幅寸法が１
０〜１５mm、一直線状に延ばした状態での全長が１７０
〜２００mmとなるように設定することが好適である。

【００１４】また、上記携帯用ヘアブラシにおいて、ブ
ラシ毛１２は、ブラシ台部１１と一体成形しても、ブラ
シ毛１２を植設した板状体を、凹部を備えたブラシ台部
１１に嵌合するようにしてもよいが、コンパクトで軽量
なものを得ようとすれば、ブラシ台部１１と一体成形す
る方が望ましい。

【００１５】

【考案の効果】以上のように、この考案の携帯用ヘアブ
ラシは、柄部とブラシ台部の幅寸法および回動する部分
の長さが同じで、しかもブラシ毛が、上記ブラシ台部か
ら垂直に植設しているため、折り畳むと、直立するブラ
シ毛が、ブラシ台部と柄部との間の空間内に収まり、全
体が略直方体状になる。したがつて、この携帯用ヘアブ
ラシをポケツトや鞄等の中に入れた場合に、他のものに
ブラシ毛や連結部が引つ掛かることがなく、出し入れが
容易である。また、ブラシ毛の間に埃や糸屑等が絡みつ
くこともなく、ブラシ毛を衛生的に保つことができる。
しかも、上記ブラシ台部の後端部の上面に形成された一
対の軸受部間に左右方向に延びる平行な２条の突条を突
設し、上記柄部の前端部に形成された回転軸部の外周面
に、柄部とブラシ台部を一直線状に延ばした状態で上記
両突条間に着脱自在に係合する突条を突設したため、ブ
ラシ台部の平行な２条の突条と柄部の突条を係合させる
ことにより、上記一直線状に延ばした状態に柄部とブラ
シ台部を位置決め，保持することができ、ブラツシング
しやすくなる。また、このような位置決め用の各突条
を、ブラシ台部の後端部の上面および柄部の前端部の回
転軸部外周面に設けたため、各突条が柄部およびブラシ
台部の幅，長さに影響を与えることがなく、ヘアブラシ
全体が大型化しない。さらに、ブラツシング時に毛髪の
抵抗でブラシ台部が左右方向に押圧されても、この押圧
力を、ブラシ台部の両軸受部と、これに回動自在に支受
される柄部の回転軸部とで受け止めるだけでなく、ブラ
シ台部の平行な２条の突条と、これに係合される柄部の
突条とでも受け止めることができるため、上記押圧力に
対する強度がアツプし、長期使用に耐えうるようにな
る。そのうえ、ブラシ台部の底面に、その前端部から後
端部にわたつて陥没溝を形成したため、この陥没溝に人
差し指を沿わせた状態にしてブラツシングを行うと、細
長いヘアブラシを自在に取り扱うことができ、ブラツシ
ングしやすくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】上記実施例の正面図である。

【図３】上記実施例の底面図である。

【図４】上記実施例の平面図である。

【図５】上記実施例のブラシ台部における連結部の説明
図である。

【図６】上記実施例の柄部における連結部の説明図であ
る。

【図７】上記図６のＡ矢視図である。

【図８】上記実施例の連結状態の説明図である。

【図９】上記実施例の折り畳んだ状態を示す部分断面正
面図である。

【図１０】上記実施例の折り畳んだ状態を示す斜視図で
ある。

【図１１】従来の携帯用ヘアブラシを示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ 柄部 １１ ブラシ台部 １２ ブラシ毛 １４ 軸受ガイド １５ 回転軸部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後方向に長い柄部１０と、それ自体の
   後端部が上記柄部１０の前端部に回動自在に連結され延
   ばされた状態で上記柄部１０と一直線状になり折り畳ま
   れた状態で上記柄部１０と略平行になるブラシ台部１１
   とを備え、上記柄部１０とブラシ台部１１の幅寸法およ
   び回動する部分の長さが互いに同一に設定され、しかも
   上記ブラシ台部１１の上面にはブラシ毛１２が所定間隔
   で垂直に植設され、上記ブラシ台部１１の底面にはその
   前端部から後端部にわたつて陥没溝１３が形成され、上
   記ブラシ台部１１の後端部の上面には、その左右両側部
   に一対の軸受部１４が相対峙するように立設されている
   とともに、両軸受部１４間に左右方向に延びる平行な２
   条の突条１６が突設され、上記柄部１０の前端部に、上
   記両軸受部１４間に収容され両軸受部１４に回動自在に
   支受される回転軸部１５が突設され、この回転軸部１５
   の外周面に、上記一直線状に延ばされた状態で上記両突
   条１６間に着脱自在に係合する突条１７が突設されてい
   ることを特徴とする携帯用ヘアブラシ。
2. 【請求項２】 柄部１０およびブラシ台部１１の幅が１
   ０〜１５mmに設定され、柄部１０とブラシ台部１１とが
   一直線状に延ばされた状態における全長が１７０〜２０
   ０mmに設定されている請求項１記載の携帯用ヘアブラ
   シ。