JP2534076Y2 - アキシャルピストンポンプ - Google Patents

アキシャルピストンポンプ

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JP2534076Y2
JP2534076Y2 JP2151191U JP2151191U JP2534076Y2 JP 2534076 Y2 JP2534076 Y2 JP 2534076Y2 JP 2151191 U JP2151191 U JP 2151191U JP 2151191 U JP2151191 U JP 2151191U JP 2534076 Y2 JP2534076 Y2 JP 2534076Y2
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鈴木  茂
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、産業機械、車両等の油
圧回路における駆動源として用いられるアキシャルピス
トンポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアキシャルピストンポンプ(以
下、単にポンプという。)として、図7に示すものが知
られている。このポンプは、ケーシング51及びエンド
カバー52によって形成される密閉空間50内に軸受5
1a、52aを介して駆動軸53が支承されており、駆
動軸53の軸スプライン531には軸心と平行に複数の
ボア54を有する鉄系合金からなるシリンダブロック5
5が軸心に沿って変位可能に嵌合されている。また、ケ
ーシング51には斜板56が図示しない揺動中心を中心
として揺動可能に枢支され、シリンダブロック55の各
ボア54内には斜板56に回転摺動可能に係留されたシ
ュー67を介してピストン57が往復動可能に収納され
ている。シリンダブロック55とエンドカバー52との
間にはボア54と連通する吸入ポート581及び吐出ポ
ート582を備えた弁板58がエンドカバー52に固定
されており、この弁板58の吸入ポート581及び吐出
ポート582を除く部分がシリンダブロック55のボア
開口端541、542を封塞している。エンドカバー5
2には上記吸入ポート581及び吐出ポート582とそ
れぞれ連通する吸入口521及び吐出口522が形成さ
れている。
【0003】駆動軸53とシリンダブロック55との間
の環状空間60内にはスペーサ61、サークリップ68
を介して圧縮ばね63が配設されている。スペーサ61
は圧縮ばね63の付勢力によりピン64を介してピボッ
ト65を軸心に沿って押圧し、ピボット65はシュー6
7を径方向に摺動可能に係留するシューリテーナ66と
揺動可能に係留されている。サークリップ68は同圧縮
ばね63の付勢力によりシリンダブロック55をピボッ
ト65とは逆方向へ押圧している。
【0004】また、エンドカバー52におけるピストン
57の下死点側には、斜板56の一端と当接する付勢ロ
ッド71がコントロールばね72を介して装備されてい
る。他方、この付勢ロッド71等と駆動軸53に対して
対称なエンドカバー52におけるピストン57の上死点
側には、制御弁70を介して延出されるコントロールシ
リンダ74が配設されており、コントロールシリンダ7
4の作動体73は斜板56の他端と当接されている。
【0005】このポンプでは、駆動軸53の回転により
軸スプライン531を介してシリンダブロック55が回
転し、かかるシリンダブロック55のボア54内をピス
トン57が斜板56の傾角に応じて往復動することによ
りボア54に体積変化を生じさせ、低圧の作動油を吸入
口521から吸入ポート581を経て体積拡大途上(ピ
ストン57が上死点から下死点に向かう際)のボア54
に吸入するとともに、高圧の作動油を体積縮小途上(ピ
ストン57が下死点から上死点に向かう際)のボア54
から吐出ポート582を経て吐出口522で吐出する。
【0006】このとき、斜板56にはピストン57から
シュー67を介して圧縮反力が作用しており、圧縮ばね
63は、一端がスペーサ61、ピン64、ピボット6
5、シューリテーナ66、シュー67を介して斜板56
