JP2531208B2 - デイスクリ―ト型生化学自動分析装置 - Google Patents

デイスクリ―ト型生化学自動分析装置

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JP2531208B2 JP62306391A JP30639187A JP2531208B2 JP 2531208 B2 JP2531208 B2 JP 2531208B2 JP 62306391 A JP62306391 A JP 62306391A JP 30639187 A JP30639187 A JP 30639187A JP 2531208 B2 JP2531208 B2 JP 2531208B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は生化学自動分析装置に関する。さらに詳し
くは反応セル直接測光方式のディスクリート型自動分析
装置に関する。
(ロ)従来の技術 生化学分析等の分野で使用されている反応セル直接測
光方式のディスクリート型自動分析装置としては、開口
部を上方に保持した状態の複数の反応セルを搬送しうる
反応ラインと、該ラインに付設される検体分注手段、試
薬分注手段、脱イオン水分注手段および測光手段とを備
え、各反応セルに調製される検体および試薬からなる各
反応液について、その光学濃度を順次直接測光しうるよ
う構成されたものが知られている。このような装置では
分析開始時に使用する反応セルが、乾燥状態であり反応
セルを循環させて再使用する時と比べて、反応セルの内
壁の状態が異なるため、反応液が反応セル内部で撹拌さ
れる際に差異を生じ、その結果分析開始時のみ正しい測
定が行えないため、分析終了時に、次の分析まで各反応
セルに脱イオン水を分注しておき、分析開始直前に各反
応セル内の脱イオン水を除いて分析することが行われて
いる。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の方法では、分析終了後装置が通電
状態であれば、各反応セルに満たされた脱イオン水は37
℃に保たれることになり、このことが、次の分析開始ま
でに長時間経過する場合に雑菌が発生しその結果測定項
目によっては測定値にバラつきを生じさせることにもな
る、という問題点がある。
この発明はかかる状況に鑑みなされたものであり、脱
イオン水が分注された状態で長時間経過しても、雑菌等
の発生を生じないよう構成されたディスクリート型生化
学自動分析装置を提供しようとするものである。
(ニ)問題点を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、開口部を上方に保持した
状態の複数の反応セルを搬送しうる反応ラインと、該ラ
インに付設される検体分注手段、試薬分注手段、脱イオ
ン水分注手段および測光手段とを備え、各反応セルに調
製される検体および試薬からなる各反応液についてその
光学濃度を順次直接測光すると共に、非測定時に上記各
反応セルに脱イオン水を分注保持しうるよう構成された
ディスクリート型生化学自動分析装置において、 上記脱イオン水分注手段が、脱イオン水供給部、加熱
手段と熱交換的に接設される流路を備えた加熱部、恒温
手段と熱交換的に接設される流路を備えた恒温部、紫外
線を透過しうる流路および光源を備えた紫外線照射部並
びに脱イオン水分注ピペッタをこの順に管路接続して構
成されたことを特徴とするディスクリート型生化学自動
分析装置が提供される。
この発明は、通常のディスクリート型自動分析装置に
おいて、反応ライン上を移送される非測定時の各反応セ
ルに脱イオン水を分注する際、この脱イオン水をその供
給過程で直接滅菌処理して分注するよう構成された脱イ
オン水分注手段が付設されたことを特徴とする。
この発明の装置において、反応ラインおよび該反応ラ
インに付設される検体分注手段、試薬分注手段、測光手
段は当該分野で通常使用されるものをそのまま用いるこ
とができる。
この発明の装置に付設される脱イオン水分注手段は、
脱イオン水供給部と分注ピペッタとの間に、熱交換的に
加熱する流路および加熱手段を備えた加熱部、熱交換的
に冷却しかつ恒温保持する流路および恒温手段を備えた
恒温部並びに紫外線を透過しうる流路おより光源を備え
た紫外線照射部をこの順に介設して構成される。上記加
熱部は最低限分注される液量(通常750μl)程度を加
熱できればよく、従ってこれに相当する大きさで設定さ
れる。上記加熱部は脱イオン水を移送する管路と、該管
路の外側に接触する熱媒と、該熱媒を所定温度に加熱す
る加熱手段とから構成されたものが好ましい。上記熱媒
