JP2531939C - - Google Patents

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JP2531939C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、情報担体の情報記録面に光を照射し、情報の検出又は記録を行なう
光ヘッド装置に関し、特に小型・軽量で量産に適した光ヘッド装置に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】 従来、光ヘッド装置は例えば図12に示すように構成されていた。ここで、レ
ーザ光源1から射出した発散光束は、コリメータレンズ2に入射して平行光束と
なり、偏光ビームスプリッタ3に入射する。ここで偏光ビームスプリッタ3は特 定の方向に振動面を有する直線偏光をほぼ100%透過し、これに直交する方向
に振動面を有する直線偏光をほぼ100%反射する特性を有している。この偏光
ビームスプリッタ3を透過した直線偏光はλ/4板4を通過して円偏光となり、
対物レンズ5によって情報担体の基板6上に設けられた情報記録面7に集光され
、スポット径1μm前後のスポットを形成する。また、この情報記録面7によっ
て反射された光束は、対物レンズ5を通って平行光束となり、λ/4板4を通過
して入射時とは振動面の方向が直交する直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ
3に再び入射する。ここで偏光ビームスプリッタ3は前述の様な特性により光分
割器として働き、情報記録面7からの反射光を反射して入射光と分離せしめ、セ
ンサーレンズ8を介して収束光束として光検出器9に導く。 【0003】 この様な光ヘッド装置を用いて情報を記録する場合には、情報信号に従ってレ
ーザ光源1を駆動し、情報記録面7への入射光を変調せしめる事によって行なう
。また情報を検出する場合には無変調の光を凹凸のピット或いは反射率の変化等
によって情報が記録された情報記録面7に照射し、この記録情報によって変調を
受けた反射光を光検出器9で検出し、情報を再生する。この際、情報記録面7に
は、記録信号列から成るトラック或いは予め基板6等に設けられた案内トラック
が、図12においては紙面に垂直な方向に延びる形で、密に形成されている。従
って、情報を正しく記録または検出する為には前述のトラックを常にスポットが
トレースする様に制御、所謂オートトラッキングを行なう必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 従来、オートトラッキングの方法として、トラックの幅方向に対応する方向に
分割された複数の受光面を有する素子を光検出器9として用い、各々の受光面か
ら得られた信号を差分する事によってトラッキングエラー信号を得る方法が知ら
れている。このトラッキングエラー信号に従って、不図示の機構により対物レン
ズ5を光軸と垂直に動かす等の方法によって、スポットを正しくトラック上に導
く。しかしながら、このような従来の方法においては、情報記録面7との結像位
置近傍に光検出器9が設けられていたため、この光検出器の取り付け誤差がトラ ッキングエラー信号の正確さに非常に大きく影響し、装置の組立時に構成要素間
の高精度の位置調整が必要となる欠点を有していた。また、組立精度の許容度を
増す為に、大型の光検出器を用いて情報記録面からの反射光の平行光束中でトラ
ッキングエラー信号を検出する方法も行なわれていた。しかしこの方法において
も、光検出器が大型化することにより、高い周波数帯域に対する光検出器の応答
が低下する或いは光検出器自体が高価なものとなる等の欠点を有していた。 【0005】 一方、光ヘッド装置においては、前述のオートトラッキングとは別に情報記録
面に高密度に情報を記録し、また高密度の記録情報を検出する為に、光源からの
光を常に情報記録面に合焦させるオートフォーカシングが行なわれている。従来
、このオートフォーカシングには、所謂非点収差法、臨界角法、フーコー法、ナ
イフエッジ法、ビーム横ずらし法等、種々の方法が知られているが、その一例を
図13で説明する。図13に概略構成を示した装置は、特開昭57−64335
号公報で提案されているものである。ここで半導体レーザ11から発した光はコ
リメータレンズ12で平行化され、対物レンズ15によって基板16上の情報記
録面17に集光される。この情報記録面17上の信号読出しは情報記録面17で
反射され、入射時と同一光路を通って半導体レーザ11に戻る戻り光の光量変化
による半導体レーザ11の出力変化をモニター用センサ25によって検出する、