に支持されているため、サークリップ68を介して他端
によりシリンダブロック55を弁板58に押圧し、シリ
ンダブロック55が弁板58から離反するのを防止して
いる。
【0007】そして、吐出圧力油が制御弁70を介して
コントロールシリンダ74内に供給されなければ、コン
トロールばね72の付勢力により斜板56はその傾角が
拡大されており、大容量運転を実行する。また、吐出圧
力油が制御弁70を介してコントロールシリンダ74内
に供給されると、作動体73がコントロールばね72の
付勢力に抗して斜板56を押し付け、斜板56はその傾
角が縮小され、ピストン57のストロークが変更されて
吐出容量が縮小される。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来のポ
ンプでは、シリンダブロック55が鉄系合金製であり、
重量が大きく、搭載性に欠けるという欠点があった。ま
た、このポンプでは、重量の大きいシリンダブロック5
5を回転駆動するため、慣性モーメントが大きく、回転
変動の際、動力損失を生じる欠点もあった。
【0009】かといって、軽量化を図るべくシリンダブ
ロック55全体をアルミニウム系合金製とすれば、各ピ
ストン57が斜板56の傾角に応じて圧縮反力を受け、
この圧縮反力が斜板56に沿ってシリンダブロック55
をラジアル方向に押圧する偏荷重Wとして作用するた
め、通常鉄系合金からなる駆動軸53と軸スプライン5
31で嵌合されたシリンダブロック55は、軸スプライ
ン531と嵌合する部分に摩耗を生じてしまう。特に、
シリンダブロック55の軸スプライン531と嵌合する
部分のうち斜板56側の端部は、スプライン嵌合端とし
て最も大きい偏荷重Wが働くため、その摩耗量が大き
い。そして、この摩耗が大きくなれば、スプライン嵌合
部のクリランスが増大するため、シリンダブロック55
が駆動軸53に対して傾斜し、シリンダブロック55、
弁板58間から作動油が漏洩し、体積効率の低下を生じ
てしまう。
【0010】本考案は、シリンダブロックの軽量化を図
りつつ、シリンダブロックの摩耗を防止して体積効率の
維持を図ることを解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)本考案のポンプ
は、上記課題を解決するため、前記シリンダブロックと
して、アルミニウム系合金製のブロック本体と、該ブロ
ック本体と嵌合され、少なくとも前記斜板側の端部で前
記軸スプラインと嵌合して該斜板から受ける偏荷重を支
持する受承部材とからなるものを採用するという新規な
手段を採用している。 (2)また、本考案のポンプは、上記課題を解決するた
め、前記シリンダブロックとして、アルミニウム系合金
製のブロック本体と、該ブロック本体と嵌合され、少な
くとも前記斜板側の端部で前記軸スプラインと嵌合して
該斜板から受ける偏荷重を支持する受承部材とからなる
ものを採用し、該受承部材と前記ピボットとの間には、
該受承部材を介して該ブロック本体を前記エンドカバー
側に付勢するとともに該ピボットを該ブロック本体とは
逆に付勢する圧縮ばねを配設するという新規な手段を採
用している。
【0012】なお、受承部材はシリンダ本体より硬質な
材料で形成することができる。受承部材として、例えば
鋳鉄、炭素鋼等を採用することが好ましい。
【0013】
【作用】本考案のポンプでは、シリンダブロックのブロ
ック本体がアルミニウム系合金製であり、従来のものよ
りもシリンダブロックの軽量化が図られている。そし
て、従来よりも軽量のシリンダブロックを回転駆動すれ
ばよいため、慣性モーメントが小さい。
【0014】また、こうして軽量化を図っても、シリン
ダブロックは少なくとも最も大きい偏荷重が作用する斜
板側の端部において軸スプラインと嵌合する部分に受承
部材をもち、この受承部材が例えば鉄系合金やセラミッ
クからなり、通常鉄系合金からなる駆動軸と当接して斜
板からブロック本体を介して受ける偏荷重を支持するた
め、偏荷重はブロック本体から好適に受承部材に伝達さ
れ、ブロック本体及び受承部材に生じる摩耗が抑制され
る。このため、受承部材とブロック本体とからなるシリ
ンダブロックが駆動軸に対して傾斜しにくく、安定した