は通常水、シリコンオイル等が用いられる。なお、上記
管路は熱媒との接触面積を拡大して加熱効率を上げる点
から、螺旋状に形成されることが好ましい。上記加熱手
段による加熱は、脱イオン水を滅菌処理できかっこの加
熱により脱イオン水に泡を生じさせない温度で行われ
る。該温度としては通常80〜90℃が選択される。従って
通常熱媒は水を用いることが好ましい。
前記恒温部は、上記加熱流路で滅菌処理された加熱脱
イオン水を通常使用する所定の温度に冷却しかつその温
度に維持しうるものであり、最低限分注される液量(通
常750μl)程度を冷却できればよく、従ってこれに相
当する大きさで設定される。この恒温部は上記加熱部か
ら移送される加熱脱イオン水流路に接続可能な管路と、
該管路の外側に接触する冷却・恒温用媒体と、該媒体を
上記所定温度に調節する恒温手段とから構成されたもの
が好ましい。該恒温手段は上記媒体を所定温度に調節す
る温調手段と該媒体を上記管路周囲に循環しうる循環手
段とから構成されたものが好ましい。上記媒体の温度と
しては、分析時における反応セルおよび該反応セルに分
注される検体、試薬等からなる反応液と同等の温度が好
ましく、例えば37℃程度に調整される等が挙げられる。
従って媒体は水を用いることが好ましい。この恒温部に
用いられる管路は、前記加熱流路と同様に螺旋形状に構
成されたものが好ましい。
前記紫外線照射部は、脱イオン水に紫外線照射による
滅菌処理を施しうる流路であり、最低限分注される液量
(通常750μl)程度を冷却できればよく、従ってこれ
に相当する大きさで設定される。この紫外線照射部は、
紫外線が透過可能な材質で構成され、かつ、前記恒温部
から移送される脱イオン水流路に接続可能に構成された
管路と、該管路を移送される脱イオン水に紫外線を照射
しうるよう設定される紫外線照射用光源とから構成され
たものが好ましい。上記紫外線透過可能な材質として
は、石英ガラス等が挙げられる。上記紫外線照射用光源
としては、水銀ランプが好ましい。該水銀ランプは254n
mまたは365nmの波長に輝線を有することが好ましい。ま
た上記紫外線透過用管路は、該管路内を移送される脱イ
オン水に対して所定の紫外線照射時間が得られる程度の
長さで設定される。上記所定時間は滅菌処理が達成でき
うる時間が選択され、通常5〜6秒程度で充分である。
この発明の装置に上記のごとく付設される脱イオン水
分注手段において、前記加熱部の後段には、エア抜き用
管路が設けられていてもよい。該エア抜き用管路は、前
記脱イオン水移送用流路に接続されて減圧手段に延設さ
れる管路と、該管路に介設される気体透過性膜とを有し
て構成されたものが好ましい。上記気体透過性膜として
は、ゴアテックス膜(登録商標;JAPAN GORE・TEX(シャ
パンゴアテックス)株式会社製)等が好ましい。上記エ
ア抜き用管路は冷却部の前段に設定されることが好まし
い。
この発明の装置の上記脱イオン水分注手段に設定され
る分注ピペッタは、当該分野で通常使用されるものをそ
のまま用いることができる。
(ホ)作用 この発明によれば、反応ライン上を搬送される所定の
反応セルに脱イオン水を分注する際、脱イオン水供給部
から分注ピペッタまでの供給流路を移送される脱イオン
水は、まず加熱部を通過するときにその流路上で熱交換
的に所定の高温に加熱された後、恒温部に導入される。
そして該恒温部を通過するときその流路上で熱交換的に
所定の温度まで冷却されかつその温度で維持された後、
紫外線照射部に導入される。そして該照射部を通過する
ときその流路上で所定時間紫外線が照射された後、上記
ピペッタを通じて反応セル内に分注される。
以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これ
によりこの発明は限定されるものではない。
(ヘ)実施例 第1図は、この発明の一実施例の反応セル直接測光方
式のディスクリート型自動分析装置(1)の構成説明図
である。図において、(2)は反応セル(21)を回転移
動する反応セル回転テーブル、(3)は試料サンプリン
グテーブル、(4)は第1試薬貯蔵庫、(5)は第2試
薬貯蔵庫、(6)は回転格子およびアレイ型受光部を有
する回転式光光度計、(7)は光源、(8)は試料分注
ピペッタ、(9)は被測定液排出および洗浄液分注・排
出手段、(10)は脱イオン水分注手段、(11)は試薬供
給手段、(12)は試薬供給手段洗浄部である。
脱イオン水分注手段(10)は、第2図に示すごとく、
脱イオン水供給部(13)から分注ピペッタ(14)までの
供給流路(a)上に、加熱ブロック(15)、恒温ブロッ
ク(16)、紫外線照射ブロック(17)をこの順に有して
構成されている。
