JP2532982Y2 - 種苗貝取付装置の金属線締付装置 - Google Patents
種苗貝取付装置の金属線締付装置Info
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- JP2532982Y2 JP2532982Y2 JP1991083173U JP8317391U JP2532982Y2 JP 2532982 Y2 JP2532982 Y2 JP 2532982Y2 JP 1991083173 U JP1991083173 U JP 1991083173U JP 8317391 U JP8317391 U JP 8317391U JP 2532982 Y2 JP2532982 Y2 JP 2532982Y2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ホタテ貝等の貝類種苗
を養殖ロープに取付させる養殖種苗の自動取付装置に係
り、特に種苗貝に通した金属糸の締付技術に関する。 【0002】 【従来の技術】養殖価値の高い貝類品種、例えばホタテ
の養殖は、従来例えば図12に示すように養殖ロープ1
に天然採苗のホタテ2を所定間隔で括り付け、該養殖ロ
ープ1を適当な放養区域に設置して成長を待った。そし
て、かかるホタテ2の括り付けは漁師が手作業によって
行うのが一般であり、限られたシーズン期間中により多
くの種苗養殖を行うため、多くの人員を動員して作業を
行う必要がある。この括り付け作業の行程は、ホタテ2
の貝殻に対する孔開け、養殖ロープ1への糸通しによる
括り付け、という2段階の作業からなるが、手作業によ
る作業スピードには限界があり人件費などの作業コスト
が極めて高くなる。 【0003】このため従来より貝類の養殖種苗取付作業
に関し、これを自動化する技術が強く望まれており、か
かる要請に応えて従来より各種の技術が提案されている
が、いずれも漁民等の要請を満足させていない。従来装
置は一般に、使用環境を考慮せずに単純なモータ装置や
集積回路等を使用ため、故障やトラブルが生じ易く、信
頼性、耐久性に問題があった。養殖作業は海浜で行うの
が当然であり、従って取付装置も海風や海水に曝される
ためである。一方、処理スピードは、電気系統を多用す
るにつれて低下した。配線経路やモータ等の部品装置自
体を保護するため装置が複雑化し大型化して、作動時間
を遅らせるからである。手作業以上に処理速度を向上さ
せる技術は、現在のところ、電気ドリル等を用いて種苗
貝殻に小孔を施す技術しか存在しない。 【0004】この取付装置に関する困難性は、単に部分
的な機械機構の改良や装置回路の改良だけでは対応でき
ない問題を含んでいる。例えば、本考案に係る糸の締め
付けでいえば、漁民が天蚕糸(テグス)を用いて括り付
けしたことに鑑み、従来の自動装置では同様にテグスを
用いてロープ1への括り付けを試みた。しかし、テグス
を用いた手作業と同様の括り付けは機械的には困難であ
るから、問題を解決するために太いテグス使用して手作
業類似の括り付けをロボットに行なわせたり、或いは従
来通りのテグスを用い、接着やブリキ溶着等の手段によ
り糸の固定化を図っていたが、これらの技術は以下のよ
うな問題を生じた。 【0005】 【考案が解決しようとする課題】すなわち、ホタテ貝等
の養殖種苗は生きており人為的に付けられた傷を嫌うも
のである。従って、テグスを通すための孔径が大きいと
種苗の成長が悪くなり、期待通りの養殖成績をあげるこ
とが出来ない。ところが、従来装置の一部は、糸の括り
付けを機械的に行わせる必要から、従来から養殖に使用
されたテグス以上に太い糸を使用した。また孔径1mm
程度の小孔に細い糸を通すのは困難が伴うため、出来る
だけ太い糸が使用されたという事情もある。しかしなが
ら、かかる大径の糸を使用したのでは、たとえ作業スピ
ードを早めても収穫量が増加せず、実用に耐えない装置
になる。 【0006】また、漁民が使用するテグスと同径の糸を
使用する場合は、括り付けが出来ないので、従来装置は
接着やブリキ等を用いた金属溶着を行った。しかし生き
た種苗は、接着剤や金属の付着による影響を受けて成長
を遅らせるばかりでなく、特に金属溶着の際に受ける高
温度により、品質が劣化する。 【0007】一方、テグス自体のコストが高いことや、
金属溶着に用いるブリキ片に経費がかかるため、大量の
種苗取付を行うとそれらのコストがかさみ、経済的な面
からの問題も生ずる。 【0008】そこで本考案の目的は、種苗貝の成長に影
響を与えることなく、より低コストで種苗貝の取付けを
実現させる点にある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成してその
課題を達成するため、本考案に係る養殖種苗の取付装置
は、種苗貝に小孔を穿設する穿設手段と、該小孔に金属
線を貫通させる糸通し手段と、貫通させた金属線の供給
側を所定寸法位置で切断するカッタ手段とを備え、該金
属線の両端を把持して所定回数回転したのち当該金属線
の把持を解除するハンド手段を備える。 【0010】 【作用】本考案によれば、種苗貝に穿設した小孔に金属
線を通して、該金属線の供給側を所定寸法で切断し、金
属線の両端をハンド手段が把持して回転する。これによ
って金属線は捻られて閉じ、種苗貝をロープに括り付け
ることが出来る。回転した後、ハンド手段は把持を解除
するので、種苗貝はロープに括り付けられたまま後段処
理、例えばコンベア等による搬送処理に送り出すことが
出来る。 【0011】 【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を
説明する。本考案に係る養殖種苗の取付装置10は、例
えば図4に示すように、床面にテーブルTを設置して、
手前側(図面左側)に種苗貝2を保持して回動する回転
体3を配設し、この回転体3の近傍に例えば45度の間
隔を置いて、順に穿孔装置4、穿設した小孔に金属線を
通す挿糸装置5、本考案に係る締付装置6を設ける一
方、テーブルTの奥部に金属線リール7およびその駆動
