JP2531913B2 - バシルス チュリンギエンシス(Basillus thuringiensis) cryIIIC(b)毒素遺伝子及び甲虫類昆虫に毒性のタンパク質 - Google Patents

バシルス チュリンギエンシス(Basillus thuringiensis) cryIIIC(b)毒素遺伝子及び甲虫類昆虫に毒性のタンパク質

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は単離バシルス チュリンギエンシス株、その
新規毒素をコードする遺伝子及びその遺伝子により生成
される殺虫性結晶タンパク質毒素、ならびに甲虫類混入
に毒性のタンパク質を含む殺虫性組成物に関する。
発明の背景 バシルス チュリンギエンシス(Basillus thuringi
ensis)(後文では“B.t.")はグラム−陽性土壌バクテ
リアであり、胞子分裂の間にある種の目及び種の昆虫に
特に毒性の結晶タンパク質を製造する。B.t.の多種多様
の株が殺虫性結晶タンパク質を製造することが示され
た。殺虫性タンパク質を製造するB.t.株を含む組成物
は、商業的に入手可能であり、それらが特定の標的昆虫
に非常に毒性であるが植物及び他の非標的生物に無害な
ので、環境的に受け入れられる殺虫剤として用いられて
きた。
結晶タンパク質をコードする多くの遺伝子がB.t.のい
くつかの株からクローニングされた。そのような遺伝子
の再調査がH.Hfte et al.,Microbiol.Rev.,53,pp.2
42−255(1989)に示されている。この参照文献は、B.
t.から得られる遺伝子及びタンパク質、ならびにその利
用に関する優れた概観を与え、B.t.遺伝子及びタンパク
質に関する命令及び分類表を採択し、広大な関連図書目
録を有する。
B.t.結晶タンパク質は昆虫において摂取後のみに毒性
である。摂取後、昆虫の中腸のアルカリ性pH及びタンパ
ク質分解酵素が結晶を溶解し、毒性成分を放出させる。
これらの毒性成分は中腸細胞を崩壊させ、昆虫がものを
食べるのを止めさせ、結局死亡させる。実際B.t.は、種
々の昆虫有害生物を扱う場合に有効で環境的に安全な殺
虫剤であることがわかっている。
Hfte et al.により記されている通り、多数の殺
虫性B.t.株が鱗翅類の目の昆虫、すなわち毛虫に対して
活性である。他のB.t.株は双翅類の目の昆虫、すなわち
ハエ及び蚊に対して、あるいは鱗翅類及び双翅類の昆虫
の両方に対して殺虫的に活性である。近年いくつかのB.
t.株が甲虫類の目の昆虫、すなわちビートルに毒性の結
晶タンパク質を製造することが報告された。
甲虫類−毒性B.t.株の最初の単離はZ.angew,Ent.,96,
pp.500−508(1983)においてA.Krieg et al.,により
報告されている;A.Krieg et al.,Anz.Schaedlingskd
e.,Pflanzenschutz,Umweltschutz,57,pp.145−150(198
4)及び1988年8月23日発行のA.Krieg et alのU.S.特
許4,766,203も参照せよ。B.t.var.tenebrionisと指定さ
れた株は、甲虫類の昆虫であるアゲラスチカ アルニ
(Agelastica alni)(ブルーアルダーリーフビート
ル)及びレプチノタルサ デセムリネアタ(Leptinotar
sa decemlineata)(コロラドポテトビートル)の幼虫
に毒性であることが報告されている。B.t.tenebrionis
は約65−70キロダルトン(kDa)の殺虫性結晶タンパク
質を製造すると報告されている(U.S.特許4,766,203;K.
Bernhard,FEMS Microbiol.Lett.,33,pp.261−265(198
6)も参照せよ)。
V.Sekar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,pp.70
36−7040(1987)は、B.t.tenebrionisの甲虫類−毒性
結晶タンパク質に関する遺伝子のクローニング及び特性
化を報告している。遺伝子の配列から推定されるタンパ
ク質の大きさは73kDaであるが、単離タンパク質は最初6
5kDa成分を含んでいた。Hfte et al.,Nucleic Ac
ids Res.,15,p.7183(1987)もB.t.tenebrionisからク
ローニングされた遺伝子に関するDNA配列を報告してお
り、遺伝子の配列はSekar et al.(1987)による報告
と同一である。
McPherson et al.,Bio/Technology,6,pp.61−66(1
988)はB.t.tenebrionisからクローニングされた昆虫抑
制遺伝子に関するDNA配列を開示し、配列はSekar et
al.(1987)による報告と同一である。
クローニングされた遺伝子が潜在する大腸菌(E.col
i)及びシュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas
fluorescens)細胞は、コロラドポテトビートルの幼
虫に対して毒性であることが見いだされた。
1991年5月30日付けのNovo Nordisk A/SのPCT国際
公開番号WO 91/07481は、基となる株により比較的低収
量で最初に製造されたものと同一の殺虫性タンパク質を
高収率で製造するB.t.突然変異体につき記載している。
甲虫類−毒性B.t.tenebrionis株の突然変異体が開示さ
れている。
B.t.var.san diegoと指定された甲虫類−毒性株は、
C.Herrnstadt et al.,Bio/Technology,4,pp.305−308
(1986)により、種々の甲虫類昆虫に対して毒性の64kD
a結晶タンパク質を製造することが報告されている;ピ
ラルタ ルテオラ(Pyrrhalta luteola)(エルムリー
フビートル)に対する強い毒性;アントノムス グラン
ジス(Anthonomus grandis)(ボールウィービル)、
レプチノタルサ デセムリネアタ(Leptinotarsa dece
mlineata)(コロラドポテトビートル)、オチオリンク
ス スルカツス(Otiorhynchus sulcatus)(ブラック
ワインビートル)、テネブリオ モリトル(Tenebrio
molitor)(イエローミールワーム)及びハルチカ ト
ムバシナ(Haltica tombacina)に対する穏やかな毒
性;ならびにジアブロチカ ウンデシムプンクタタ(Di
abrotica undecimpunctata)(ウェスタンスポッテド
キューカンバービートル)に対する弱い毒性。
クローニングされたB.t.san diegoの甲虫類毒素遺伝
子のDNA配列はC.Herrnstadt et al.,Gene,57,pp.37−
46(1987)により報告されている;1988年9月13日発行
のHerrnstadt et al.のU.S.特許4,771,131も参照せ
よ。B.t.san diegoの毒素遺伝子の配列は、クローニン
グされたB.t.tenebrionisの甲虫類毒素遺伝子に関してS
ekar et al.(1987)により報告されたものと同一で
ある。
A.Krieg et al.,J.Appl.Ent.,104,pp.417−424(19
87)は、種々の診断試験に基づき株B.t.san diegoがB.
t.tenebrionis株と同一であることを報告している。
EG2158と指定された他の新規B.t.株が甲虫類昆虫に対
して殺虫性である73kDa結晶タンパク質を製造すること
が、Mol.Gen.Genet.,214,pp.365−372(1988)、及び19
91年6月18日発行の米国特許第5,024,837号においてW.
P.Donovan et al.,により報告されている。B.t.株EG2
158からの毒素−コード遺伝子をクローニングし、配列
決定し、その配列はクローニングされたB.t.tenebrioni
s甲虫類毒素遺伝子に関するSekar et al.(1987)に
よる報告と同一である。この甲虫類毒素遺伝子はHft
e et al.,Microbiol.Rev.,53,pp,242−255(1989)に
よりcry III A遺伝子と呼ばれている。
上記のDonovan et al.米国特許第5,024,837号もEG2
424及びEG2421と指定される雑種B.t.var.Kurstaki株に
つき記載しており、これらは鱗翅類昆虫及び甲虫類昆虫
の両方に活性である。これらの雑種株のビートル活性は
接合プラスミドトランスファーによりB.t.株EG2158から
移された甲虫類毒性プラスミドから生ずる。
1989年1月10日発行のD.Karamata et al.の米国特
許第4,797,279号(EP−A−0 221 024に対応)は、
鱗翅類毒素遺伝子を有するB.t.var.Kurstakiからのプラ
スミド、及び甲虫類毒素遺伝子を有するB.t.tenebrioni
sからのプラスミドを含む雑種B.t.微生物を開示してい
る。雑種B.t.はB.t.Kurstaki、ならびにB.t.tenebrioni
sにより製造される場合の特徴的な結晶タンパク質を製
造する。
1990年3月20日発行のGaertner et al.の米国特許
第4,910,016号(EP−A−0 303 379に対応)は、B.
t.MT 104と同定される新規B.t.単離物を開示してお
り、これは2つの目の昆虫、コロラドポテトビートル
(甲虫類)及びキャベツルーパー(鱗翅類)に対して殺
虫活性を有する。
1989年5月31日公開のLubrizol,Genetics,Inc.,の欧
州特許出願公開番号0 318 143はB.t.tenebrionisか
らの完全な部分的修正遺伝子の特性化及び選択的発現、
ならびにクローニングされた遺伝子の宿主微生物へのト
ランスファーにより微生物が甲虫類昆虫に対する毒性を
有するタンパク質を製造できるようにすることにつき開
示している。上記で議論したHerrnstadt et al.,Bio/
Technology,4,pp.305−308(1986)から複製されたB.t.
san diegoに関する昆虫の生物学的定量データをまとめ
てある。まとめには、他の供給源からのB.t.tenebrioni
sに関するデータも含まれ;B.t.tenebrionisがコロラド
ポテトビートルに対する強い毒性、ウェスタンコーンル
ートワーム(ディアブロチカ ビルジフェラ(Diabroti
ca virgifera))に対する穏やかな毒性、及びサザン
コーンルートワーム(ディアブロチカ ウンデシムプン
クタタ(Diabrotica undecimpunctata))に対する弱
い毒性を示すことが報告されている。
1989年6月19日発行のImperial Chemical Industri
es PLCの欧州特許出願公開番号0 324 254は、A30と
同定される新規B.t.株を開示しており、それはコロラド
ポテトビートルの幼虫、コーンルートワームの幼虫及び
ボールウィービルを含む甲虫類昆虫に対する殺虫活性を
有する。
1991年3月12日発行のPayne et al.のU.S.特許4,99
9,192(EP−A−0 328 383に対応)は、B.t.PS40D1
と同定される新規B.t.微生物を開示しており、それはコ
ロラドポテトビートルの幼虫に対して殺虫活性を有す
る。B.t.株PS40D1は血清型分類により血清変種(serova
r)8a8b、morrisoniと同定されている。
1991年4月9日発行のPayne et al.の米国特許第5,
006,336号(EP−A−0 346 114に対応)は、PS122D3
と指定される新規B.t.単離物を開示しており、それは血
清型分類により血清変種8a8b、morrisoniとされ、コロ
ラドポテトビートルの幼虫に対して殺虫活性を示す。
1990年10月30日発行のPayne et al.の米国特許第4,
966,765号(EP−A−0 330 342に対応)は、B.t.PS8
6B1と同定される新規B.t.微生物を開示しており、それ
はコロラドポテトビートルに対する殺虫活性を有する。
B.t.株PS86B1は血清型分類により、血清変種tolwothiと
同定されている。
cry III B遺伝子のヌクレオチド配列及びそれがコー
ドする甲虫類−毒性タンパク質は、Nucleic Acids Re
s.18,p.1305(1990)でSick et al.により報告されて
いるが、B.t.供給源株は血清型分類によって亜種tolwor
thiと同定されたのみである。1991年2月26日発行のSic
k et al.の米国特許第4,966,155号(EP−A−0 337
604に対応)は甲虫類−活性B.t.株43Fから得たB.t.毒
素遺伝子を開示しており、遺伝子配列はcry III B遺伝
子と同一であることがわかる。B.t.株43Fはコロラドポ
テトビートル及びレプチノタルサ テキサナ(Leptinot
arsa texana)に対して活性であると報告されている。
1990年8月22日公開のPlant Genetic Systems N.