体積効率を維持できる。
【0015】受承部材とピボットとの間に圧縮ばねを配
設する場合には、この圧縮ばねが受承部材を介してブロ
ック本体をエンドカバー側に付勢するとともにピボット
をブロック本体とは逆に付勢するため、従来存在した駆
動軸とシリンダブロックとの間の環状空間、圧縮ばね、
スペーサ、サークリップ及びピンを排除することがで
き、駆動軸とシリンダブロックとのスプライン嵌合域を
長くしてより強固にシリンダブロックを駆動軸と嵌合で
きる。なお、このとき、ブロック本体がアルミニウム系
合金製であるため、スプライン嵌合域を長くしても、さ
ほど軽量化に反することにはならない。このため、シリ
ンダブロックが駆動軸に対してより一層偏心又は傾斜し
にくく、より安定した体積効率を維持できる。また、こ
の場合、スペーサ、サークリップ及びピンの削減によ
り、組み付けが容易になり、製品コストの低廉化も図ら
れる。
【0016】
【実施例】以下、本考案を具体化した実施例1〜4を図
面を参照しつつ説明する。 (実施例1) このポンプは、図1に示すように、ケーシング1及びエ
ンドカバー2によって形成される密閉空間3内に軸受5
a、5bを介して鋳鉄製の駆動軸4が支承されており、
駆動軸4の軸スプライン4aにはシリンダブロック6が
軸心に沿って変位可能に嵌合されている。
【0017】このシリンダブロック6は、アルミニウム
系合金としてのAl−Si合金製のブロック本体32
と、鉄系合金としての球状黒鉛鋳鉄製の受承部材31と
からなる。ブロック本体32には駆動軸4の軸心と平行
に複数のボア7が形成されており、このブロック本体3
2には円筒状の受承部材31が圧入されている。受承部
材31は、全内周が軸スプライン4aと対向しており、
図2に示すように、内側には軸スプライン4aと嵌合す
る穴スプライン31aが形成され、外側の円筒面にはピ
ン24を案内する従来と同様のピン孔31bが貫設され
ている。
【0018】また、図1に示すように、ケーシング1に
は、斜板9が図示しない揺動中心を中心として揺動可能
に枢支されている。この斜板9には回転摺動可能にシュ
ー8が係留されており、シュー8にはピストン10が係
留されている。このピストン10はブロック本体32の
各ボア7内を往復動可能に収納されている。ブロック本
体32とエンドカバー2との間にはボア7と連通する吸
入ポート12a及び吐出ポート12bを備えた弁板11
がエンドカバー2に固定されており、この弁板11の吸
入ポート12a及び吐出ポート12bを除く部分がブロ
ック本体32のボア開口端7a、7bを封塞している。
エンドカバー2には上記吸入ポート12a及び吐出ポー
ト12bとそれぞれ連通する吸入口13a及び吐出口1
3bが形成されている。
【0019】駆動軸4とブロック本体32との間の環状
空間14内にはスペーサ15、サークリップ16を介し
て圧縮ばね17が配設されている。スペーサ15は圧縮
ばね17の付勢力によりピン24を介してピボット25
を軸心に沿って押圧し、ピボット25はシュー8を径方
向に摺動可能に係留するシューリテーナ26と揺動可能
に係留されている。サークリップ16は同圧縮ばね17
の付勢力によりブロック本体32をピボット25とは逆
方向へ押圧している。
【0020】また、エンドカバー2におけるピストン1
0の下死点側には、斜板9の一端と当接する付勢ロッド
19がコントロールばねを介して装備されている。他
方、この付勢ロッド19等と駆動軸4に対して対称なエ
ンドカバー2におけるピストン10の上死点側には、コ
ントロールシリンダ20が配設されている。このコント
ロールシリンダ20は斜板9の他端と当接され、制御弁
18を介して吐出圧力油が内部に供給されることにより
進動可能となされている。
【0021】このポンプでは、駆動軸4の回転により軸
スプライン4aと嵌合された受承部材31が伝達トルク
により回転し、受承部材4が圧入されたブロック本体3
2が同時に回転する。そして、前記従来のポンプと同様
に、ブロック本体32のボア7内をピストン10が斜板
9の傾角に応じて往復動することによりボア7に体積変
化を生じさせ、低圧の作動油を体積拡大途上(ピストン
10が上死点から下死点に向かう際)のボア7に吸入す