装置8を設け、また回転体の駆動タイミングを制御する
フットスイッチ9等を設けて構成する。この取付装置1
0は海水の影響を受けるため、各部構成は可能な限り電
気系統を使用することなく制御スピードに優れたエア駆
動を主体とする。11は各部へのエア送出量を分配制御
するディストリビュータであり、エアポンプやエア冷却
装置等はテーブルTの下側に配設する。 【0012】かかる取付装置10において、種苗貝2
は、回転体3に設けたロープの案内溝22に沿って、手
前側(図左側)から順次45度づつ回動して奥へ送り込
まれ、最上位置において穿孔装置4による穿孔を受けた
後、45度回動して糸を通され、更に45度回動して本
考案に係る締付装置6によって糸締めがなされ、次の4
5度回動によって最下位置に来たとき回転体3による保
持を解除されて、コンベア装置等により収納ケースに搬
送される。 【0013】尚、これら各部装置3,4,5,8等は、
この種の従来装置に見られない新しい構成を採るので、
本案とは別に特許出願(整理番号T−MAR3920
1)、実用新案登録出願(整理番号J−MAR3920
2,J−MAR39203,J−MAR39205)を
行った。本考案は、特に糸(金属線)の締付技術に関す
るものであるが、各部装置3〜8が全体として不可分の
関係にあるため、多くの部分で説明が重複する。そこで
以下の説明は,他の出願において説明した事項は可能な
限り重複記載を避け、説明の簡単を図る。 【0014】この取付装置10は、種苗貝2を確実に保
持して後段装置に搬送する手段が必要になるが、本実施
例では例えばクランプ30を備えた回転体3を採用す
る。回転体3は、図5に示すように、種苗貝を保持し回
動する回転体本体20と、この回転体本体20を回動さ
せる回転軸機構40と、回転体本体20のクランプ30
を進退駆動させる押圧機構50、および固定カム60か
らなり、テーブル2に固定されている固定カム60を除
いて全体が一体的として回動し、養殖種苗を手前から順
に後段装置へ送り込む。 【0015】回転体本体20は、図6に示すように本体
リング21の外周面に沿って養殖ロープ1を挟む案内溝
22を備え、所定間隔でクランプ30を八個近接配置し
てなる。クランプ30は、本体リング21を貫通する進
退ロッド31の先端部に固定され、進退ロッド31は下
端部のスプリング32により進退寸法が一定範囲に抑え
られる。なお、ストッパ先端部部の空隙30aは金属線
の通し孔であり、直下の案内溝22中央部には、糸を案
内するためのスリーブ26を設けてある。一方、押圧機
構50は、固定カム60によって制御する。固定カム6
0の内周面には図 に示すような案内面61を形成し、
この案内面61を図8のような押圧部材51の基底ロー
ラ52が摺動回転して先端ノッカ53の位置を変える。
押圧部材51は、リンク55の内周面に均等間隔で突設
させたホルダアーム56に回動可能に軸着してある。基
底ローラ52が低案内面63にあるとき、ノッカ53は
スプリング32の付勢によってリンク55内側方向に押
し戻され、進退ロッド31は最下降位置にあって、クラ
ンプ30は案内溝22方向に動いてホタテ2を押さえ
る。逆に、基底ローラ52が高案内面62にあるとき、
ノッカ53はスプリング32の付勢力に抗してリンク5
5外側方向に前進し、進退ロッド31は最上昇位置とな
って、クランプ30は案内溝22から逃げ、取付作業の
最初の段階で養殖ロープ1に対してホタテ2を押さえ、
或いは保持していたホタテ2を解除する。 【0016】回転体3を回動させる回転軸機構40のリ
ング端面45には、図9に示すように八個の位置決め穴
46を均等間隔で配設し、回転体3の回動に応じた適当
箇所において該位置決め穴46にピン47を打ち込み、
回転体3の停止位置を確保する。これにより、約0.4
mm前後の高精度位置決め制御を機械的に実現した。
尚、回転軸機構40のリング側面48にラチェット49
を設け、電源の瞬断等による位置ずれを防止する。 【0017】穿孔装置4は、図10に示すように、ドリ
ルモータ14と該ドリルモータ14を昇降駆動させるガ
イド装置70とからなり、ガイド装置70は例えばエア
ピストン72によってガイドレール73を上下動する昇
降ホルダ74を備え、突設したホルダアーム75,76
6によってドリルモータ14の回転軸ケース15を保持
させてなる。ドリルモータ14は、例えば電気モータを
使用し、ドリル80は、図 に示すように、後方に向け
て次第に拡開する先端切刃81と、該切刃に連続するス
トレートシャンク82と、該シャンク82に連続するシ
ャフト部83とからなり、前記シャンク82は先端切刃
81の最大径部よりその径を小さくして先端切刃81の
後端に棚部84を形成してなる。穿設動作時、小径のシ
ャンクによって穿孔内に空隙Qが出来るが、この空隙Q
によって切り屑が棚部84に落下し、ドリル80の高速
回転で孔外へ吹き飛ばされる。従って、孔内に切り屑が
残らず、金属線Fを通す際の糸詰りトラブルを避けるこ
とが出来る。 【0018】挿糸装置5は、金属線Fをガイド5-1に通
しローラ5-2,5-3で案内送出し、小孔に金属線Fを挿
通させ、スリーブ26から金属線先端部F2を外側に案
内送出させる。また、金属線Fの挿通と略同時にカッタ
装置がエアピストンにより衝撃的に前進して金属線Fを
所定寸法位置で切断する。カッタ装置は、機構的には単
純であり周知の技術であるから図示はしないが挿糸装置
5の側部位置に配設し、高速進退運動をさせることによ
り所定寸法で金属線を切断する。本考案に係る締付装置
6は、このようにして挿通切断した金属線Fを捻って
(回転させて)締め付けるための装置である。 【0019】図1に示すように、この締付装置6は、所
定寸法位置で切断された金属線Fの他端を引き起こして
金属線Fの両端を整列させるアレンジャ90と、整えた
金属線F両端を把持して回転するスピンドルハンド10
0とを備えて構成される。 【0020】アレンジャ90は、糸上げピストン91と
糸寄せピストン92とからなり、糸上げピストン91は
