JP2532898B2 - 角部に円弧状部を有する金属部品の製造法 - Google Patents

角部に円弧状部を有する金属部品の製造法

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JP2532898B2 JP62312277A JP31227787A JP2532898B2 JP 2532898 B2 JP2532898 B2 JP 2532898B2 JP 62312277 A JP62312277 A JP 62312277A JP 31227787 A JP31227787 A JP 31227787A JP 2532898 B2 JP2532898 B2 JP 2532898B2
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忠昭 大森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば机角部に固定する保護材のようなウ
エブ部の隣接する二縁に切目のない状態にフランジ部を
有しており且つ角部が円弧状を成す金属製品を金属板よ
り容易に製造することの出来る角部に円弧状部を有する
金属製品の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、一枚の金属板から例えば第6図に示す如くウエ
ブ部3aの隣接する二縁に切目のないフランジ部3bを有し
ており且つ角部が円弧状を成す形状の金属製品3を製作
するには、金属製品3を同時に4個製造可能な形状,寸
法に合致するダイスとポンチとを備えた絞り用金型で金
属板を一挙に絞り成形加工した後にその絞り製品を4分
割する方法が実施されていた。
しかしながらこのような方法では、金属製品の形状,
寸法が異なる度にそれぞれの形状に合致した金型を必要
とするために非常に不経済であつたし、角部の円弧状部
に続く直線部の長さの長い金属製品3を製造するにはそ
の大きさに見合つた大型のプレス機を必要とするために
大きさによつてはこのような方法では製造が不可能な場
合もあつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上記従来技術の欠点なく、角部の円弧状部
が同じであれば最終加工の絞り成形に別の金型を必要と
することなく、また大型のものでも容易に製作すること
の出来る角部に円弧状部を有する金属製品の製造法を提
供することを目的とするものである。
この目的を達成するためには、第7図に示す如く一枚
の金属板4の縁部を直線部4a,4cと角部4bとに区分し、
この直線部4a,4bと角部4bとを別々に加工することによ
り、製品の同じ大きさの金型は必要でないことが考えら
れる。そこで、直線部ではV溝を有するV型ダイスとV
型ポンチとでV曲げ加工を行い、角部では絞り加工を行
つてみると、直線部4a,4cと角部4bとの隣接区分の境界
に著しく目立つ加工不連続部が生じ、外観の良好な製品
とすることが出来なかつた。このように、直線部と角部
とをその境界が目立たないように別々に加工することに
は解決困難な問題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、直線部をV曲げ加工するときに特定形状の
ダイスとポンチとを使用して角部に近づくにしたがつて
徐々に曲げの程度を緩めて不完全に曲げておき、次いで
この角部を絞り加工することにより、上記問題点を解決
出来ることを究明して成されたものである。
すなわち本発明は、V溝の開き角と深さとが一定な定
形溝部と該定形溝部のV溝に滑らかに連続しておりV溝
の開き角度が定形溝部より大きく且つ上端が該定形溝部
から離れるにしたがつて下方に傾斜して形成されてV溝
の一端部を構成している溝変形部とから成る直線状のV
溝を有するV型ダイスのV溝の定形溝部に金属板の縁に
沿う曲げ線の角部となる部分に含まれる部分以外の直線
部分を位置せしめると共に角部となる部分をV溝の一端
に溝変形部に位置せしめた状態でV型ポンチを作動させ
てプレスすることを、角部に円弧状部を有する部分を含
む両側の曲げ線毎に行つて角部を未完の曲げ状態に残し
たプレス中間品とした後に、該プレス中間品の未完の角
部を絞り加工して完成角部の形状とすることを特徴とす
る角部に円弧状部を有する金属製品の製造法に関するも
のである。
〔構成の説明〕
以下、本発明に係る角部に円弧状部を有する金属製品
の製造法を図面により詳細に説明する。
