JP2530220B2 - 液体混合物分離装置 - Google Patents
液体混合物分離装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は食品・医薬品工業、化学工業、環境保全事
業、宇宙開発事業などに利用できる液体混合物分離装
置、特に、2以上の液体の混合物から特定の液体のみを
分離でき、更に、前記液体混合物に固体粒子が混入して
いても、特定の液体のみを長時間にわたり安定して分離
できる液体混合物分離装置に関する。
業、宇宙開発事業などに利用できる液体混合物分離装
置、特に、2以上の液体の混合物から特定の液体のみを
分離でき、更に、前記液体混合物に固体粒子が混入して
いても、特定の液体のみを長時間にわたり安定して分離
できる液体混合物分離装置に関する。
[従来技術及び課題] “化学工学協会 岐阜大会(昭和63年7月14、15日)
講演集140〜141頁”には「電場による活性汚泥の脱水」
なる表題の論文が発表されている。それには、アクリル
製の円筒型セル、陽極として円筒の中心に位置するステ
ンレス棒、及び陰極として円筒の内側に取付けられたス
テンレス板からなる装置を用い、活性汚泥を脱水する技
術が開発されている。しかし、この装置においては汚泥
を陽極に凝集させてその含水率を低下させるにすぎな
い。従って、実質的には分離機能を有さず、汚泥から清
浄液を得ることは困難であった。
講演集140〜141頁”には「電場による活性汚泥の脱水」
なる表題の論文が発表されている。それには、アクリル
製の円筒型セル、陽極として円筒の中心に位置するステ
ンレス棒、及び陰極として円筒の内側に取付けられたス
テンレス板からなる装置を用い、活性汚泥を脱水する技
術が開発されている。しかし、この装置においては汚泥
を陽極に凝集させてその含水率を低下させるにすぎな
い。従って、実質的には分離機能を有さず、汚泥から清
浄液を得ることは困難であった。
又、特開昭58−51910には、陽極室と陰極室を多孔性
隔膜で仕切り、電極間に直流電圧を印加することによ
り、電解質を濃縮、分離することを特徴とする濾過方法
が開示されている。しかしながら、上記濾過方法は水溶
液中の溶質を分離、濃縮する方法であり、水溶液でない
液体混合物、例えば水と油の混合物のような液体どうし
の混合物を分離することは記載されていない。又、懸濁
液のような固体粒子が混入したものに対しては使用する
ことができなかった。
隔膜で仕切り、電極間に直流電圧を印加することによ
り、電解質を濃縮、分離することを特徴とする濾過方法
が開示されている。しかしながら、上記濾過方法は水溶
液中の溶質を分離、濃縮する方法であり、水溶液でない
液体混合物、例えば水と油の混合物のような液体どうし
の混合物を分離することは記載されていない。又、懸濁
液のような固体粒子が混入したものに対しては使用する
ことができなかった。
[課題の解決手段] 本発明は上記の課題を下記手段によって解決する。
多孔質セラミック体と、該多孔質セラミック体により
画成された空間と、前記多孔質セラミック体の、前記空
間側の面に対向する面に配設された多孔質の第1電極
と、前記多孔質セラミック体の前記空間側の面に配設さ
れた多孔質の第2電極と、を有する液体混合物分離装置
であって、 前記セラミック体が、分離する液体との間にゼータ
(ζ)電位を生ずる多孔質セラミックからなることを特
徴とする液体混合物分離装置。
画成された空間と、前記多孔質セラミック体の、前記空
間側の面に対向する面に配設された多孔質の第1電極
と、前記多孔質セラミック体の前記空間側の面に配設さ
れた多孔質の第2電極と、を有する液体混合物分離装置
であって、 前記セラミック体が、分離する液体との間にゼータ
(ζ)電位を生ずる多孔質セラミックからなることを特
徴とする液体混合物分離装置。
前記多孔質セラミック体は所定長の管状であることが
好ましい。また、前記空間に配設された第3電極とを有
することが好ましい。
好ましい。また、前記空間に配設された第3電極とを有
することが好ましい。
[作用] 第1図(本発明の一例)に基づいて説明する。
固体と液体が接触すると、該液体の界面において、電
気二重層が形成され、固着層と液体内部との間に界面動
電位(ゼータ[ζ]電位)を生じる場合がある。そのた
め、多孔質セラミック体1の細孔内に液体を存在させ、