V.の欧州特許出願第0 382 990号は、コロラドポテト
ビートルの幼虫に対して殺虫活性を示すそれぞれ74及び
129kDaの結晶タンパク質を製造する2つの新規B.t.株
(btGSI208及びbtGSI245)を開示している。74kDaのタ
ンパク質を製造する毒素遺伝子に関して報告されたDNA
配列は、Sick et al.のcry III B遺伝子の配列と同一
であることがわかる。
1990年11月15日公開のImperial Chemical Industri
es PLCのPCT国際公開番号WO90/13651は、鱗翅類昆虫の
みでなくディアブロチカを含む甲虫類昆虫にも毒性であ
ると言われる81kDaタンパク質をコードする毒素遺伝子
を含む新規B.t.株を開示している。
1991年10月8日発行のAronson et al.,のU.S.特許
5,055,293は、コーンルートワーム(ディアブロチカ)
昆虫の抑制のためのB.ラテロスポロウス(B.laterospor
ous)の利用を開示している。
前記の文献中で記載されている種々のB.t.株は、甲虫
類昆虫に対して殺虫活性を結晶タンパク質を有すると報
告されているが、いずれもウェスタンコーンルートワー
ム(ディアブロチカ ビルギフェラ ビルギフェラ(Di
abrotica Virgifera virgifera))、サザンコーンル
ートワーク(ディアブロチカ ウンデシムプンクタタ
ホワルジ(Diabrotica undecimpunctata howardi))
及びノザンコーンルートワーム(ディアブロチカ バル
ベリ(Diabrotica barberi))を含むジアブロチカ属
(コーンルートワーム)の昆虫の幼虫及び成虫に対する
有意な、定量可能な毒性を示していない。
本発明のB.t.株は、他の甲虫類昆虫の中でもディアブ
ロチカ昆虫に対する定量可能な殺虫活性を有するタンパ
ク質毒素を発現する新規毒素遺伝子を含む。
発明の概略 本発明の1つの側面は、図1に示すアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド塩基配列を有し、後文ではcry II
I C(b)遺伝子(配列ID NO:1)と呼ぶ精製及び単離
甲虫類毒素遺伝子に関する。cry III C(b)遺伝子
(配列ID NO:1)は図1に示すヌクレオチド塩基144か
ら2099に延びるコード領域を有する。
本発明の他の側面は、cry III C(b)遺伝子により
製造される殺虫性タンパク質に関する。cry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)は、図1に示すcry
III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)のヌクレオチド配
列のヌクレオチド塩基144から2099により推定されるア
ミノ酸配列を有する。タンパク質は甲虫類の目の昆虫、
特にコロラドポテトビートル及びディアブロチカ属の昆
虫に対する殺虫活性を示す。
本発明のさらに別の側面は、Agricultural Research
Culture Collection,Northern Regional Research
Laboratory(NRRL)に寄託され、受託番号NRRL B−
18655を有し、B.t.株EG5144と推定されるB.t.バクテリ
アの生物学的に純粋な培養物、及びNRRLに寄託され、受
託番号NRRL B−18920を有し、B.t.株EG5145と指定さ
れる第2のバクテリアの生物学的に純粋な培養物に関す
る。B.t.株EG5144はcry III C(b)遺伝子(配列ID N
O:1)を有し、殺虫性Cry III C(b)タンパク質(配列
ID NO:2)を製造する野生型B.t.株である。B.t.株EG51
45も野生型B.t.株であり、その特性は下記にさらに詳細
に記載するB.t.株EG5144の特性と類似している。cry II
I C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を有する他のB.t.バ
クテリアの生物学的に純粋な培養物も本発明の範囲内で
ある。
本発明のさらに別の側面は、Cry III C(b)タンパ
ク質(配列ID NO:2)、又はCry III C(b)タンパク
質を製造するB.t.株の発酵培養物を、農業的に許容し得
る担体と組み合わせて含む殺虫性組成物に関する。
本発明は、甲虫類昆虫を抑制する方法を含み、その方
法はそのような昆虫のための宿主植物に、殺虫的に有効
量のCry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)、又
はCry III C(b)タンパク質を製造するB.t.株の発酵
培養物を適用することによる。方法は多様な甲虫類昆
虫、例えばコロラドポテトビートル、日本ビートルの幼
虫(白虫(white grubs))、メキシコビーンビートル
及びコーンルートワームに適用できる。
本発明のさらに別の側面は、cry III C(b)遺伝子
(配列ID NO:1)を含む組み替えプラスミド、そのよう
な組み替えプラスミドを用いて形質変換されたバクテリ
アの生物学的に純粋な培養物に関しており、バクテリア
は実施例6に記載するB.t.株EG7237などのB.t.が好まし
く、さらにcry III C(b)遺伝子により形質転換され
た植物にも関する。
図面の簡単な説明 図1は図1−1から1−3から成り、cry III C
(b)遺伝子(配列ID NO:1)のヌクレオチド塩基配列
及びCry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)の推
定アミノ酸配列を示す。推定リボソーム結合部位(RE
S)を示す。Ssp I及びHind IIIに関する制限部位も示
す。
図2はB.t.株EG5144(1列)、EG4961(2列)、EG28
38(3列)及びEG2158(4列)のサイズ分別された本来
のプラスミドを含むエチジウムブロミド染色アガロース
ゲルの写真である。図2の左の数字はB.t.株EG5144のプ
ラスミドの大体のサイズをメガダルトン(MDa)で示
す。
図3はサイズ分別されたDNAフラグメントをアガロー
スゲルからニトロセルロースフィルターに移し、フィル
ターを放射活性標識された2.4キロ塩基(kb)のcry III
Bプローブとハイブリッド形成させ、フィルターをX−
線フィルムに暴露することによって得たオートラジオグ
ラムの写真である。アガロースゲルは制限酵素Ssp I、H
ind III及びEcoRIを用いて別々に消化して得たB.t.株EG
2158、EG5144、EG2838及びEG4961からのサイズ分別され
た全DNAフラグメントを含んだ。図3の左の数字はcry I
II Bプローブとハイブリッド形成したB.t.株EG5144制限
フラグメントのサイズをkbで示す。“stnd"と標識した
列はサイズの標準である。
図4はB.t.株EG5144(1列)、EG4961(2列)、EG21
58(3列)及びEG2838(4列)から溶解された結晶タン
パク質を示すクーマシー染色ナトリウムドデシルサルフ
ェート(“SDS")ポリアクリルアミドゲルの写真であ
る。図4の左の数字はB.t.株EG5144により製造された結
晶タンパク質の大体のサイズをkDaで示す。5列はタン
パク質分子のサイズ標準を含む。
図5はプラスミドpEG271の制限地図を示す。cry III
C(b)遺伝子(配列ID NO:1)の位置及び配向を矢印
で示す。プラスミドpEG271はpUC18で印をつけたセグメ
ントにより示されるE.coliプラスミドpUC18(Apr)を含
むので、大腸菌(Escherichia coli)(E.coli)中で
機能する。制限エンドヌクレアーゼ切断部位に関する略
字は以下の通りである:Ba=BamH I;Bg=Bg III;H=Hind
III;R=EcoR I;S=Sph I;及びX=Xba I。1キロ塩基
の目盛りも示す。
図6は図5と並べ、同一の目盛りに基づいてプラスミ
ドpEG272の制限地図を示す。cry III C(b)遺伝子
(配列ID NO:1)の位置及び配向は図5に示されている
矢印により示す。プラスミドpEG272はプラスミドpEG271
(図5)から誘導され、pNN101で記すセグメントにより
示され、pEG271のAphI部位に挿入されたバシルス(Baci
llus)プラスミドpNN101(CmrTcr)を含み;このプラス
ミドはB.t.において機能する。略字は図5の場合と同様
である。
図7はクーマシー染色SDS−ポリアクリルアミドゲル
の写真である。ゲルはB.t.株EG5144(1列)及びpEG272
を含む組み替えB.t.株EG7237(3列)により合成される
タンパク質のバンドを示す。2列はタンパク質サイズの
標準を含み、1列及び3列の両側の数字は、これらの株
により製造される結晶タンパク質の大体のサイズをkDa
で示す。
好ましい態様の詳細な説明 cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)及び甲虫類
−毒性Cry III C(b)結晶タンパク質(配列ID NO:
2)の単離及び精製、ならびにCry III C(b)タンパク
質を製造する新規B.t.株EG5144の特性化を実施例1−7
にて詳細に記載する。殺虫性組成物におけるB.t.株EG51
44及びCry III C(b)結晶タンパク質(配列ID NO:
2)の利用及び方法も実施例8−11にて例示する。
本発明のcry III −型遺伝子であるcry III C(b)
遺伝子(配列ID NO:1)は図1に示すヌクレオチド塩基
配列を有する。cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)のコード領域は図1に示すヌクレオチド塩基位置144
から位置2099に延びる。
cry III C(b)遺伝子コード領域のヌクレオチド塩
基配列を先行技術のcry III A遺伝子の対応するコード
領域と比較すると、2個の遺伝子間に有意な差が示され
る。cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)はcry III
A遺伝子と76%のみ相同である(位置的に同一)。
cry III C(b)遺伝子コード領域のヌクレオチド塩
基配列を以前に発見されたB.t.株EG2838(NRRL 受託番
号B−18603)から得られるcry III B遺伝子の対応する
コード領域と比較すると、cry III C(b)遺伝子(配
列ID NO:1)はcry III B遺伝子と96%相同であること
が示される(位置的に同一)。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)によりコー
ドされる本発明のCry III −型タンパク質であるCry II
I C(b)タンパク質は、図1に示すアミノ酸配列(配
列ID NO:2)を有する。本開示においてCry III C
(b)“タンパク質”と言うのは、内容が他を示してい
なければ“結晶タンパク質”、“タンパク質毒素”、
“殺虫性タンパク質”などという記載と同義である。cr
y III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)のDAN配列から推
定されるCry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)
のサイズは74,265ダルトン(Da)である。
cry III B遺伝子の配列から推定されるCry III Bタン
パク質のサイズは74,237Daである。cry III A遺伝子に
よりコードされる先行技術のCry III Aタンパク質の推
定サイズは73,116Daである。
明らかなサイズの類似性にもかかわらず、Cry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)のアミノ酸配列と先
行技術のCry III Aタンパク質の配列を比較すると、2
者の間に有意な差が示される。Cry III C(b)タンパ
ク質(配列ID NO:2)はCry III Aタンパク質と68%の
み相同である(位置的同一アミノ酸)。Cry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)はCry III Bタンパ
ク質と95%相同である。しかし、Cry III C(b)及びC
ry III Bタンパク質の明らかな相同性にもかかわらず、
Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)は、甲虫
類の目の昆虫、特にディアブロチカ属の昆虫に関する殺
虫活性がCry III Bタンパク質と比較して有意に向上し
ていることに基づき、Cry III Bタンパク質とは異なる
タンパク質であることが示された。Cry III C(b)タ
ンパク質(配列ID NO:2)はCry III Bタンパク質と異
なりコーンルートワームの幼虫に対して定量可能な殺虫
活性を示す。
本発明は、Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:
2)の殺虫活性と基本的に同一の殺虫活性を有するタン
パク質を与えるCry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)の突然変異体及び組み替えあるいは遺伝的操作誘導
体、例えば切断型(truncatedversion)を含むものとす
る。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)は、他のB.
