JP2528939B2 - 混合液体の分離方法 - Google Patents

混合液体の分離方法

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/36Pervaporation; Membrane distillation; Liquid permeation

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は混合液体の分離方法に関する。さらに詳しく
は、浸透気化分離法により混合液体を分離するに際し、
上記混合液体の少なくとも一部を蒸気化した混合流体を
膜分離装置に供給し、該蒸気を、分離膜上に存在する上
記混合液体からなる液膜と直接接触させて液膜内に分縮
せしめ、分離膜上の混合液体に発生する温度低下を低減
させる工業的に有利な混合液体の分離方法に関する。
[従来の技術] 分離膜を境にして一方側に混合液体を置き、他方側を
真空に引いて減圧にするか、不活性ガスを流して低蒸気
分圧に保ち、その圧力差によつて液を透過させ、低圧側
で蒸発させることによつて混合液を分離するいわゆる浸
透気化分離方法が1950年の半ば頃より研究がなされてい
る。この分離方法は通常の蒸留法では分別できないよう
な薬液(おもに有機溶媒、炭化水素など)の分離精製を
目的として考えだされたものであり、例えば共沸混合
物、沸点の近接した溶媒、異性体(オルトとパラ、シス
とトランス)等の分別分離、熱分解性混合液体や果汁の
濃縮精製、痕跡、不純物の除去、さらにはエステル反応
中生成する水分除去等にその応用例がみられる(例え
ば、米国特許第2,953,502号、C.Y.Choo,“Advances in
Petroleum Chemistry and Refining",Vol.VI(1962)P7
2、米国特許第2,956,070号)。
上述のように、浸透気化分離法は、液体から気体への
相変化を必らず伴う分離法であり、この相変化に要する
熱量(潜熱)は、供給される混合液体の顕熱によつてま
かなわれている。そのため、分離装置内の液温度は遂次
低下し、膜を透過する量が多い程、その温度低下は顕著
になる。
一方、浸透気化分離法においては膜分離性能の温度依
存性が大きいことが知られている。すなわち、分離温度
が低下すると膜を透過する量は減少し、逆に分離温度が
上昇すると一般に分離性(分離係数)が悪くなる傾向に
ある。その結果、分離の最適温度が存在することにな
り、しかもその巾はあまり大きくはない。そのため、実
用化に当つては、膜分離装置(以下モジユールユニツト
という)内の液体の温度差があまり大きくならないよう
に操作することが重要である。
そこで、このような問題を解決するために、モジユー
ルユニツトを多数使用し、各モジユールユニツト間に加
熱装置を設けた多段化システムが考案され、試みられて
いる。(例えば、ケミカルエンジニアリング、29[6]
(1984)石川 矯、P19、化学装置、25[12](1983)
石川 矯、P27)。このような多段化システムの模式的
なダイヤグラムをモジユールユニツトが4基の場合の例
を第2図に示す。第2図において、混合液体10は、第1
の加温装置11に導入され、予め沸点以下の温度に加温さ
れた後、第1のモジユールユニツト12の一端に導入され
る。分離膜13を透過しない残渣液14は第2の加温装置15
に導入される。以下同様に、加温された第1モジユール
ユニツトの残渣液は第2のモジユールユニツト16に導入
され、膜17を透過しない残渣液18は第3の加温装置19を
経たあと第3のモジユールユニツト20に導入され、膜21
を透過しない残渣液22は第4の加温装置23を経て第4の
モジユールユニツト24に導入される。第4のモジユール
ユニツト内の膜25を透過しない残渣液26は一つのプロダ
クトとなる。一方、第1〜4のモジユールユニツト内の
膜13,17,21,25を透過した液成分の蒸気は、集められて
膜透過成分27となるか、または別々の膜透過成分28,29,
30,31となり、もう1つのプロダクトとなる。上述のよ
うに、多段化装置においては、1組あるいは複数組の加
温装置とモジユールユニツトが直列に連結され、各モジ
ユールユニツトにおいて必要な熱量がその直前に設置さ
れた加温装置で分割付与される。
しかしながら、上述の多段化装置において、分離温度
を均一にするためにはかなりの段数を必要とし、装置が
複雑となるので、通常は2〜5段で実施されている。従
