JP2531705Y2 - カメラのフレキシブルプリント板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカメラのフレキシブルプリント板に係わり、
特にカメラ本体側の電気回路部と撮影レンズ鏡胴の移動
筒の電気回路部とを接続し、その一部がカメラ暗箱内に
位置するカメラのフレキシブルプリント板に関する。

〔従来の技術〕

フレキシブルプリント板は固定側の電気回路部と、移
動側の電気回路部とを電気的に接続する為に用いられる
場合がある。カメラに於いては、カメラ本体側に配設さ
れた電源又はマイコン等とズーム鏡胴の移動筒のシャッ
タ等と電気的に接続するのにフレキシブルプリント板が
設けられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながらフレキシブルプリント板はポリイミドと
銅箔とから構成されており、それ自体光沢があって反射
性を持っている。従ってカメラに於いて、本体側のマイ
コンと移動筒側の電気的接続にフレキシブルプリント板
を用いると、フレキシブルプリント板の一部がカメラ暗
箱内に位置し、撮影レンズから入射した光がフレキシブ
ルプリント板によって反射され、フレアを起こし撮影画
像のコントラストを低下させたり、撮影画像の鮮鋭度を
損なう虞れがある。

本考案は、このような事情に鑑みてなされてもので、
フレアを起こさないカメラのフレキシブルプリント板を
提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前記目的を達成する為に、カメラ本体側の
電気回路部と撮影レンズ鏡胴の移動筒の電気回路部とを
接続し、その一部がカメラ暗箱内に位置するカメラのフ
レキシブルプリント板に於いて、前記フレキシブルプリ
ント板の表面に反射防止膜をコーティングし、該コーテ
ィングされた反射防止膜は、該表面にエポキシ系樹脂塗
料を塗布後に焼き付けることにより形成されていること
を特徴としている。

〔作用〕

本考案のフレキシブルプリント板は、表面に反射防止
膜がコーティングされているので、撮影レンズから光が
フレキシブルプリント板に入射しても、フレキシブルプ
リント板で反射するようなことはなく、従って撮影画像
にフレア等の悪影響を与えるようなことはない。

〔実施例〕

以下添付図面に従って本考案に係わるカメラのフレキ
シブルプリント板の好ましい実施例を詳説する。

第１図は本考案に係わるカメラのフレキシブルプリン
ト板が適用されるカメラの内部構造を示す部分断面図、
第２図はフレキシブルプリント板が用いられている付近
のカメラの内部構造を示す斜視図である。第１図におい
て示すようにカメラ本体10にはズームレンズ鏡胴を形成
する固定筒12が設けられ、この固定筒12にはカメラ前後
方向に移動自在に移動筒14が設けられる。移動筒14には
前群レンズ16、後群レンズ18、シャッタ20などが設けら
れ、移動筒14と共に固定筒12に対してカメラ前後方向に
移動できるようなっている。

カメラ本体12は図示しない電源、マイコン等が設けら
れ、例えばマイコンにはフレキシブルプリント板22の一
端が接続され、このフレキシブルプリント板22の他端は
シャッタ20の接続部24に接続されている。フレキシブル
プリント板22は移動筒14が前方に飛び出すテレ状態の場
合には図の実線で示すように位置し、又移動筒14がカメ
ラ内側に引き込んでワイド状態にある時は、第１図の２
点鎖線で示すように引き込み位置にある。尚、移動筒14
の後端部にはフイルム側に延出する突出部14Aが形成さ
れており、この突出部14Aによってフレキシブルプリン
ト板22はカメラ暗箱内で大きく湾曲しないように押さえ
られている。

カメラ本体10には圧板25を有する裏蓋が取付けられ、
フイルム26は圧板25とカメラ本体10のフイルム支持面10
Aとで挟持されるようになっている。

フレキシブルプリント板22は第２図に示すように上下
方向に突条部23が形成され、更に表面にエポキシ系樹脂
塗料によってコーティングがなされている。

フレキシブルプリント板22はポリイミドで形成されて
いるので耐熱性があり、高温焼付けが可能である。従っ
てエポキシ系塗料を塗布後、150℃前後で焼付けする
と、フレキシブルプリント板と塗料との密着性が高くな
り、塗料が使用によって剥がれることはない。

前記実施例によれば、フレキシブルプリント板22の表
面には反射防止膜がコーティングされているので、撮影
レンズ側から入射してくる光が従来のようにフレキシブ
ルプリント板に反射され、フイルム26に入射してフレア
を起こすようなことはない。更に、フレキシブルプリン
ト板22の表面には突条部23が形成されており、これによ
り更にフレア防止機能が高まることになる。尚、この突
条部23はカメラ上下部方向に形成されているので、フレ
ア防止機能の他にフレキシブルプリント板22を曲がり易
くし移動筒14の移動を妨げるようなことはない。

前記実施例では、フレキシブルプリント板22に突条部
23を形成したが、反射防止膜だけでも充分効果が得られ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係わるカメラのフレキシ
ブルプリント板によれば、フレキシブルプリント板の表
面にコーティングされている反射防止膜を、エポキシ系
樹脂塗料を塗布後に焼き付けることにより形成したの
で、フレキシブルプリント板と反射防止膜との密着性が
高くなり、これによって、反射防止膜が剥離、脱落する
虞れがなくなり反射防止膜の耐久性を向上させることが
できる。特に、カメラのフレキシブルプリント板は、レ
ンズ鏡胴の移動に伴って曲げ、伸ばし動作が繰り返し作
用するが、このような過酷な条件にも本発明に係るフレ
キシブルプリント板は反射防止膜が剥離、脱落するよう
なことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるカメラのフレキシブルプリント
板が使用されるカメラの内部構造をしめす部分断面図、
第２図はフレキシブルプリント板付近のカメラの内部構
造を示す斜視図である。 10……カメラ本体、12……固定筒、14……移動筒、16…
…前群レンズ、18……後群レンズ、20……シャッタ、22
……フレキシブルプリント板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 東海林 正夫 大宮市植竹町１丁目324番地 富士写真 光機株式会社内 (72)考案者 一井 宏一 大宮市植竹町１丁目324番地 富士写真 光機株式会社内 (72)考案者 藤田 佳寛 東京都港区西麻布２丁目26番30号 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−97155（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−65566（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−183990（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−206943（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−88137（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−49514（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−39217（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−88136（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カメラ本体側の電気回路部と撮影レンズ鏡
   胴の移動筒の電気回路部とを接続し、その一部がカメラ
   暗箱内に位置するカメラのフレキシブルプリント板に於
   いて、 前記フレキシブルプリント板の表面に反射防止膜をコー
   ティングし、該コーティングされた反射防止膜は、該表
   面にエポキシ系樹脂塗料を塗布後に焼き付けることによ
   り形成されていることを特徴とするカメラのフレキシブ
   ルプリント板。
2. 【請求項２】前記フレキシブルプリント板の表面にはフ
   レアを防止し曲がりを容易にする複数の突条部が形成さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項のカメラのフレキシブルプリント板。