第1図は本発明において使用する一次プレス機の主要
部を成す1組のV型ダイスとV型ポンチの1例を模型的
に示す斜視図、第2図は第1図のV型ダイスの平面説明
図、第3図は角部の絞り加工用の二次プレス機の1例の
主要部を示す斜視説明図、第4図は金属板の角部を挟む
2つの縁の直線部が一次プレス機によりV曲げ加工され
たプレス中間品の斜視図、第5図は第4図のプレス中間
品の角部が絞り加工された後の金属製品の斜視図であ
る。
本発明方法においては、先ず金属板の縁に沿う曲げ線
を曲げようとする円弧状の角部となる部分を挟む曲げ線
の角部となる部分に含まれる部分以外の直線部分を特定
形状のダイスとポンチとを使用してV曲げすると共に角
部となる部分をも直線部側から端部に向つてその曲げ程
度を徐々に緩めて未完の状態に曲げてプレス中間品とす
るのである。このようなプレス中間品を得るには次に説
明する一次プレス機を使用する。
一次プレス機の主要部は、第1図に示す如きV型ダイ
ス1とV型ポンチ2とから成つている。V型ダイス1に
設けられているV溝1aの開き角θは、金属板4の角部を
挟む二つの縁部の曲げ角度例えば第6図に示すウエブ部
3aとフランジ部3bとの成す角に対応するものであつて多
くの場合90゜であるが、加工物によつては90゜以外の角
をとることもある。V型ダイス1のV溝1aはその底部1a
aが直線に沿つており、V溝1aの開き角θと深さとが一
定な定形溝部1abと、この定形溝部1abのV溝1aの一端に
それぞれ滑らかに連続しておりV溝の開き角が定形溝部
1abの開き角θより大きく且つ上端が定形溝部1abから離
れるにしたがつて下方に傾斜して深さが定形溝部1abか
ら離れるにしたがつて浅くなる形状に形成されてV溝1a
の端部を構成している溝変形部1acとから成つている。
定形溝部1abではV溝1aの深さ及び開き角θは一定であ
り、従つてその側面1abaの上縁は直線に沿つている。そ
してV溝1aの底部1aaが直線に沿つていることから、こ
の溝変形部1acの側面1acaの上縁はV溝1aの末端に近づ
くに従つて第1図に示す如く下方に傾斜していると共
に、第2図に示す如くV溝1aの水平間隔は大きくなつて
おり、溝変形部1acの側面1acaは曲面状を成しているこ
とが好ましい。図例ではV溝1aの末端においてV溝1aの
深さは零となつているが、必ずしもその必要はない。ま
た第1図及び第2図では面と面との境界は見やすくする
ため実線で示して角張つている如くなつているが、適度
な曲率半径を持つのが普通である。
V型ポンチ2はV型ダイス1とで1組のプレス金型を
構成するものであり、長さはV溝1aの全長とほぼ同じで
あるが、V型ダイス1のV溝1aの溝変形部1acに対向す
る部分では多少その長さが短くなつていても差し支えな
く、その先端の形状はほぼ全長に亘つて定形溝部1abの
V溝1aの形と同じであれば良いが、V溝1aの溝変形部1a
cに対向する部分の端部が曲面状の逃げ部を成していて
金属板の未完の曲げ状態がより一層未完となるようにし
ておくことが好ましい。
先ず、金属板4の曲げ線の区分について説明する。角
部に円弧状部を有する金属製品の形状としては通常四角
形を成しているので、第7図に示す如き一つの角部を円
弧状にして直角四辺形を例にして説明する。金属板4の
縁に沿つて設定される曲げ線は、円弧状の角部となる部
分に含まれる角部曲げ線Lbと、直線状の縁に沿う直線状
の曲げ線のうち角部となる部分に含まれている部分以外
の部分である直線状曲げ線La,Lcとに区分される。金属
板4のウエブ部3aにおける円弧状の角部となる部分にお
ける曲げ線の曲がりの形状,寸法は製品設計によつて異
なるが、曲げ線の曲がりの形状が第7図に示す如くほぼ
真円の円弧である場合は、その半径をRとすれば、通常
その半径Rは数mmないし十数mm程度の非常に小さなもの
であるから曲げ線における角部の範囲としては上記円弧
とその両側に続く直線状の曲げ線の長さがR×(3〜2
0)の範囲で適当に選定すれば良い。
前記のV型ダイス1とV型ポンチ2とを主要部とする
一次プレス機を使用して金属板4の角部4bを未完の曲げ
状態としたプレス中間品を得るには、先ず角部4bとなる
部分を挟む円に沿う直線状曲げ線La全長をV型ダイス1
の定形溝部1abの底部1aa上に位置せしめ且つ角部4bとな
る部分を定形溝部1ab端部の溝変形部1ac上に位置せしめ
た状態でV型ポンチ2を第1図の矢印方向に作動させて
V曲げし、次いで角部4bとなる部分を含むもう一方の縁
に沿う直線状曲げ線Lcについても上記と同様にV曲げす