つて、かかる多段化システムを用いる方法においても、
膜を透過する量が多い場合には依然として分離温度の均
一化は未解決のまま残されているのが現状である。
従つて、本発明の目的は、原料液体混合物の少なくと
も一部を蒸気の状態にして供給する効率のよい混合液体
の分離方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、分離膜上の混合液体に発生する
温度低下を低減させうる混合液体の分離方法を提供する
ことにある。
さらに本発明の別の目的は、分離膜を透過した膜透過
物及び/又は膜を透過しなかつた液体である残渣液をさ
らに蒸留塔で精製する混合液体の分離方法を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討し、本発
明に至った。すなわち本発明は、浸透気化分離法により
混合液体を分離する方法において、上記混合液体の少な
くとも一部を蒸気化した混合流体を膜分離装置に供給
し、該蒸気を、分離膜上に存在する上記混合液体からな
る液膜と直接接触させて液膜内に分縮させながら分離す
ることを特徴とする混合液体の分離方法である。
従つて、本発明の方法によれば、膜を透過する透過量
が多い場合でも分離膜上の液膜の温度低下を低減させる
ことができるので、工業的に有利な混合液体の分離方法
を提供することができる。
本発明において混合液体とは、少なくとも2成分を混
合してなる、例えば有機−有機混合液、または有機−水
混合液などのことであつて、混合とは完全に分子あるい
はイオン状態で均一にそれぞれの成分が混じり合つた状
態だけでなく、分子会合、イオン会合、エマルジヨン状
分子塊などの混合をも含む。かかる混合液体の具体例と
しては、酢酸メチル/メチルアルコール、酢酸エチル/
エチルアルコール、ベンゼン/シクロヘキサン、メタノ
ール/アセトン、ベンゼン/メタノール、ベンゼン/エ
タノール、アセトン/クロロホルム、メタノール/アセ
トン、エタノール/水などがあげられる。また、近接沸
点混合液体としては、エチルベンゼン/スチレン、パラ
クロルエチルベンゼン/パラクロルスチレン、トルエン
/メチルシクロヘキサン、ブタジエン/ブテン類、ブタ
ジエン/ブタン類などがあげられる。また混合液体とし
ては、上記共沸混合液体のほかに分離しにくい混合液
体、たとえば水−酢酸、さらには普通の蒸留でも分ける
ことのできる混合液体、例えば水−メタノール、水−ア
セトン等も含まれる。
有機液体の濃度が共沸組成濃度より低い場合には通
常、先ず蒸留により濃縮されるので蒸留塔の塔頂蒸気を
凝縮させることなくそのまま膜分離装置へ供給でき、好
ましい。
又、混合液体としては上記のような二成分系ばかりで
なく、三成分系以上の多成分系であつてもよく、有機液
体と無機液体との混合液体でもよい。
本発明において、混合液体は該混合液体の少なくとも
一部を蒸気化した混合流体の状態でモジユールユニツト
に供給されるが、該混合流体は、自身のもつエンタルピ
ーをHf、膜透過物のエンタルピーをHD、残渣液(膜を透
過しなかつた液体)のエンタルピーをHwとした場合に、
Q=Hf−HD−Hwで定義されるQがQ≧0であるのがエネ
ルギー的に好ましい。
混合流体中の蒸気又は液の割合は、供給混合流体の熱
的状態を表わす次の定義で示されるqの値を計算するこ
とによつて求めることができる。
すなわち、供給混合流体が沸点の気液混合物である場
合、qは0<q<1となり、飽和蒸気の場合はq=0で
ある。又、沸点以上の蒸気の場合はq<0となる。従つ
て、本発明の方法において、モジユールユニツトに供給
される混合流体は常に0≦q<1又はq<0であること
が必要である。原料中、蒸気の占める割合は1−qによ
り求めることができる。
本発明において、混合液体は該混合液体の少なくとも
一部を蒸気化した状態にある沸点の混合流体で膜分離装
置に供給されるが、該混合流体中の蒸気の割合は、上述
の1−qが0.03<1−q<1.0であるのが好ましく、0.0
5<1−q<0.85であるのがさらに好ましい。
上述のように本発明においては、混合液体は上記混合
液体の少なくとも一部を蒸気化した混合流体でモジユー
ルユニツトに供給されるが、蒸気の一部は分離膜上に存
在している上記混合液体からなる液膜と直接接触し、凝
縮する。又、蒸気が残余する場合は、該蒸気はコンデン
サーで液化され液膜として供給される。コンデンサーは
モジユールユニツトに内蔵されていてもよい。