該セラミック体1の2つの面に備えられた第1電極2及
び第2電極3に直流電圧を印加して電位差を生じさせる
と、液体が電気浸透現象を生じる。従って、印加電圧を
調整すれば、第2電極3、多孔質セラミック体1、及び
第1電極2を通して、特定の液体が外へ流出する(波状
矢印)。ここで、液体が、水ないしは水溶液の場合、正
極又は負極のいずれの方向に電気浸透するかは、pH等に
よって左右される。例えば、セラミック体として酸化物
材料を使用したときには、多くの場合、中性水は負極へ
向けて浸透する。
気二重層が形成され、固着層と液体内部との間に界面動
電位(ゼータ[ζ]電位)を生じる場合がある。そのた
め、多孔質セラミック体1の細孔内に液体を存在させ、
該セラミック体1の2つの面に備えられた第1電極2及
び第2電極3に直流電圧を印加して電位差を生じさせる
と、液体が電気浸透現象を生じる。従って、印加電圧を
調整すれば、第2電極3、多孔質セラミック体1、及び
第1電極2を通して、特定の液体が外へ流出する(波状
矢印)。ここで、液体が、水ないしは水溶液の場合、正
極又は負極のいずれの方向に電気浸透するかは、pH等に
よって左右される。例えば、セラミック体として酸化物
材料を使用したときには、多くの場合、中性水は負極へ
向けて浸透する。
ここで、セラミック体1の特性を調節すれば、特定の
液体のみを選択的に浸透させることができる。即ち、セ
ラミック体1の特性を調節することにより、2以上の液
体と液体との混合物のうち、その中の特定の液体物質の
みを浸透させることができる。
液体のみを選択的に浸透させることができる。即ち、セ
ラミック体1の特性を調節することにより、2以上の液
体と液体との混合物のうち、その中の特定の液体物質の
みを浸透させることができる。
また、液体混合物が懸濁液(固体粒子を含む液体)で
ある場合、従来では該懸濁液内の固体粒子が透過膜につ
まり、時が経つにつれ、透過膜としての機能が次第に低
下してしまった。しかしながら、セラミック体1により
画成された空間に、別途、第3電極4を付加することに
より、この問題は解決された。即ち、懸濁粒子が正又は
負に帯電している場合、第2電極3と第3電極4との間
に電位差を生じさせると、懸濁荷重粒子が静電気力によ
り一方の電極側へ移動する。従って、例えば懸濁粒子が
負に帯電している場合、第3電極4が正極となるように
直流電圧を印加すると、懸濁粒子を第3電極4側へ移動
できる(微小矢印)。よって、多孔質セラミック体1及
び多孔質の第1、第2電極2、3が懸濁粒子によって目
詰まりすることを防ぎ、長時間、安定に分離を行うこと
ができる。
ある場合、従来では該懸濁液内の固体粒子が透過膜につ
まり、時が経つにつれ、透過膜としての機能が次第に低
下してしまった。しかしながら、セラミック体1により
画成された空間に、別途、第3電極4を付加することに
より、この問題は解決された。即ち、懸濁粒子が正又は
負に帯電している場合、第2電極3と第3電極4との間
に電位差を生じさせると、懸濁荷重粒子が静電気力によ
り一方の電極側へ移動する。従って、例えば懸濁粒子が
負に帯電している場合、第3電極4が正極となるように
直流電圧を印加すると、懸濁粒子を第3電極4側へ移動
できる(微小矢印)。よって、多孔質セラミック体1及
び多孔質の第1、第2電極2、3が懸濁粒子によって目
詰まりすることを防ぎ、長時間、安定に分離を行うこと
ができる。
[好適な実施態様及び作用] 本発明による液体混合物分離装置において、セラミッ
ク体と分離する液体との間に生ずるゼータ電位の絶対値
は5mV以上であることが好ましい。5mV未満において実質
上分離作用を発揮するには過大な電圧を印加する必要が
あり実用的でない。
ク体と分離する液体との間に生ずるゼータ電位の絶対値
は5mV以上であることが好ましい。5mV未満において実質
上分離作用を発揮するには過大な電圧を印加する必要が
あり実用的でない。
本発明による分離装置によって分離できる液体として
は、誘電率(ε)が20以上の極性液体、例えば、水(誘
電率80)、メチルアルコール(33)、エチルアルコール
(25)等がある。一方、非極性であり、イオンが解離し
にくいガソリン(10)、灯油(8)等は生ずるデータ電
位の絶対値が小さく、分離しにくい。
は、誘電率(ε)が20以上の極性液体、例えば、水(誘