t.株中で類似の、又は密接に関連したcry III−型遺伝
子を発見するためのDNAハイブリッド形成プローブとし
ても有用である。cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)、又はその一部あるいは誘導体はハイブリッド形成
プローブとして用いるために、例えば放射活性標識を用
い、従来の方法で標識することができる。その後、標識
DNAハイブリッド形成プローブを実施例に記載する方法
で用いることができる。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)及び対応す
る殺虫性Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)
は、新規B.t.単離物であるB.t.株EG5144中で最初に同定
された。B.t.株EG5144の特性は実施例でさらに十分に記
載する。B.t.株EG5144のプラスミドアレー及び他の株特
性を、以前に発見されたB.t.株EG2838及びEG4961、なら
びに先行技術のB.t.株EG2158及びB.t.var.tenebrionis
(又は同等物、B.t.var.san diego)の場合と比較する
と、これらの甲虫類−毒性B.t.株がそれぞれ明白に異な
ることが示される。B.t.株EG5144と共に単離された別の
野生型株であるB.t.株EG5145のプラスミドアレーは、B.
t.株EG5144のものと類似しており、B.t.株EG5145は甲虫
類昆虫、例えば日本ビートル幼虫に対してB.t.株EG5144
と同一の殺虫活性を示す(実施例11を参照)。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)は、クロー
ニングされたcry III C(b)遺伝子の安定な保持及び
発現を可能にする条件下で適した宿主を形質転換するた
めに、当該技術における熟練者に周知の方法を用いて多
様な微生物宿主中に導入することができる。cry III C
(b)遺伝子(配列ID NO:1)を発現させ、Cry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)の製造を可能にする
適した宿主には、バシルス チュリンギエンシス及び他
のバシルス種、例えばB.ズブチリス(B.subtilis)又は
B.メガテリウム(B.megaterium)が含まれる。cry III
C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を含む遺伝的に変えら
れた、又は操作された微生物は、同一微生物中に存在す
る他の毒素遺伝子も含むことができ、これらの遺伝子が
Cry III C(b)タンパク質と異なる殺虫性結晶タンパ
ク質を同時に製造できることが明白でなければならな
い。
本開示に記載するバシルス株は従来の成長培地及び標
準的発酵法を用いて培養することができる。cry III C
(b)遺伝子(配列ID NO:1)が潜伏しているB.t.株
を、培養B.t.細胞が成長サイクルにおいてCry III C結
晶(b)タンパク質(配列ID NO:2)を形成する段階に
達するまで、実施例に記載の通りに発酵することができ
る。胞子発生(sporogenous)B.t.株の場合、典型的に
発酵は、胞子と共にCry III C(b)結晶タンパク質が
形成される胞子形成段階を通じて続けられる。その後典
型的にB.t.発酵培養物の遠心、濾過などを行ってCry II
I C(b)結晶タンパク質を含む発酵培養固体を培養物
の水性ブロス部分から分離することにより収穫する。
本開示において例とするB.t.株は胞子形成種(胞子形
成、又は胞子発生株)であるが、cry III C(b)遺伝
子(配列ID NO:1)は非胞子発生バシルス株、すなわち
胞子を製造することなく結晶タンパク質を製造する株に
おいても用いることができる。本開示においてB.t.株
(cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を含む)の
“発酵培養物”と言うのは、胞子形成B.t.培養物、すな
わちCry III C(b)結晶タンパク質と胞子を含むB.t.
培養物、及び栄養段階の間に結晶タンパク質を製造した
胞子発生バシルス株、ならびにcry III C(b)遺伝子
(配列ID NO:1)を含み、培養物が実際に結晶タンパク
質を製造する成長段階に達した非胞子発生バシルス株を
含むものとすると理解するべきである。
分離された発酵固体はいくらかの細胞破片、いくらか
の完全な細胞及び残留発酵培地固体と共に、主にCry II
I C(b)結晶タンパク質(配列ID NO:2)及びB.t.胞
子である。必要なら結晶タンパク質を、例えばスクロー
ス濃度勾配分別などの従来の方法により他の回収固体か
ら分離することができる。回収された結晶タンパク質を
溶解し、その後溶液からタンパク質を沈澱させることに
より高純度のCry III C(b)タンパク質(配列ID NO:
2)を得ることができる。
前記の通りCry III C(b)タンパク質(配列ID NO:
2)は、コロラドポテトビートル、日本ビートル幼虫
(白虫)、メキシコビーンビートルなどの甲虫類昆虫に
対する有力な殺虫性化合物である。Cry III A及びCry I
II Bタンパク質と対照的にCry III C(b)タンパク質
(配列ID NO:2)は、他の甲虫類−毒性B.t.結晶タンパ
ク質により比較的影響されなかったディアブロチカ昆
虫、例えばコーンルートワームに対して測定できる殺虫
活性を示す。Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:
2)は上記のような甲虫類昆虫の抑制に有用な殺虫性調
剤における活性成分として用いることができる。そのよ
うな殺虫性調剤又は組成物は典型的に活性成分の他に農
業的に許容し得る担体又は補薬を含み、当該技術におけ
る熟練者に周知の方法で調製及び使用される。
Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)は単離
された形態又は精製された形態、例えば結晶タンパク質
自身として殺虫性調剤中で用いることができる。別の場
合Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)は、cry
III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を有し、Cry III
C(b)タンパク質を製造することができるバシルス
チュリンギエンシスなどのバシルス株、又は他の微生物
宿主の培養により得られる回収発酵固体中で存在するこ
とができる。適したバシルス宿主には、B.t.株EG5144及
びB.t.株EG5144から誘導された遺伝的に改良されたB.t.
株が含まれる。後者のB.t.株はプラスミドキュアリング
及び/又は接合法(conjugation technique)により得
られ、B.t.株EG5144からの本来のcry III C(b)遺伝
子−含有プラスミドを含む。組み替えDNA法によって得
られ、クローニングされたcry III C(b)遺伝子(配
列ID NO:1)を発現する組み替えプラスミドを含む、遺
伝的操作又は形質転換されたB.t.株又は他の宿主微生物
も用いることができる。
そのような形質転換生成物の例は、B.t.株EG7237であ
り、これは組み替えプラスミド上にクローニングされた
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を含む。
回収発酵固体は主に結晶タンパク質及び(胞子形成B.
t.宿主を用いた場合)胞子を含み;細胞破片及び残留発
酵媒地固体も存在し得る。Cry III C(b)タンパク質
を含む回収発酵固体は、必要なら殺虫性調剤に挿入する
前に乾燥することができる。
活性成分として殺虫性Cry III C(b)タンパク質
(配列ID NO:2)を含む本発明の調剤又は組成物は、殺
虫的有効量で適用することができ、その量は例えば抑制
するべき特定の甲虫類昆虫、処置するべき特定の植物又
は作物、及び殺虫活性組成物を適用する方法などの因子
に依存して変化する。殺虫的有効量の殺虫性調剤を本発
明の昆虫抑制法において使用する。
殺虫性組成物は、殺虫活性成分と農業的に許容し得る
所望の担体を配合することにより製造する。配合された
組成物は粉剤又は顆粒材料、あるいは油(植物油又は鉱
油)又は水中の懸濁液又は油/水乳液、あるいは水和剤
の形態であることができ、又は農業的用途に適した他の
担体材料と組み合わせてあることができる。適した農業
的担体は固体又は液体であることができ、当該技術にお
いて周知である。“農業的に許容し得る担体”という用
語は、殺虫剤配合法において通常用いられるすべての補
薬、例えば不活性成分、分散剤、界面活性剤、粘着付与
剤、結合剤を含み;これらは殺虫剤配合における熟練者
に周知である。
Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)及び1
種類かそれ以上の固体又は液体補薬を含む調剤は、例え
ば従来の配合法を用いた殺虫活性Cry III C(b)タン
パク質成分と適した補薬の均一混合、配合及び/又は粉
砕により既知の方法で調製することができる。
本発明の殺虫性組成物は、標的甲虫類昆虫の環境、典
型的な場合保護するべき植物又は作物の葉の上に従来の
方法で、好ましくは噴霧により適用する。他の適用法、
例えば粉剤散布、液剤散布、浸漬、土壌注入、種の被
覆、実生の被覆又は噴霧なども可能であり、根又は茎に
蔓延する昆虫の場合は必要である。これらの適用法は当
該技術において周知である。
後文で“毒性遺伝子”と呼ぶことがあるcry III C
(b)遺伝子(配列ID NO:1)又はその機能的同等物
は、多様な微生物宿主に導入することができる。cry II
I C(b)遺伝子(配列ID NO:1)が発現されると殺虫
性Cry III C(d)タンパク質毒素(配列ID NO:2)が
製造される。適した宿主にはB.t.及びバシルスの他の
種、例えばB.ズブチリス又はB.メガテリウムが含まれ
る。植物−コロニー形成、又は根−コロニー形成微生物
もcry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)の宿主とし
て用いることができる。得られた形質転換生成物中で遺
伝子を安定に保持して発現させることができる条件下で
微生物宿主中にcry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)を導入するために、当該技術における熟練者に周知
の多様な方法を利用することができる。
形質転換生成物、すなわち組み替えプラスミド中にク
ローニングされた遺伝子が潜在する宿主微生物は従来の
方法に従い、通常組み替えプラスミドを含む宿主微生物
のみを成長させる選択法を用いて単離することができ
る。その後形質転換生成物を殺虫活性に関して試験する
ことができる。この場合もこれらの方法は標準的方法で
ある。
製造の目的で宿主細胞を選ぶ場合に特に興味深い特性
には、宿主への遺伝子の導入の容易さ、発現系の利用
性、発現の効率、宿主におけるCry III C(b)殺虫性
タンパク質の安定性及び補助的遺伝的可能性の存在が含
まれる。殺虫性cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)を含む細胞宿主は、cry III C(b)遺伝子が発現さ
れ、Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)が製
造される、典型的に胞子形成のためのいずれの簡便な栄
養培地中でも成長させることができる。結晶タンパク質
を含む胞子形成細胞をその後従来の方法、例えば遠心又
は濾過により収穫することができる。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を、遺伝子
を発現し、Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:
2)を製造することができる植物中に挿入し、昆虫の攻
撃に対する抵抗性を植物にさらに与えることができる。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を用いた植物
の遺伝的操作は、植物の遺伝子工学における熟練者に周
知の多様な形態及び起源のDNA分子を用い、遺伝子を含
む所望のDNAを植物組織又は細胞に導入することにより
行うことができる。植物組織中へのDNAの導入のための
方法の例は、1988年11月2日公開のMonsanto Company
の欧州特許出願公開0 289 479に開示されている。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)、又はCry I
