JP2528378B2 - カラ―画像記録方法および装置 - Google Patents

カラ―画像記録方法および装置

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JP2528378B2
JP2528378B2 JP2220896A JP22089690A JP2528378B2 JP 2528378 B2 JP2528378 B2 JP 2528378B2 JP 2220896 A JP2220896 A JP 2220896A JP 22089690 A JP22089690 A JP 22089690A JP 2528378 B2 JP2528378 B2 JP 2528378B2
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公博 中塚
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、カラー原画を色分解して得られた複数の
色分解画像の画像信号に基づいて、写真フィルムなどの
感光材料上に網点形式でカラー画像を記録する方法およ
びそのための装置に関する。
【従来の技術】
カラー画像を印刷する際には、最終的な印刷工程の前
に校正用画像を作成して、印刷される画像の品質を確認
するのが普通である。従来の簡易校正方法では、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の各版用の色分解網画像フィルムを作成し、校正
専用のカラー印画紙に各網画像を順次に焼付けて校正用
画像を作成している。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の簡易校正では、各版用の色分解網画像
フィルムを作成しなければならず、校正判定により再分
解が指示された場合には、上記色分解網画像フィルムが
無駄になってしまう。さらに、印刷時における網点のカ
スレ(印刷紙上で、インキがのるべき網点内部にできる
インキがのらない微小な斑点)が模倣できないため、校
正用のカラー画像の画像品質と実際の印刷物の画像品質
とが異なってしまうという問題があった。 この発明は、従来技術における上述の課題を解決する
ためになされたものであり、印刷時における網点のカス
レを模擬することのできるカラー画像の記録方法および
そのための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、この発明によるカラー画
像記録方法では、(a)印刷時における複数の色分解画
像内の網点のカスレをそれぞれ模擬する複数のカスレ模
擬信号を準備し、(b)複数の画像信号に基づいて、各
色分解画像を網目版画像としてそれぞれ表す複数の網点
信号を作成し、(c)前記網点信号と前記カスレ模擬信
号とを論理加算することによって、前記複数の色分解画
像にそれぞれ対応する複数のカスレ模擬網点信号を作成
し、(d)当該複数のカスレ模擬網点信号に基づいて、
カラー画像を記録する。 この方法において、各色分解画像に対応する各カスレ
模擬信号として、印刷時において各色分解画像に先刷り
される他の色分解画像の網点の有無にそれぞれ応じた複
数種類の原カスレ模擬信号を準備するとともに、前記カ
スレ模擬信号と網点信号との論理加算に際しては、カラ
ー画像の記録における各画素位置において、各色分解画
像に先刷りされる他の色分解画像の網点の有無に応じて
前記複数種類の原カスレ模擬信号を選択して使用するこ
とが好ましい。 さらに、複数のカスレ模擬網点信号は、イエロー、マ
ゼンタ、シアンおよび墨版の各色分解画像にこの順に対
応する第1ないし第4のカスレ模擬信号であり、カラー
画像の記録は、(d1)前記第1ないし第3のカスレ模擬
網点信号のそれぞれと、前記第4のカスレ模擬網点信号
との論理和または論理積をとることにより、前記イエロ
ー版と墨版、前記マゼンタ版と墨版、および前記シアン
版と墨版のそれぞれの組み合わせについての網点の和集
合を表す第1ないし第3の合成網点信号を作成するとと
もに、(d2)前記第1ないし第3の合成網点信号に基づ
いて露光用ビームを制御することにより、感光材料上に
カラー画像を記録することが好ましい。 また、上述の方法を実施するためのカラー画像記録装
置は、前記複数の画像信号に基づいて、各色分解画像を
網目版画像としてそれぞれ表す複数の網点信号を作成す
る網点信号生成手段と、印刷時における前記複数の色分
解画像内の網点のカスレをそれぞれ模擬する複数のカス
レ模擬データを収納するとともに、前記複数のカスレ模
擬データに対応する複数のカスレ模擬信号を発生し、前
記網点信号と前記カスレ模擬信号とを論理加算すること
によって、前記複数の色分解画像にそれぞれ対応する複