液膜の流れる方向は、供給される混合流体の導入方向
に対して向流でも並流でもよく、又その併用でもよい。
液膜の厚さはとくに制限はなく、透過量、混合物の物
性、分離膜の材質により自由に変えられる。しかし、供
給混合流体中の蒸気との接触による熱の移動を液膜の厚
さ方向に効率よく行わせるには液膜は薄い程よく、一
方、分離膜上に安定した液膜を形成させるにはある程度
の厚みが必要となるため、通常0.1〜10mmの厚み、好ま
しくは0.2〜5mmの厚みに調節するのが好ましい。
本発明において使用する分離膜の素材としてはポリエ
チレン、ポリフツ化ビニリデン、ポリビニルアルコール
(エチレン−ビニルアルコール系共重合体などのビニル
アルコール系共重合体を含む)、ポリ酢酸ビニル、ポリ
メチルシロキサン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエ
ン、ポリビニルクロライド、酢酸セルロース、ポリスチ
レン、シリコーンゴム、再生セルロース、ポリアミド、
ポリイミド、ポリアミドイミド、天然多糖類の塩などが
あげられる。またこれらの膜の活性層はいわゆる非多孔
質であるが、その全体の膜構造は均質構造であつてもよ
いし、また不均一構造であつてもよい。また膜の厚さは
任意に選びうるが概して1〜500μm、好ましくは5〜2
00μmである。
本発明の浸透気化分離法においては、混合液体を接触
する膜の反対側、すなわち排気室は混合液室よりも低圧
であることが必須である。混合液体の接触する側(混合
液室)の圧力は0.001〜20気圧であるが、この圧力は操
作温度(液膜のその圧力における沸点およびその近傍の
温度)を決定づけてしまうため通常は、液膜温度が20〜
200℃となる圧力が選ばれ、好ましくは圧力が大気圧お
よびその近傍で実施され、その時の操作温度は正常沸点
およびその近傍の温度となる。一方、その反対側(排気
室)の圧力は低圧側を膜を透過する物質の蒸気圧より低
い圧力に保つために、大気圧以下、好ましくは400mmHg
以下、さらには100mmHg以下の真空に保つのがよい。
次に、本発明の混合液体の分離方法を具体的に図によ
って説明する。第1図は本発明の方法を模式的に示した
モジユールユニツトの断面図であり、(a)、(b)、
(c)は各々液膜の流れる方向が、供給される混合流体
の導入方向に対して並流、向流及びその併用の場合の例
である。その併用の場合とは、通常、液膜の流れと供給
される混合流体の流れとがほぼ直角である場合をさすこ
とが多いが、ほぼ直角の意味は厳密なものではなく、上
述の並流及び向流を除いたもの全てがこれに相当する。
本発明においては、操作するうえで混合流体は液膜の流
れ方向とほぼ直角に供給するのが好ましい。混合流体1
は少なくともその一部が蒸気状態でモジユールユニツト
2の一端に導入され、蒸気の一部は分離膜3の上を流れ
る液膜4と接触し、凝縮する。残余蒸気はコンデンサー
5で液化され、連結管6により液膜4として供給され
る。膜を透過した成分7及び残渣液8は各々プロダクト
となる。膜透過物及び/又は残渣液は必要に応じてさら
に蒸留塔で精製される。
第1図においてはモジユールユニツトが1基の場合を
示したが、必要に応じて複数個を直列又は並列に連結し
て使用してもよい。コンデンサーは必らずしも必要では
なく、残余蒸気がある場合に使用される。上述のよう
に、本発明方法は、モジユールユニツトにおいて必要な
全熱量を、供給される液体混合物に一括付与し(この結
果、供給される混合液体の少なくとも一部が蒸気化され
た状態となる)、蒸気をモジユールユニツト内で上記混
合液体からなる液膜と直接接触させて凝縮させ、必要な
熱量を凝縮時の潜熱で補おうとするものであり、多段化
システムの知見からは全く予想しがたい特徴を有してい
る。
本発明の分離方法によれば、モジユールユニツト内の
液膜の温度低下を低減させることができ、効率よく分離
操作を行うことができる。かかる効果が発現される理由
を必ずしも明確に説明することはできないが、本発明方
法において、供給される混合物の少なくとも一部は蒸気
であるため、モジユールユニツト内で分離に供される液
膜に浸透気化分離による気化熱で温度低下が生じるや否
や、その蒸気の一部が液膜に直接凝固し、その蒸気のも
つ潜熱が移動するため降下した温度がすみやかに回復
し、実際上液膜はほとんど温度の降下を生じることなく
モジユールユニツトを通過することが可能となり、温度
の低下に伴う分離膜の性能低下を解消できることによる