所謂スクープ(SCOOP)方式が用いられている。また、焦点距離fのセンサ
ーレンズ21は、対物レンズ15の瞳面の一部を占めていて、情報記録面による
反射光の一部26は、このセンサーレンズ21により集束光束27となり、2分
割の光検出器22に入射する。情報記録面17が対物レンズ15の焦点位置から
遠くなったり、近くなったりしたときに集束光束27は光検出器22上を左右に
移動する。そこで分割された受光面の各々の出力を減算器23によって減算する
ことによってフォーカスエラー信号が得られる。このフォーカスエラー信号によ
りフォーカシングアクチュエータ24を駆動し、入射光が常に情報記録面17上
に合焦する様、オートフォーカスが行なわれる。 【0006】 図13に示した装置においては、対物レンズの軸外光束を取り出している為、 焦点ずれに対して検出光束が大きく働き、高感度のフォーカスエラー検出を行な
う事が出来る。しかしその反面、半導体レーザ11から対物レンズ15に入射す
る光束が、センサーレンズ21によりけられて変形し、その結果、情報記録面1
7上のスポットが大きくなってしまう欠点を有していた。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明の目的は、光検出器の位置調整が容易で、また、情報記録面への入射光
に影響を与える事なく、情報記録面からの反射光を部分的に光分割器により取り
出す事の出来る光ヘッド装置を提供する事にある。 【0008】 本発明の他の目的は、小型化,薄型化を達成出来る光ヘッド装置を提供する事
にある。 【0009】 本発明の他の目的は、良好なトラッキングエラー信号の検出が可能な光ヘッド
装置を提供する事にある。 【0010】 本発明の上記目的は、光源から発した光束を光学系によって情報記録面に集光
するとともに、前記光源より前記情報記録面に至る光路中に配設された光分割器
により前記情報記録面からの反射光束を光検出器の受光面に導き、トラッキング
エラー信号の検出を行なう光ヘッド装置において、前記光分割器の分割面は、互
いに異なる格子パターンが形成された、第1の格子,第2の格子を有する回折格
子からなり、前記第1の格子と前記第2の格子との分割線は、前記情報記録面上
のトラックの延在方向と一致し、前記回折格子は、前記光学系のほぼ瞳位置で、
前記光源から発した光束及び前記情報記録面からの反射光束に対してほぼ垂直に
配設され、前記回折格子の前記第1の格子,前記第2の格子は、前記情報記録面
からの反射光束を互いに異なる方向に回折せしめ、前記光検出器は、互いに異な
る第1の光検出器,第2の光検出器からなり、前記第1の格子,前記第2の格子
からの各々の回折光束を、前記第1の光検出器,前記第2の光検出器で検出し、
その出力信号の差をとることによって前記トラッキングエラー信号を得る、事に よって達成される。 【0011】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。 【0012】 図1は、本発明に基づく光ヘッド装置の第1実施例の構成を示す略断面図であ
る。レーザ光源31からの光束は、コリメータレンズ32により平行光束となり
、平行平板から成る基板42,43中に回折格子44が形成された光分割器41
に入射する。この光分割器41は入射光束に対しては何の働きもしない為、光束
はそのまま透過し、λ/4板34に入射して円偏光と成った後、対物レンズ35
によって基板36を介して情報記録面37に集光される。情報記録面37で反射
された光束は、対物レンズ35を通って平行光束となり、再びλ/4板34を透
過して入射時とは直交する方向に振動する偏光となって光分割器41に入射する
。この反射光は光分割器41中の回折格子44によって回折或いは反射されて、
基板43中を全反射を繰り返しながら導波し、光検出器39,40に入射する。
ここで、情報を記録する場合には、情報信号に従ってレーザ光源31を駆動し、
情報記録面37への入射光を変調せしめる事によって行なう。また情報を検出す
る場合には無変調の光を情報記録面37に照射し、そこに記録された情報に従っ
て変調を受けた反射光を光検出器39,40で検出し、情報を再生する。 【0013】 図2は、図1に示した光分割器41を光源31の方向から見た図である。光分
割器41の分割面を構成する回折格子44は線分AA′を境にして2つの領域に
分割されており、各々異なる格子パターンが形成された2つの格子44a及び4
4bは情報記録面37からの反射光を互いに異なる方向に回折せしめ、各々異な
る光検出器40及び39に導く。この光検出器39,40の出力信号を適宜処理
することにより、光ヘッド装置として必要なフォーカスエラー信号,トラッキン