II C(b)タンパク質(配列ID NO:2)を製造すること
ができる変性cry III C(b)遺伝子を含むDNAは、アグ
ロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium t
umefaciens)からのプラスミドであるTiなどの感染性プ
ラスミド、ウィルスあるいはA.ツメファシエンスなどの
微生物により、リソソーム又はリポソームの使用によ
り、機械的方法を用いた微量注入により、及び植物遺伝
子工学における熟練者が慣れた他の方法により植物細胞
又は組織に直接与えることができる。
当該技術における熟練者に周知の通り、遺伝子により
コードされるタンパク質を形成する種々のアミノ酸は通
常1種類以上のコドンにより決定されるので、cry III
C(b)遺伝子のヌクレオチド塩基配列(配列ID NO:
1)中に変更が可能である。さらにcry III C(b)ヌク
レオチド塩基配列のコード領域において、遺伝子を発現
してCry III C(b)殺虫性タンパク質の機能的同等物
を製造することができる変更又は切断があり得る。本明
細書を参照することにより当該技術における熟練者が不
必要な実験を行うことなく決定することができるこれら
の変更は、特にクレイムされている主題と十分に同等な
ので、添付クレイムの範囲内であると考えるべきであ
る。
ここで本発明を以下の特定の非制限的実施例に言及し
てさらに詳細に記載する。実施例は当該技術において一
般的に既知の方法に基づき、商業的に入手できる装置を
用いて実際に行った研究に関する。
新規B.t.株EG5144は、実施例1に記載の方法に従って
単離した。実施例1に記載の方法は、新規B.t.株EG5145
の単離にも用いられた。
実施例1 B.t.株EG5144及びEG5145の単離 米国及び国外を通じて、典型的に穀物貯蔵施設の種々
の供給源から作物粉試料を得た。作物粉を水性緩衝液に
懸濁し、懸濁液を60℃に30分間加熱することにより作物
粉試料を処理し、B.t.などの耐熱性胞子形成バシルス−
型バクテリアを濃縮した。処理された粉懸濁液を水性緩
衝液中で希釈し、希釈液を寒天皿上に広げて作物粉から
の個々のバクテリアを寒天皿の表面上でコロニーに成長
させた。成長後、各コロニーの一部を寒天皿からニトロ
セルロースフィルターに移した。フィルターをNaOHで処
理し、コロニーを溶解し、各コロニーからのDNAをフィ
ルター上に固定した。
E.coliに適用できる標準的方法がB.t.の場合に役立た
ないことがわかったので、コロニーハイブリッド形成法
に使用するB.t.コロニーの場合に用いるために改良処理
法を開発した。上記の処理の場合、B.t.コロニーを確実
に成長の栄養期とし、NaOHを用いた溶解を受け易くする
ために、特別な条件が必要であった。従って各コロニー
の一部をニトロセルロースフィルターに移した後、コロ
ニーの側を上にして0.5%(w/v)のグルコースを含む寒
天培地上にフィルターを置いた。その後移されたコロニ
ーを、寒天−グルコース培地上で30℃にて5時間成長さ
せた。寒天培地中の0.5%のグルコースの使用及び30℃
における5時間の成長サイクルは、B.t.コロニーが栄養
期にあり、従って溶解を受け易いことを保証するのに重
要であった。
クローニングされた甲虫類毒素遺伝子を、作物粉試料
から、B.t.の他の新規及び希少甲虫類−毒性株を見いだ
すための特異的プローブとして用いた。正式にはDonova
n et al.,Mol.Gen.Genet.,214,pp.365−372(1988)
に記載のB.t.株EG2158のcryC遺伝子として知られている
cry III A遺伝子を含む2.9kbのHind III DNA制限フラ
グメントをコロニーハイブリッド形成法においてプロー
ブとして用いた。
cry III A遺伝子全体を含む2.9kbのHind III cry II
I A DNAフラグメントを[アルファーp32]−dATP及び
クレノウ酵素を用いて標準的方法により放射標識した。
溶解された各コロニーからのDNAを含むニトロセルロー
スフィルターを、放射標識された2.9kbのHindIII cry
III A DNAプローブを含む緩衝溶液中で65℃にて16時間
インキュベートし、コロニーからのDNAと放射標識cry I
II AプローブからのDNAをハイブリッド形成させた。cry
III A DNAプローブが確実にcry III A DNAプローブ
と類似した遺伝子を含むコロニーからのDNAのみとハイ
ブリッド形成するように65℃のハイブリット形成温度を
用いた。
2.9kbのcry III Aプローブは、作物粉の種々の試料か
らの多くのB.t.コロニーとハイブリッド形成した。これ
らのコロニーを調べることにより、予想に反してそれら
がcry III−型遺伝子を含まないことが明らかになっ
た。これらのコロニーはcry I−型遺伝子を含んでい
た。cry I−型遺伝子は、分子量が約130kDaの鱗翅類−
毒性、甲虫類−毒性結晶タンパク質をコードする。cry
III A遺伝子の配列といくつかのcryI−型遺伝子の配列
のコンピューター補助による比較は、cry III A遺伝子
の3′−末端がcry I−型遺伝子の一部と部分的に相同
であることを明らかにした。この発見は、cry III A遺
伝子の3′−末端が2.9kbのcry III Aプローブとcry I
−型遺伝子を含むB.t.コロニーとハイブリッド形成させ
たという信念を支持した。
この問題を改善するために、2.9kbのHind III cry I
II Aプローブを酵素Xba Iで消化し、その3′−末端を
除いたcry III A遺伝子を含む2.0kbのHind III−XbaIフ
ラグメントを精製した。2.0kbのHind III−Xba Iフラグ
メントは、3′−切断cry III A遺伝子を含む。2.0kbの
フラグメントを用いてコロニーハイブリッド形成実験を
繰り返すと、それはcry I遺伝子−含有B.t.コロニーと
ハイブリッド形成しなかった。
種々の場所からの作物粉試料からの約48,000のバシル
ス−型コロニーを、放射標識された2.0kbのHind III−X
baI cry III Aプローブを用いて精査した。イリノイの
作物粉試料から、cry III Aプローブと特異的にハイブ
リッド形成する唯一の新規B.t.株が発見された。新規株
はB.t.株EG2838と指定され、NRRLに受託番号NRRL B−
18603として寄託した。
その後作物粉試料からのさらに約50,000のバシルス−
型コロニーも放射標識された2.0kbのHind III−Xba I
cry III Aプローブを用いてスクリーニングしたが、新
規cry III −型遺伝子を含む他の株の同定に成功しなか
った。
B.t.株EG2838は甲虫類昆虫、特にコロラドポテトビー
トルに対して殺虫活性であることが見いだされた。B.t.
株EG2838はサザンコーンルートワームに関して実質的殺
虫活性を持たなかった。cry III B遺伝子と指定された
遺伝子がB.t.株EG2838から単離され、そのヌクレオチド
塩基配列が決定された。cry III B遺伝子は、651アミノ
酸を含み推定サイズが74,237ダルトンのCry III Bタン
パク質と指定される結晶タンパク質をコードした。先行
技術のCry III Aタンパク質のサイズは以前に73,116ダ
ルトン(644アミノ酸)と推定された。cry III B遺伝子
はcry III A遺伝子と75%相同であり、Cry III Bタンパ
ク質はCry III Aタンパク質と68%相同である。
世界中の種々の場所からの膨大な作物粉試料から何千
というバシルス−型コロニーをB.t.株EG2838から得たcr
y III Bプローブを用いてスクリーニングした。cry III
Bプローブは放射標識cry III Aプローブに関して上記
で示した方法を用いて放射標識した。放射標識cry III
BプローブはB.t.株EG2838からのDNAの2.4kbのSsp I制限
フラグメントを含んだ。フラグメントはB.t.株EG2838の
甲虫類毒素cry III B遺伝子に関する完全タンパク質コ
ード領域を含む。ついに、B.t.株EG5144及びEG5145と指
定される本発明のB.t.株が、cry III Bプローブと特異
的にハイブリッド形成するB.t.コロニーを介して作物粉
試料から単離された。
B.t.EG5144の特性化のために、いくつかの研究を行っ
た。一系列の研究を行い、その鞭毛の血清型を特性化し
た。別の研究を行い、B.t.株EG5144の本来のプラスミド
のサイズを決定し、どのプラスミドが甲虫類−活性殺虫
性結晶タンパク質をコードする遺伝子を含むかを確定し
た。その後、B.t.株EG5144からのサイズ分別全DNA制限
フラグメントを用いてDNAブロット分析を行い、cry III
−型遺伝子を含む他のB.t.株からの類似の加工をした全
DNAと比較し、B.t.株EG5144が独特の甲虫類−活性毒素
遺伝子を含むことを示した。さらに、それが製造する結
晶タンパク質を特性化し、B.t.株EG5144及びその結晶タ
ンパク質に伴う殺虫活性を測定することにより、B.t.株
EG5144をさらに評価した。実施例2−7はB.t.株EG5144
及びその独特のcry III−型遺伝子の特性化の方法を目
的とし、実施例8−11は本発明のcry III C(b)遺伝
子(配列ID NO:1)を含むB.t.株EG5144及びB.t.株EG72
37の殺虫活性を目的とする。
実施例2 B.t.株EG5144の鞭毛の血清型の評価 抗体媒介細胞凝集研究(Craigie et al.,J.Immuno
l.,21,pp.417−511(1936))を用いてB.t.株EG5144に
関する鞭毛血清型分類研究を行った。B.t.var.kurstak
i,morrisoni及びtolworthi型−株及び新規甲虫類−活性
B.t.株EG4961からの精製鞭毛を用いて鞭毛抗体試薬を調
製した。
研究はB.t.株EG5144及び他の甲虫類−活性B.t.株なら
びにいくつかの普通のB.t.型株のホルマリン−固定栄養
細胞を含んで行い、そのそれぞれを鞭毛抗体媒介細胞凝
集に関して記録した。
他の甲虫類−活性B.t.株にはB.t.var.tenebrionis、
B.t.var.san diego、B.t.株EG2158(すべてcry III A
遺伝子を含む);B.t.株EG2838(cry III B遺伝子を含
む);及びB.t.株EG4961(cry III C(a)遺伝子と指
定される新規甲虫類毒素−コード遺伝子を含む)が含ま
れた。
B.t.鞭毛型−株はB.t.var/kurstaki(HD−1、血清型
3ab)、B.t.var.morrisoni(HD−12、血清型8ab)及び
B.t.var.tolworthi(HD−13、血清型9)であった。
この研究の結果を表1に示す;“+”は交差反応が起
こったことを示し、“−”は交差反応が起こらなかった
ことを示す。
表1の結果は、B.t.株EG5144の細胞がB.t.型−株kurs
taki、morrisoni及びtolworthi鞭毛抗体試薬との負の反
応を与えることを示す。B.t.株EG5144細胞は、ディアブ
ロチカ毒性を示すことが見いだされた新規甲虫類−活性
株であるB.t.株EG4961からの鞭毛試薬とも負の反応を与
える。
これらの結果はB.t.株EG5144がkurstaki、morrisoni
又はtolworthi−型B.t.株ではないことを示す。さらに
まだ知られていないB.t.株EG5144の鞭毛血清型は、血清
変種kumamotoensis(血清型18)として血清型分類され
たB.t.株EG4961のものと明らかに異なる。B.t.株EG5144
及びB.t.株EG4961の両方共、文献に記載されている他の
甲虫類−毒性B.t.株のものと異なる鞭毛血清型を有する
と思われる。
実施例3 EG5144の本来のプラスミドのサイズ分別及びcry III B
プローブ精査 B.t.株は、周知のアガロースゲル電気泳動の方法によ
りサイズに従ってそのプラスミドを分別することにより
特性化することができる。この方法は、リゾチーム及び
SDSを用いてB.t.細胞を溶解し、アガロースゲルを通っ
てライセートからプラスミドを電気泳動させ、ゲルをエ
チジウムブロミドで染色してプラスミドを視覚化するこ
とを含む。ゲル中を比較的ゆっくり移動する比較的大き
なプラスミドはゲルの上部に現れ、小さいプラスミドは
ゲルの下部に向かって現れる。
図2のアガロースゲルは、B.t.株EG5144が白いバンド
で示される通り約145、92、12、10及び5.5MDaの本来の
プラスミドを含むことを示す。プラスミドのサイズは既
知のサイズのプラスミド(示していない)との比較によ
り評価した。図2には示していないがB.t.株EG5145は約
145、92、12及び5.5MDaの本来のプラスミドを含む。B.
t.株EG5144中に見られた10MDaの潜在プラスミドはB.t.