るとともに、高圧の作動油を体積縮小途上(ピストン1
0が下死点から上死点に向かう際)のボア7から吐出口
13bで吐出する。また、圧縮ばね17は、圧縮反力に
よりシリンダブロック6が弁板11から離反するのを防
止している。
【0022】このとき、このポンプでは、シリンダブロ
ック6がブロック本体32と受承部材31とからなり、
ブロック本体32がAl−Si合金製であるため、従来
のものよりもシリンダブロックの軽量化が図られてい
る。そして、従来よりも軽量のシリンダブロック6を回
転駆動すればよいため、慣性モーメントが小さくされて
いる。
【0023】また、このとき、各ピストン10が斜板9
の傾角に応じて圧縮反力を受け、この圧縮反力が斜板9
に沿ってシュー8、ピストン10を介してシリンダブロ
ック6をラジアル方向に押圧する偏荷重Wとして作用す
る。この偏荷重Wは、シリンダブロック6のブロック本
体32から円筒面を介して球状黒鉛鋳鉄製の受承部材3
1に好適に伝達され、受承部材31は穴スプライン31
aと軸スプライン4aとの嵌合により鋳鉄製の駆動軸4
と好適に当接し、偏荷重Wを支持する。このため、シリ
ンダブロック6の軽量化を図っても、ブロック本体32
に摩耗を生じず、かつ受承部材31にも摩耗を生じな
い。
【0024】したがって、このポンプでは、シリンダブ
ロック6の軽量化から、搭載性の向上及び動力損失の減
少が図られている。また、このポンプと、Al−Si合
金のみからなるシリンダブロックを採用した前記従来の
ポンプとを用い、吐出圧力P=20.6MPa(=21
0kgf/cm2 )、回転数N=1000rpmの条件
で運転時間(Hr)と体積効率ηV(%)との関係を求
めた。結果を図3に示す。
【0025】図3より、従来のポンプでは運転時間によ
り急激に体積効率が下がっているのに対し、実施例のポ
ンプではほとんど体積効率に変化がないことがわかる。
したがって、このポンプでは、シリンダブロック6の摩
耗を防止できるため、シリンダブロック6が駆動軸4に
対して偏心又は傾斜しにくく、斜板9の傾角に応じた圧
縮を確実に行なうことから、安定した体積効率を維持で
きることがわかる。
【0026】なお、このポンプでは、ブロック本体32
と受承部材31との熱膨張係数差、軸スプライン4aと
穴スプライン31aとの嵌合による伝達トルクの大きさ
等から圧入代が決定されている。つまり、ブロック本体
32は受承部材31を圧入可能な肉厚をもっている。 (実施例2) このポンプは、図4に示すように、斜板9側の端部での
み軸スプライン4aと対向する円筒状の受承部材33を
採用し、ブロック本体34にこの受承部材33を圧入し
たものである。ブロック本体34の内側には軸スプライ
ン4aと嵌合する穴スプライン34aが形成されてい
る。受承部材33の内側には軸スプライン4aと嵌合す
る穴スプライン33aが形成されており、外側の円筒面
にはピン24を案内するピン孔33bが貫設されてい
る。つまり、このポンプでは、ブロック本体34と受承
部材33とからなるシリンダブロック6において、軸ス
プライン4aと対向する部分のうち斜板9側の端部が特
に摩耗しやすいため、その部分にのみ受承部材33を設
けている。他の構成は実施例1のものと同一であるため
詳述を省略する。
【0027】このポンプでは、ブロック本体34の穴ス
プライン34aが主に駆動軸4からトルクを伝達され、
受承部材33が主に偏荷重Wを支持している。このた
め、このポンプでは、実施例1の作用及び効果が得ら
れ、より一層ブロック本体34の容積が拡大されている
ことから、一層シリンダブロック6の軽量化が図られて
いる。
【0028】なお、このポンプでは、比較的摩耗しにく
い軸スプライン4aとの嵌合域にブロック本体34が介
在されており、ポンプの使用温度範囲の熱膨張で受承部
材33とブロック本体34との圧入が緩まない程度の圧
入代とされている。このため、このポンプでは、ブロッ
ク本体34の肉厚が確保しやすくされている。また、こ
のポンプでは受承部材33にも穴スプライン33aを形
成したが、この受承部材33は専ら偏荷重Wの支持を行
なうものであるため穴スプライン33aを設けない受承