先端にプレート93を設け、この長方形状のプレート9
3中央部に縦長の孔部94を成形してなり、これをエア
によって高速進退動させ、スリーブ26から外側に飛び
出した金属線Fの先端部F2を孔部94に引っかけ、後
退時に該先端部F2を引き起こす。つまり、この糸上げ
ピストン92は、金属線挿通時に高速伸展して予めスリ
ーブ26の出口で待機しており、糸の先端F2が孔部9
4を挿通すると略同時に糸を引き上げる。糸上げピスト
ン91が引き上げられ、金属線先端部F2が孔部94か
ら離れると、金属線Fは少しだけ横倒しの状態になって
姿勢を崩すので、糸寄せピストン92が瞬時に前進動し
て姿勢を立ち上げさせる。これにより金属線先端部F2
は切断側端部F1と略並行になるよう端部姿勢を揃えら
れる。金属線Fを使用する結果、孔部94による引き起
こし動作だけで先端部F2の方向姿勢は容易に変えるこ
とが出来、また先端部F2はもとの姿勢位置に戻ること
なく、引き起こされた姿勢状態を維持する。尚、孔部9
4を縦長に形成するのは、プレート93前進時に金属線
先端部F2を容易に孔部94に案内するためである。 【0021】一方、スピンドルハンド100は、揃えら
れた金属線両端部F1,F2を把持するハンド110と、
該ハンドを回転させる回転駆動部120と、該ハンドを
進退動させるエアピストン130とからなる。 【0022】図2に示すようにハンド110は、左右二
つのチャック111,112と、該チャックを開閉駆動
する二股の開閉アーム114とからなる。該開閉アーム
114の後部は、駆動軸124によって進退動するホル
ダ122の縦軸123に回動自在に軸着させてなり、開
閉アーム114前部は、それぞれチャック111,11
2の後端中央位置に軸着されて一種のリンク構成をな
し、ホルダ122前進時にチャック先端を閉動させ、ホ
ルダ122後退時にチャック先端を開動させるようにな
っている。ホルダ122に固定される駆動軸124は、
回転駆動部120を構成する部材であって、その後端は
ベアリング125を介してエアピストン130の進退軸
131に接続し、該進退軸131の進退動に応じてホル
ダ122を前進/後退駆動する。ベアリング125を介
して接続させるため、エアピストン130の進退軸13
1は駆動軸124に従動せず、回転しない。 【0023】チャック111,112は、線径0.4m
m程度の金属線Fを連続把持するものであるから、その
先端部が僅かでも欠けたり摩耗して隙間が生ずると、金
属線Fを確実に掴むことが出来ない。そこで、このチャ
ック111,112は、例えばチタン、モリブデン等か
らなる超硬合金を用い、先端部の耐久性を極限まで高め
る。またチャック111,112の先端部は、両端を揃
えた金属線Fを確実に案内できるよう、ガイド傾斜面J
1,J2を形成してある。ガイド開口部を広くするためで
ある。 【0024】チャック111,112の下面115は平
滑に成形してある。これは、チャック間の下部に凹部が
あると金属線Fが入り込んでチャックによる把持が出来
なくなるからである。但し、先端にホルダ122を固定
した駆動軸124を後方に向けて挿入させる必要がある
ため、チャック111,112を固定する回転フランジ
116の上面中央部に溝117を形成し、該溝117を
通して後方へ駆動軸124を挿入し、挿着後、その溝に
カバープラグ118を嵌着させてネジ119固定し、平
滑面を形成する。 【0025】開動駆動部120は、エアロータ126
と、該エアロータ主軸127の回転を加速伝達する複数
の平歯車128と、端末の平歯車128-3に固定させた
前記駆動軸124とからなり、エアロータ126の作動
によって駆動軸124が所定の回転動作を行う。またエ
アロータ126の後部には、図3に示すようにエアロー
タ主軸127に連動させた可動レバー129を設け、該
可動レバー129が原位置(0度位置)から270度回
動したときに固定スイッチ140,141を押圧するよ
うになっている。この固定スイッチ140,141は、
いわゆる二段スイッチの構成になっており、可動レバー
129が一段目のスイッチ140をONさせるとディス
トリビュータ11が作動してエアピストン130に対す
るエアの供給経路を切り換え、エアピストン130を後
退させる。略同時(一瞬後)に二段目のスイッチ141
がONするが、これによりディストリビュータ11が作
動してエアロータ130へのエア供給経路を切り換え、
エアロータ主軸127を逆回転させる。 【0026】この取付装置10は、次のように作動す
る。まず、作業開始に際してはエアポンプおよびディス
トリビュータ11をONし、装置を起動させるが、この
とき、回転体3の各クランプ30は、作業スタッフから
みて手前側のものが案内溝22から逃げた状態(開状
態)にあり、最上位置から向こう奥は案内溝22にかぶ
さった状態(閉状態)にある。機構的にいえば、固定カ
ム60は図7(b)のような状態にあり、手前側の基底
ローラ52は低案内面63に位置する結果、クランプ3
0はスプリング32によって押し下げられた状態にあ
り、案内溝22を開けて種苗をセットさせ易い状態にな
っている。ここで作業スタッフは、手前側のクランプ3
0に近い案内溝22の上へ種苗をセットする。以下、こ
のクランプ30の機構に着目する。 【0027】作業スタッフがフットスイッチ9を踏む
と、固定カム60がエアピストン等により若干動いて基
底ローラ52を低案内面63に位置させ、その位置でク
ランプ30が下降し種苗を押さえると同時に、回転体3
は45度回動して種苗貝2を最上部位置へ移動させる。
尚、ホタテ2の大小による高さのばらつきは、スプリン
グ32の付勢力によって吸収される。従って、種苗貝2
を二枚並べてもクランプ30は段差を吸収して種苗を確
実に保持する。 【0028】次にフットスイッチ9をONすると穿孔装
置4が下降し、種苗貝2に小孔を穿設する。勿論フット
スイッチON前に、作業スタッフは次の後続クランプ3
0に対して種苗をセットしている。尚、穿孔装置4は下
降動作の大半を応答速度に優れたエア駆動とし、種苗2