株EG5145には存在しない。
図2はさらに、甲虫類−毒性B.t.株EG4961が約150、9
5、70、50、5及び1.5MDaの本来のプラスミドを含み、
甲虫類−毒性B.t.株EG2838が約100、90及び37MDaの本来
のプラスミドを含むことを示す。図2は甲虫類−毒性B.
t.株EG2158が約150、105、88、72及び35MDaの本来のプ
ラスミドを含むことも示す。B.t.株EG4961の150及び1.5
MDaプラスミド及びB.t.株EG2158の150MDaプラスミドな
どのプラスミドのあるものは、実際のゲル上で見えるが
写真では見ることができない。図2はB.t.株EG5144の本
来のプラスミドのサイズがB.t.株EG2158、EG2838及びEG
4961の本来のプラスミドのサイズと異なることを示して
いる。従ってB.t.株EG5144は、これらのプラスミドアレ
ー研究及び実施例2に記載した血清型分類研究に基づ
き、他の甲虫類−毒性B.t.株EG2158、EG2838及びEG4961
と異なる。同様にB.t.株EG5145はプラスミドアレー研究
に基づき上記の甲虫類−毒性B.t.株と異なると思われ
る。
図2で示したプラスミドを、Southern,J.Molec Bio
l.,98,pp.503−517(1975)のブロット法を用いたブロ
ッティングにより、アガロースゲルからニトロセルロー
スフィルターに移し、フィルターを上記の通りに放射標
識された2.4kbのcry III B DANプローブとハイブリッ
ド形成させた。ハイブリッド形成後、フィルターをX−
線フィルムに暴露した、X−線フィルムを調べることに
より、cry III BプローブがB.t.株EG5144の92MDaプラス
ミドと特異的にハイブリッド形成することが確認され
た。この結果は、B.t.株EG5144の92MDaプラスミドがcry
III B遺伝子と少なくとも部分的に相同なDNA配列を含
むことを示し、92MDaプラスミドがcry III−型遺伝子を
含むことを確証している、X−線フィルムはcry III B
プローブが予想通りB.t.株EG4961の95MDaプラスミド及
びB.t.株EG2838の100MDaプラスミド、ならびにB.t.株EG
2158の88Daプラスミドにハイブリッド形成することも示
した。B.t.株EG2158の88MDaプラスミドは以前に甲虫類
−毒素cry III A遺伝子を含むことが示された(Donovan
et al.,Mol.Gen.Genet.,214,pp.365−372(1988)を
参照)。発明者等は以前にB.t.株EG2838の100MDaプラス
ミドが甲虫類毒素cry III B遺伝子を含み、B.t.株EG496
1の95MDaプラスミドが新規甲虫類毒素cry III C(a)
遺伝子を含むことを決定した。
実施例4 B.t.株EG5144及びEG5145からのDNAのブロット研究 B.t.株EG5144からの染色体及びプラスミドDNAの両方
(全DNA)を抽出し、別々の制限酵素Ssp I、Hind III及
びEcoRIを用いて消化した。消化したDNAをアガロースゲ
ルを通って電気泳動によりサイズ分別し、その後フラグ
メントをエチジウムブロミドで染色することにより視覚
化した。比較のために、甲虫類−毒性B.t.株EG2158、EG
2838及びEG4961からの全DNAを同一の方法で加工した。
得られた染色アガロースゲルを調べることにより、それ
ぞれSsp I、Hind III及びEcoR Iを用いたこれらのB.t.
株からの全DNAの制限消化は、種々のサイズのDNAフラグ
メントを何百と与えることが示された。
サイズ分別DNA制限フラグメントをブロッティングに
よりアガロースゲルからニトロセルロースフィルターに
移し、その後cry III−型DNAハイブリッド形成プローブ
を用いて精査した。フィルターは、放射標識された2.4k
bのcry III B DNAプローブを含む緩衝水溶液中で65℃
にてハイブリッド形成させた。ハイブリッド形成後、フ
ィルターをX−線フィルムに暴露し、オートラジオグラ
ムを形成した。図3はオートラジオグラムの写真であ
り、左の数字はcry III Bプローブとハイブリッド形成
したB.t.株EG5144のDNAフラグメントのサイズをkbで示
す。これらのサイズはHind IIIで消化し、放射標識した
ファージラムダDNAをサイズマーカーとして含む“stnd"
と記した列との比較により決定した。図3においてEG21
58、EG5144、EG2838及びEG4961と記した列は、各列の上
部に示した制限酵素を用いて消化することにより得たこ
れらの各B.t.株からのサイズ分別DNAフラグメントを含
む。
図3中の各B.t.株に関する列において、黒いバンドは
cry III Bプローブとハイブリッド形成したDNA制限フラ
グメントを示す。図3を見て調べると、B.t.株EG5144の
cry III B−ハイブリッド形成制限フラグメントのサイ
ズがB.t.株EG2158、EG2838及びEG4961のcry III B−ハ
イブリッド形成フラグメントのサイズと明白に異なるこ
とが示されている。
特にB.t.株EG5144の場合のcry III B−ハイブリッド
形成Ssp I制限フラグメントのサイズは3.4kbであり、こ
れは他の3つのB.t.株の場合の対応するSsp I制限フラ
グメントと異なる;B.t.株EG2158の場合は2.8kbであり;
B.t.株EG2838の場合は2.4kbであり;B.t.株EG4961の場合
は4.5及び6.0kbである。Hind III及びEcoR Iを用いて得
たDNA制限フラグメントの場合にも類似差のが現れる。
これらの制限パターンの結果は、B.t.株EG5144がB.t.
株EG2158、EG2838及びEG4961のそれぞれcry III A、cry
III B及びcry III C(a)遺伝子と異なるcry III−型
遺伝子を含むことを示唆している。B.t.株EG5144のcry
III−型遺伝子は本発明者等によりcry III C(b)(配
列ID NO:1)と指定された。
B.t.株EG5144及びB.t.株EG5145から全DNAを抽出し、
6個の別の制限酵素(Hind III、EcoR I、Acc I、Dra
I、Ssp I、Xba I)を用いて消化し、アガロースゲル上
の電気泳動によりサイズ分別した。その後サイズ分別さ
れたDNA制限フラグメントをブロッティングによりニト
ロセルロースフィルターに移し、その後cry III−型DNA
ハイブリッド形成プローブ、特にcry III Aを含むプロ
ーブを用いて精査した。ハイブリッド形成後、フィルタ
ーをX−線フィルムに暴露し、オートラジオグラムを形
成した。制限パターンの結果は、評価した2つのB.t.
株、EG5144及びEG5145に関して同一であり、2つの株が
同一のcry III−型遺伝子を含むことを示唆している。
実施例5 B.t.株EG5144の結晶タンパク質の特性化 B.t.株EG5144を室温(約21−25℃)にてDSMG胞子形成
培地中で、胞子形成及び細胞溶解が起こるまで(4−5
日の成長)成長させた。DSMG培地は0.4%(w/v)のDifc
o栄養ブロス、25mMのK2HPO4、25mMのKH2PO4、0.5mMのCa
(NO3、0.5mMのMgSO4、10μMのFeSO4、10μMのMn
Cl2及び0.5%(w/v)のグルコースである。B.t.株EG514
4の胞子形成培養物を顕微鏡により観察し、B.t.胞子の
他に自由に浮遊する不規則な形の結晶が含まれることが
わかった。実験によりB.t.結晶が通常特定の昆虫に毒性
であり得るタンパク質を含むということが示された。B.
t.株EG5144の結晶の外観はB.t.株EG2158の平らな長方形
の(又は菱形の)結晶と異なるが、B.t.株EG2838及びEG
4961の不規則な形の結晶のあるものと部分的に類似して
いる。
B.t.株EG5144の胞子形成培養物から胞子、結晶及び残
留溶解細胞破片を遠心により収穫した。回収された固体
を1NのNaCl水溶液で1回、及びTETX(10mMのトリスHC
l、pH7.5、1mMのEDTA及び0.005%(w/v)のTritonRX−1
00を含む)で2回洗浄し、50mg/mlの濃度でTETX中に懸
濁した。固体混合物を溶解緩衝液(0.14MのトリスHCl、
pH6.8、2%(w/v)のSDS、5%(v/v)の2−メルカプ
トエタノール、10%(v/v)のグリセロール及び0.1%
(v/v)のブロモフェノールブルー)中で100℃に5分間
加熱することにより、250μgの遠心発酵培養物固体
(結晶、胞子及びいくらかの細胞破片を含む)から洗浄
した結晶を特異的に溶解した。溶解した結晶タンパク質
をSDS−PAGEによりサイズ分別した。サイズ分別後、タ
ンパク質をクーマシー染料を用いて染色して視覚化し
た。B.t.株EG4961、EG2158及びEG2838の培養物を、比較
のために同様の方法で加工した。
図4はこのタンパク質サイズ分別分析の結果を示し、
左の数字はB.t.株EG5144により合成される結晶タンパク
質のサイズをkDaで示す。1列に示される通り、約70kDa
の大きなタンパク質及び約30kDaの小さいタンパク質が
B.t.株EG5144胞子及び結晶を含む遠心発酵固体から溶解
された。B.t.株EG5144の約70kDaのタンパク質は、B.t.