部材を採用することもできる。 (実施例3) このポンプは、図5に示すように、斜板9側の端部で軸
スプライン4aと対向する円筒状の受承部材35を採用
し、ブロック本体36にこの受承部材35を遊嵌したも
のである。ブロック本体36の内側には軸スプライン4
aと嵌合される穴スプライン36aが形成されている。
受承部材33は、その内側に穴スプラインは形成されて
おらず、その一側面に従来のものより短いピン241が
当接されており、他側面にピボット25が当接されてい
る。他の構成は実施例1のものと同一であるため詳述を
省略する。
【0029】このポンプでは、ブロック本体36の穴ス
プライン36aのみが駆動軸4からトルクを伝達され、
受承部材35は偏荷重Wのみを支持している。このた
め、このポンプでは、実施例2と同様の作用及び効果が
得られ、一層シリンダブロック6の軽量化を図ることが
できるとともに、より一層ブロック本体36の肉厚を確
保しやすくされている。 (実施例4) このポンプは、図6に示すように、斜板9側の端部で軸
スプライン4aと対向し外側がテーパ面とされ炭素鋼で
形成された受承部材37を採用し、ブロック本体38に
この受承部材37を嵌合したものである。ブロック本体
38の内側には従来よりも長い軸スプライン4bと嵌合
する穴スプラインが形成されている。受承部材37は、
その内側に穴スプラインが形成されておらず、ピボット
25との間に板ばねからなる圧縮ばね171が配設され
ている。他の構成は実施例1のものと同一であるため詳
述を省略する。
【0030】このポンプでは、圧縮ばね171が受承部
材37のテーパ面を介してブロック本体38をエンドカ
バー2側に付勢するとともにピボット25をブロック本
体38とは逆に付勢する。このため、圧縮ばね171の
付勢力により受承部材37のテーパ面がブロック本体3
8と密着しやすく、受承部材37とブロック本体38と
が好適に支持される。また、受承部材37とブロック本
体38との熱膨張差によるクリアランス増大も解消され
る。
【0031】また、このポンプでは、図7に示すよう
に、従来存在した駆動軸53とシリンダブロック55と
の間の環状空間60、圧縮ばね63、スペーサ61、サ
ークリップ68及びピン64を排除することができ、図
6に示すように、駆動軸4とシリンダブロック6とのス
プライン嵌合域を長くしているため、より強固にシリン
ダブロック6を駆動軸4と嵌合することができる。な
お、このとき、ブロック本体38がアルミニウム系合金
製であるため、スプライン嵌合域を長くしても、さほど
軽量化に反することにはならない。
【0032】このため、このポンプでは、シリンダブロ
ック6が駆動軸に対してより一層偏心又は傾斜しにく
く、より安定した体積効率を維持できる。また、この場
合、スペーサ61、サークリップ68及びピン64の削
減により、組み付けが容易になり、製品コストの低廉化
も図られる。なお、このポンプでは、受承部材37には
穴スプラインを形成せず、ブロック本体38に穴スプラ
インを形成したが、圧縮ばね171により受承部材37
の外面がブロック本体38と好適に支持されるため、受
承部材37に穴スプラインを形成し、ブロック本体38
に穴スプラインを形成しないことも可能である。
【0033】また、このポンプでは、受承部材37の外
側をブロック本体38と整合するテーパ面としたが、ブ
ロック本体38と整合する球面等であってもよいことは
いうまでもない。
【0034】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案のポンプで
は、シリンダブロックとして、アルミニウム系合金製の
ブロック本体と、このブロック本体と嵌合され、少なく
とも斜板側の端部で軸スプラインと嵌合して斜板から受
ける偏荷重を支持する受承部材とからなるものを採用し
たため、シリンダブロックの軽量化を図りつつ、シリン
ダブロックの摩耗を防止して体積効率の維持を図ること
ができる。
【0035】したがって、このポンプを産業機械、車両
等の油圧回路における駆動源として用いたならば、優れ
た搭載性が得られるとともに、駆動源の動力損失を極力
減少させることができるので、燃費節約、好適走行等の
優れた効果を得ることができる。また、安定した体積効