に接近した直前地点で油圧による減速を働かせることに
より、穿孔動作のスピードアップと穿孔動作の確実性能
を同時に満足させることが出来る。 【0029】次にフットスイッチ9を踏むと、穿孔を終
えた種苗は更に45度回動して、次の挿糸処理に移され
る。糸は、針金等の金属線を用いる。手作業では天蚕糸
(テグス)を用いたが、機械の場合は糸を結び止めるこ
とが難しく、従って、従来の装置では手作業以上に太い
テグスを用い、端部を金属溶着や加熱貼着により固着し
ていた。しかし、ブリキやテグス自体のコストが高く、
大量の種苗単位でみると経費がかさみすぎるし、加熱溶
着は種苗の成長を妨げる。一方、針金はコストが安く、
また機械装置による挿糸処理も可能であり、本案装置に
よって金属線Fの締付処理も可能であることが確認され
た。挿糸装置5は、金属線Fをガイド5-1に通しローラ
5-2,5-3で案内送出し、小孔に金属線Fを挿通させ、
スリーブ26から金属線先端部F2を外側に案内送出さ
せる。金属線Fの挿通と略同時にカッタ装置Cがエアピ
ストンにより衝撃的に前進して金属線Fを所定寸法位置
で切断する。これと同時にアレンジャ90が高速前進
し、プレート91中央の孔部92に金属線先端部F2を
引っかけ、後退時に該先端部F2を引き起こす。 【0030】次にフットスイッチ9をONすると、回転
体3は更に45度奥へ回動し、締付装置6によって金属
線Fの括くり付けを行う。すなわち,ディストリビュー
タ11のコマンドによりエアピストン130が進退軸1
31および駆動軸121を前進させ、開閉アーム114
を押しつけてチャック111,112を閉動させる。こ
れによりスピンドルハンド100が金属線両端部F1,
F2を把持し、この把持動作の一瞬後、ディストリビュ
ータ11からの再コマンドによりエアロータ126が作
動し、平歯車128を介して駆動軸121を例えば3回
転半回転し、スピンドルハンド100によって金属線両
端部F1,F2を捻る。これにより種苗は締付けられ、容
易にロープ1から外れないようになる。尚、スピンドル
ハンド100による回転数は、解除作業時の容易性を考
慮したもので、約0.4mmの金属線Fを使用する場合
は、海中養殖時に解け難く、海浜収穫時に解き易いとい
う条件を満足させる回数、つまり3回転半という数字が
本出願人の繰り返し実験で得られた。勿論、かかる作業
性を無視すれば、回転数は特に限定されない。スピンド
ルハンド100が約270度回転すると可動レバー12
9がスイッチ140,141を押圧するので、エアピス
トン130が後退してスピンドルハンド100が金属線
Fの把持を解除し、一瞬後、エアロータ126が作動し
てスピンドルハンド100を逆回転させ可動レバー12
9を原点位置に復帰させる。 【0031】かかる処理によって種苗取付が終了する
が、後続して種苗が送り込まれてくるので、この状態で
ホタテ2は解除されない。フットスイッチ9が踏まれ、
回転体3の最下端位置に達したとき、種苗2はクランプ
30による保持状態から解除され、養殖ロープ1ととも
に下方へ垂れ下がり、コンベア等によって収納ケースへ
送られる。この解除動作で、本装置における処理がすべ
て終了する。 【0032】 【考案の効果】以上説明したように本考案に係る種苗貝
の取付装置によれば、種苗貝に穿設した小孔に金属線を
貫通させ、ハンドにより金属線両端を捻って締め付ける
ことが出来るので、種苗貝の成長に影響を与えることな
く、より低コストで種苗貝の取付けを実現できる。
を養殖ロープに取付させる養殖種苗の自動取付装置に係
り、特に種苗貝に通した金属糸の締付技術に関する。 【0002】 【従来の技術】養殖価値の高い貝類品種、例えばホタテ
の養殖は、従来例えば図12に示すように養殖ロープ1
に天然採苗のホタテ2を所定間隔で括り付け、該養殖ロ
ープ1を適当な放養区域に設置して成長を待った。そし
て、かかるホタテ2の括り付けは漁師が手作業によって
行うのが一般であり、限られたシーズン期間中により多
くの種苗養殖を行うため、多くの人員を動員して作業を
行う必要がある。この括り付け作業の行程は、ホタテ2
の貝殻に対する孔開け、養殖ロープ1への糸通しによる
括り付け、という2段階の作業からなるが、手作業によ
る作業スピードには限界があり人件費などの作業コスト
が極めて高くなる。 【0003】このため従来より貝類の養殖種苗取付作業
に関し、これを自動化する技術が強く望まれており、か
かる要請に応えて従来より各種の技術が提案されている
が、いずれも漁民等の要請を満足させていない。従来装
置は一般に、使用環境を考慮せずに単純なモータ装置や
集積回路等を使用ため、故障やトラブルが生じ易く、信
頼性、耐久性に問題があった。養殖作業は海浜で行うの
が当然であり、従って取付装置も海風や海水に曝される
ためである。一方、処理スピードは、電気系統を多用す
るにつれて低下した。配線経路やモータ等の部品装置自
体を保護するため装置が複雑化し大型化して、作動時間
を遅らせるからである。手作業以上に処理速度を向上さ
せる技術は、現在のところ、電気ドリル等を用いて種苗
貝殻に小孔を施す技術しか存在しない。 【0004】この取付装置に関する困難性は、単に部分
的な機械機構の改良や装置回路の改良だけでは対応でき
ない問題を含んでいる。例えば、本考案に係る糸の締め
付けでいえば、漁民が天蚕糸(テグス)を用いて括り付
けしたことに鑑み、従来の自動装置では同様にテグスを
用いてロープ1への括り付けを試みた。しかし、テグス
を用いた手作業と同様の括り付けは機械的には困難であ
るから、問題を解決するために太いテグス使用して手作
業類似の括り付けをロボットに行なわせたり、或いは従
来通りのテグスを用い、接着やブリキ溶着等の手段によ
り糸の固定化を図っていたが、これらの技術は以下のよ
うな問題を生じた。 【0005】 【考案が解決しようとする課題】すなわち、ホタテ貝等
の養殖種苗は生きており人為的に付けられた傷を嫌うも
のである。従って、テグスを通すための孔径が大きいと
種苗の成長が悪くなり、期待通りの養殖成績をあげるこ
とが出来ない。ところが、従来装置の一部は、糸の括り
