JP2532198Y2 - 穀物放冷タンクの排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、放冷タンクより搬送コンベヤベルト上に貯
留穀物を排出せしめた際に、該穀物が搬送コンベヤベル
トから脇にこぼれ落ちたり、溢れたり、あるいは周囲に
飛散することなく正確に排出せしめることができる穀物
放冷タンクの排出装置に関する。

［従来の技術］ 従来、放冷タンク１の落下口２部に、両端を開口した
逆角錐状の穀物排出体４を内設したシャッター容器３を
装着し、該穀物排出体４の排出口５端部には弧状シャッ
ター６を左右回動自在に軸支し、前記シャッター容器３
の下部には、落口８の左右両側下端に飛散防止邪魔板9,
9を下向きに設けた筒状の落口金具７を装着するととも
に、落口８を搬送コンベヤベルト10上にのぞませて、放
冷タンク１内に貯留された穀物を弧状シャッター６の左
右回動操作により搬送コンベヤベルト10上に排出せしめ
て籾摺機へ搬送せしめるようにした穀物放冷タンクの排
出装置は、本出願前例えば第５図に示されたように公知
である。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、従前のこの種、穀物放冷タンクの排出装置
においては、穀物の排出時に、該穀物はシャッター容器
と同じ大きさの口径に形成された落口より、そのまま搬
送コンベヤベルト上に落し込んでいたので、籾摺機等へ
の穀物供給停止時においては、搬送コンベヤベルト上に
大量の穀物が一時的に堆積されることになり、その結
果、搬送コンベヤベルトの運転を再開したときには、大
量に堆積された穀物により搬送コンベヤベルトの機枠上
面に設けたカバーを無理やり押し上げてこぼれ落ちた
り、あるいは周囲に飛散する等の問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、放
冷タンクより弧状シャッターの左右回動操作で搬送コン
ベヤベルト上に排出される穀物量を適正に規制せしめる
ことで、たとえ搬送コンベヤベルトを連続的に供給、停
止作動せしめた場合にあっても、搬送コンベヤベルト上
から穀物がこぼれ落ちたり、溢れたり、あるいは周囲に
飛散することなく正確に搬送させることができる穀物放
冷タンクの排出装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における穀物放冷
タンクの排出装置は、放冷タンクの落下口部に、両端を
開口した逆角錐状の穀物排出体を内設したシャッター容
器を装着し、該穀物排出体の排出口端部には弧状シャッ
ターを左右回動自在に軸支し、前記シャッター容器の下
部には、一対の落口絞り板を互いに内側に向けて傾斜状
に内設して落口絞り板間に穀物搬送方向に沿い幅狭の落
口を形成した落口金具を上下移動自在に嵌装して、前記
落口が搬送コンベヤベルトの両側縁部より下方に位置さ
れるよう搬送コンベヤベルトの略中央にのぞませるとと
もに落口の周囲に取外し可能に設けられる受口蓋並びに
隣接する受口蓋間に取外し可能に設けられるカバーによ
り搬送コンベヤベルトの上面開口部分を被冠してなるも
のである。

［作用］ 今、共同乾燥施設においては、乾燥された滞熱状態の
穀物を複数の放冷タンクに収納して常温となるまで放冷
する。

次いで、放冷された穀物を排出して籾摺機に供給した
いときには、弧状シャッターを第２図実線位置より鎖線
位置に回転して排出口を開口せしめれば、穀物排出体内
に充填された穀物は下部の落口金具を経て搬送コンベヤ
ベルト上に排出され、一方に向け搬送される。

ところで、上述の如き穀物排出過程においては、前記
落口金具内には一対の落口絞り板が互いに内側に向け傾
斜状に内設され、しかも落口絞り板間には搬送コンベヤ
ベルトの回転方向に沿った幅狭の落口が形成されている
ので、落口より搬送コンベヤベルト上に排出堆積される
穀物量は従来の排出装置に較べて少なく規制せられる。

さらに、落口が搬送コンベヤベルトの両側縁部より下
方に位置されるよう搬送コンベヤベルトの略中央にのぞ
ませるとともに落口の周囲に取外し可能に設けられる受
口蓋並びに隣接する受口蓋間に取外し可能に設けられる
カバーにより搬送コンベヤベルトの上面開口部分を被冠
することによって、たとえ搬送コンベヤベルトを連続的
に供給、停止動作をした場合にあっても、堆積量を適正
に規制したことで、搬送コンベヤベルトからこぼれ落ち
たり、溢れたり、あるいは周囲に飛散させることなく正
確に搬送させることができる。

また、排出作業上の必要性から排出穀物量を多くした
いときには、落口金具を上方に移動調節すれば、落口と
搬送コンベヤベルトとの距離が大ききなって、より多く
の穀物を排出堆積して搬送することができ、また逆に落
口金具を下方に移動調節すれば、落口と搬送コンベヤベ
ルトとの距離が小さくなって少量の穀物を排出堆積せし
めて搬送することができる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第４図において、101は、共同乾燥施設
において乾燥された滞熱状態の穀物を略常温まで放冷し
て籾摺機等に供給することができる複数個からなる放冷
タンクであって、該放冷タンク101・・・・の下部には
後述する排出装置Ａを装着して、所定量の穀物を随時搬
送コンベヤ装置120を介して籾摺昇降機122に向け搬送せ
しめる。

