JP2531904Y2 - 焦点制御装置 - Google Patents

焦点制御装置

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JP2531904Y2
JP2531904Y2 JP1991106836U JP10683691U JP2531904Y2 JP 2531904 Y2 JP2531904 Y2 JP 2531904Y2 JP 1991106836 U JP1991106836 U JP 1991106836U JP 10683691 U JP10683691 U JP 10683691U JP 2531904 Y2 JP2531904 Y2 JP 2531904Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、たとえば光ディスク、
ビデオディスク等の情報記憶媒体に集光したレーザ光を
照射することにより少なくとも情報を読取ることが可能
な再生ないしは記録再生装置等に適用し得る焦点制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク、ビディオディスク
等の情報記録媒体の記録層ないしは光反射層としての情
報形成層の所に集光したレーザ光のビームウエスト (最
も絞れた部分) が来るように焦点の調整を行なう方法と
して、記録層ないしは光反射層とての情報形成層上で
のレーザ光の焦点ぼけを検知して、この検知信号により
対物レンズを移動させて焦点を合わせるようにしてい
る。
【0003】従来、記録層ないしは光反射層としての情
報形成層上でのレーザ光の焦点ぼけを検知する方法の代
表的なものにつぎの2つの方法が知られている。まず、
その一つとて、図1に示すように情報記憶媒体aの情
報形成層b反射されて対物レンズcに入射したレーザ
光dの反射光路上に凸レンズからなる検知系光学レンズ
eおよび検知部がたとえば同心円的に複数に分割された
光検出器fを順次配置し、光検出器fに照射された時の
レーザ光dのスポットサイズ (面積) を検知する方法が
ある。この焦点のずれ検出の基本原理は、図2 (イ)
るいは図2 (ロ) で示すようにレンズgを挟んだ状態
に点光源hと板iとを配置した状態で図2 (イ) のよ
うにPの位置に点光源hを持って来るとQの所に像を結
、図2 (ロ) のように点光源hの位置をPからP´の
所に移すと像を結ぶ位置もQからQ´に移ることによ
。今、Rの位置に板iを持って来ると板iに光が当た
る幅 (面積) が図2 (イ) と図2 (ロ) とでは異なる。
って、Rの位置に板iに当たる光の幅 (面積) を測定
することによって点光源hの位置がわかる。すなわち
Rの位置の板iに当たる光の幅 (面積) があらかじめ指
定された値になるように対物レンズcを動かすことによ
って自動焦点合わせを行なうことになる。
【0004】また、もう一つの方法として図3に示すよ
うに検知系光学レンズeとして球面凸レンズjとシリン
ドリカル凸レンズkを組合せ、光検出器fの上のレーザ
光dのスポット形を検知する方法がある。これはいわゆ
る非点収差法と称されるもので、その基本的原理は図4
(イ) および図4 (ロ) で示すように、点光源hの位置
Pが同じでもレンズg1 ,g2 の焦点距離が異なると像
を結ぶ位置がQ′とQ″と異なり、Rの所に置いた板i
に光が当たる幅が異なる。一方、球面レンズg1 と円筒
レンズg2 を組合わせると母線を含む面とそれに垂直な
面での合成レンズ焦点距離が異なるため、図4 (イ) お
よび図4 (ロ) のRの所に置いた板iに映る光のスポッ
ト形は楕円になる。さらに、前述の図2 (イ) (ロ) の
ように点光源hの位置PをずらすとRの位置においた板
iに映る光のスポット形は楕円から円へと変形する。そ
して、これをたとえば4分割した検出器hで検出するこ
とにより焦点ぼけを検知することになる。したがって、
Rの位置に置いた板iに映るスポット形が円形になる時