上記加熱ブロック(15)は上記供給流路(a)に管路
接続されるステンレス製の螺旋状管路(b)と、該管路
(b)の外側に熱媒を保持する熱媒槽(151)と、該熱
媒を所定温度に加熱するヒータ(152)とから構成され
ている。上記熱媒としては水が使用されている。上記螺
旋状管路(b)内の容量は、約800μlに設定されてい
る。
上記恒温ブロック(16)は、上記供給流路(a)に管
路接続されるステンレス製の螺旋状管路(c)と、該管
路(c)の外側に冷却・恒温用媒体を接触流動する恒温
槽(161)と、該媒体を所定温度に調節する図示しない
温調手段と、上記媒体を循環しうる図示しない循環手段
とから構成されている。上記媒体としては水が使用され
ている。また上記螺旋状管路(c)内の容量は、約800
μlに設定されている。
前記紫外線照射ブロック(17)は、上記供給流路
(a)に管路接続される紫外線透過用管路(d)と、該
管路(d)に紫外線を照射する紫外線照射用光源(17
1)とから構成されている。上記被照射用管路(d)
は、紫外照射を受ける部分が略直方体形状に形成された
石英ガラス製で構成されている。なおこの管路(d)の
内容量は約800μlで設定されている。上記紫外線照射
用光源(171)は、水銀ランプが用いられており、254nm
または365nmの波長光を照射できるように構成されてい
る。
上記分注ピペッタ(14)は、前記供給流路(a)およ
び分注ノズル(141)に図示しない電磁弁を介して接続
されている750μlの分注用の図示しないシリンジポン
プで構成されている。なお図中(142)は導通型の液面
センサである。
また第3図には、上記脱イオン水分注手段(10)の加
熱ブロック(15)と恒温ブロック(16)との間に、エア
抜き管路(e)を設けた例を示す。該図においてエア抜
き管路(e)は、前記供給流路(a)と減圧手段(18)
とを接続し、かつその管路(e)途中に気体透過性膜
(19)を有して構成されている。上記気体透過性膜(1
9)には、ゴアテックス膜(登録商標;JAPAN GORE・TEX
株式会社製)が用いられている。また上記減圧手段(1
8)には減圧ポンプが用いられており、400mmHg程度の減
圧状態に調整されている。
この装置(1)の反応セル回転テーブル(2)、試料
サンプリングテーブル(3)、吸光光度計(6)、試料
分注ピペッタ(8)、被測定液排出および洗浄液分注・
排出手段(9)、脱イオン水分注手段(10)および試薬
供給手段(11)の作動は図示しない制御部からの指令に
より制御される。
次にこの発明の装置(1)の作動を第1図および第2
図に基づいて説明する。
試料測定開始時または試料測定終了後の非測定時に、
反応セル回転テーブル上を上方に開口部を保持して搬送
される乾燥された反応セルには、脱イオン水分注位置
(A)において、下記手順に従って脱イオン水が分注さ
れる。すなわちこのときすでに脱イオン水分注手段にお
いては、その加熱ブロック内に充填された水が高温(ヒ
ータにより例えば80〜90℃に加熱された)に設定されて
おり、一方該手段の恒温ブロック内には例えば37℃に設
定された水が循環されている。さらに紫外線照射ブロッ
ク内の水銀ランプからは254nmまたは365nmの波長光が照
射されている。以上のように設定された脱イオン水分注
手段において、分注ピペッタのシリンジポンプが駆動さ
れ、脱イオン水供給部から所定量(750μl)の脱イオ
ン水が加熱ブロック内の螺旋状管路(b)に吸引移送さ
れる。該管路(b)内に所定時間(例えば5秒間程度)
停留または該管路(b)内を上記所定時間で通過する
際、脱イオン水は、接触する高温水により高温に加熱さ
れた管路(b)壁と熱交換的に接触して高温に加熱され
る。
次いて再びシリンジポンプの駆動により、上記高温に
加熱された所定量の脱イオン水は、恒温ブロック内の螺
旋状管路(c)内に吸引移送される。該管路(c)内に
所定時間(例えば5秒間程度)停留または該管路(c)
内を上記所定時間で通過する際、高温脱イオン水は、接
触流動する恒温水(37℃)により一定の温度に維持され
た管路(c)壁と熱交換的に接触してその温度まで冷却
され維持される。
次いで再びシリンジポンプの駆動により、上記一定温
度に冷却保持された所定量の脱イオン水は、紫外線照射
ブロック内の紫外線透過用管路(d)内に吸引移送され
る。該管路(d)内に所定時間(例えば5秒間程度)停
留または該管路(d)内を上記所定時間で通過する際、
所定温度まで冷却された上記脱イオン水は、該管路
(d)壁を通過する紫外線の照射を受ける。この後再び
シリンジポンプが駆動されることにより、上記のごとき
加熱・紫外線照射による滅菌処理がなされた脱イオン水