電率80)、メチルアルコール(33)、エチルアルコール
(25)等がある。一方、非極性であり、イオンが解離し
にくいガソリン(10)、灯油(8)等は生ずるデータ電
位の絶対値が小さく、分離しにくい。
また、本発明による分離装置は、第3電極を備えるこ
とにより、懸濁液に対しても使用し得る。特に、従来で
は使用し得なかった荷電し固体粒子を含む懸濁液、例え
ば牛乳、研磨砥粒液等にも使用し得る。
とにより、懸濁液に対しても使用し得る。特に、従来で
は使用し得なかった荷電し固体粒子を含む懸濁液、例え
ば牛乳、研磨砥粒液等にも使用し得る。
セラミック対は結晶質又は非結晶質(ガラス質)のい
ずれであってもよく、結晶化ガラスでもよい。セラミッ
ク体であるので高温液に適用でき、熱安定性等の耐久性
に優れる。セラミックは、液体からイオンを吸着し易
く、セラミック成分が解離して電位を生じ易く、かつ、
接触液体との誘電率の差が大きい程、帯電しやすい。そ
のため、水、アルコール等を分離する場合、セラミック
体として誘電率15以下、又は150以上のものを使用する
とよい。又、実際のセラミック体の帯電は液体イオンの
吸着及びセラミック自身の電離の2つが支配的であり、
窒化物、炭化物等の材料では、大きな帯電が得られな
い。そのため、酸化物セラミックは、窒化物、炭化物等
のセラミックに比して好ましい。従って、結晶質セラミ
ック体としては、酸化物、例えば、アルミナ(Al
2O3)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、複酸
化物、例えば、ペロブスカイト(ABO3)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、
ムライト(3Al2O3・2SiO2)、スピネル、珪酸塩、ジル
コン等が挙げられる。ガラス質セラミック体としては、
石英ガラス、クリストバライトガラス、ホウ珪素ガラス
等が挙げられる。結晶化ガラスとしてはβ−スポジュメ
ン、コージライト等を析出結晶とするものが挙げられ
る。
ずれであってもよく、結晶化ガラスでもよい。セラミッ
ク体であるので高温液に適用でき、熱安定性等の耐久性
に優れる。セラミックは、液体からイオンを吸着し易
く、セラミック成分が解離して電位を生じ易く、かつ、
接触液体との誘電率の差が大きい程、帯電しやすい。そ
のため、水、アルコール等を分離する場合、セラミック
体として誘電率15以下、又は150以上のものを使用する
とよい。又、実際のセラミック体の帯電は液体イオンの
吸着及びセラミック自身の電離の2つが支配的であり、
窒化物、炭化物等の材料では、大きな帯電が得られな
い。そのため、酸化物セラミックは、窒化物、炭化物等
のセラミックに比して好ましい。従って、結晶質セラミ
ック体としては、酸化物、例えば、アルミナ(Al
2O3)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、複酸
化物、例えば、ペロブスカイト(ABO3)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、
ムライト(3Al2O3・2SiO2)、スピネル、珪酸塩、ジル
コン等が挙げられる。ガラス質セラミック体としては、
石英ガラス、クリストバライトガラス、ホウ珪素ガラス
等が挙げられる。結晶化ガラスとしてはβ−スポジュメ
ン、コージライト等を析出結晶とするものが挙げられ
る。
多孔質セラミック体は、その気孔及び気孔径を目的に
応じて適宜調節するとよい。例えば、油水分離の場合、
気孔率は30〜60%、気孔径は、0.1〜10μmにするとよ
い。開気孔状態で存在させる。「多孔質」とはセラミッ
ク繊維によって構成される状態をも包含するものとす
る。液体の浸透方向に係るセラミック体の厚さは、例え
ば5〜30mmにするとよい。
応じて適宜調節するとよい。例えば、油水分離の場合、
気孔率は30〜60%、気孔径は、0.1〜10μmにするとよ
い。開気孔状態で存在させる。「多孔質」とはセラミッ
ク繊維によって構成される状態をも包含するものとす
る。液体の浸透方向に係るセラミック体の厚さは、例え
ば5〜30mmにするとよい。
多孔質セラミック体の両面には、所定の電位差を生じ
る第1、第2電極が備えられる。第1、第2電極はセラ
ミック体の両面に直接結合するとよい。分離効率を高く