率を維持できるので、長期信頼性を確保することができ
る。
【0036】本考案のポンプにおいて、受承部材とピボ
ットとの間に圧縮ばねを配設する場合には、従来存在し
た駆動軸とシリンダブロックとの間の環状空間等を排除
することができ、駆動軸とシリンダブロックとのスプラ
イン嵌合域を長くしてより強固にシリンダブロックを駆
動軸と嵌合できる。そして、この場合には、より安定し
た体積効率を維持できるとともに、組み付けが容易にな
り、製品コストの低廉化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポンプの縦断面図である。
【図2】実施例1のポンプの要部拡大断面図である。
【図3】実施例1のポンプと従来のポンプとにおける運
転時間と体積効率との関係を示すグラフである。
【図4】実施例2のポンプの要部拡大断面図である。
【図5】実施例3のポンプの要部拡大断面図である。
【図6】実施例4のポンプの縦断面図である。
【図7】従来のポンプの縦断面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング 2…エンドカバー
3…密閉空間 4…駆動軸 6…シリンダブロック
7…ボア 8…シュー 9…斜板
10…ピストン 11…弁板 17、171…圧縮ばね
24…ピン 25…ピボット 26…シューリテーナ 32、34、36、38…ブロック本体 31、33、
35、37…受承部材W…偏荷重

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング及びエンドカバーによって形成
    される密閉空間内に支承され軸スプラインが形成された
    駆動軸と、該軸スプラインと嵌合されて該駆動軸の軸心
    に沿って該エンドカバー側に変位可能になされ、該軸心
    と平行に複数のボアを有するシリンダブロックと、該ケ
    ーシングに支持された斜板と、該斜板と回転摺動可能に
    係留されたシューを介し、該斜板の傾角に応じて各該ボ
    ア内を往復動する複数のピストンと、該軸心に沿って該
    シリンダブロックとは逆に変位可能になされたピボット
    と、該ピボットと揺動可能に係留されかつ該シューを径
    方向に摺動可能に係留するシューリテーナとを含むアキ
    シャルピストンポンプにおいて、前記シリンダブロック
    は、アルミニウム系合金製のブロック本体と、該ブロッ
    ク本体と嵌合され、少なくとも前記斜板側の端部で前記
    軸スプラインと嵌合して該斜板から受ける偏荷重を支持
    する受承部材とからなることを特徴とするアキシャルピ
    ストンポンプ。
  2. 【請求項2】ケーシング及びエンドカバーによって形成
    される密閉空間内に支承され軸スプラインが形成された
    駆動軸と、該軸スプラインと嵌合されて該駆動軸の軸心
    に沿って該エンドカバー側に変位可能になされ、該軸心
    と平行に複数のボアを有するシリンダブロックと、該ケ
    ーシングに支持された斜板と、該斜板と回転摺動可能に
    係留されたシューを介し、該斜板の傾角に応じて各該ボ
    ア内を往復動する複数のピストンと、該軸心に沿って該
    シリンダブロックとは逆に変位可能になされたピボット
    と、該ピボットと揺動可能に係留されかつ該シューを径
    方向に摺動可能に係留するシューリテーナとを含むアキ
    シャルピストンポンプにおいて、前記シリンダブロック
    は、アルミニウム系合金製のブロック本体と、該ブロッ
    ク本体と嵌合され、少なくとも前記斜板側の端部で前記
    軸スプラインと嵌合して該斜板から受ける偏荷重を支持
    する受承部材とからなり、該受承部材と前記ピボットと
    の間には、該受承部材を介して該ブロック本体を前記エ
    ンドカバー側に付勢するとともに該ピボットを該ブロッ
    ク本体とは逆に付勢する圧縮ばねが配設されていること
    を特徴とするアキシャルピストンポンプ。
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