が、分注ノズルからその下に開口部を上方に保持して静
置された反応セルに分注される。
上記反応セルへの分注後、反応セル回転テーブルは1
ステップ送られ、予定した全反応セルに上記のごとき操
作を繰り返して、滅菌処理した脱イオン水が分注される
こととなる。
なお、上記脱イオン水分注操作において、加熱ブロッ
ク内の流路で泡が発生し、それより後段の供給流路
(a)上でトラブルが生ずる場合、第3図のごときエア
抜き管路を付設して構成された脱イオン水分注手段を使
用することが好ましい。この構成においては上記のごと
き加熱ブロック内での加熱により螺旋状管路(b)内で
泡が生ずると、シリンジポンプの駆動により、上記泡を
含んだまま高温脱イオン水が恒温ブロックへ吸引移送さ
れるが、この移送途上において上記のごとく付設された
エア抜き管路接続部を通過する際、上記高温脱イオン水
は該エア抜き管路を通じて生じている減圧状態により該
管路内に吸引されるが、該管路途中に介設された気体透
過性膜により泡のみがこの膜を通過して供給管路外に排
出され、一方脱気された高温脱イオン水が前記と同様に
して恒温ブロック内に移送されることとなる。
一方上記燥作後における測定時には、反応セル回転テ
ーブルの1ステップ駆動に従い、被測定液排出および洗
浄液分注・排出手段設定位置(B)において各反応セル
から脱イオン水を排水除去し必要に応じて洗浄した後、
試料分注位置で試料分注ピペッタにより所定量の試料が
分注され、予め設定されたシークエンスに従って所定の
試薬分注位置における試薬分注、測定位置における反応
セル直接測光が行われる。
(ト)発明の効果 この発明によれば、反応セルに分注する脱イオン水が
加熱および紫外線照射により滅菌処理された後分注され
るので、反応セル内での雑菌の繁殖を最小限にとどめる
ことができる。反応セルに分注する液量程度を加熱し、
紫外線照射をすればよいので、上記脱イオン水移送流路
に設ける加熱部、冷却部、紫外線照射部がそれぞれ小型
にでき、装置全体をコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の反応セル直接測光方式の
ディスクリート型自動分析装置の構成説明図、第2図は
第1図の装置に用いられる脱イオン水分注手段の一実施
例の構成説明図、第3図は第1図の装置に用いられる脱
イオン水分注手段の他の実施例の構成説明図である。 (2)……反応セル回転テーブル、(3)……試料サン
プリングテーブル、(4)……第1試薬貯蔵庫、(5)
……第2試薬貯蔵庫、(6)……回転式吸光光度計、
(7)……光源、(8)……試料分注ピペッタ、(9)
……被測定液排出および洗浄液分注・排出手段、(10)
……脱イオン水分注手段、(11)……試薬供給手段、
(12)……試薬供給手段洗浄部、(13)……脱イオン水
供給部、(14)……分注ピペッタ、(15)……加熱ブロ
ック、(16)……恒温ブロック、(17)……紫外線照射
ブロック、(18)……減圧手段、(19)……気体透過性
膜、(21)……反応セル、(151)……熱媒槽、(152)
……ヒータ、(161)……恒温槽、(171)……紫外線照
射用光源、(a)……脱イオン水供給流路、(b)
(c)……螺旋状管路、(d)……紫外線透過用管路、
(e)……エア抜き管路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部を上方に保持した状態の複数の反応
    セルを搬送しうる反応ラインと、該ラインに付設される
    検体分注手段、試薬分注手段、脱イオン水分注手段およ
    び測光手段とを備え、各反応セルに調製される検体およ
    び試薬からなる各反応液についてその光学濃度を順次直
    接測光すると共に、非測定時に上記各反応セルに脱イオ
    ン水を分注保持しうるよう構成されたディスクリート型
    生化学自動分析装置において、 上記脱イオン水分注手段が、脱イオン水供給部、加熱手
    段と熱交換的に接設される流路を備えた加熱部、恒温手
    段と熱交換的に接設される流路を備えた恒温部、紫外線
    を透過しうる流路および光源を備えた紫外線照射部並び
    に脱イオン水分注ピペッタをこの順に管路接続して構成
    されたことを特徴とするディスクリート型生化学自動分
    析装置。
  2. 【請求項2】脱イオン水分注手段が、加熱部の後段に、
    気体透過性膜を介して減圧手段に接続されるエア抜き管
    路を付設して構成されてなる特許請求の範囲第1項記載
    のディスクリート型生化学自動分析装置。
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