維持すると共に、装置全体を小型化できる。第1、第2
電極は、導電材料を印刷、メッキ、スパッタリング、蒸
着等により被着することにより、又別途網目上に成形さ
れた電極(例えばステンレス)によってセラミック体を
挟持することにより、セラミック体の両面に備えるとよ
い。導電材料としては、貴金属、高融点金属等通常のも
のを使用できるが、酸化錫(SnO1)、酸化ビスマス(Bi
2O3)、酸化チタン(TiO2)等が特に好ましい。これら
酸化物は耐食性に優れる。電極の多孔度については、セ
ラミック体における電極配設部位の全面積に対して、40
〜70%程度電極材料が存在するとよい。
る第1、第2電極が備えられる。第1、第2電極はセラ
ミック体の両面に直接結合するとよい。分離効率を高く
維持すると共に、装置全体を小型化できる。第1、第2
電極は、導電材料を印刷、メッキ、スパッタリング、蒸
着等により被着することにより、又別途網目上に成形さ
れた電極(例えばステンレス)によってセラミック体を
挟持することにより、セラミック体の両面に備えるとよ
い。導電材料としては、貴金属、高融点金属等通常のも
のを使用できるが、酸化錫(SnO1)、酸化ビスマス(Bi
2O3)、酸化チタン(TiO2)等が特に好ましい。これら
酸化物は耐食性に優れる。電極の多孔度については、セ
ラミック体における電極配設部位の全面積に対して、40
〜70%程度電極材料が存在するとよい。
特に、多孔質セラミック体には、その内部空間に、前
記第2電極との間に所定の電位差を生じる第3電極を備
えるとよい。前記第1、第2電極及びセラミック体によ
って特定の液体の分離が可能となるが、単に、第1、第
2電極及びセラミック体のみをもって構成した場合に
は、液体混合物が懸濁液であるとき、長時間使用すると
懸濁粒子によって多孔質セラミック体(及び第1、第2
電極)が目詰まりを起こし、その機能を発揮し得ない。
そこで、別途更に第3電極を備え、該第3電極と第2電
極との間にも電位差を生じさせることにより、懸濁荷電
粒子を第3電極へ移動させ、上記目詰まり発生を阻止で
き、もって、懸濁液の液体分離作用も長時間安定に発揮
することができる。第3電極についても、前記第1、第
2電極材料と同様のものを使用できる。尚、多孔質であ
る必要はない。
記第2電極との間に所定の電位差を生じる第3電極を備
えるとよい。前記第1、第2電極及びセラミック体によ
って特定の液体の分離が可能となるが、単に、第1、第
2電極及びセラミック体のみをもって構成した場合に
は、液体混合物が懸濁液であるとき、長時間使用すると
懸濁粒子によって多孔質セラミック体(及び第1、第2
電極)が目詰まりを起こし、その機能を発揮し得ない。
そこで、別途更に第3電極を備え、該第3電極と第2電
極との間にも電位差を生じさせることにより、懸濁荷電
粒子を第3電極へ移動させ、上記目詰まり発生を阻止で
き、もって、懸濁液の液体分離作用も長時間安定に発揮
することができる。第3電極についても、前記第1、第
2電極材料と同様のものを使用できる。尚、多孔質であ
る必要はない。
本発明による液体混合物分離装置は、特定の液体の分
離装置として、特に懸濁液混合物から特定の液体のみを
分離する分離装置として、広範囲の分野において適用で
きる。例えば、化学・医薬品分野の他、更には宇宙ステ
ーション内において太陽電池を利用して排泄物から飲料
水を確保する宇宙開発分野などに好適である。
離装置として、特に懸濁液混合物から特定の液体のみを
分離する分離装置として、広範囲の分野において適用で
きる。例えば、化学・医薬品分野の他、更には宇宙ステ
ーション内において太陽電池を利用して排泄物から飲料
水を確保する宇宙開発分野などに好適である。
[実施例] 以下、本発明の実施例について、無機粒子懸濁液の分
離を例にとって、説明する。
離を例にとって、説明する。
(1)多孔質セラミック管(体)の作成 ・アルミナ(純度99.9%、平均粒径2μm、市販品) 500g ・ポリカルボン酸アンモニウム(分散剤) 2.5g ・水 300g 以上を、12mmφのアルミナ球石1kgと共に、内容積21
のボールミルに入れ、84rpmで48時間混合分散した。こ
うして得られた泥奨を石膏型に流し込み、サイズ12φ×
16φ×600lの管を成形した。次にこれを、大気雰囲気
中、600℃で3時間焼成し多孔質セラミック管とした。