ものと思われる。
次に実施例により、本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例によつて何ら制限されるも
のではない。
実施例1 第1図(c)に示すようなモジユールユニツト1基の
例について実験を行った。
共沸組成のエタノール−水混合蒸気(エタノール96重
量%)をその正常沸点(78℃)で、膜面積0.1m2の酢酸
セルロース製平膜(厚み200μm)からなるモジユール
ユニツトに供給通過させ、コンデンサーで凝縮させた
後、再び液状でモジユールユニツトに供給して、該膜上
にエタノール−水混合液体の液膜(厚さ1000μm)を形
成した。次に、膜透過側の圧力を真空ポンプとマノスタ
ツトで1mmHgに保ち、ひきつづき共沸組成のエタノール
水溶液の蒸気(q=0)を1.097kg/hrでモジユールユニ
ツトに液膜とほぼ直角方向に供給して、該液膜と直接接
触させて分縮せしめ、残余の蒸気は上記のコンデンサー
で凝縮し、連結管により液膜として供給した。膜透過成
分はドライアイス−アセトンで冷却したコールドトラツ
プに捕集し、エタノールをガスクロマトグラフで分析し
た。かかる操作を連続で実施したところ、定常状態に達
した時点で膜透過成分として濃度60重量%のエタノール
を含む水が0.097kg/hrの割合で得られ、残渣液として純
度99.5重量%のエタノールが1.0kg/hrの割合で得られ
た。このときの液膜の温度は上流側(入口側)で73℃、
下流側(出口側)で76℃であり、ほぼ一定であつた。
比較例1 実施例1で用いたモジユールユニツトに共沸組成のエ
タノール−水混合液体(エタノール96重量%)をほぼ沸
点(76℃)まで加温し、液体状態で1.098kg/hrで供給し
た。以下、実施例1と同様にして操作したところ、膜透
過成分として濃度46.1重量%のエタノールを含む水が0.
044kg/hrの割合で得られ、残渣液は1.054kg/hrの割合で
得られたが、エタノール純度は98.1重量%であつた。こ
のときの液膜の温度は上流側(入口側)で76℃、下流側
(出口側)で49℃であり、27℃もの温度低下が認められ
た。
実施例2 実施例1と同じ装置に、共沸組成のエタノール水溶液
の蒸気に代えてその一部を液化させた混合物(q=0.
2)を1.097kg/hrで供給し、実施例1と同様の操作を行
なつたところ(液膜の厚さ1000μm)、膜透過成分とし
て濃度59.6重量%のエタノールを含む水が0.099kg/hrの
割合で得られ、残渣液として純度99.6重量%のエタノー
ルが0.998kg/hrの割合で得られた。このときの液膜の温
度は上流側、下流側とも76℃であり、温度低下は認めら
れなかつた。
実施例3 実施例1と同じ装置に再生セルロース製平膜(厚み20
0μm)を装着した。正常沸点(56℃)のメタノール−
酢酸メチル混合蒸気(メタノール50重量%)を0.085kg/
hrで供給し、実施例1と同様の操作を行なつたところ
(液膜の厚さ1000μm)、メタノール純度82.2重量%の
膜透過成分が0.005kg/hrの割合で得られ、残渣液として
純度48.0重量%のメタノールが0.080kg/hrの割合で得ら
れた。このときの液膜の温度は上流側56℃、下流側55℃
であり、ほぼ一定であつた。
実施例4 実施例3で使用したモジユールユニツトに、正常沸点
(60℃)のメタノール−ベンゼン混合蒸気(メタノール
50重量%)を0.080kg/hrで供給し、実施例1と同様な操
作を行なつたところ(液膜の厚さ1000μm)、膜透過成
分として純度90.4重量%のメタノールが0.003kg/hrの割
合で得られ、残渣液として純度48.4重量%のメタノール
が0.077kg/hrの割合で得られた。このときの液膜の温度
は上流側60℃、下流側59℃であり、ほぼ一定であつた。
比較例2 実施例3で使用したモジユールユニツトに濃度50重量
%のメタノール−酢酸メチル混合液体をほぼ沸点(54
℃)まで加温し、液体状態で0.085kg/hrで供給した。実
施例3と同様に操作したところ、膜透過成分として濃度
82.9重量%のメタノールが0.002kg/hrの割合で得られ、
残渣液として濃度49.2重量%のメタノールが0.083kg/hr
の割合で得られた。このときの液膜の温度は上流側で54
℃、下流側で43℃であり、11℃の温度低下が認められ
た。
比較例3 実施例4で使用したモジユールユニツトに濃度50重量