に焦点が合うように対物レンズcを動かして焦点合せを
行なうことになる。
【0005】なお、図1ならびに図3に示す符号lは対
物レンズcを情報記憶媒体aの面方向に接離させて焦点
調節を行なうレンズ駆動コイルである。しかしながら、
これら従来方法においても情報記憶媒体aの記録層ない
し光反射層としての情報形成層bの表面に微細な凹凸が
ある場合には、そこから反射したレーザ光dには回折が
生じ、光検出器f上でのスポットの中に回折パターンが
現われる。厳密に言えばこの回折パターンは一般に対称
形をしていない。そのため、この回折パターンの影響に
より焦点がぼけているように検知してしまうことがあ
る。
【0006】一方、情報記憶媒体aには情報収容量を増
大させるための情報の記録・再生用の情報トラックとし
てのスパイラル状の溝を予め形成されている場合が多
く、このような場合、光されたレーザ光スポットが溝
を横切ると溝による回折パターンが生じることになる。
【0007】そこで、近時、上述したように光検出器f
の所のスポットサイズやスポット形によって焦点ぼけを
検知するのではなく、光検出器f上でのレーザスポット
の移動として焦点ぼけを検知することにより回折の影響
を受けにくいようにしたものが考えられている。この焦
点ぼけ検出方法としては記録・再生用のレーザ光とは別
に対物レンズに対して軸をずらして焦点ぼけ検出用のレ
ーザ光を用いる方法がある。しかし、この場合には光学
系が複雑で高価なものとなる。
【0008】そのほかに、特開昭53−28405号、
特開昭53−10407号等の各公報に開示されている
ように記録・再生用レーザ光と焦点ぼけ検出用のレーザ
光とを分けず1本のレーザ光を対物レンズからずらして
記録層ないしは光反射層としての情報形成層に照射し、
そこからの反射光で再生信号と焦点ぼけを取出す方法が
考案されている。
【0009】しかし、この場合には、 a) 記録層ないしは光反射層としての情報形成層へのレ
ーザ光を集束する際に対物レンズ一杯に入射光を広げる
ことができず、実質的なレンズのNAが小さくなるので
上記情報形成層上でのレーザ光のスポットサイズを小さ
くすることができにくい、 b) 対物レンズには軸ずらしでレーザ光を入射させるの
で、対物レンズの外側でレーザ光の一部がけられ光量
ロスが生じやすく、高密度レーザにより記録層に対する
記録・再生を行なう光学ヘッドに対しては問題である、
ことが知られている。
【0010】また、それ以外としては特開昭53−11
8103号のように光路の途中にプリズムを設け、焦点
ぼけ検出に用いることも考案されている。しかし、この
場合、情報記憶媒体に対する入射光路中にもプリズムが
置かれているため、 c) 情報記憶媒体に到達するレーザ光量がプリズムで減
少する、 d) ビームスポットの一部がプリズムを透過するため
に、そこでの波面の乱れが生じ、情報記憶媒体上で余計
な回折パターンが発生しやすい、という問題がある。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】上記のように、従来の
装置にあっては、情報記憶媒体の記録層ないしは光反射
層としての情報形成層の表面の情報トラックなどの微細
な凹凸による回折の影響を受け易く、ぼけを確実に検出
することができない。しかも情報記憶媒体へのレーザ光
の入射光路に影響を与える等の問題があった。
【0012】本考案は、上記事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、情報記憶媒体の記録層な
いしは光反射層としての情報形成層の表面の情報トラッ
クなどの微細な凹凸による回折の影響を受け難くしてぼ
けを確実に検出することができる焦点制御装置を提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記問題点
に基づきなされたもので、光源からのレーザ光を集光し
たレーザ光のビームウエストサイズより小さい幅のスパ