のボールミルに入れ、84rpmで48時間混合分散した。こ
うして得られた泥奨を石膏型に流し込み、サイズ12φ×
16φ×600lの管を成形した。次にこれを、大気雰囲気
中、600℃で3時間焼成し多孔質セラミック管とした。
この管の特性等を以下に示す。
・気孔率:40% ・平均気孔率:0.5μm ・サイズ:10.9φ×14.5φ×545l (2)電極膜(第1、第2電極)の形成 多孔質セラミック管を、酸化錫のゾル(市販品)に浸
漬し、内周面及び外周面全域に塗布した後、自然乾燥
し、さらに大気雰囲気中、560℃にて1時間焼付け処理
を行い厚さ約10μmの酸化錫電極膜を形成した。次に研
削砥石で、管の一端近傍の周縁に、直径5mmの懸濁液流
入孔を開口させた。
漬し、内周面及び外周面全域に塗布した後、自然乾燥
し、さらに大気雰囲気中、560℃にて1時間焼付け処理
を行い厚さ約10μmの酸化錫電極膜を形成した。次に研
削砥石で、管の一端近傍の周縁に、直径5mmの懸濁液流
入孔を開口させた。
(3)モジュールの組み立て 電極膜の形成された多孔質セラミック管を用いて、第
2図に示すような液体混合物分離装置を製作した。
2図に示すような液体混合物分離装置を製作した。
同図において、1は多孔質セラミック管、1aは懸濁液
流入孔、2及び3は夫々リード線に接続された多孔質の
外面電極(第1電極)、内面電極(第2電極)、4はセ
ラミック管1の軸心において延びる第3電極、5は第3
電極の支持板、6及び7はセラミック管の両端を保持す
る一対の保持管、8は懸濁液流入孔1aと未処理懸濁液槽
10とを接続する流入側接続管、9は該管8に取り付けら
れたチューブポンプ、11は保持管7と処理済懸濁液槽12
とを接続する流出側接続管、13はセラミック管1等の周
囲を画成する外管、13aは気体導入部、13bは分離液の流
出部、14は濾過液槽である。
流入孔、2及び3は夫々リード線に接続された多孔質の
外面電極(第1電極)、内面電極(第2電極)、4はセ
ラミック管1の軸心において延びる第3電極、5は第3
電極の支持板、6及び7はセラミック管の両端を保持す
る一対の保持管、8は懸濁液流入孔1aと未処理懸濁液槽
10とを接続する流入側接続管、9は該管8に取り付けら
れたチューブポンプ、11は保持管7と処理済懸濁液槽12
とを接続する流出側接続管、13はセラミック管1等の周
囲を画成する外管、13aは気体導入部、13bは分離液の流
出部、14は濾過液槽である。
(4)懸濁液の調製 ・アルミナ(平均粒径0.5μm、純度99.9%、市販品)5
kg ・分散剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、
市販品) 100g ・水 10kg 以上を、内容積20lのボールミルへ15mmφのアルミナ
球石10kgと共に入れ、30rpmで48時間混合分散し、懸濁
液となした。この懸濁液のアルミナ粒子の帯電は、ゼー
タ電位で−38mVであった。
kg ・分散剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、
市販品) 100g ・水 10kg 以上を、内容積20lのボールミルへ15mmφのアルミナ
球石10kgと共に入れ、30rpmで48時間混合分散し、懸濁
液となした。この懸濁液のアルミナ粒子の帯電は、ゼー
タ電位で−38mVであった。
(5)濾過試験 チューブポンプ9にて、3ml/secの流量で懸濁液をモ
ジュール(多孔質セラミック管)内に供給しながら、外
面電極2と内面電極3との間に、外面電極2が正極とな
るように電圧E1を印加すると共に内面電極3と第3電極
4との間に第3電極4が正極となるように電圧E2を印加
し、多孔質セラミック管1の透水量を測定した。その結
果を第3、第4図に示す。
ジュール(多孔質セラミック管)内に供給しながら、外
面電極2と内面電極3との間に、外面電極2が正極とな
るように電圧E1を印加すると共に内面電極3と第3電極
4との間に第3電極4が正極となるように電圧E2を印加
し、多孔質セラミック管1の透水量を測定した。その結
果を第3、第4図に示す。
第3、第4図から明らかなように、処理開始当初にお
いては、電圧E1により、電圧E2のレベルに拘らず、高い
透水性を示す。この透水量は電圧E1を高くすれば増加す
る。しかし、処理時間の経過につれて、電圧E2が影響を