グエラー信号及び情報再生信号が得られる。 【0014】 まず、フォーカスエラー信号の検出原理について説明する。前述の光検出器3 9は、図3に示すように受光面が三分割されている。いま、情報記録面37上に
最小の光スポットが生じているとき(即ち合焦状態)に、図3(b)に斜線部で
示すような光量分布となるように、光検出器が配置されているものとする。この
とき、情報記録面37と対物レンズ35との距離が離れすぎる(即ち焦点外れの
状態となる)と、図3(a)のように受光面配列方向の光束の広がりは減少し逆
に情報記録面37と対物レンズ35が近づきすぎて焦点外れの状態になると、図
3(c)のように光量分布は広がる。従って、光検出器39の受光面39A,3
9B,39Cの各々の出力IA,IB,ICを演算器45により下記のように演
算処理する事により、フォーカスエラー信号IFが得られる。 【0015】 IF=(IA+IC)−IB 【0016】 次に、トラッキングエラー信号の検出について説明する。光分割器の分割面は
前述のように線分AA′によって2つの領域に分けられているが、このAA′の
方向は、情報記録面37に記録された信号列から成るトラック或いは予め基板3
6上等に設けられた案内トラックの延在方向と一致する様に配置されている。従
って光検出器39,40で受光する光は、夫々トラックの右側および左側からの
情報を含んだものであり、これらの光検出器39,40の出力を演算器46で差
分することにより、所謂プッシュプル方式のトラッキングエラー信号ITが検出
できる。ここで光検出器40の出力をIDとして演算式で示すと、 IT=(IA+IB+IC)−ID となる。 【0017】 また、演算器47によって、光検出器39,40の信号出力の総和、 IRF=(IA+IB+IC)+ID を算出すると、これは情報再生信号IRFとなる。尚、ここで用いた光検出器4
0は、光検出器39と同種の素子でも良いし、受光面の分割されていないもので
も良い。また光検出器40に受光面の3分割された素子を用いる場合には、それ
ぞれの受光面からの出力をID1,ID2,ID3とすると、 I′T=(ID1+IC)−(ID3+IA) の演算を行なう事によって、ヘテロダイン法によるトラッキングエラー信号I′
Tを得ることも可能である。 【0018】 本実施例においては、光分割器41中の回折格子44がレーザ光源31からの
光束及び情報記録面37からの反射光束に対してほぼ垂直に配設されている為、
また、光分割器41が平行平板型に形成されている為、光ヘッド装置全体を小型
,薄型に構成できる特徴がある。また、この光分割器自体も大型の基板上に複数
個まとめて加工し、それを切り出す事によって簡単に作製する事が出来、量産性
に優れている。 【0019】 そして、本実施例では、情報記録面37からの反射光束を光分割器41の分割
面で分け、夫々を別々の光検出器39,40で検出しているので、トラッキング
エラー信号検出の為の光検出器39,40の取付け精度が緩和され、組立調整が
容易である。更に、光検出器を光分割器の基板端面に一体に形成した場合には、
この様な組立調整も不要である。 【0020】 尚、本実施例では、トラッキングエラー信号を検出するための光束を取り出す
第1の格子(44a)と第2の格子(44b)とが、情報記録面上のトラックの
延在方向AA’と一致した分割線で分割されている。そのため、トラックの位置
情報を含んだ光束の光量分布は前記第1の格子(44a),前記第2の格子(4
4b)で完全に分割されてから第1の光検出器(39),第2の光検出器(40
)に入射するので、格子と光検出器の精密な位置合わせが不要となる。 【0021】 また、一般に良好なトラッキングエラー信号を得る為には、対物レンズの瞳面
における強度分布を検出する事が望ましい事がよく知られているが、本実施例に
おいては、対物レンズの近くにおかれた光分割器の分割面における強度分布を検
出している為、実効的に、対物レンズ35のほぼ瞳位置に回折格子44を配設し
、対物レンズ35の瞳面分割による検出をしている事になり、信頼性の高いトラ
ッ キング制御が行えるものである。 【0022】 図4は、図1に示した実施例に用いる回折格子の構造を模式的にあらわしたも
のである。図4(a)は体積型回折格子を用いた光分割器41の部分断面図であ
る。回折格子44は、平行平板から成る基板42及び43の間に挾まれ、屈折率
の低い層50と屈折率の高い層51とから構成されている。情報記録面からの入
射光52は、この回折格子44により回折されて回折光53となる。回折格子4
4が入射光52に対してブラック条件を大略満足している場合には、回折光53
は特定の回折方向に大半のエネルギーが集中する。また、入射光52と回折光5