イラル状の溝からなるトラッキングガイドが形成された
情報形成層を有する情報記憶媒体に、レーザ光を照射し
て得られる前記情報記憶媒体からの反射レーザ光に基づ
いて焦点ぼけを検出することにより、集光したレーザ光
のビームウエストが前記情報記憶媒体の情報記録層の位
置に来るように焦点を制御する焦点制御装置において、
前記情報記憶媒体の情報形成層からの少なくとも情報を
再生するための再生用レーザ光および焦点ぼけ検出用レ
ーザ光を含む前記レーザ光のうちの前記再生用レーザ光
とほぼ一致する光軸を有し、前記光源からのレーザ光を
前記情報記憶媒体に集光し、かつ、前記焦点ぼけ検出用
レーザ光とともに前記再生用レーザ光を挟んだ状態であ
るとともに、これらを結ぶ線が前記トラッキングガイド
の長さ方向とほぼ平行になる位置関係で、前記情報記憶
媒体からの反射レーザ光の一部である焦点ぼけ検出用の
反射レーザ光を受光する対物レンズと、この対物レンズ
を含む前記情報記憶媒体からの前記反射レーザ光の光路
途中であって、前記光源から前記対物レンズへ向けられ
るレーザ光を反射する一方で前記レーザ光が前記情報記
憶媒体で反射された前記反射レーザ光を透過するビーム
スプリッタを介して前記レーザ光と分離された前記反射
レーザ光の光路中に設けられ、前記対物レンズの光軸に
対して前記トラッキングガイドの長さ方向に偏位した非
対称な位置に対向すべく形成され、前記反射レーザ光の
一部であり、前記非対称な位置で前記対物レンズにより
受光された前記光軸の中心からずれた位置にある焦点ぼ
け検出用の反射レーザ光を抜出す透光部を有した遮光板
と、前記遮光板の透光部から抜出された焦点ぼけ検出用
の反射レーザ光を受光する第1および第2の受光面を有
し、前記情報形成層の存在する位置と前記集光したレー
ザ光のビームウエストの位置とが一致しているときの前
記情報形成層に対する光学的結像位置に、前記第1およ
び第2の受光面の少なくとも一方に前記反射レーザ光が
投影される際の投影パターンの長さ方向が前記第1およ
び第2の受光面相互を結ぶ線と平行な方向になるよう配
置され、前記遮光板の透光部を通った前記反射レーザ光
が前記第1の受光面と前記第2の受光面との境界部に投
影されたことを前記第1の受光面と前記第2の受光面か
らの出力に基づいて検出して前記対物レンズを通った前
記反射レーザ光が前記光軸に平行であって前記情報形成
層に対してレーザ光の焦点が一致していることを判断可
能で、前記遮光板の透光部を通った前記反射レーザ光が
前記第1の受光面に投影されたことを前記第1の受光面
と前記第2の受光面からの出力に基づいて検出して前記
対物レンズを通った前記反射レーザ光が前記光軸から次
第に離れるような外向きの広がりを持つことおよび前記
情報形成層と前記対物レンズとが接近しすぎて前記焦点
がずれていることを判断可能でしかも前記遮光板の透光
部を通った前記反射レーザ光が前記第2の受光面に投影
されたことを前記第1の受光面と前記第2の受光面から
の出力に基づいて検出して前記対物レンズを通った反射
レーザ光が前記光軸に次第に近づくように内向きの集束
性が与えられたことおよび前記情報形成層と前記対物レ
ンズとが離れすぎて前記焦点がずれていることを判断可
能な、前記情報記憶媒体に対する前記光源からの前記レ
ーザ光の焦点ぼけを検知する手段と、を備えたことを特
徴とする焦点制御装置を提供するものである。
【0014】
【作用】本考案の焦点制御装置によれば、従来のように
スポットサイズやスポット形の変化により焦点ぼけを検
出するものに比べ、情報記憶媒体の記録層ないしは光反
射層の情報形成層の表面の微細な凹凸から生じる回折の
影響を受けにくく焦点ぼけを確実に検出して焦点制御で
きる。
【0015】また、光の移動方向についてのみ光検出器
の位置合わせを行なうだけで良いため、光学系組立時の
調整が容易となるとともに光の移動方向以外の方向への
光検知器の移動に対しては光学系としては寛容であるの
で熱等による光学系全体のずれに対して安定度が良い。