株EG4961(2列)、EG2158(3列)の約70kDaの甲虫類
−毒性結晶タンパク質、ならびにB.t.株EG2838(4列)
の約74kDaの甲虫類−毒性結晶タンパク質とサイズが類
似であると思われる。
発明者等による以前の研究は、B.t.株EG4961、EG2158
及びEG2838の甲虫類−毒性結晶タンパク質がそれぞれ異
なることを示した。B.t.株EG4961のCry III C(a)タ
ンパク質はcry III C(a)遺伝子によりコードされ、7
4,393Daの推定サイズを有する。B.t.株EG2158のCry III
Aタンパク質はcry III A遺伝子によりコードされ、73,
116Daの推定サイズを有する。B.t.株EG2838のCry III B
タンパク質はcry III B遺伝子によりコードされ、74,23
7Daの推定サイズを有する。実施例6に記載の通り、新
規cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)により製造
されるB.t.株EG5144の甲虫類−毒性結晶タンパク質は、
Cry III A、Cry III B及びCry III C(a)タンパク質
と明らかに異なる。
B.t.株EG5144により製造される約30kDaの小さい結晶
タンパク質は、B.t.株EG4961、EG2158及びEG2838により
製造される小さい結晶タンパク質と大体類似のサイズで
ある。B.t.株EG2158、EG2838及びEG4961の約30kDaの小
さいタンパク質は、互いに関連していると思われ、いず
れも甲虫類昆虫に対する測定可能な殺虫活性を示すこと
が見いだされていない。B.t.株EG5144の約30kDaのタン
パク質が甲虫類昆虫に対する殺虫活性を有すると信じる
理由はない。
実施例4の方法に従い、DNAブロット分析をさらに行
い、2.4kbのcry III B DNAプローブがB.t.株EG5144 D
NAの1個の7.0kbのEcoR I−Xba I制限フラグメントに特
異的にハイブリッド形成することが明らかになった。こ
の結果は、7.0kbのフラグメントが完全cry III C(b)
遺伝子を含むことを示唆した。
B.t.株EG5144の7.0kbのEcoR I−Xba Iフラグメントを
単離し、7.0kbのEcoR I−Xba I制限フラグメントにつき
研究をし、フラグメントがcry III−型遺伝子、特にcry
III C(b)遺伝子を含むことを確認した。実施例6に
示す方法は、cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)
のヌクレオチド塩基配列の決定を記載するものである。
実施例6 B.t.株EG5144のcry III C(b)遺伝子のクローニング
及び配列決定 前実施例で記載した7.0KbのEcoR I−Xba Iフラグメン
トを単離するために、B.t.株EG5144からのサイズ−選択
DNA EcoR I−Xba I制限フラグメントを周知のE.coliベ
クターであるpUC18に連結することによりB.t.株EG5144
のプラスミドライブラリを構築した。この方法は、細胞
の溶解及びその後のDNAスプーリング(spooling)によ
り最初にB.t.株EG5144から全DANを得、その後全DNAをEc
oR I及びXba I制限酵素の両方を用いて二重消化し、消
化されたDNAをアガロースゲルを通して電気泳動させ、
4−10kbのDNAのサイズ選択フラグメントを含むゲルス
ライスを切除し、サイズ選択EcoR I−Xba I制限フラグ
メントをアガロースゲルスライスから電気溶出する段階
を含んで行った。これらのフラグメントを、やはりEcoR
I及びXba Iで消化したE.coliプラスミドベクターpUC18
と混合した。pUC18ベクターはアンピシリン耐性(Am
pr)のための遺伝子を有し、ベクターはE.coli中で複製
する。B.t.株EG5144及び消化pUC18ベクターからのDNAサ
イズ−選択制限フラグメントの混合物にT4 DNAリガー
ゼ及びATPを加え、pUC18ベクターをB.t.株EG5144制限フ
ラグメントと連結させた。
その後プラスミドライブラリを、問題の遺伝子を欠い
た宿主生物であるE.coli細胞中に、以下のようにして形
質転換した。連結後DNA混合物を、CaCl2で処理して細胞
がDNAを取り上げるようにしたアンピシリン感応性E.col
i宿主株であるE.coli株DH5αと共にインキュベートし
た。E.coli、特に株DH5αは組み替えプラスミドを用い
て容易に形質転換され、E.coli株DH5αはB.t.結晶タン
パク質のための遺伝子を自然には含まないので、これら
を宿主株として用いた。pUC18はアンピシリンに対する
耐性を与えるので、組み替えプラスミドを得る宿主細胞
はすべてアンピシリン耐性となる。組み替えブラスミド
に暴露した後、E.coli宿主細胞をアンピシリンを含む寒
天培地上に広げた。37℃の温度で終夜インキュベーショ
ンした後、組み替えプラスミドが潜在する細胞から数千
のE.coliコロニーがアンピシリン−含有寒天上に成長し
た。その後これらのE.coliコロニーを、続くプローブに
よる精査のためにニトロセルロース上にブロッティング
した。
その後プローブをB.t.株EG5144からのDNAの7.0kbのEc
oR I−Xba Iフラグメントを含む形質転換宿主コロニー
と特異的に結合させる条件下で、放射標識された2.4kb
のcry III B遺伝子をDNAプローブとして用いた。数個の
E.coliコロニーが2.4kbのcry III Bプローブと特異的に
ハイブリッド形成した。E.coli株EG7236と指定する1個
のcry III B−ハイブリッド形成コロニーにつきさらに
研究した。E.coli株EG7236はpEG271と指定する組み替え
プラスミドを含み、それはpUC18及びB.t.株EG5144から
のDNAの約7.0kbの挿入EcoR I−Xba I制限フラグメント
を含んだ。cry III BプローブはpEG271中の7.0kbのDNA
フラグメント挿入片に特異的にハイブリッド形成した。
pEG271の制限地図を図5に示す。
pEG271の7.0kbのフラグメントは、2.4kb及び3.8kbのH
ind IIIフラグメント、及びcry III Bプローブと特異的
にハイブリッド形成する4.0kbのBamH I−Xba Iフラグメ
ントを含んだ。2.4kbのHind IIIフラグメントをDNA配列
決定ベクターM13mp18中にサブクローニングした。4.0kb
のBamH I−Xba IフラグメントはDNA配列決定ベクターM1
3mp18及びM13mp19中にサブクローニングした。
サブクローニングされた各DNAフラグメントの実質的
部分のヌクレオチド塩基配列を標準的サンガー(Sange
r)ジデオキシ法を用いて決定した。サブクローニング
された各フラグメントに関し、配列−特異的17−merオ
リゴヌクレオチドプライマーを用いてDNA配列決定反応
を開始させることにより両DNA鎖を配列決定した。配列
決定により、7.0kbのフラグメントが読み取り枠、及び
特に新規cry III−型遺伝子を含むことが明らかになっ
た。cry III C(b)(配列ID NO:1)と指定されるこ
の新規遺伝子は、cry III A遺伝子と有意に異なる。下
記の通りcry III C(b)遺伝子はcry III B遺伝子とも
明らかに異なる。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)のDNA配列及
びcry III C(b)遺伝子によりコードされるCry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)の推定アミノ酸配列
を図1に示す。cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)のタンパク質コード部分を、位置144で始まり、位置
2099で終わるヌクレオチドとして定義する。推定リボソ
ーム結合部位を図1−1にて“RBS"と示す。cry III C
(b)遺伝子によりコードされるCry III C(b)タン
パク質(配列ID NO:2)の、cry III C(b)遺伝子
(配列ID NO:1)の読み取り枠から推定されるサイズ
は、74,265Da(652アミノ酸)である。SDS−PAGEから決
定されるCry III C(b)タンパク質の見掛けのサイズ
は約70kDaであることに注意するべきである。従って本
明細書においては、Cry III C(b)タンパク質(配列I
D NO:2)は約70kDaのサイズであるとする。
先行技術のCry III Aタンパク質のサイズは以前に73,
116Da(644アミノ酸)と推定された。Cry III Bタンパ
ク質のサイズは以前に74,237Da(651アミノ酸)と決定
された。
DNA配列決定により、cry III C(b)遺伝子中にHind
III制限部位が存在し、cry III C(b)遺伝子の下流
にSsp I制限部位が存在することが明らかになった(そ
れぞれ図1−2及び1−3を参照)。これらの制限部位
の位置を知ることにより、7.0kbのフラグメント内のcry
III C(b)遺伝子の位置及び配向を図5中で矢印で示
す通りに正確に決定することができた。
Korn及びQueen(L.J.Korn and C.Queen,“Analysis
of Biological Sequences on Small Computer
s,"DNA,3,pp.421−436(1984))のコンピュータープロ
グラムを用い、cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)とcry III B及びcry III A遺伝子の配列を比較し、
それらのそれぞれCry III C(b)、Cry III B及びCry
III Aタンパク質の推定アミノ酸配列を比較した。
cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)のヌクレオ
チド塩基配列は、cry III B遺伝子のヌクレオチド塩基
配列と96%位置的に同一であり、cry III A遺伝子のヌ
クレオチド塩基配列とは76%のみ位置的に同一である。
従ってcry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)はcry I
II B及びcry III A遺伝子と関連しているが、cry III C
(b)遺伝子はcry III B遺伝子と別であり、cry III A
遺伝子とは実質的に異なることが明らかである。
Cry III C(b)タンパク質(配列ID NO:2)の推定
アミノ酸配列は、Cry III Bタンパク質の推定アミノ酸
配列と95%位置的に同一であるが、Cry III Aタンパク
質の推定アミノ酸配列とは68%のみ位置的に同一である
ことが見いだされた。これらの差は、下記に示す殺虫活
性における差と共にcry III C(b)遺伝子(配列ID N
O:1)によりコードされるCry III C(b)タンパク質が
Cry III Bタンパク質又はCry III Aタンパク質と異なる
タンパク質であることを明白に示している。
さらに理論に束縛されることは望まないが、Cry III
C(b)タンパク質(配列ID NO:2)のアミノ酸配列と
発明者等の知る他のCry III−型タンパク質との比較に
基づき、Cry III C(b)タンパク質のコーンルートワ
ーム毒性の増強に以下のアミノ酸残基が重要であると思
われる。ここでアミノ酸に関する受容されている略字の
後の数字は図1に示す配列ID NO:2と同定される配列中
のアミノ酸の位置を示す:His9、His231、Cln339、Ser35
2、Asn446、His449、Val450、Gly451、Ile600及びThr62
4。いくつかの他のCry IIIタンパク質のアミノ酸配列の
研究後、示された位置のアミノ酸が全く一貫してCry II
I C(b)タンパク質に関して示されたアミノ酸と異な
るアミノ酸を示していたので、Cry III C(b)タンパ
ク質(配列ID NO:2)のコーンルートワーム毒性に重要
である可能性があるとしてこれらのアミノ酸残基を選ん
だ。
同一の研究に基づき、以下のアミノ酸修正の1つ又は
それ以上を行うcry III C(b)遺伝子(配列ID NO:
1)の特定部位の突然変異誘発が、得られるタンパク質
に関するコーンルートワーム毒性を向上又は増強すると
も思われる:Pro21をGlyに;Asp97をAsnに;Val289をIle
に;Ser352をPheに;417IleをValに;Phe419をLeuに;Gly45
1をSerに;Ile590をLeuに;Ile600をLysに;Thr624をLys
に。
当該技術において十分理解されている通り、特定部位
の突然変異誘発又は遺伝子切断などにより、Cry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)により示されるのと
基本的に類似の殺虫活性(コーンルートワーム及び他の
甲虫類昆虫に対して)を有する毒性タンパク質を与える
ことができる他の変更をcry III C(b)遺伝子(配列I
D NO:1)において行うことができる。上記のようなcry
III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)及びCry III C
(b)タンパク質(配列ID NO:2)の変性物は、特許請
求されている本発明の範囲内とする。
実施例7 クローニングされたcry III C(b)遺伝子の発現 cry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)によるCry I
II C(b)タンパク質(配列ID NO:2)の製造を決定す
る研究を行った。
表2はこれらの方法の間に用いられるB.t.及びE.coli
株及びプラスミドの関連特性をまとめたものである。プ
ラス()は指定された要素、活性又は機能の存在を示
し、マイナス()はその不在を示す。及びの指定
はそれぞれと共に用いた抗体に対するそれぞれ感応性及
び耐性を示す。表中で用いた略字は以下の意味を有す
る:Amp(アンピシリン);Cm(クロラムフェニコール);
Cry(クリスタリフェラス);Tc(テトラサイクリン)。
実施例6で記載したプラスミドpEG271が潜在するE.co
li細胞を分析し、70kDaのCry III C(b)結晶タンパク
質を検出可能な量で製造しないことが見いだされた。
実験により、クローニングされたB.t.結晶遺伝子はE.
coli中での発現が少なく、B.t.中でそれらそれぞれの本
来のプロモーター配列から多量に発現されることが示さ
れた。実施例6に示すようにして構築され、図5に示す
組み替えプラスミドpEG271はE.coli中で複製されるがB.
t.中で複製されない。クローニングされたcry III C
(b)遺伝子を多量に発現するために、B.t.中で複製す
ることができるバシルスベクターpNN101(TcrCmrCry-
をpEG271のSph I部位に連結した。得られたプラスミド
をpEG272と指定する。プラスミドpEG272の構築及びその
後のB.t.の形質転換のためのその利用の詳細を下記に記
載する。
単離されたプラスミドpEG271DNAをSph Iで消化し、そ
の後やはりSphIで消化したバシルスベクターpNN101と混
合した。T4 DNAリガーゼ及びATPを混合物に加え、pEG2
71をpNN101ベクターのSphI部位に連結させた。
連結後、細胞がプラスミドDNAを取り上げることがで
きるように塩化カルシウムで処理したE.coli株DH5α細
胞の懸濁液にDNA混合物を加えた。組み替えプラスミド
に暴露した後、E.coli宿主細胞をテトラサイクリンを含
む寒天培地上に広げた。pNN101のSph I部位に連結され
たpEG271を含むプラスミドを取り上げた細胞のみはテト
ラサイクリン寒天培地上で成長するが、プラスミドを吸
収しなかった細胞は成長しない。
1個のテトラサイクリン耐性コロニーからプラスミド
を単離し、Sph Iで消化し、アガロースゲルを通して電
気泳動させた。プラスミドは、それぞれプラスミドpNN1
01及びpEG271に対応する5.8kb及び9kbの2種類のSphI
DNAフラグメントを含んだ。このプラスミドをpEG272と
指定した。pEG272の制限地図を図6に示す。その後プラ
スミドpEG272を用い、実施例6で以前に記載した塩化カ
ルシウム法により受容性とされたE.coli株GM2163の細胞
を形質転換した。E.coli株GM2163はクリスタリフェラス
陰性(Cry-)及びアンピシリン感応性(Amps)株であ
り、Mol.Gen.Genet.,192,pp.288−289(1983)における
M.G.Marinus et al.の方法により構築された。
その後形質転換されたE.coli株GM2163から上記の方法
を用いてプラスミドpEG272を単離した。単離されたプラ
スミドpEG272をエレクトロポレーションにより次にB.t.