3のなす角が直角に近いときにはこの回折効率は光束の偏光状態の影響を大きく
受け、P偏光には100%の透過率を有し、S偏光には100%近い回折効率を
有する。従って図1のような構成でレーザ光源31から情報記録面37に向かう
光をP偏光の直線偏光とすることによって、この光は光分割器41にほとんど影
響されることなく透過し、λ/4板34の働きによって情報記録面37からの反
射光はS偏光となって効率良く回折されて光検出器39,40に導かれる。 【0023】 図4(a)のような回折格子44は、重クロム酸ゼラチン等の体積型ホログラ
ム感材を用いて作製される。例えば、基板上に前述の感材を一様な厚さに形成し
、これに同一レーザからの光束を分割した後、所定の角度で重ね合せる事によっ
て生ずる干渉縞を露光し、更に現像処理する事によって回折格子が形成される。
本発明のように光束を異なった方向に回折する回折格子を作製するにはまず第1
の過程で感材の一部をマスクで覆い、一方の干渉縞を露光する。次に第2の過程
でこの露光部分をマスキングして、先程マスクで覆っていた部分に第1の過程と
は異なる角度から入射せしめた光によって異なるパターンの干渉縞を露光する。
最後にマスクを取り払い、第1及び第2の過程で露光された干渉縞を現像処理し
て作製する。また、このように2回焼付けを行なわなくても2組の光束を感材の
異なる部分に同時に照射せしめ、異なるパターンの干渉縞を所望の領域に露光す
るような光学系を用いて、一度に焼付けを行なうことも出来る。 【0024】 図4(b)は、本発明に用いられる光分割器41の他の構成例を示す部分断面
図である。回折格子44は、適当な反射特性,例えば偏光ビームスプリッタ特性
を有する反射膜60を凹凸を持ったほぼ同一の屈折率を有する層54,55で挾
んだ形状をしている。従って、P偏光として入射する直線偏光56に対しては、
この回折格子44は何の作用もせずに単なる平行平板としてふるまい、またS偏
光として入射する直線偏光57に対しては反射鏡として働き、回折光58を生ず
る。 【0025】 図4(b)のような回折格子44は、フォトレジスト等のレリーフ型の感光材
料に適当な光学系を介して格子パターンを露光し、現像する事によって作製でき
る。また他に機械的に金型を加工し、インジェクション,コンプレッション,薄
層コピー等の方法で基板となる層に転写する方法や、基板を直接切削する方法等
によっても作製可能である。 【0026】 また図2に示した実施例においては、回折格子44からの回折光は集束光とな
って回折されているが、このようにレンズ作用を生ずる回折格子は例えば図4(
a)(b)のような構成において、格子を円錐形に作製する事によって実現でき
る。回折格子44の作製に光学的手段を用いる場合には、図5に示す様な光学系
によって、集束作用を持たせることが出来る。図5において、同一のレーザ光源
から発し、不図示の光学系によって分割された平行光束61と62は夫々回転軸
65を共有する円錐ミラー63,64に回転軸65に平行に入射する。各々の円
錐ミラーで反射された2つの光束は、回転軸65上に焦線を有する円錐波面とな
り、基板66上のホログラム感材67に入射する。このときに感材面上の領域6
8に生ずる干渉縞は三次元的に円転軸65を回転中心とした円錐形となる。従っ
て、このように露光された干渉縞を現像処理することにより、図2に示したよう
な集束作用を持つ回折格子が形成される。 【0027】 以上、第1実施例について説明したが、本発明はこれに限らず、光分割器の分
割面の構成によって種々の変形が可能である。以下にその例を示す。以下の実施 例は全て光分割器を光源側から見た図で説明し、光分割器以外の光学素子は不図
示であるが、図1に示した実施例と同様に構成される。 【0028】 図6は、本発明の第2実施例に用いられる光分割器を示す図である。本実施例
は第1実施例において光分割器の別々の端面に導かれた2つの回折光を同一側の
端面で検出する様にしたもので、図中図2と同一の部材には同一の符号を付し、
詳細な説明は省略する。ここで、光分割器71の分割面を構成する回折格子74
は情報記録面上のトラックの延在方向に対応する線分AA′を境にして異なる格
子パターンの2つの領域に分割されている。各々の格子74a及び74bは情報
記録面からの反射光を集束させながら光分割器71の片方の端面の異なる位置に
回折せしめ、夫々光検出器40及び39に導く。この光検出器の出力信号を図2
,図3で説明したのと全く同様に処理することによって、フォーカスエラー信号
IF,トラッキングエラー信号IT,情報再生信号IRFが得られる。本実施例
は光検出器を光分割器の片側に集中して配置できる為、第1実施例に比べ、更に