付けを機械的に行わせる必要から、従来から養殖に使用
されたテグス以上に太い糸を使用した。また孔径1mm
程度の小孔に細い糸を通すのは困難が伴うため、出来る
だけ太い糸が使用されたという事情もある。しかしなが
ら、かかる大径の糸を使用したのでは、たとえ作業スピ
ードを早めても収穫量が増加せず、実用に耐えない装置
になる。 【0006】また、漁民が使用するテグスと同径の糸を
使用する場合は、括り付けが出来ないので、従来装置は
接着やブリキ等を用いた金属溶着を行った。しかし生き
た種苗は、接着剤や金属の付着による影響を受けて成長
を遅らせるばかりでなく、特に金属溶着の際に受ける高
温度により、品質が劣化する。 【0007】一方、テグス自体のコストが高いことや、
金属溶着に用いるブリキ片に経費がかかるため、大量の
種苗取付を行うとそれらのコストがかさみ、経済的な面
からの問題も生ずる。 【0008】そこで本考案の目的は、種苗貝の成長に影
響を与えることなく、より低コストで種苗貝の取付けを
実現させる点にある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成してその
課題を達成するため、本考案に係る養殖種苗の取付装置
は、種苗貝に小孔を穿設する穿設手段と、該小孔に金属
線を貫通させる糸通し手段と、貫通させた金属線の供給
側を所定寸法位置で切断するカッタ手段とを備え、該金
属線の両端を把持して所定回数回転したのち当該金属線
の把持を解除するハンド手段を備える。 【0010】 【作用】本考案によれば、種苗貝に穿設した小孔に金属
線を通して、該金属線の供給側を所定寸法で切断し、金
属線の両端をハンド手段が把持して回転する。これによ
って金属線は捻られて閉じ、種苗貝をロープに括り付け
ることが出来る。回転した後、ハンド手段は把持を解除
するので、種苗貝はロープに括り付けられたまま後段処
理、例えばコンベア等による搬送処理に送り出すことが
出来る。 【0011】 【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を
説明する。本考案に係る養殖種苗の取付装置10は、例
えば図4に示すように、床面にテーブルTを設置して、
手前側(図面左側)に種苗貝2を保持して回動する回転
体3を配設し、この回転体3の近傍に例えば45度の間
隔を置いて、順に穿孔装置4、穿設した小孔に金属線を
通す挿糸装置5、本考案に係る締付装置6を設ける一
方、テーブルTの奥部に金属線リール7およびその駆動
装置8を設け、また回転体の駆動タイミングを制御する
フットスイッチ9等を設けて構成する。この取付装置1
0は海水の影響を受けるため、各部構成は可能な限り電
気系統を使用することなく制御スピードに優れたエア駆
動を主体とする。11は各部へのエア送出量を分配制御
するディストリビュータであり、エアポンプやエア冷却
装置等はテーブルTの下側に配設する。 【0012】かかる取付装置10において、種苗貝2
は、回転体3に設けたロープの案内溝22に沿って、手
前側(図左側)から順次45度づつ回動して奥へ送り込
まれ、最上位置において穿孔装置4による穿孔を受けた
後、45度回動して糸を通され、更に45度回動して本
考案に係る締付装置6によって糸締めがなされ、次の4
5度回動によって最下位置に来たとき回転体3による保
持を解除されて、コンベア装置等により収納ケースに搬
送される。 【0013】尚、これら各部装置3,4,5,8等は、
この種の従来装置に見られない新しい構成を採るので、
本案とは別に特許出願(整理番号T−MAR3920
1)、実用新案登録出願(整理番号J−MAR3920
2,J−MAR39203,J−MAR39205)を
行った。本考案は、特に糸(金属線)の締付技術に関す
るものであるが、各部装置3〜8が全体として不可分の
関係にあるため、多くの部分で説明が重複する。そこで
以下の説明は,他の出願において説明した事項は可能な
限り重複記載を避け、説明の簡単を図る。 【0014】この取付装置10は、種苗貝2を確実に保
持して後段装置に搬送する手段が必要になるが、本実施
例では例えばクランプ30を備えた回転体3を採用す
る。回転体3は、図5に示すように、種苗貝を保持し回
動する回転体本体20と、この回転体本体20を回動さ
せる回転軸機構40と、回転体本体20のクランプ30
を進退駆動させる押圧機構50、および固定カム60か
らなり、テーブル2に固定されている固定カム60を除
いて全体が一体的として回動し、養殖種苗を手前から順
に後段装置へ送り込む。 【0015】回転体本体20は、図6に示すように本体
リング21の外周面に沿って養殖ロープ1を挟む案内溝
22を備え、所定間隔でクランプ30を八個近接配置し
てなる。クランプ30は、本体リング21を貫通する進
退ロッド31の先端部に固定され、進退ロッド31は下
端部のスプリング32により進退寸法が一定範囲に抑え
られる。なお、ストッパ先端部部の空隙30aは金属線
の通し孔であり、直下の案内溝22中央部には、糸を案
内するためのスリーブ26を設けてある。一方、押圧機
構50は、固定カム60によって制御する。固定カム6
0の内周面には図 に示すような案内面61を形成し、
この案内面61を図8のような押圧部材51の基底ロー
ラ52が摺動回転して先端ノッカ53の位置を変える。
押圧部材51は、リンク55の内周面に均等間隔で突設
させたホルダアーム56に回動可能に軸着してある。基
底ローラ52が低案内面63にあるとき、ノッカ53は
スプリング32の付勢によってリンク55内側方向に押
し戻され、進退ロッド31は最下降位置にあって、クラ
ンプ30は案内溝22方向に動いてホタテ2を押さえ
る。逆に、基底ローラ52が高案内面62にあるとき、
ノッカ53はスプリング32の付勢力に抗してリンク5
5外側方向に前進し、進退ロッド31は最上昇位置とな
って、クランプ30は案内溝22から逃げ、取付作業の
最初の段階で養殖ロープ1に対してホタテ2を押さえ、
或いは保持していたホタテ2を解除する。 【0016】回転体3を回動させる回転軸機構40のリ