【0016】さらに、焦点ぼけ検出について1本のビー
ムで行なえるので光学系の小型化、低コスト化が可能で
ある。また、光検知器上に映る情報トラックの結像パタ
ーンの影の長さ方向が焦点ぼけ検出用の光検知器上での
移動方向に沿った方向になるように設定して検出するよ
うにしたものである。したがって、情報形成層上に照射
された光ビームが情報トラックを横切って、これに伴っ
て光検出器上に映る情報トラックの結像パターンないし
は回折パターンの影が移動したとしても上記影による光
検出器上での焦点ぼけ検出レベルに悪影響を与えること
なく焦点ぼけ検知がより安定した状態で行なうこが可
能となる。
【0017】
【実施例】以下、本考案を図5〜図10に示す一実施例
を参照して説明する。図5は光ディスクないしはビディ
オディスクを情報記憶媒体とし、半導体レーザを光学ヘ
ッドに用いた情報記録・再生装置を示し、図中1は媒体
駆動装置2によって回転駆動される情報記憶媒体で、3
はこの情報記憶媒体1の片面側に対向かつ図示しないヘ
ッド移動機構により情報記憶媒体1の半径方向 (図5に
おいて用紙の紙面と直交する方向) に往復動自在な光学
ヘッドである。
【0018】上記情報記憶媒体1は、円板状に成形さ
れ、その片面に記録層ないしは光反射層としての情報形
成層4が形成された2枚の透明基板5,5を、上記情報
形成層4,4が互いに内側になる状態かつ情報形成層
4,4の相互対向面間に空間部が形成されるように内
スペーサ6、および外側スペーサ7を介在させた状態で
貼合せたものであり、情報形成層4が形成された箇所に
は後述する情報トラックが、また、その中央部には回転
中心孔 (図示しない) が形成されている。
【0019】また、この情報記憶媒体1を回転駆動する
媒体駆動装置2は、図示しないモータの駆動軸と一体の
回転軸8と、この回転軸8に嵌着され回転軸8の軸心線
に対して直角な水平支持面を有し情報記憶媒体1の中央
下面を支承する回転支持体9と、上記回転軸8の上端部
に装着される押え具10とを有している。そして、情報
記憶媒体1の回転中心孔を回転軸8に嵌合させ径方向の
位置決めを行なうとともに回転支持体9と押え具10と
で情報記憶媒体1の中央部を挾持して面方向の動きを規
制する構成となっている。
【0020】また、光学ヘッド3はつぎのような構成と
なっている。すなわち、光学ヘッド3内には光ビームと
してのレーザ光11を水平方向に発振する半導体レーザ
発振器12が設けられており、この半導体レーザ発振器
12の横方向にはカップリングレンズ13、および偏光
ビームスプリッタ15が順次配置されている。さらに、
偏光ビームスプリッタ15の上方にはλ/4板16、お
よび対物レンズ17が順次配置されている。また、偏光
ビームスプリッタ15の下方にはハーフミラー18が4
5度の角度に配置されており、偏光ビームスプリッタ1
5を通過した光を2分割して読取り用光学系19と焦点
制御装置の一部を形成する焦点ぼけ検出用光学系20に
振分けるようになっている。上記読取り用光学系19は
ハーフミラー18の横方向に順次配置されたレンズ21
および読取り用光検出器22を有した構成となってい
る。
【0021】また、焦点ぼけ検知用光学系20は、ハー
フミラー18の下方に順次配置された光軸の中心からず
れた位置にある一部の光のみを抜出す光抜出し部材とし
ての遮光板23、検知系光学レンズ24、ミラー25、
およびミラー25の横方向に、上下方向に2分割された
受光面を形成する第1、第2の光検出部26a,26b
を有する光検出器 (光電変換素子) 26とを有した構成
となっている。
【0022】これら、第1、第2の光検出部26a,2
6bは情報形成層4の存在する位置と集光したレーザ光
11のビームウエストの位置とが一致しているときの情
報形成層4に対する光学的結像位置に設けられている。
【0023】なお、27は対物レンズ17を上下方向
(すなわち情報記憶媒体1の下面に接離する方向) に移
動されるボイスコイル型フォーカスモータ等のレンズ駆
動装置である。