光ヘッド装置を小型化に構成できる利点がある。 【0029】 図7は、本発明の実施例の基となる第1参考例に用いられる光分割器を示す図
である。光分割器81に形成された回折格子は前述の実施例と同様の方法で作製
され、格子82,83に分割されている。各々の格子82,83は、回折光が所
定の方向に焦線を形成する様にレンズ作用を持って形成され、各々の回折光を光
分割器の一方の端面に形成された4分割光検出器80に導く。ここで格子82の
焦線の方向は情報記録面上のトラックの延在方向AA′と一致している。この4
分割光検出器80の分割された夫々の受光面からの出力IA,IB,IC,ID
を不図示の演算器によって適宜処理し、光学ヘッド装置に必要な様々な信号を得
ることが出来る。例えば情報再生信号IRFは前記出力の総和、 IRF=IA+IB+IC+ID から得られる。また、フォーカスエラー信号IFは格子83によりほぼ対物レン
ズの瞳面位置で分割された光束の、図7紙面内の振れ及び広がりの検出によって
得られる。格子83の位置及びこれによって回折される光の回折方向は前述のよ うに任意に作製可能であり、光検出器80もどこに配置しても良いが図7のよう
に光検出器80の受光面の分割方向に回折光の変化が大きいよう配置する事によ
りフォーカシングエラー信号IFを感度良く検出する事が出来る。具体的には受
光面の出力IA,IBの差をとって、 IF=IA−IB のように得られる。トラッキングエラー信号ITは、情報記録面からの反射光束
内の光量分布から得られるから、トラックの延在方向AA′と一致する格子82
の焦線で分けられる光束の光量差から得られる。実際には4分割光検出器80の
夫々の受光面からの出力を演算する事により、 IT=IA+IB+IC−ID のように求められる。 【0030】 以上のようにして得られた光束制御信号(フォーカスエラー信号,トラッキン
グエラー信号)により、情報記録面に所望の光束が入射するように光ヘッド装置
を制御し、情報の検出又は記録を確実に行なう事が出来るものである。尚、図7
図示の参考例において、前述のように回折格子の構成が任意に設定可能であるか
ら特に図示はしないが、4分割光検出器を2分割光検出器の組み合せ或いは2分
割光検出器と受光面の分割されていない光検出器との組み合せ等に代えても実施
可能である。また格子83の位置を格子面内の任意の位置に設定出来る事は言う
までもない。 【0031】 図8に、本発明の第3実施例に用いられる光分割器を示す。本実施例において
は光分割器91に第1参考例と同様にフォーカスエラー信号検出の為の格子93
が設けられている他に、その他の部分がトラックの延在方向AA′と一致した分
割線で更に分割され、夫々格子92a,92bが形成されている。格子93によ
って回折又は反射された光は2分割光検出器95に導かれる。また格子92a及
び92bで回折又は反射された2つの光束は光分割器内を各々の格子による焦線
方向に導波し、対応する夫々の光検出器97及び96に導かれる。2分割光検出
器95の夫々の受光面の出力をIA,IB、光検出器96の出力をIC、光検出 器97の出力をIDとすると、これらを不図示の演算器によって、第1参考例と
全く同様に処理する事によって、フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信
号,情報再生信号が得られる。本実施例においては、情報記録面からの光が格子
92a,92bによって、トラックの延在方向に一致する分割線で分割し、各々
異なる光検出器に導く為、トラックの位置情報を含んだ光束の光量分布をほぼ対
物レンズの瞳面位置で分割,検出する事により、より確実なトラッキングエラー
信号の検出が可能である。 【0032】 図9は、本発明の実施例の基となる第2参考例に用いる光分割器を示す図であ
る。本参考例において光分割器101上の回折格子は、格子102,103,1
04に分割され、丁度第1参考例の構成に格子104を追加した様な形になって
いる。格子102及び103によって回折又は反射された光束は4分割光検出器
100によって検出され、格子104によって回折又は反射された光束は光検出
器105によって検出される。本参考例は、このように格子104を迫加して、
格子102内の光束の情報記録面上のトラックの延在方向AA′を対称軸とした
対称性を補償することにより、光検出器以降の信号の演算処理を簡略化出来るも
のである。具体的には4分割光検出器100の分割された受光面からの出力を夫
々IA,IB,IC,IDとし、光検出器105の出力をIEとすると、情報再
生信号IRFは、 IRF=IA+IB+IC+ID+IE のように得られる。またフォーカスエラー信号IFは IF=IA−IB のようにIA,IBの差として得られる。トラッキングエラー信号ITは、格子