ング端面45には、図9に示すように八個の位置決め穴
46を均等間隔で配設し、回転体3の回動に応じた適当
箇所において該位置決め穴46にピン47を打ち込み、
回転体3の停止位置を確保する。これにより、約0.4
mm前後の高精度位置決め制御を機械的に実現した。
尚、回転軸機構40のリング側面48にラチェット49
を設け、電源の瞬断等による位置ずれを防止する。 【0017】穿孔装置4は、図10に示すように、ドリ
ルモータ14と該ドリルモータ14を昇降駆動させるガ
イド装置70とからなり、ガイド装置70は例えばエア
ピストン72によってガイドレール73を上下動する昇
降ホルダ74を備え、突設したホルダアーム75,76
6によってドリルモータ14の回転軸ケース15を保持
させてなる。ドリルモータ14は、例えば電気モータを
使用し、ドリル80は、図 に示すように、後方に向け
て次第に拡開する先端切刃81と、該切刃に連続するス
トレートシャンク82と、該シャンク82に連続するシ
ャフト部83とからなり、前記シャンク82は先端切刃
81の最大径部よりその径を小さくして先端切刃81の
後端に棚部84を形成してなる。穿設動作時、小径のシ
ャンクによって穿孔内に空隙Qが出来るが、この空隙Q
によって切り屑が棚部84に落下し、ドリル80の高速
回転で孔外へ吹き飛ばされる。従って、孔内に切り屑が
残らず、金属線Fを通す際の糸詰りトラブルを避けるこ
とが出来る。 【0018】挿糸装置5は、金属線Fをガイド5-1に通
しローラ5-2,5-3で案内送出し、小孔に金属線Fを挿
通させ、スリーブ26から金属線先端部F2を外側に案
内送出させる。また、金属線Fの挿通と略同時にカッタ
装置がエアピストンにより衝撃的に前進して金属線Fを
所定寸法位置で切断する。カッタ装置は、機構的には単
純であり周知の技術であるから図示はしないが挿糸装置
5の側部位置に配設し、高速進退運動をさせることによ
り所定寸法で金属線を切断する。本考案に係る締付装置
6は、このようにして挿通切断した金属線Fを捻って
(回転させて)締め付けるための装置である。 【0019】図1に示すように、この締付装置6は、所
定寸法位置で切断された金属線Fの他端を引き起こして
金属線Fの両端を整列させるアレンジャ90と、整えた
金属線F両端を把持して回転するスピンドルハンド10
0とを備えて構成される。 【0020】アレンジャ90は、糸上げピストン91と
糸寄せピストン92とからなり、糸上げピストン91は
先端にプレート93を設け、この長方形状のプレート9
3中央部に縦長の孔部94を成形してなり、これをエア
によって高速進退動させ、スリーブ26から外側に飛び
出した金属線Fの先端部F2を孔部94に引っかけ、後
退時に該先端部F2を引き起こす。つまり、この糸上げ
ピストン92は、金属線挿通時に高速伸展して予めスリ
ーブ26の出口で待機しており、糸の先端F2が孔部9
4を挿通すると略同時に糸を引き上げる。糸上げピスト
ン91が引き上げられ、金属線先端部F2が孔部94か
ら離れると、金属線Fは少しだけ横倒しの状態になって
姿勢を崩すので、糸寄せピストン92が瞬時に前進動し
て姿勢を立ち上げさせる。これにより金属線先端部F2
は切断側端部F1と略並行になるよう端部姿勢を揃えら
れる。金属線Fを使用する結果、孔部94による引き起
こし動作だけで先端部F2の方向姿勢は容易に変えるこ
とが出来、また先端部F2はもとの姿勢位置に戻ること
なく、引き起こされた姿勢状態を維持する。尚、孔部9
4を縦長に形成するのは、プレート93前進時に金属線
先端部F2を容易に孔部94に案内するためである。 【0021】一方、スピンドルハンド100は、揃えら
れた金属線両端部F1,F2を把持するハンド110と、
該ハンドを回転させる回転駆動部120と、該ハンドを
進退動させるエアピストン130とからなる。 【0022】図2に示すようにハンド110は、左右二
つのチャック111,112と、該チャックを開閉駆動
する二股の開閉アーム114とからなる。該開閉アーム
114の後部は、駆動軸124によって進退動するホル
ダ122の縦軸123に回動自在に軸着させてなり、開
閉アーム114前部は、それぞれチャック111,11
2の後端中央位置に軸着されて一種のリンク構成をな
し、ホルダ122前進時にチャック先端を閉動させ、ホ
ルダ122後退時にチャック先端を開動させるようにな
っている。ホルダ122に固定される駆動軸124は、
回転駆動部120を構成する部材であって、その後端は
ベアリング125を介してエアピストン130の進退軸
131に接続し、該進退軸131の進退動に応じてホル
ダ122を前進/後退駆動する。ベアリング125を介
して接続させるため、エアピストン130の進退軸13
1は駆動軸124に従動せず、回転しない。 【0023】チャック111,112は、線径0.4m
m程度の金属線Fを連続把持するものであるから、その
先端部が僅かでも欠けたり摩耗して隙間が生ずると、金
属線Fを確実に掴むことが出来ない。そこで、このチャ
ック111,112は、例えばチタン、モリブデン等か
らなる超硬合金を用い、先端部の耐久性を極限まで高め
る。またチャック111,112の先端部は、両端を揃
えた金属線Fを確実に案内できるよう、ガイド傾斜面J
1,J2を形成してある。ガイド開口部を広くするためで
ある。 【0024】チャック111,112の下面115は平
滑に成形してある。これは、チャック間の下部に凹部が
あると金属線Fが入り込んでチャックによる把持が出来
なくなるからである。但し、先端にホルダ122を固定
した駆動軸124を後方に向けて挿入させる必要がある
ため、チャック111,112を固定する回転フランジ
116の上面中央部に溝117を形成し、該溝117を
通して後方へ駆動軸124を挿入し、挿着後、その溝に
カバープラグ118を嵌着させてネジ119固定し、平
滑面を形成する。 【0025】開動駆動部120は、エアロータ126
と、該エアロータ主軸127の回転を加速伝達する複数