及ぼし、電圧を印加しない(E2=0)の場合、短時間で
透水量が大きく低下してしまう。これに対して、E2のレ
ベルを上げるに従って、長時間の使用においても高い透
水性を維持できる。E1のレベルに拘らず、この高透水量
の維持が可能である。これは、電圧E2の印加によって、
懸濁粒子による多孔質セラミック管への目詰まりが抑制
されたためである。
いては、電圧E1により、電圧E2のレベルに拘らず、高い
透水性を示す。この透水量は電圧E1を高くすれば増加す
る。しかし、処理時間の経過につれて、電圧E2が影響を
及ぼし、電圧を印加しない(E2=0)の場合、短時間で
透水量が大きく低下してしまう。これに対して、E2のレ
ベルを上げるに従って、長時間の使用においても高い透
水性を維持できる。E1のレベルに拘らず、この高透水量
の維持が可能である。これは、電圧E2の印加によって、
懸濁粒子による多孔質セラミック管への目詰まりが抑制
されたためである。
又、セラミック体として前記例と同様のアルミナを用
いて、液体分離できる例を表に示す。下表において、上
段の液体及び下段の液体の混合物を分離できる。上段側
の液体が多孔質セラミック体を透過する液体である。
いて、液体分離できる例を表に示す。下表において、上
段の液体及び下段の液体の混合物を分離できる。上段側
の液体が多孔質セラミック体を透過する液体である。
尚、ゼータ電位は次式: ΔP=2l/πr2・εEζ (式中、ΔPは静水圧差、lはセラミック多孔体の細孔
の長さ、rはその細孔の半径、εは液体の誘電率、Eは
電界の強さ、ζはゼータ電位を表す)により求めた。
の長さ、rはその細孔の半径、εは液体の誘電率、Eは
電界の強さ、ζはゼータ電位を表す)により求めた。
[他の実施例] (1)本装置は、第3電極4を配設し、第2電極3と該
第3電極4のみに電圧を印加して、懸濁液の通常の加圧
濾過(クロマトグラフィー濾過)に用いることも可能で
あり、この場合も目詰まり抑制効果は大きい。
第3電極4のみに電圧を印加して、懸濁液の通常の加圧
濾過(クロマトグラフィー濾過)に用いることも可能で
あり、この場合も目詰まり抑制効果は大きい。
(2)セラミック体1の形状は、液体分離機能を発揮し
得る限り、角筒状、方形状等、様々の形にすることがで
きる。特に、セラミック体1を管状にして、ポンプ等に
より液体混合物に前記セラミック体の内部空間を通過さ
せるようにするのが、連続的に液体混合物を分離できる
点から好ましい。
得る限り、角筒状、方形状等、様々の形にすることがで
きる。特に、セラミック体1を管状にして、ポンプ等に
より液体混合物に前記セラミック体の内部空間を通過さ
せるようにするのが、連続的に液体混合物を分離できる
点から好ましい。
又、セラミック体1の一部の側面のみを利用して外部
へ液体を通過させてもよい。この場合、該当部以外は非
多孔質であってもよく、又液体との間にゼータ電位を生
じない物質を使用することも許容される。これに対応し
て、第1、第2電極2、3も一部の側面のみに備え、第
3電極4を他部の側面に備えるようにしてもよい。
へ液体を通過させてもよい。この場合、該当部以外は非
多孔質であってもよく、又液体との間にゼータ電位を生
じない物質を使用することも許容される。これに対応し
て、第1、第2電極2、3も一部の側面のみに備え、第
3電極4を他部の側面に備えるようにしてもよい。
(3)モジュールを複数とし、直列又は並列(例えば、
多管状ないしハニカム状)に接続して一括作動させても
よい。液体分離機能を高めることができる。
多管状ないしハニカム状)に接続して一括作動させても
よい。液体分離機能を高めることができる。
(4)第3電極4を配設する場合、該第3電極4は、第
2電極3と接触しない限り、セラミック体1に接触して
もよい。但し、液体との間にゼータ電位を生ずるセラミ
ック体1の一部に第2電極3が形成され、その他部に第
3電極4が接触することは、場合により可能である。
2電極3と接触しない限り、セラミック体1に接触して
もよい。但し、液体との間にゼータ電位を生ずるセラミ
ック体1の一部に第2電極3が形成され、その他部に第
3電極4が接触することは、場合により可能である。
(5)その他、本発明の要旨を変更しない限り、更に種
々の他の実施例を包含する。
々の他の実施例を包含する。
[発明の効果] 以上の如く本発明によれば、液体混合物から特定の液