数のカスレ模擬網点信号を作成するカスレ模擬信号合成
手段と、当該複数のカスレ模擬網点信号に基づいて、カ
ラー画像を記録する記録手段とを備える。 この装置において、各色分解画像に対応する各カスレ
模擬信号合成手段は、印刷時において各色分解画像に先
刷りされる他の色分解画像の網点の有無にそれぞれ応じ
た複数種類の原カスレ模擬信号をそれぞれ発生する複数
の原カスレ模擬信号発生手段と、カラー画像の記録にお
ける各画素位置において、各色分解画像に先刷りされる
他の色分解画像の網点の有無に応じて前記複数種類の原
カスレ模擬信号の1つを選択するとともに、選択された
原カスレ模擬信号と網点信号とを論理加算する論理加算
手段とを備えるのが好ましい。 さらに、複数のカスレ模擬網点信号合成手段は、イエ
ロー、マゼンタ、シアンおよび墨版の各色分解画像に対
応する第1ないし第4のカスレ模擬信号をそれぞれの網
点信号と合成する第1ないし第4のカスレ模擬信号合成
手段であり、前記第1ないし第4のカスレ模擬信号合成
手段と記録手段との間に、前記第1ないし第3のカスレ
模擬網点信号のそれぞれと、前記第4のカスレ模擬網点
信号との論理和または論理積をとることにより、前記イ
エロー版と墨版、前記マゼンタ版と墨版、および前記シ
アン版と墨版のそれぞれの組み合わせについての網点の
和集合を表す第1ないし第3の合成網点信号を作成する
墨版信号合成手段を備えるとともに、記録手段は、前記
第1ないし第3の合成網点信号に基づいて露光用ビーム
を制御することにより、感光材料上にカラー画像を記録
する手段であるのが好ましい。
【作用】
各版ごとにカスレ模擬信号と網点信号とを論理加算し
てカスレ模擬網点信号を作成するので、このカスレ模擬
網点信号に基づいてカラー画像を作成すれば、各版のカ
スレを模擬することができる。 また、網点のカスレは、先刷り版の網点の有無に影響
されることがあるので、これに対応した複数種類の原カ
スレ模擬信号を準備しておけば、種々の刷り重ね条件の
下でのカスレを模擬することができる。 さらに、Y,M,C各版のカスレ模擬網点信号のそれぞれ
をK版のカスレ模擬網点信号と合成して得られた第1な
いし第3の合成網点信号に基づいて、感光材料上にカラ
ー画像を記録すれば、Y,M,C,K各版の網点とともに、そ
のカスレも模擬することができる。
【実施例】
A. 装置の構成と動作 第1図は、この発明の一実施例としてのスキャナシス
テムの構成を示す図である。このスキャナシステムは、
カラースキャナ100と校正用画像記録装置200とで構成さ
れている。 カラースキャナ100は入力ドラム101と出力ドラム102
とを備えており、入力ドラム101にはカラー原画OFが、
また、出力ドラム102には色分解して得られた網目版画
像を記録するための記録フィルムRFがそれぞれ巻装され
ている。 原画OFを走査して原画像データを読み取る場合には、
入力ドラム101がθ方向に一定速度で回転するととも
に、走査ヘッド103が送りネジ104によって入力ドラム10
1の回転軸と平行な方向に一定速度で駆動される。入力
ドラム101の内部に備えられた光源(図示せず)から射
出された光は、透明な入力ドラム101とカラー原画OFと
を通過した後、走査ヘッド103で受け取られる。走査ヘ
ッド103で集光された光の青(B),緑(G),および
赤(R)の成分は2つのダイクロイックミラー105a,105
bおよび1つの反射ミラー105cでそれぞれ反射される。
反射された3本の光は個別に光電子増倍管106で電気的
な信号に変換された後、増幅器107a〜107cによって青、
緑、赤の濃度信号Sb,Sg,Srにそれぞれ変換される。これ
らの濃度信号Sb,Sg,Srは、マスキング回路108に与えら
れ、ここで色補正や階調変換などの処理を受けてY,K,M,
C版の色分解画像をそれぞれ表わす画像信号Sy,Sk,Sm,Sc
に変換される。画像信号Sy,Sk,Sm,Scは、A/D変換器109
でデジタル信号に変換されて、ドットジェネレータ110
に与えられる。デジタル画像信号Sy,Sk,Sm,Scは、例え
ば8ビットで256階調を表現する階調レベル信号であ
る。 記録フィルムRF上にY、K、M、C各版の網目版画像
を記録する場合には、ドットジェネレータ110が画像信
号Sy、Sk、Sm、Scに基づいて網点信号Sdを発生する。こ
の網点信号Sdは、AOM(音響光学変調器)111を変調し、
レーザ光源112から射出されるレーザ光Lをオン/オフ
制御する。AOM111を通過したレーザ光Lは、記録ヘッド
113で集光されて、出力ドラム102に巻装された記録フィ
ルムRFを露光する。この結果、Y、K、M、C各版の網
目版画像が記録フィルムRF上に記録される。なお、この
記録動作の際には出力ドラム102は一定速度でθ方向に