%のメタノール−ベンゼン混合液体をほぼ沸点(58℃)
まで加温し、液体状態で0.080kg/hrで供給した。実施例
4と同様に操作したところ、膜透過成分として濃度90.6
重量%のメタノールが0.002kg/hrの割合で得られ、残渣
液として濃度49.0重量%のメタノールが0.078kg/hrの割
合で得られた。このときの液膜の温度は、上流側で58
℃、下流側で46℃であり、12℃の温度低下が認められ
た。
実施例5 醗酵法により得られた粗エタノール水溶液から予め低
沸成分及び高沸成分を除去した6重量%エタノール水溶
液を直径100nm、高さ4000mmのスルザーBXパツキング
(住友重機械工業(株)製)を充填した蒸留塔へ供給し
た。還流比30で運転したところ、蒸留塔頂からほぼ共沸
組成に近い蒸気が得られた。該蒸気を冷却することなく
1.097kg/hrの速度で実施例1で用いたモジユールユニツ
トへ供給し、実施例1と同様に操作したところ、実施例
1と同様の結果が得られた。
次いで、膜透過成分(60重量%のエタノール水溶液)
を直径25mm、高さ4000mmのマクマホンパツキングを充填
した蒸留塔へ供給し、還流比30で操作したところ、塔頂
よりほぼ共沸組成のエタノール水溶液0.032kg/hrが、ま
た塔底から水が0.065kg/hrの割合で得られた。
また、残渣液(99.5重量%のエタノール水溶液)を直
径25mm、高さ4000mmのマクマホンパツキングを充填した
蒸留塔へ供給し、還流比120で操作したところ、塔頂よ
りエタノール水溶液0.103kg/hrが、また塔底よりほとん
ど無水のエタノールが0.897kg/hrの割合で得られた。各
蒸留塔塔頂からの留出液はエタノール水溶液であるの
で、再び一部を蒸気状態にしてモジユールユニツトに供
給できた。
[発明の効果] 本発明により、モジユールユニツト内の液膜の温度低
下を低減させた工業的に有利な混合液体の分離方法を提
供することができる。このため、分離システムのコンパ
クト化、処理能力の増大、低コスト化が図られ、本発明
は化学工業などの分離精製プロセスの短縮化や高効率膜
分離方法の実用化に有効であり、産業上の有用性が極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の分離方法を模式的に示したモジユール
ユニツトの断面図であり、(a)、(b)、(c)は各
々、液膜の流れる方向が、供給される混合液体の導入方
向に対して並流、向流及びその併用の場合の断面図であ
る。 第2図は従来の多段化システムの模式的なダイヤグラム
である。 1……混合流体、2……モジユールユニツト 3……分離膜、4……液膜 5……コンデンサー、6……連結管 7……膜透過物、8……残渣液 10……混合液体 11、15、19、23……加温装置 12、16、20、24……モジユールユニツト 13、17、21、25……分離膜 14、18、22、26……残渣液 27、28、29、30、31……膜透過物

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸透気化分離法により混合液体を分離する
    方法において、上記混合液体の少なくとも一部を蒸気化
    した混合流体を膜分離装置に供給し、該蒸気を、分離膜
    上に存在する上記混合液体からなる液膜と直接接触させ
    て液膜内に分縮させながら分離することを特徴とする混
    合液体の分離方法。
  2. 【請求項2】該混合流体のエンタルピーは、膜透過物及
    び残渣液(膜を透過しなかった液体)のエンタルピーの
    和と等しいか又は大である請求項1記載の分離方法。
  3. 【請求項3】該混合流体が蒸留塔からの蒸気又は気液混
    合物である請求項1または2記載の分離方法。
  4. 【請求項4】該混合流体が液膜の流れとほぼ直角に供給
    される請求項1〜3のいずれか1項記載の分離方法。
  5. 【請求項5】該混合流体中の蒸気の割合が3〜100重量
    %である請求項1〜4のいずれか1項記載の分離方法。
  6. 【請求項6】該液膜の厚さが0.1〜10mmである請求項1
    〜5のいずれか1項記載の分離方法。
  7. 【請求項7】膜透過物及び/又は残渣液をさらに蒸留塔
    で精製する請求項1〜6のいずれか1項記載の分離方
    法。
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