体のみの分離を行うことができるため、油水混合物の分
離、体液等の排出、補給などに利用できる。又、ポンプ
等を併用し、セラミック体を管状とすることにより、分
離作用を連続的に行うことができる。更には、固体粒子
を含む液体混合物においても特定の液体のみの分離を行
うことができるため、汚泥の洗浄化、懸濁液の濾過等の
極めて広い範囲での使用が可能である。また、固体粒子
等によるセラミック体の目詰まりも防止できることか
ら、懸濁液混合物であっても特定の液体の分離作用を長
時間にわたり維持できる。
体のみの分離を行うことができるため、油水混合物の分
離、体液等の排出、補給などに利用できる。又、ポンプ
等を併用し、セラミック体を管状とすることにより、分
離作用を連続的に行うことができる。更には、固体粒子
を含む液体混合物においても特定の液体のみの分離を行
うことができるため、汚泥の洗浄化、懸濁液の濾過等の
極めて広い範囲での使用が可能である。また、固体粒子
等によるセラミック体の目詰まりも防止できることか
ら、懸濁液混合物であっても特定の液体の分離作用を長
時間にわたり維持できる。
第1図は本発明の作用を説明するための主要部断面図、 第2図は本発明の一実施例(モジュール)を示す断面
図、そして 第3、第4図は上記実施例の結果としての経過時間と透
水量との関係を示すグラフであって、第3図はE1=25V
に係るもの、第4図はE1=50Vに係るもの、 を夫々表す。 1……セラミック体 2,3……第1,第2電極 4……第3電極
図、そして 第3、第4図は上記実施例の結果としての経過時間と透
水量との関係を示すグラフであって、第3図はE1=25V
に係るもの、第4図はE1=50Vに係るもの、 を夫々表す。 1……セラミック体 2,3……第1,第2電極 4……第3電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水嶋 康之 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 大蔵 常利 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 徳本 淳一 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−51910(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】多孔質セラミック体と、該多孔質セラミッ
ク体により画成された空間と、前記多孔質セラミック体
の、前記空間側の面に対向する面に配設された多孔質の
第1電極と、前記多孔質セラミック体の前記空間側の面
に配設された多孔質の第2電極と、を有する液体混合物
分離装置であって、 前記セラミック体が、分離する液体との間にゼータ
(ζ)電位を生ずる多孔質セラミックからなることを特
徴とする液体混合物分離装置。 - 【請求項2】前記多孔質セラミック体が所定長の管状で
あることを特徴とする請求項1記載の液体混合物分離装
置。 - 【請求項3】前記空間に配設された第3電極とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合物分
離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1051436A JP2530220B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 液体混合物分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1051436A JP2530220B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 液体混合物分離装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02229531A JPH02229531A (ja) | 1990-09-12 |