株HD73−26に形質転換した。B.t.株HD73−26の細胞はク
リスタリフェラス−陰性(Cry-)及びクロラムフェニコ
ール感応性(Cms)である。エレクトロポレーションを
行うためのBioRad Gene PulserTW装置を用い、懸濁液
中のB.t.株HD73−26の細胞を誘導し、やはり混合物に加
えられたpEG272を取り上げさせた。
エレクトロポレーションの後、形質転換されたB.t.細
胞を5μgのクロラムフェニコールを含む寒天培地上に
広げ、30℃で約16−18時間インキュベートした。プラス
ミドpEG272を取り上げた細胞はクロラムフェニコール寒
天培地上でコロニーに成長するが、プラスミドを吸収し
なかった細胞は成長しない。B.t.株EG7237と指定される
1つのCmrコロニーは、制限パターンがpEG272のパター
ンと同一であるらしいプラスミドを含んだ。
B.t.株EG7237の細胞をクロラムフェニコール(3μg/
ml)を含む胞子形成培地中22−25℃にて、胞子形成及び
細胞溶解が起こるまで(4−5日)成長させた。顕微鏡
試験により、B.t.株EG7237の胞子形成培養物は、胞子及
び小さくて自由に浮遊する不規則な形の結晶を含むこと
が明らかになった。これらの結晶は、類似の方法で調製
したB.t.株EG5144の胞子形成培養物の場合に観察される
小さくて不規則な形の結晶と似ている。
B.t.株EG7237の胞子形成発酵培養物からの胞子、結晶
及び細胞破片を遠心により収穫した。遠心ペレットを1N
のNaClで1回、及びTETX(10mMのトリス・HCl、pH7.5、
1mMのEDTA、0.005%(w/v)のTritonRX−100)で2回洗
浄し、ペレットを50mgペレット/ml TETXの濃度でTETXに
懸濁した。
溶解緩衝液(0.14Mのトリス、pH6.8、2%(w/v)のS
DS、5%(v/v)の2−メルカプトエタノール、10%(v
/v)のグリセロース及び0.1%(w/v)のブロモフェノー
ルブルー)中で100℃にて5分間、遠心懸濁液の一部(2
50μgのペレット固体を含む)を加熱することにより、
遠心ペレット懸濁液中の結晶を溶解した。結晶が溶解し
た後、混合物をSDS−ポリアクリルアミドゲルに適用
し、混合物中の溶解タンパク質を電気泳動によりサイズ
分別した。サイズ分別後、クーマシー染料で染色するこ
とによりタンパク質を視覚化した。クーマシー染色ゲル
の写真を図7に示す。
図7のゲルの3列は、B.t.株EG7237が約70kDaの大タ
ンパク質及び約30kDaの小タンパク質を製造したことを
示す。これらのタンパク質は、図7の1列に示され、B.
t.株EG7237と同一の方法で調製されたB.t.株EG5144によ
り製造される約70kDaの大タンパク質及び約30kDaの小タ
ンパク質とサイズが同一であることがわかった。この結
果は、pEG272の7.0kbのフラグメントが2つの結晶タン
パク質遺伝子:約70kDaのタンパク質のための1つ及び
約30kDaのタンパク質のための1つを含むことを示す。
約70kDaのタンパク質をコードする遺伝子はcry III C
(b)遺伝子であり、それがコードするタンパク質は殺
虫性Cry III C(b)タンパク質である。cry III C
(b)遺伝子(配列ID NO:1)のDNA配列、及びそれに
対応する推定タンパク質(配列ID NO:2)に関するアミ
ノ酸配列を図1に示す。
B.t.株EG7237は、図7のタンパク質バンドから証明さ
れるとおり、重量に基づいてB.t.株EG5144の約3倍多く
の70kDaタンパク質を製造した。組み替えB.t.株EG7237
における30kDa小タンパク質の製造もB.t.株EG5144と比
較して増加した。
以下の実施例8−11は、B.t.株EG5144、B.t.株EG7237
及びそれらの株により製造されるCry III C(b)タン
パク質の殺虫活性を決定する方法を記載する。
実施例8 B.t.株EG7237及びそのCry III C(b)タンパク質のサ
ザンコーンルートワーム及びコロラドポテトビートルに
対する殺虫活性 Cry III C(b)毒素タンパク質(配列ID NO:2)を
製造するcry III C(b)遺伝子(配列ID NO:1)を含
む組み替えB.t.株EG7237の殺虫活性を、サザンコーンル
ートワーム及びコロラドポテトビートルに対して決定す
る。
比較のために、B.t.株HD73−26バックグラウンドにお
いてcry III−型毒素遺伝子を含む他の2つの組み替え
B.t.株も生物学的定量研究に含んだ。これらはCry III
A毒素タンパク質を製造するcry III A遺伝子を含む組み
替えB.t.株EG7235、及びCry III B毒素タンパク質を製
造するcry III B遺伝子を含む組み替えB.t.株EG7225で
ある。
3つのB.t.株を胞子形成液体培地中30℃にて、胞子形
成及び細胞溶解が起こるまで成長させた。微量濾過によ
り発酵ブロスを濃縮した。濃縮された発酵ブロスをその
後凍結乾燥し、昆虫の生物学的定量に適したB.t.粉末を
調製した。各B.t.粉末中のCry III−型毒素タンパク質
の量は、標準的SDS−PAGE法を用いて定量した。
Marrone et al.,J.Econ.Entomol.,78,pp.290−293
(1985)と類似であるがホルマリンを含まない人工の食
物の表面汚染により、第1令サザンコーンルートワーム
幼虫の生物学的定量を行った。各生物学的定量は8連続
水希釈を含み、アリコートを生物学的定量皿中の食物の
表面に適用した。生物学的定量皿の2mlのウェルのそれ
ぞれが175mm2の表面積の食物1mlを含んだ。希釈剤(0.0
05%のTritonRX−100水溶液)が蒸発した後、昆虫の幼
虫を食物上に置き、28℃でインキュベートした。1投薬
当たり32の幼虫を試験した。7日後に死亡率を記録し
た。生物学的定量研究において、希釈剤のみを含む標準
もインキュベートした。
人工の食物をボテトフレークを加えたBioServe's N
o.9830昆虫食物に置換する以外は類似の方法を用い、第
1令コロラドポテトビートル幼虫を試験した。1投薬当
たり32の幼虫を試験し、7日ではなく3日で死亡率を記
録した。
生物学的定量研究の結果を下表3に示し、試験した昆
虫の50%を殺すのに必要なCry III−型タンパク質の濃
度であるPLC50値として殺虫活性を報告する。試験した
両方の昆虫に関して生物学的定量研究において1投薬当
たり4回の重複を用いた。重複生物学的定量のそれぞれ
からのデータをプロビット分析(R.J.Daum,Bull.Entomo
l.Soc.Am.,16,pp.10−15(1970))のために集め、希釈
剤のみの場合の標準死亡に関して死亡率を修正した(W.
S.Abbott,J.Econ.Entomol.,18,pp.265−267(192
5))。結果をPLC50を与えるCry III−型タンパク質の
投薬量(食物表面1mm2当たりのng Cry IIIタンパク質
として)として示す。95%における信頼区間をPLC50
の下の括弧内に示す。
この生物学的定量研究の結果は、Cry III C(b)毒
素タンパク質(配列ID NO:2)を製造するB.t.株EG7237
がサザンコーンルートワームに対して殺虫性であること
を示している。対照的にそれぞれB.t.株EG7235及びEG72
25のCry III A及びCry III B毒素タンパク質は、調べた
最高投薬量でこの昆虫に対して測定し得る活性を持たな
いことがわかる。
3つのB.t.株のすべてがコロラドポテトビートル幼虫
に対して殺虫活性を示し、B.t.株EG7235のCry III A毒
素タンパク質がB.t.株EG7237のCry III C(b)毒素タ
ンパク質(配列ID NO:2)より有意に有力であり、B.t.