る。上記のV曲げプレスにおいて金属板4の直線状曲げ
線La又はLcの長さが長い場合は、V型ダイス1の定形溝
部1abを構成する部分を複数に分割出来るように予め製
作しておいてその分割体を適宜接続して長さの長い定形
溝部1abを構成しても良い。このようにV型ダイス1の
定形溝部1abを構成する部分を複数に分割出来るように
形成する場合には、V型ポンチ2のV型ダイス1の溝変
形部1acに対向する部分と反対側の部分も複数の分割出
来るように形成しておくことが好ましい。
上記の如くV曲げプレスすると直線状の曲げ線LaとLc
とではV型ダイス1の定形溝部1abとポンチ2によりV
溝1aの開き角θと同じ角度に曲げられているが、角部4b
となる部分は溝変形部1acの形状によつて角側に近づく
に従つて曲げ角度は小さくなり、直線状曲げ線LaとLcと
の2方向から与えられた曲がりが合成されて角部4bとな
る部分は第4図に示す如き未完の状態に曲げられて、プ
レス中間品5′が得られる。
本発明方法では角部4bとなる部分を上記の如く未完の
状態に曲げた後に、この角部4bとなる部分が完成角部の
形状となるように絞り加工を施すのである。この絞り加
工には完成角部の形状に合致するダイスとポンチとを主
要部とする二次プレス機を使用する。二次プレス機とし
ては既知のもので差し支えないが、本発明差らが製作し
て使用した第3図のものを例に採り絞り加工を説明す
る。二次プレス機で絞り加工を行うには、先ずプレス中
間品5′の目的とする角部となる部分を挟む2つの既に
曲げられている曲げ線を角部用ダイス6の所定辺に合わ
せて載置する。角部用ダイス6の第3図に示す辺6a,6b
は、プレス中間品5′の角部とそれに続く直線状曲げ部
を含むものであるから、直線状曲げ線で曲げられて所定
の角θ例えば90゜になつているフランジ部分をも角部用
ダイス6の側壁に当接した状態となつている。このよう
な載置状態で押圧用シリンダーを作動させシリンダーロ
ツド12の先端に取り付けられているポンチ取付板11を下
方(矢印方向)に降下させると、ポンチ取付板11の下面
にスプリング10を介して取り付けられている押え板9が
プレス中間品5′のウエブ部を角部用ダイス6との間に
押え付けてプレス中間品5′を固定する。更にポンチ取
付板11が降下するに従つて角部用ポンチ8が角部用ダイ
ス6と支持壁7との間に進入して、ダイクツシヨンピン
により支持されている角部用クツシヨン8′の平面部8
a′と角部用ポンチ8の平面部8aとでプレス中間品5′
の未完の角部の円弧状になる部分が挟持されると共にこ
の円弧状になる部分の両側に続く未完の角部の直線状と
なる部分は角部用クツシヨン8′の平面部8a′に続く凹
部8b′内に挟持されない状態として位置する。しかる後
に、更にポンチ取付板11が降下して角部用ポンチ8が角
部用ダイス6と支持壁7との間に進入すると、角部用ク
ツシヨン8′と角部用ポンチ8とによつてシワが発生し
ないように上記されているプレス中間品5′の曲げ角度
が小さくなつて角部用ダイス6の側壁から離れている未
完の角部の縁部は、角部用ダイス6の側壁側に押し付け
られる状態に絞られながら第5図に示す如く所定角度に
曲げられた金属製品5が得られるのである。このとき角
部用ポンチ8にプレス中間品5′の縁部によつて与えら
れる反発力による逃げは、支持壁7によつて防止され
る。なお、第3図においても角部用ダイス6の面と面と
の境界は構造を判り易くするため実線6a,6b,6cで示して
いるが、適当な曲率半径を持つているのが普通であり、
特に線6cの部分は金属板4上に設定された曲げ線の角部
における曲がり形状とほぼ合つたものであることが原則
であり、それに対応する角部用ポンチ8の部分も同様で
ある。
〔発明の効果〕
以上詳述した本発明に係る角部に円弧状部を有する金
属製品の製造法によれば、直線状曲げ線での曲げとは別
に角部曲げ線での絞り加工による曲げを行うため、曲げ
製品の角部の円弧状部の形状が同じであれば最終加工の
絞り成形に別の金型を製作する必要な全くない。そして
角部曲げ線での曲げは金属板の一方の辺のみについてそ
れぞれ行うものであるから小さなプレス機で可能であ
り、直線状曲げ線が長い場合においてはV型ダイスの定
形溝部を構成する部分及びV型ポンチを複数に分割出来
るように予め製作しておいてその分割体を適宜接続して
長さの長いV型ダイス及びV型ポンチを構成することに
よつて装置を汎用化することが出来る。
しかも、角部曲げ線での曲げは、先ず直線状曲げ線で
の曲げと共に角部となる部分をウエブ部側と所定の角度