【0024】しかして、半導体レーザ発振器12から発
振したレーザ光11はカップリングレンズ13により平
行光になり、偏光ビームスプリッタ15で上方に偏光さ
れる。この偏光された光はλ/4板16を通過すること
により直線偏光が円偏光になったのち対物レンズ17に
より情報記憶媒体1上の記録層ないしは光反射層として
の情報形成層4に集光される。
【0025】このとき、情報形成層4が記録層である場
合にはレーザ光11の照射エネルギを所定値以上とする
ことにより情報形成層4にピット (穴) の形成等の状態
変化が起こり、情報の記録が行なわれることになる。
【0026】一方、情報形成層4からの反射光はλ/4
板16で円偏光から直線偏光となり、この光は偏光ビー
ムスプリッタ15内を直進して下方に抜け、ハーフミラ
ー18を通過して焦点ぼけ検出用光学系20に導かれ
る。ここで、後述するように、情報形成層4上でのレー
ザ光11の焦点ぼけが光電変換素子からなる光検出器2
6の第1および第2の光検出部26aおよび26bでの
光検出量の差によって検出される。すなわち、図5に示
すように偏光ビームスプリッタ15を通過した後の反射
光の光路の途中に光軸に対して非対称、すなわち光軸の
中心からずれた位置にある光の一部11aのみを光抜出
し部材としての遮光板23のアパーチャ等の透光部23
aから抜出し、検知系光学レンズ24を通した後、ミラ
ー25で方向を変えて光検出器26に当てるようにした
場合、情報形成層4上のレーザ光11の焦点がぼけると
ミラー25で反射された光が光検出器26の第1および
第2の光検出部26aおよび26bが配置されている方
向 (第1および第2の光検出部26aおよび26bを結
ぶ線と直交する方向 (後述、図11における矢印B方
向) すなわち図5および図6 (ロ) あるいは (ハ) にお
ける上下方向) に移動する。
【0027】このことを図6 (イ) 、 (ロ) 、 (ハ)
に示す原理図を参照して説明する。すなわち、図6
(イ) で示すように情報形成層4に対してレーザ光11
の焦点が合っている場合には、対物レンズ17を通った
反射光は光軸と平行となり、遮光板23の透光部23a
を通った光 (ビームスポット) は第1の光検出部26a
と第2の光検出部26bとの境にある。
【0028】ところが、図6 (ロ) で示すように情報形
成層4と対物レンズ17とが接近しすぎて焦点が合わな
い場合には、対物レンズ17を通った反射光は光軸から
徐々に離れるように外側に拡がり、遮光板23の透光部
23aを通った光 (ビームスポット) は上方に位置する
第1の光検出部26a上に当たる。
【0029】また、これとは逆に図6 (ハ) で示すよう
に情報形成層4と対物レンズ17とが離れすぎて焦点が
合わない場合には、対物レンズ17を通った反射光は光
軸に徐々に近づくように内方に絞られた状態となり、遮
光板23の透光部23aを通った光 (ビームスポット)
は下方に位置する第2の光検出部26b上に当たること
になる。
【0030】したがって、情報形成層4と対物レンズ1
7との間隔が一定に保たれて焦点が合っている場合に
は、第1、第2の光検出部26a,26bの光検出量は
ともに零もしくは同レベルになり、情報形成層4と対物
レンズ17とが接近してぼけが生じる場合には第1の光
検出部26aの出力レベルが大きく、また、逆に離れて
焦点ぼけが生じる場合には第2の光検出部26bの出力
レベルが大きくなる。
【0031】これに対して、光検出器26を、情報形成
層4の存在する位置と集光したレーザ光11のビームウ
エストの位置と一致しているときの情報形成層4に対す
る光学的結像位置に設けたから、情報記憶媒体1もしく
は対物レンズ17が傾いて対物レンズ17を通過した光
の輝度の高い部分の角度ずれが生じたとしても、光検出
器26に当たる位置がずれるようなことがない。
【0032】なお、光学的結像位置と光検出器26とを
ずらして配置した場合には、ビームスポットが広がるた