JP2530220B2 true JP2530220B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=12886879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1051436A Expired - Lifetime JP2530220B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 液体混合物分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530220B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101550022B1 (ko) | 2014-03-13 | 2015-09-07 | 삼성중공업 주식회사 | 오일 내의 물 액적 분리를 위한 인라인 타입 정전식 코어레서 및 이를 포함하는 분리 시스템 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7235164B2 (en) | 2002-10-18 | 2007-06-26 | Eksigent Technologies, Llc | Electrokinetic pump having capacitive electrodes |
EP1740497A4 (en) * | 2004-04-21 | 2015-11-11 | Eksigent Technologies Llc | SYSTEMS, DEVICES AND METHODS FOR ELECTROKINETIC RELOCATION OF MEDICAMENT |
JP4919455B2 (ja) * | 2005-08-02 | 2012-04-18 | 株式会社ピーエス三菱 | 袋詰脱水処理方法 |
DK1957794T3 (da) | 2005-11-23 | 2014-08-11 | Eksigent Technologies Llc | Elektrokinetiske pumpeudformninger og lægemiddelfremføringssystemer |
US7867592B2 (en) | 2007-01-30 | 2011-01-11 | Eksigent Technologies, Inc. | Methods, compositions and devices, including electroosmotic pumps, comprising coated porous surfaces |
WO2009076134A1 (en) | 2007-12-11 | 2009-06-18 | Eksigent Technologies, Llc | Electrokinetic pump with fixed stroke volume |
EP2704759A4 (en) | 2011-05-05 | 2015-06-03 | Eksigent Technologies Llc | COUPLING GEL FOR ELECTROCINETIC FLUID DISTRIBUTION SYSTEMS |
CN110240388B (zh) * | 2019-06-06 | 2023-09-12 | 河南工程学院 | 基于电压分级检测的交换电极电渗透污泥脱水系统及方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5851910A (ja) * | 1981-09-22 | 1983-03-26 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 「ろ」過方法 |
-
1989
- 1989-03-03 JP JP1051436A patent/JP2530220B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101550022B1 (ko) | 2014-03-13 | 2015-09-07 | 삼성중공업 주식회사 | 오일 내의 물 액적 분리를 위한 인라인 타입 정전식 코어레서 및 이를 포함하는 분리 시스템 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02229531A (ja) | 1990-09-12 |
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