104の追加により、単純に光検出器100の出力信号IC,IDの差として得
られる。 【0033】 IT=IC−ID 【0034】 また、参考例においては、光検出器105を除去し、情報再生信号IRFを IRF=IA+IB+IC+ID として得る事も可能である。この場合、格子104によって回折又は反射された
光束は、光分割器101の端面において反射,散乱され迷光を生ずる事もあるの
で、光検出器105を除去した位置に光吸収体を設置しても良い。尚、本参考例
においても、第1参考例で説明したような光検出器の置換等の変形は同様に可能
である。 【0035】 図10は、本発明の第4実施例に用いる光分割器を示す図である。本実施例に
おいて光分割器111上の回折格子は格子112a,112b,113に分割さ
れ、夫々の格子は異なる方向に焦線を形成する様、光束を集束させながら回折又
は反射する。格子113からの光束は光分割器内を導波し、2分割光検出器11
4で検出される。また格子112aと112bとの分割線は情報記録面上のトラ
ックの延在方向AA′と一致し、各々の回折光は光検出器115及び116で検
出される。2分割光検出器114の夫々の受光面の出力をIA,IB、光検出器
115の出力をIC、光検出器116の出力をIDとすると、情報再生信号IR
Fはこれら出力の総和、 IRF=IA+IB+IC+ID から得られる。また、フォーカスエラー信号IFは、格子113によりほぼ対物
レンズの瞳面位置で分割された光束の光検出器114の受光面上での振れ及び広
がりの検出によって得られる。格子の位置及び回折方向は第1参考例でも述べた
ように任意に作製可能であり、高感度な検出が可能な最適設計がなされる。具体
的には2分割光検出器の2つの出力信号の差をとることにより、 IF=IA−IB のように得られる。トラッキングエラー信号ITは、情報記録面上のトラックの
延在方向AA′を境に分割された格子112a,112bからの光量を対応した
光検出器116,115で検出し、その出力信号の差をとる事によって得られる
。 【0036】 IT=IC−ID 【0037】 尚、本実施例では光検出器115,116を1つの2分割光検出器に置き換え
ることも出来るし、また、光検出器114,115,116をまとめて4分割光
検出器とする事も自由である。 【0038】 図11は、本発明の第5実施例に用いる光分割器を示す図である。本実施例で
はトラックの延在方向AA′が光分割器121と任意の角度θをなしている場合
を示している。ここで光分割器121の回折格子は、格子122a,112b,
123,124に分割され、各々異なる方向に焦線を形成するように光束を集束
させながら回折又は反射する。格子122a,122bを分割する線は、トラッ
クの延在方向AA′と一致し、格子123,124はこの分割線を対称軸として
線対称な位置に作製されている。格子122a及び122bで回折又は反射され
た光束は2分割光検出器126の各々の受光面に導かれる。格子123からの光
束は2分割光検出器125で検出される。また、格子124からの光束は光吸収
体127によって吸収される。2分割光検出器125の各々の受光面の出力をI
A,IB、2分割光検出器126の各々の受光面の出力をIC,IDとすると、
情報再生信号IRF,フォーカスエラー信号IF,トラッキングエラー信号IT
は、不図示の演算器によって上記出力を第4実施例と全く同様に演算処理するこ
とによって得られる。 【0039】 本実施例において、格子124はトラッキングエラー信号検出の際、格子12
2a及び122bで分割された2光束の対称性を補償するために設けたもので、
図9の格子104と同じ役割を果たすものである。従って、光吸収体127を光
検出器に置き換え、図9に示した第2参考例と同様の過程で情報再生信号、光束
制御信号を得るようにしてもかまわない。また本実施例で格子124を除去し、
図8に示した第3実施例の様に光検出器以降の演算処理によって上述の補償を行
なう構成も考えられる。 【0040】 以上、様々な光分割器の構成例を示したが、本発明は更に別の光分割器を用い
たもの或いは光分割器以外の構成も異ならしめたもの等の変形も可能である。例 えば、光磁気記録を読み取る場合には、図1に示した構成において、λ/4板3
4を取り除き光検出器39,40の直前に偏光板を置く、或いはλ/4板34を
ファラデー素子に置換する等によって検出が可能になる。また実施例では、光分
割器からの光束を直接光検出器に導く構成としたが、光分割器の端面にシリンド
リカルレンズを加工したりして適当な光学系を介して光束を光検出器に導くよう