め輝度の高い部分の角度ずれが生じた場合には、焦点が
合っていたとても輝度の高い部分の位置がずれるた
め、あたかもビームスポットそのものの位置がずれたも
のとして誤検出されることがある。
【0033】一方、図7に示すように第1、第2の光検
出部26a,26bの出力信号は制御手段、すなわち、
差増巾回路28を介して駆動回路29に入力され、レン
ズ駆動回路27を介して対物レンズ17が焦点が合う方
向に移動される。
【0034】このようにして、情報記憶媒体1のうねり
等による焦点ぼけが自動的に補正されることになる。な
お、情報形成層4にピット (穴) あるいは凹凸形状で形
成された情報の読取りは、偏ビームスプリッタ15を
通り、ハーフミラー18で反射された光をレンズ21を
介して読取り用光検出器22に導いて行なうことにな
る。
【0035】また、図8および図9に示すように情報記
憶媒体1には予め情報トラック29がスパイラルに形
成されている。情報記憶媒体1として高密度化を達成し
ようとするとトラックピッチを狭くして行く必要性があ
る。書込みや読取り時に光学ヘッド3が所定のトラック
位置へ達成するよう制御するのに光学ヘッド3の位置制
御を行なっているアクチュエータの機械的制御だけでは
信頼性に乏しく、また、装置側から見て情報記憶媒体1
の互換性が悪い。これに対し、予め情報記憶媒体1上に
情報トラック29を設けておけば、情報記憶媒体1上で
の光学ヘッド3の半径方向の位置検出を行ない、その補
正をアクチュエータにフィードバックすることができ、
トラッキングに対して信頼性を増すことができる。
【0036】情報トラック29は、図9に示すように情
報形成層4に集光したレーザ光11のビームウエストサ
イズより小さめの幅の溝を通常のレコード板のようにス
パイラル状形成したものである。そして、集光したレー
ザ光11の中心が溝の中心から離れると反射光の回折現
象によってそれが光学的に検知されるようになってい
る。
【0037】また、図8に示すように焦点ぼけ検出用に
用いる光軸の中心からずれた位置にある光11aを抜出
すための遮光板23に形成された透光部23aは対物レ
ンズ17の光軸に対して情報トラック29の長さ方向に
偏位した位置に対向すべく形成されている。そして、図
9に示すように再生ないしは記録再生用レーザ光11b
が対物レンズ17の光軸とほぼ一致し、このレーザ光1
1bを挟んだ状態に焦点ぼけ検出用の入射レーザ光11
cおよび焦点ぼけ検出用の反射レーザ光11aが位置
し、これらを結ぶ直線Aが情報トラック29の長さ方向
とほぼ平行になっている。
【0038】すなわち、図10に示すように光検出器2
6上に映る上記情報トラック29の結像パターンないし
は回折パターンの影29′の長さ方向が、焦点ぼけ検出
用の光11aの光検出器26上での移動方向 (矢印B方
向) に沿った方向になる。
【0039】しかして、光学ヘッド3が情報記憶媒体1
の半径方向、すなわち情報トラック29を横切る矢印C
方向に移動した場合には光検出器26上での情報トラッ
ク29の結像パターンないしは回折パターンの影29′
は焦点ぼけ検出用の光検出器26上での移動方向 (矢印
B方向) と直交する方向 (矢印D方向) に移動すること
になる。
【0040】したがって、図11に示すように影29´
の長さ方向が焦点ぼけ検出用の光の光検出器26上での
移動方向 (矢印B方向) と直角状態になり、しかも影2
9´が矢印B方向と平行な方向 (矢印E方向) に移動し
た場合に生じるような、影29´の移動があたかも焦点
が乱れているような外乱誤差信号が光検出器26から出
力されることがない。
【0041】すなわち、図11で示すように影29′が
第2の光検出部26b側に位置した状態にあっては、焦
点があっているにもかかわらず、影29′の影響により
第1の光検出部26aより第2の光検出部26bでの光
検出量が少なくなり、あたかも第2の光検出部26a側
に光11aが当たっているものと判定されることがあ
る。
【0042】また、焦点ぼけ検知用光学系20の検知系