の平歯車128と、端末の平歯車128-3に固定させた
前記駆動軸124とからなり、エアロータ126の作動
によって駆動軸124が所定の回転動作を行う。またエ
アロータ126の後部には、図3に示すようにエアロー
タ主軸127に連動させた可動レバー129を設け、該
可動レバー129が原位置(0度位置)から270度回
動したときに固定スイッチ140,141を押圧するよ
うになっている。この固定スイッチ140,141は、
いわゆる二段スイッチの構成になっており、可動レバー
129が一段目のスイッチ140をONさせるとディス
トリビュータ11が作動してエアピストン130に対す
るエアの供給経路を切り換え、エアピストン130を後
退させる。略同時(一瞬後)に二段目のスイッチ141
がONするが、これによりディストリビュータ11が作
動してエアロータ130へのエア供給経路を切り換え、
エアロータ主軸127を逆回転させる。 【0026】この取付装置10は、次のように作動す
る。まず、作業開始に際してはエアポンプおよびディス
トリビュータ11をONし、装置を起動させるが、この
とき、回転体3の各クランプ30は、作業スタッフから
みて手前側のものが案内溝22から逃げた状態(開状
態)にあり、最上位置から向こう奥は案内溝22にかぶ
さった状態(閉状態)にある。機構的にいえば、固定カ
ム60は図7(b)のような状態にあり、手前側の基底
ローラ52は低案内面63に位置する結果、クランプ3
0はスプリング32によって押し下げられた状態にあ
り、案内溝22を開けて種苗をセットさせ易い状態にな
っている。ここで作業スタッフは、手前側のクランプ3
0に近い案内溝22の上へ種苗をセットする。以下、こ
のクランプ30の機構に着目する。 【0027】作業スタッフがフットスイッチ9を踏む
と、固定カム60がエアピストン等により若干動いて基
底ローラ52を低案内面63に位置させ、その位置でク
ランプ30が下降し種苗を押さえると同時に、回転体3
は45度回動して種苗貝2を最上部位置へ移動させる。
尚、ホタテ2の大小による高さのばらつきは、スプリン
グ32の付勢力によって吸収される。従って、種苗貝2
を二枚並べてもクランプ30は段差を吸収して種苗を確
実に保持する。 【0028】次にフットスイッチ9をONすると穿孔装
置4が下降し、種苗貝2に小孔を穿設する。勿論フット
スイッチON前に、作業スタッフは次の後続クランプ3
0に対して種苗をセットしている。尚、穿孔装置4は下
降動作の大半を応答速度に優れたエア駆動とし、種苗2
に接近した直前地点で油圧による減速を働かせることに
より、穿孔動作のスピードアップと穿孔動作の確実性能
を同時に満足させることが出来る。 【0029】次にフットスイッチ9を踏むと、穿孔を終
えた種苗は更に45度回動して、次の挿糸処理に移され
る。糸は、針金等の金属線を用いる。手作業では天蚕糸
(テグス)を用いたが、機械の場合は糸を結び止めるこ
とが難しく、従って、従来の装置では手作業以上に太い
テグスを用い、端部を金属溶着や加熱貼着により固着し
ていた。しかし、ブリキやテグス自体のコストが高く、
大量の種苗単位でみると経費がかさみすぎるし、加熱溶
着は種苗の成長を妨げる。一方、針金はコストが安く、
また機械装置による挿糸処理も可能であり、本案装置に
よって金属線Fの締付処理も可能であることが確認され
た。挿糸装置5は、金属線Fをガイド5-1に通しローラ
5-2,5-3で案内送出し、小孔に金属線Fを挿通させ、
スリーブ26から金属線先端部F2を外側に案内送出さ
せる。金属線Fの挿通と略同時にカッタ装置Cがエアピ
ストンにより衝撃的に前進して金属線Fを所定寸法位置
で切断する。これと同時にアレンジャ90が高速前進
し、プレート91中央の孔部92に金属線先端部F2を
引っかけ、後退時に該先端部F2を引き起こす。 【0030】次にフットスイッチ9をONすると、回転
体3は更に45度奥へ回動し、締付装置6によって金属
線Fの括くり付けを行う。すなわち,ディストリビュー
タ11のコマンドによりエアピストン130が進退軸1
31および駆動軸121を前進させ、開閉アーム114
を押しつけてチャック111,112を閉動させる。こ
れによりスピンドルハンド100が金属線両端部F1,
F2を把持し、この把持動作の一瞬後、ディストリビュ
ータ11からの再コマンドによりエアロータ126が作
動し、平歯車128を介して駆動軸121を例えば3回
転半回転し、スピンドルハンド100によって金属線両
端部F1,F2を捻る。これにより種苗は締付けられ、容
易にロープ1から外れないようになる。尚、スピンドル
ハンド100による回転数は、解除作業時の容易性を考
慮したもので、約0.4mmの金属線Fを使用する場合
は、海中養殖時に解け難く、海浜収穫時に解き易いとい
う条件を満足させる回数、つまり3回転半という数字が
本出願人の繰り返し実験で得られた。勿論、かかる作業
性を無視すれば、回転数は特に限定されない。スピンド
ルハンド100が約270度回転すると可動レバー12
9がスイッチ140,141を押圧するので、エアピス
トン130が後退してスピンドルハンド100が金属線
Fの把持を解除し、一瞬後、エアロータ126が作動し
てスピンドルハンド100を逆回転させ可動レバー12
9を原点位置に復帰させる。 【0031】かかる処理によって種苗取付が終了する
が、後続して種苗が送り込まれてくるので、この状態で
ホタテ2は解除されない。フットスイッチ9が踏まれ、
回転体3の最下端位置に達したとき、種苗2はクランプ
30による保持状態から解除され、養殖ロープ1ととも
に下方へ垂れ下がり、コンベア等によって収納ケースへ
送られる。この解除動作で、本装置における処理がすべ
て終了する。 【0032】 【考案の効果】以上説明したように本考案に係る種苗貝
の取付装置によれば、種苗貝に穿設した小孔に金属線を
貫通させ、ハンドにより金属線両端を捻って締め付ける
ことが出来るので、種苗貝の成長に影響を与えることな
く、より低コストで種苗貝の取付けを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る取付装置の一例を示す斜視図であ