にしても良い。 【0041】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明は、光源から発した光束を光学系によって情報記
録面に集光するとともに、前記光源より前記情報記録面に至る光路中に配設され
た光分割器により前記情報記録面からの反射光束を光検出器の受光面に導き、ト
ラッキングエラー信号の検出を行なう光ヘッド装置において、前記光分割器の分
割面は、互いに異なる格子パターンが形成された、第1の格子,第2の格子を有
する回折格子からなり、前記第1の格子と前記第2の格子との分割線は、前記情
報記録面上のトラックの延在方向と一致し、前記回折格子は、前記光学系のほぼ
瞳位置で、前記光源から発した光束及び前記情報記録面からの反射光束に対して
ほぼ垂直に配設され、前記回折格子の前記第1の格子,前記第2の格子は、前記
情報記録面からの反射光束を互いに異なる方向に回折せしめ、前記光検出器は、
互いに異なる第1の光検出器,第2の光検出器からなり、前記第1の格子,前記
第2の格子からの各々の回折光束を、前記第1の光検出器,前記第2の光検出器
で検出し、その出力信号の差をとることによって前記トラッキングエラー信号を
得る、事によって、光検出器の位置調整を容易にし、また、情報記録面への入射
光に影響を与える事なく、情報記録面からの反射光を部分的に光検出器により取
り出す事が出来、また、光ヘッド装置全体を小型,薄型に構成することが出来、
更に、良好なトラッキングエラー信号の検出が可能となる等の効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に基づく光ヘッド装置の第1実施例を示す概略構成図である。 【図2】 図1に示した装置の光分割器の光源側から見た図である。 【図3】 図1に示した装置におけるフォーカスエラー信号の検出原理を説明する図であ
る。 【図4】 本発明に用いられる回折格子の構成例を示す略断面図である。 【図5】 回折格子の作成法の一例を説明する図である。 【図6】 本発明の第2実施例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図7】 本発明の第1参考例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図8】 本発明の第3実施例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図9】 本発明の第2参考例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図10】 本発明の第4実施例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図11】 本発明の第5実施例に用いられる光分割器の構成を示す図である。 【図12】 従来の光ヘッド装置の構成を示す概略図である。 【図13】 従来の光ヘッド装置の構成を示す概略図である。 【符号の説明】 31 レーザ光源 32 コリメータレンズ 34 λ/4板 35 対物レンズ 36 基板 37 情報記録面 39 光検出器 40 光検出器 41 光分割器 42 平行平板から成る基板 43 平行平板から成る基板 44 回折格子

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 光源から発した光束を光学系によって情報記録面に集光すると
    ともに、前記光源より前記情報記録面に至る光路中に配設された光分割器により
    前記情報記録面からの反射光束を光検出器の受光面に導き、トラッキングエラー
    信号の検出を行なう光ヘッド装置において、 前記光分割器の分割面は、互いに異なる格子パターンが形成された、第1の格
    子,第2の格子を有する回折格子からなり、前記第1の格子と前記第2の格子と
    の分割線は、前記情報記録面上のトラックの延在方向と一致し、前記回折格子は
    、前記光学系のほぼ瞳位置で、前記光源から発した光束及び前記情報記録面から
    の反射光束に対してほぼ垂直に配設され、前記回折格子の前記第1の格子,前記
    第2の格子は、前記情報記録面からの反射光束を互いに異なる方向に回折せしめ
    、 前記光検出器は、互いに異なる第1の光検出器,第2の光検出器からなり、前
    記第1の格子,前記第2の格子からの各々の回折光束を、前記第1の光検出器,
    前記第2の光検出器で検出し、その出力信号の差をとることによって前記トラッ
    キングエラー信号を得る 事を特徴とする光ヘッド装置。

Family

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