光学レンズ24は光検出器26上での光 (ビームスポッ
ト) の移動量を大きくするためであり、また、ミラー2
5は光路を屈折させて光学ヘッド3が不必要に大きくな
らないようにするためのものであり、必ずしも、必要な
ものではない。その他、本考案は本考案の要旨を変えな
い範囲で種々変形実施可能なことは勿論である。
【0043】
【考案の効果】本考案は、以上説明したように情報記憶
媒体に光を集光する焦点制御装置において、前記情報記
憶媒体からの反射光の光路途中に設けられ、この光軸に
関して非対称に前記反射光の一部を抜出す光抜出部材
と、この光抜出部材により抜き出された光を受光する受
光面を有し、この受光面上における光の投影パターンの
長さ方向が前記受光面上における光の移動方向に沿った
方向になるように設定配置され、前記受光面上の光の移
動を検出することにより、情報記憶媒体に対する光の焦
点ぼけを検知する手段とを備えたことを特徴とする焦点
制御装置にある。
【0044】したがって、本考案によれば、従来のよう
にスポットサイズやスポット形の変化により焦点ぼけを
検出するものに比べ、情報記憶媒体の記録層ないしは光
反射層と焦点の情報形成層の表面の微細な凹凸から生じ
る回折の影響を受け難く焦点ぼけを確実に検出して焦点
制御できる。
【0045】また、光の移動方向についてのみ光検出器
の位置合わせを行なうだけで良いため、光学系組立時の
調整が容易となるとともに光の移動方向以外の方向への
光検知器の移動に対しては光学系としては寛容であるの
で熱等による光学系全体のずれに対して安定度が良い。
【0046】さらに、焦点ぼけ検出について1本のビー
ムで行なえるので光学系の小型化、低コスト化が可能で
あるといった効果を奏する。また、光検知器上に映る情
報トラックの結像パターンの影の長さ方向が焦点ぼけ検
出用の光検知器上での移動方向に沿った方向になるよう
に設定して検出するようにしたものである。
【0047】したがって、情報形成層上に照射された光
ビームが情報トラックを横切って、これに伴って光検出
器上に映る情報トラックの結像パターンないしは回折パ
ターンの影が移動したとしても上記影による光検出器上
での焦点ぼけ検出レベルに悪影響を与えることなく焦点
ぼけ検知がより安定した状態で行なえるといった効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における焦点ぼけ検出光学系を示す説明
図。
【図2】同じくその原理を説明するための説明図。
【図3】従来の異なる焦点ぼけ検出光学系を示す説明
図。
【図4】同じくその原理を説明するための説明図。
【図5】本考案の一実施例を適用した情報記録・再生装
置の概略的構成図。
【図6】本考案の一実施例による焦点ぼけ検知の原理を
説明するための説明図。
【図7】焦点ぼけ自動調節用駆動系を示す説明図。
【図8】本考案の一実施例による情報トラックと光抜出
し部材の透光部との位置関係を示す説明図。
【図9】同実施例における対物レンズに対する焦点ぼけ
検出用レーザ光の位置および情報トラックとの関係を示
す説明図。
【図10】同実施例における光検出器上の情報トラック
の結像パターンないしは回折パターンの影の状態を示す
説明図。
【図11】本考案のように影の方向を所定方向に接点し
ない場合の不具合を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 …情報記憶媒体、 3 …光学ヘッド、 4 …情報形成層、 11 …レーザ光、 11a…光軸の中心からずれた位置にあるレーザ光、 17 …対物レンズ、 20 …焦点ぼけ検知用光学系、 23 …遮光板 (光抜出し部材) 、 23a…透光部、 26 …光検出器 (光電変換素子) 、 29 …情報トラック、 29′…影。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からのレーザ光を集光したレーザ光の