に曲げられているフランジ部側から徐々に曲げ角が小さ
くなつている未完の曲げ状態とし、しかる後に絞り加工
を行うことによりそのウエブ部側を拘束して絞ることに
なつて角部曲げ線での曲げ部分と直線状曲げ線での曲げ
部分との境界には不連続部分は全く見られず、例えば机
角部に固定する保護材のようなウエブ部の隣接する二縁
に切目のない状態にフランジ部を有しており且つ角部が
円弧状を成す金属製品を金属板より容易に製造すること
の出来るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明において使用する一次プレス機の主要部
を成す1組のV型ダイスとV型ポンチの1例を模型的に
示す斜視図、第2図は第1のV型ダイスの平面説明図、
第3図は角部の絞り加工用の二次プレス機の1例の主要
部を示す斜視説明図、第4図は金属板の1つの角部を挟
む2つの縁の直線部が一次プレス機によりV曲げ加工さ
れたプレス中間品の斜視図、第5図は第4図のプレス中
間品の角部が絞り加工された後の金属製品の斜視図、第
6図は金属製品の1例を示す斜視図、第7図は金属板の
曲げ区分を示す説明図である。 図面中 1……V型ダイス 1a……V溝 1aa……底部 1ab……定形溝部 1aba……定形溝部の側面 1ac……溝変形部 1aca……溝変形部の側面 2……V型ポンチ 3……金属製品 3a……ウエブ部 3b……フランジ部 4……金属板 4a,4c……直線部 4b……角部 5……金属製品 5′……プレス中間品 6……角部用ダイス 6a,6b,6c……面と面との境界 7……支持壁 8……角部用ポンチ 8′……角部用クツシヨン 8a′……平面部 8b′……凹部 9……押え板 10……スプリング 11……ポンチ取付板 12……シリンダーロツド La,Lc……直線状曲げ線 Lb……角部曲げ線
フロントページの続き (72)発明者 宇都宮 範示 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号 日新製鋼株式会社内 (72)発明者 大森 忠昭 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号 日新製鋼株式会社内 (72)発明者 藤原 文雄 東京都中央区八丁堀4丁目11番5号 月 星工業株式会社内 (72)発明者 山本 希八 東京都中央区八丁堀4丁目11番5号 月 星工業株式会社内 (72)発明者 田村 周悦 東京都中央区八丁堀4丁目11番5号 月 星工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V溝の開き角と深さとが一定な定形溝部と
    該定形溝部のV溝に滑らかに連続しておりV溝の開き角
    度が定形溝部より大きく且つ上端が該定形溝部から離れ
    るにしたがつて下方に傾斜して形成されてV溝の一端部
    を構成している溝変形部とから成る直線状のV溝を有す
    るV型ダイスのV溝の定形溝部に金属板の縁に沿う曲げ
    線の角部となる部分に含まれる部分以外の直線部分を位
    置せしめると共に角部となる部分をV溝の一端に溝変形
    部に位置せしめた状態でV型ポンチを作動させてプレス
    することを、角部に円弧状部を有する部分を含む両側の
    曲げ線毎に行つて角部を未完の曲げ状態に残したプレス
    中間品とした後に、該プレス中間品の未完の角部を絞り
    加工して完成角部の形状とすることを特徴とする角部に
    円弧状部を有する金属製品の製造法。
JP62312277A 1987-12-11 1987-12-11 角部に円弧状部を有する金属部品の製造法 Expired - Lifetime JP2532898B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009118918A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 豊臣機工株式会社 プレス加工装置及びプレス加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009118918A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 豊臣機工株式会社 プレス加工装置及びプレス加工方法
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