前述した搬出装置Ａは、第２図および第３図に示され
た如く、放冷タンク101の落下口102部に、該落下口102
と連通する両端を開口した逆角錐状の穀物排出体104を
内設したシャッター容器103の上端側を取外し自在に装
着し、前記穀物排出体104の排出口105端部には弧状シャ
ッター106を左右回動自在に軸支せしめるとともに、前
記シャッター容器103の下部には、一対の落口絞り板10
8,108を互いに内側に向け傾斜状に内設して、落口絞り
板108,108間に穀物の搬送方向に沿った幅狭の落口109を
形成した落口金具107をシャッター容器103に対して上下
移動自在に嵌装して構成せしめてある。前記弧状シャッ
タ106は、第４図に示した如く、左右側板110,110間に亘
り弧状板111を架設して構成せしめるとともに、左右側
板110,110に固着した固定軸112,112をシャッター容器10
3に軸架せしめるとともに一方の固定軸112をシャッター
容器103より突出し、これが端部に作動杆113を装着せし
める。そして、前記作動杆113の端部は、シャッター容
器103の一側に添設した作動筺114内に収蔵した回転装置
（図示せず）の回転軸115へ連結杆116を介し枢支連結せ
しめて回転装置の回転作動により弧状シャッター106を
左右方向に回転し、排出口105を開閉塞せしめる。ま
た、シャッター容器103の前後両側面に長孔117を縦設す
るとともに長孔117の対向位置の落口金具107の前後両側
面に螺子穴118を設けて、長孔117を通し螺子穴118に螺
入した螺子119の緊弛作動により落口金具107をシャッタ
ー容器103に対し上下移動調節ができるように構成され
ている。

なお、121は、落口109の下部に配設された搬送コンベ
ヤ装置120内に回転自在となるように懸回収納された搬
送コンベヤベルトである。

123は、落口金具107の下部に位置した搬送コンベヤ装
置120の上面に取外し自在に設置した受口蓋であって、
該受口蓋123の中央に開口した受口124部には、落口金具
107の下部が嵌入する隙間防止体125が装着されている。
126は、受口蓋123と受口蓋123との間の搬送コンベヤ装
置120の上面に設置したカバーである。127は穀物排出体
104内に上端側を枢着して配設した流量調節板であっ
て、該流量調節板127は、流量調節螺子128の進退作動に
より枢着部を支点として左右方向に摺動されることで排
出口105の大きさを大小に調節して穀物の流量を調節す
る。

なお、前記流量調節板127は、本実施例においては１
個設けてあるが、これを対称的に２個設けてもよい。12
9は、シャッター容器103の一側に開口した操作窓であ
る。

［考案の効果］ 本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

共同乾燥施設において、放冷タンク内で放冷された穀
物を弧状シャッターの左右回動操作に応じ随時落口金具
の落口より搬送コンベヤベルト上へ円滑に排出せしめて
搬送せしめることができる許りか、前記落口金具内に
は、一対の落口絞り板を互いに内側に向け傾斜状に内設
して落口絞り板間に穀物の搬送方向に沿った幅狭の落口
を形成し、落口が搬送コンベヤベルトの両側縁部より下
方に位置されるよう搬送コンベヤベルトの略中央にのぞ
ませるとともに落口の周囲に取外し可能に設けられる受
口蓋並びに隣接する受口蓋間に取外し可能に設けられる
カバーにより搬送コンベヤベルトの上面開口部分を被冠
しているので、落口より搬送コンベヤベルト上に排出堆
積せられる穀物量を適正に規制し、たとえ搬送コンベヤ
ベルトを連続的に供給、停止作動せしめた場合にあって
も、搬送コンベヤベルトから穀物がこぼれ落ちたり、溢
れたり、あるいは周囲に飛散させることがない。

そのうえ、本考案装置においては、落口金具はシャッ
ター容器に対して上下移動調節ができるので、落口と搬
送コンベヤベルトとの間隔距離の調節により排出堆積さ
れる穀物量を増減調節せしめて、より円滑な排出作業を
営ませることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は穀物放冷タンクの排出装置における一部切欠し
た正面図、第２図は一部を切欠した要部の拡大縦断正面
図、第３図は要部の展開斜視図、第４図は弧状シャッタ
ーの縦断側面図、第５図は従来装置の一部切欠した拡大
縦断正面図である。 101……放冷タンク、102……落下口、103……シャッタ
ー容器、104……穀物排出体、105……排出口、106……
弧状シャッター、107……落口金具、108,108……一対の
落口絞り板、109……落口、121……搬送コンベヤベル
ト、Ａ……排出装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】放冷タンクの落下口部に、両端を開口した
   逆角錐状の穀物排出体を内設したシャッター容器を装着
   し、該穀物排出体の排出口端部には弧状シャッターを左
   右回動自在に軸支し、前記シャッター容器の下部には、
   一対の落口絞り板を互いに内側に向け傾斜状に内設して
   落口絞り板間に穀物搬送方向に沿い幅狭の落口を形成し
   た落口金具を上下移動自在に嵌装して、前記落口が搬送
   コンベヤベルトの両側縁部より下方に位置されるよう搬
   送コンベヤベルトの略中央にのぞませるとともに落口の
   周囲に取外し可能に設けられる受口蓋並びに隣接する受
   口蓋間に取外し可能に設けられるカバーにより搬送コン
   ベヤベルトの上面開口部分を被冠してなる穀物放冷タン
   クの排出装置。