    ビームウエストサイズより小さい幅のスパイラル状の溝
    からなるトラッキングガイドが形成された情報形成層を
    有する情報記憶媒体に、レーザ光を照射して得られる前
    記情報記憶媒体からの反射レーザ光に基づいて焦点ぼけ
    を検出することにより、集光したレーザ光のビームウエ
    ストが前記情報記憶媒体の情報記録層の位置に来るよう
    に焦点を制御する焦点制御装置において、 前記情報記憶媒体の情報形成層からの少なくとも情報を
    再生するための再生用レーザ光および焦点ぼけ検出用レ
    ーザ光を含む前記レーザ光のうちの前記再生用レーザ光
    とほぼ一致する光軸を有し、前記光源からのレーザ光を
    前記情報記憶媒体に集光し、かつ、前記焦点ぼけ検出用
    レーザ光とともに前記再生用レーザ光を挟んだ状態であ
    るとともに、これらを結ぶ線が前記トラッキングガイド
    の長さ方向とほぼ平行になる位置関係で、前記情報記憶
    媒体からの反射レーザ光の一部である焦点ぼけ検出用の
    反射レーザ光を受光する対物レンズと、 この対物レンズを含む前記情報記憶媒体からの前記反射
    レーザ光の光路途中であって、前記光源から前記対物レ
    ンズへ向けられるレーザ光を反射する一方で前記レーザ
    光が前記情報記憶媒体で反射された前記反射レーザ光を
    透過するビームスプリッタを介して前記レーザ光と分離
    された前記反射レーザ光の光路中に設けられ、前記対物
    レンズの光軸に対して前記トラッキングガイドの長さ方
    向に偏位した非対称な位置に対向すべく形成され、前記
    反射レーザ光の一部であり、前記非対称な位置で前記対
    物レンズにより受光された前記光軸の中心からずれた位
    置にある焦点ぼけ検出用の反射レーザ光を抜出す透光部
    を有した遮光板と、 前記遮光板の透光部から抜出された焦点ぼけ検出用の反
    射レーザ光を受光する第1および第2の受光面を有し、
    前記情報形成層の存在する位置と前記集光したレーザ光
    のビームウエストの位置とが一致しているときの前記情
    報形成層に対する光学的結像位置に、前記第1および第
    2の受光面の少なくとも一方に前記反射レーザ光が投影
    される際の投影パターンの長さ方向が前記第1および第
    2の受光面相互を結ぶ線と平行な方向になるよう配置さ
    れ、前記遮光板の透光部を通った前記反射レーザ光が前
    記第1の受光面と前記第2の受光面との境界部に投影さ
    れたことを前記第1の受光面と前記第2の受光面からの
    出力に基づいて検出して前記対物レンズを通った前記反
    射レーザ光が前記光軸に平行であって前記情報形成層に
    対してレーザ光の焦点が一致していることを判断可能
    で、前記遮光板の透光部を通った前記反射レーザ光が前
    記第1の受光面に投影されたことを前記第1の受光面と
    前記第2の受光面からの出力に基づいて検出して前記対
    物レンズを通った前記反射レーザ光が前記光軸から次第
    に離れるような外向きの広がりを持つことおよび前記情
    報形成層と前記対物レンズとが接近しすぎて前記焦点が
    ずれていることを判断可能でしかも前記遮光板の透光部
    を通った前記反射レーザ光が前記第2の受光面に投影さ
    れたことを前記第1の受光面と前記第2の受光面からの
    出力に基づいて検出して前記対物レンズを通った反射レ
    ーザ光が前記光軸に次第に近づくように内向きの集束性
    が与えられたことおよび前記情報形成層と前記対物レン
    ズとが離れすぎて前記焦点がずれていることを判断可能
    な、前記情報記憶媒体に対する前記光源からの前記レー
    ザ光の焦点ぼけを検知する手段と、 を備えたことを特徴とする焦点制御装置。
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