る。 【図2】本考案に係るスピンドルハンドの一例を示す斜
視図である。 【図3】本考案に係る取付装置のスイッチ部を示す斜視
図である。 【図4】本考案に係る種苗貝取付装置の全体構成例を示
す図である。 【図5】本考案に係る取付装置の回転体例を示す斜視図
である。 【図6】(a)本考案に係る取付装置の回転体本体の一
例を示す斜視図である。 (b)この回転体本体の作動を示すための部分拡大透視
図である。 (c)この回転体本体の作動を示すための部分拡大斜視
図である。 (d)この回転体本体動を別角度から示す部分拡大斜視
図である。 【図7】本考案に係る取付装置の固定カム例を示す図で
ある。 【図8】(a)本考案に係る取付装置の押圧機構例を示
す斜視図である。 (b)この押圧機構の具体的構成を例示する部分拡大斜
視図である。 【図9】本考案に係る取付装置の位置決め機構例を示す
斜視図である。 【図10】本考案に係る穿孔装置の一例を示す斜視図で
ある。 【図11】本考案に係るドリルの一例を示す図である。 【図12】手作業による種苗貝の取付例を示す図であ
る。 【符号の説明】 3 回転体 4 穿孔装置 5 挿糸装置 6 締付装置 20 回転体本体 30 クランプ 40 回転軸機構 50 押圧機構 60 固定カム 80 ドリル 81 先端切刃 82 シャンク 84 肩部 90 アレンジャ 91 糸上げピストン 92 糸寄せピストン 100 スピンドルハンド 110 ハンド 114 開閉アーム 120 回転駆動部 124 駆動軸 130 エアピストン
る。 【図2】本考案に係るスピンドルハンドの一例を示す斜
視図である。 【図3】本考案に係る取付装置のスイッチ部を示す斜視
図である。 【図4】本考案に係る種苗貝取付装置の全体構成例を示
す図である。 【図5】本考案に係る取付装置の回転体例を示す斜視図
である。 【図6】(a)本考案に係る取付装置の回転体本体の一
例を示す斜視図である。 (b)この回転体本体の作動を示すための部分拡大透視
図である。 (c)この回転体本体の作動を示すための部分拡大斜視
図である。 (d)この回転体本体動を別角度から示す部分拡大斜視
図である。 【図7】本考案に係る取付装置の固定カム例を示す図で
ある。 【図8】(a)本考案に係る取付装置の押圧機構例を示
す斜視図である。 (b)この押圧機構の具体的構成を例示する部分拡大斜
視図である。 【図9】本考案に係る取付装置の位置決め機構例を示す
斜視図である。 【図10】本考案に係る穿孔装置の一例を示す斜視図で
ある。 【図11】本考案に係るドリルの一例を示す図である。 【図12】手作業による種苗貝の取付例を示す図であ
る。 【符号の説明】 3 回転体 4 穿孔装置 5 挿糸装置 6 締付装置 20 回転体本体 30 クランプ 40 回転軸機構 50 押圧機構 60 固定カム 80 ドリル 81 先端切刃 82 シャンク 84 肩部 90 アレンジャ 91 糸上げピストン 92 糸寄せピストン 100 スピンドルハンド 110 ハンド 114 開閉アーム 120 回転駆動部 124 駆動軸 130 エアピストン
Claims (1)
- (57)【実用新案登録請求の範囲】 種苗貝に小孔を穿設する穿設手段と、該小孔に金属線を
貫通させる糸通し手段と、貫通させた金属線の供給側を
所定寸法位置で切断するカッタ手段とを備える装置であ
って、該金属線の両端を把持して所定回数回転したのち
当該金属線の把持を解除するハンド手段を備えることを
特徴とする種苗貝取付装置の金属線締付装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991083173U JP2532982Y2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 種苗貝取付装置の金属線締付装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991083173U JP2532982Y2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 種苗貝取付装置の金属線締付装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0679253U JPH0679253U (ja) | 1994-11-08 |
JP2532982Y2 true JP2532982Y2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=13794895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991083173U Expired - Lifetime JP2532982Y2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 種苗貝取付装置の金属線締付装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2532982Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109089994B (zh) * | 2018-10-22 | 2024-02-27 | 青岛海星仪器有限公司 | 一种新型高效鱼类标记装置及其使用方法 |
-
1991
- 1991-09-17 JP JP1991083173U patent/JP2532982Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0679253U (ja) | 1994-11-08 |
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Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19961001 |