株EG7225のCry III B毒素タンパク質はCry III A及びCr
y III C(b)の場合の中間の殺虫活性を有する。
これらの結果は、甲虫類の目の異なる昆虫属に関して
特定のCry III−型毒素タンパク質の殺虫活性が異なる
ことを示唆している。
実施例9 B.t.株EG7237及びそのCry III C(b)タンパク質のメ
キシコビーンビートルに対する殺虫活性 実施例8で評価した組み替えB.t.株EG7237の殺虫活性
を、メキシコビーンビートル(エピラクナ バリベスチ
ス(Epilachna varivestis))に対しても決定した。
実施例8と同様に、組み替えB.t.株EG7235及びEG7225を
比較のために含み、すべてのB.t.粉末を実施例8と同様
にして調製した。
メキシコビーンビートルの場合は適した人工の食物が
得られないので、葉の浸漬法により第1令メキシコビー
ンビートル幼虫の生物学的定量を行った。0.1%のTrito
nRX−100水溶液中に懸濁した既知の処理濃度のB.t.粉末
中に大豆の葉を浸漬した。過剰の材料がしたたり落ちた
後、葉を乾燥させた。0.1%のTritonRX−100に浸漬した
葉を未処理標準とした。20の昆虫の幼虫を処理した葉と
共にペトリ皿に閉じ込め、25℃でインキュベートし、3
日間食べさせ、その時点で死亡率を記録した。
生物学的定量研究の結果を下表4に示し、調べた昆虫
の50%を殺すのに必要なCry III−型タンパク質の濃度
であるPLC50値として殺虫活性を報告する。データは表
3に関して実施例8で記載した通りに扱った。結果をPL
C50を与えるCry III−型タンパク質の投薬量(Cry III
タンパク質のmg/葉の浸漬に用いた溶液のmlで)として
示す。95%における信頼区間をPLC50値の次の括弧内に
示す。
この生物学的定量研究の結果は、Cry III C(b)毒
素タンパク質(配列ID NO:2)を製造するB.t.株EG7237
の方がCry III B−製造B.t.株EG7225よりメキシコビー
ンビートルに対して有意に殺虫性が高いことを示す。Cr
y III A毒素タンパク質を製造するB.t.株EG7235は、調
べた最高投薬量において測定可能な殺虫活性を示さなか
った。
これらの結果は、甲虫類の目の昆虫属に関して特定の
Cry III−型毒素タンパク質の殺虫活性が大きく異なる
ことをさらに証明している。
実施例10 B.t.株EG5144のサザンコーンルートワームに対する殺虫
活性 B.t.株EG5144の殺虫活性をサザンコーンルートワーム
に対して評価した。比較のためにCry III C(a)毒素
タンパク質を製造するB.t.株EG4961を生物学的定量研究
に含んだ。
この実施例におけるサザンコーンルートワームの生物
学的定量法は、調べた昆虫の50%を殺すのに必要なCry
III−型タンパク質の濃度であるPLC50値の決定により行
った。方法は前実施例で行った人工食物生物学的定量法
に類似し、1投薬当たり32の第1令サザンコーンルート
ワーム幼虫を用いた。重複生物学的定量のそれぞれから
のデータをプロビット分析(R.J.Daum,Bull.Entomol.So
c.Am.,16,pp.10−15(1970))のために集め、希釈剤の
みの場合の標準死亡に関して死亡率を修正した(W.S.Ab
bott,J.Econ.Entomol.,18,pp.265−267(1925))。結
果をPLC50を与えるCry III−型タンパク質の投薬量(食
物表面1mm2当たりのng Cry IIIタンパク質として)と
して2回の別々の試験に関して示す。95%における信頼
区間をPLC50値の次の括弧内に示す。試験1では各投薬
当たり4回の重複を用い、後日行った試験2では2回の
重複を用いた。
この実施例で用いたB.t.株は、発酵ブロスを遠心によ
り濃縮する以外は実施例8におけるB.t.株の場合の記載
と同様にして調製した。
このサザンコーンルートワームを用いた生物学的定量
研究の結果を下表5に示す。
この生物学的定量研究は、Cry III C−型タンパク質
を製造するB.t.株EG5144及びB.t.株EG4961の両方がサザ
ンコーンルートワームに対して定量可能な殺虫活性を与
えることを示す。
実施例11 B.t.株EG5144の日本ビートル幼虫に対する殺虫活性 B.t.株EG5144の殺虫活性を、白虫(ポピリア ジャポ
ニカ(Popillia Japonica))としても知られる日本ビ
ートル幼虫に対して評価した。比較のために、Cry III
A毒素タンパク質を製造するB.t.株EG2158及びCry III B
毒素タンパク質を製造するB.t.株EG2838と共にCry III
C(a)毒素タンパク質を製造するB.t.株EG4961を生物
学的定量研究に含んだ。
この実施例の生物学的定量法は、食物挿入分析におけ
るCry III−型タンパク質の1回投薬(食物1ml当たりCr
y III−型タンパク質1mg)におけるスクリーニング分析
である。希釈剤(0.005%のTritonRX−100の水溶液)中
に懸濁した調べるべきB.t.粉末を100mlの熱い(50゜−6
0゜)液体人工食物(J.Econ.Entomol.,79,pp.668−671
(1986)においてLadd,Jr.により記載の昆虫食物に基づ
く)中に挿入した。混合物をペトリ皿中で固化させ、そ
の後この材料の直径が19mmの片をプラスチックの製氷皿
の各ウェル中に置いた。皿のウェル当たり1匹の虫を導
入し、アルミニウム箔を重ねた湿った発芽紙(germinat
ion paper)でウェルを覆い、皿を25℃に7日間保って
から死亡率を記録した。調べた昆虫は第3令の日本ビー
トル虫である。この研究ではそれぞれ16匹の昆虫を用い
て2回の重複で行った。
このスクリーニング生物学的定量研究の結果を下表6
に示し、殺虫活性を昆虫の死亡率のパーセンテージとし
て報告し、死亡率は標準死亡に関して修正し、標準は食
物片に希釈剤のみを挿入した場合である。結果はCry II
I−型タンパク質の1種類の投薬比で得た:食物1ml当た
り1mgのCry III−型タンパク質;各B.t.粉末中に存在す
るCry III−型タンパク質のパーセントも表6に示す。
日本ビートル虫に対するB.t.株EG5144の殺虫性能は、
そのCry III C(b)毒素タンパク質(配列ID NO:2)
と共に明らかにB.t.株EG4961及びそのCry III C(a)
タンパク質より優れている。
B.t.株EG2158及びB.t.株EG2838と比較して、B.t.株EG
5144は日本ビートル虫に対する優れた殺虫性能を示し
た。
その特性がB.t.株EG5144と類似しているB.t.株EG5145
は、日本ビートル虫に対してB.t.株EG5144と同等の殺虫
活性を示すことが見いだされたが、生物学的定量データ
はこの実施例11に示していない。
微生物の寄託 本出願に対する特許が発行された場合に、興味を持っ
た一般の人の材料の利用を保証するために、本出願を出
願する前に以下の微生物を、下表7に示す通りARS Pat
ent Collection,Agricultural Research Culture C
ollection,Northeran Regional Research Laborator
y(NRRL),1815 North University Street,Peoria,I
llinois 61604に寄託する: 表7 バクテリア株 NRRL受託番号 寄託日 B.t.EG2158 B−18213 1987年4月29日 B.t.HD73−26 B−18508 1989年6月12日 B.t.EG2838 B−18603 1990年2月8日 B.t.EG5144 B−18655 1990年5月22日 B.t.EG7237 B−18736 1990年10月17日 E.coliEG7236 B−18622 1990年6月6日 E.t.EG5145 B−18920 1991年11月21日 これらの微生物寄託は、「特許手続上の微生物の寄託
の国際的承認に関するブタペスト条約」の条項に従って
行った。これらの寄託微生物の一般の人の利用性に対す
るすべての制限は、本出願に基づく特許の発行時に最終
的に除去されるであろう。
本発明は、本発明の精神又はその必須の属性から逸脱
することなく他の特別な形態で具体化することができ、
従って本発明の範囲を示す場合、前記の明細書より添付
する請求の範囲を参照するべきである。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:Donovan,William P.Rupar,Mark J.Slan
ey,Annett C. (ii)発明の名称:バシルス チュリンギエンシス cr
y III C(b)毒素遺伝子及び甲虫類昆虫に毒性のタン
パク質 (iii)配列の数:2 (iv)通信住所: (A)宛名:Panitch Schwarze Jacobs&Nadel c/o
A.S.Nadel (B)ストリート:1601 Market street,36th Floor (C)市:Philadelphia (D)州:Pennsylvania (E)国:U.S.A. (F)郵便番号:19103 (v)コンピューター読み取り可能フォーム: (A)媒体の種類:フロッピーデイスク (B)コンピューター:IBM PC 互換性 (C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:PatentIn Release #1.0,Versio
n #1.25 (vi)本出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先行出願データ: (A)出願番号:US 07/649,562 (B)出願日:1991年1月31日 (viii)弁理士/代理人情報: (A)名前:Egolf,Christopher (B)登録番号:27633 (C)参照/事件整理番号:7205−29 P1 (ix)電気通信情報: (A)電話:215−757−1590 (2)配列ID NO:1の情報: (i)配列特性: (A)長さ:2430塩基対 (B)種類:核酸 (C)鎖:二重 (D)形態学:環状 (ii)分子の種類:DNA(ゲノム) (ix)特徴 (A)名前/キー:CDS (B)位置:144...2099 xi)配列の記載:配列ID NO:1: (2)配列ID NO:2の情報: (i)配列特性: (A)長さ:652アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)形態学:線状 (ii)分子の種類:タンパク質 (ix)配列の記載:配列ID NO:2: フオームPCT/RO/134の添付書類 “微生物の欄の続き: 10頁、3−11行 26頁、21−22行 28頁、10−12行 42頁、22−24行 47頁、26−27行 寄託物の同定の欄Aの続き: 以下の微生物を欄Aに挙げる寄託協会に下記の日付で
寄託した:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/68 9453−4B C12Q 1/68 A //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:07) C12R 1:07) (C12N 1/21 (C12N 1/21 C12R 1:07) C12R 1:07) (C12P 21/02 (C12P 21/02 C12R 1:07) C12R 1:07) ) 微生物の受託番号 NRRL B−18603 微生物の受託番号 NRRL B−18736 微生物の受託番号 NRRL B−18655 微生物の受託番号 NRRL B−18662 微生物の受託番号 NRRL B−18920 (72)発明者 スラニー,アネツト・シー アメリカ合衆国ニユージヤージイ州 08690ハミルトンスクエア・ダンムーア コートサウス4

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヌクレオチド塩基配列が図1に示すアミノ
    酸配列(配列IDNO:2)をコードすることを特徴とする単
    離されたcry III C(b)遺伝子。
  2. 【請求項2】遺伝子が図1に示すヌクレオチド塩基配列
    (配列ID NO:1)中のヌクレオチド塩基144−2099に延
    びるコード領域を有することをさらに特徴とする、請求
    の範囲1に記載の単離されたcry III C(b)遺伝子。
  3. 【請求項3】請求の範囲1又は2に記載の遺伝子を含む
    組み替えプラスミド。
  4. 【請求項4】請求の範囲1又は2に記載の遺伝子により
    製造される甲虫類−毒性タンパク質。
  5. 【請求項5】請求の範囲3に記載の組み替えプラスミド
    を用いて形質転換されたバクテリア。
  6. 【請求項6】バクテリアがバシルス チュリンギエンシ
    ス(Bacillus thuringiensis)種に属する、請求の範
    囲5に記載のバクテリア。
  7. 【請求項7】NRRLに受託番号NRRL B−18736として寄
    託された、請求の範囲6に記載のバシルス チュリンギ
    エンシス バクテリア。
  8. 【請求項8】請求の範囲4に記載のタンパク質及び農業
    的に許容し得る担体を含むことを特徴とする、殺虫剤組
    成物。
  9. 【請求項9】請求の範囲5に記載のバクテリア、そのよ
    うなバクテリアにより製造される甲虫類−毒性タンパク
    質及び農業的に許容し得る担体を含むことを特徴とする
    殺虫剤組成物。
  10. 【請求項10】遺伝子又はその一部がハイブリッド形成
    プローブとして用いるために標識されていることをさら
    に特徴とする、請求の範囲2に記載のcry III C(b)
    遺伝子。
  11. 【請求項11】NRRLに受託番号NRRL B−18655として
    寄託された、アミノ酸配列(配列ID NO:2)を有する甲
    虫類−毒性タンパク質を産生するバシルス チュリンギ
    エンシス バクテリア。
  12. 【請求項12】請求の範囲11に記載のバシルス チュリ
    ンギエンシス バクテリアにより製造され、図1に示す
    アミノ酸配列(配列ID NO:2)を有することを特徴とす
    る甲虫類−毒性タンパク質。
  13. 【請求項13】組成物が請求の範囲12に記載の甲虫類−
    毒性タンパク質を農業的に許容し得る担体と組み合わせ
    て含むことを特徴とする殺虫剤組成物。
  14. 【請求項14】甲虫類−毒性タンパク質がそのようなタ
    ンパク質を製造したバシルス チュリンギエンシス バ
    クテリアを伴うことをさらに特徴とする、請求の範囲13
    に記載の殺虫剤組成物。
  15. 【請求項15】殺虫的に有効量の請求の範囲4に記載の
    甲虫類−毒性タンパク質を、甲虫類昆虫が攻撃する植物
    に適用することを特徴とする、甲虫類昆虫の抑制法。
  16. 【請求項16】甲虫類−毒性タンパク質がそのようなタ
    ンパク質を製造したバシルス チュリンギエンシス バ
    クテリアを伴うことをさらに特徴とする、請求の範囲15
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】昆虫がコーンルートワーム、メキシコビ
    ーンビートル及び日本ビートル幼虫からなる群より選ば
    れることをさらに特徴とする、請求の範囲15に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】殺虫的に有効量の請求の範囲12に記載の
    甲虫類−毒性タンパク質を甲虫類昆虫が攻撃する植物に
    適用することを特徴とする、甲虫類昆虫の抑制法。
  19. 【請求項19】甲虫類−毒性タンパク質がそのようなタ
    ンパク質を製造したバシルス チュリンギエンシス バ
    クテリアを伴うことをさらに特徴とする、請求の範囲18
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】昆虫がコーンルートワーム、メキシコビ
    ーンビートル及び日本ビートル幼虫からなる群より選ば
    れることをさらに特徴とする、請求の範囲18に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】NRRLに受け入れ番号NRRL B−18920と
    して寄託された、アミノ酸配列(配列ID NO:2)を有す
    る甲虫類−毒性タンパク質を産生するバシルス チュリ
    ンギエンシス バクテリア。
  22. 【請求項22】組成物が請求の範囲11又は21に記載のバ
    シルス チュリンギエンシス バクテリアから得ること
    ができる甲虫類−毒性タンパク質を農業的に許容し得る
    担体と組み合わせて含むことを特徴とする、殺虫剤組成
    物。
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