回転し、記録ヘッド113も送りネジ114によって出力ドラ
ム103の回転軸と平行な方向に一定速度で駆動されてい
る。 校正用画像を作成する場合には、デジタル画像信号S
y、Sk、Sm、Scがカラースキャナ100から校正用画像記録
装置200に与えられる。 校正用画像記録装置200は、インタフェース回路201
と、色演算回路202と、ドットジェネレータ203と、カス
レ模擬信号合成回路204y,204k,204m,204cと、K版信号
合成回路205y、205m、205cと、図示しないB、G、R各
色のレーザ光を発振する各レーザ光源と、それら各色レ
ーザ光をオン/オフ制御するAOMユニット206y、206m、2
06cと、反射ミラー207aと、ダイクロイックミラー207
b、207cと、露光レンズ208と、ドラム209とを備えてい
る。 校正用画像記録装置200内において、デジタル画像信
号Sy、Sk、Sm、Scは、インタフェイス回路201を介して
色演算回路202に与えられる。この色演算回路202は、校
正用画像の色調と印刷物上の画像の色調とが一致するよ
うに、各デジタル画像信号Sy、Sk、Sm、Scの色補正や階
調補正を行なう機能を有する。 色演算回路202で補正された画像信号Sy1、Sk1、Sm1、
Sc1は、4チャンネル分のドットジェネレータ203に並列
に入力されて網点信号Sdy、Sdk、Sdm、Sdcに変換され
る。これらの網点信号Sdy、Sdk、Sdm、Sdcは、前記出力
ドラム102上の記録フィルムRFに記録されるY、K、
M、C各版の網目版画像における網点の形状と類似の形
状を表しており、例えば、各走査線において、網点上の
画素位置ではLレベルとなり、網点上でない画素位置で
はHレベルとなる信号である。この実施例では、後述す
るように10本の露光用ビームを同時に用いてカラー感材
を露光するので、各網点信号Sdy、Sdk、Sdm、Sdcは、そ
れぞれ10本の露光用ビームを制御する10ビットの信号と
して構成されている。 なお、Y、K、M、C各版の網目版画像のスクリーン
線数とスクリーン角度とは、それぞれドットジェネレー
タ203によって所定の値に設定される。網目版画像のス
クリーン線数やスクリーン角度を任意に設定する方法
は、例えば特開昭55-6393号公報や、特開昭61-137473号
公報に詳述されている。 各網点信号Sdy、Sdk、Sdm、Sdcは、カスレ模擬信号合
成回路204y、204k、204m、204cにそれぞれ入力されて、
ここで、網点のかすれを模擬したカスレ模擬信号と加算
され、それぞれ10ビットのカスレ模擬網点信号Sdy1、Sd
k1、Sdm1、Sdc1として出力される。なお、カスレ模擬信
号合成回路の構成と処理内容についてはさらに後述す
る。 有彩色のカスレ模擬網点信号Sdy1,Sdm1,Sdc1のそれぞ
れは、K版のカスレ模擬網点信号Sdk1とともにK版信号
合成回路205y,205m,205cにそれぞれ入力される。各K版
信号合成回路205y,205m,205cは、入力された2つの信号
の論理和または論理積をとることにより、Y,M,Cの各版
の網点と、K版の網点との和集合を表わす合成網点信号
Sdy2,Sdm2,Sdc2を作成する。この結果、K網点となるべ
き領域において、Y,M,Cの3色が全部発色して墨色とな
り、カラー感材上に、Y,M,C,Kの4色の網点を記録する
ことができる。なお、K版信号合成回路の構成と処理内
容については、本出願人によって開示された特願平1-28
5823号に詳述されている。 K版信号合成回路205y,205m,205cで生成されたそれぞ
れ10ビットの合成網点信号Sdy2,Sdm2,Sdc2は、AOMユニ
ット206y,206m,206cにそれぞれ与えられる。なお、AOM
ユニット206y,206m,206cは、それぞれ10チャンネルのAO
Mで構成されており、10本の露光用ビームをオン/オフ
制御する。また、AOMユニット206y,206m,206cは、それ
ぞれブルー、グリーン、レッドの各色の露光用ビームB,
G,Rを制御する。AOMユニット206y,206m,206cで変調され
た露光用ビームB,G,Rは、ダイクロイックミラー207a〜2
07cによって見かけ上10本のビームに合成され、露光レ
ンズ208によって集光されてドラム209上に巻装されたカ
ラー感材PFを露光し、カラー感材PF上に校正用画像が記
録される。なお、この露光の際には、ドラム209がφ方
向に一定速度で回転するとともに、回転軸と平行な方向
に一定速度で移動していく。 このように、このスキャナシステムでは、カスレ模擬
信号合成回路204y,204k,204m,204cによって印刷時の網
点のかすれを模擬したカスレ模擬網点信号Sdy1,Sdk1,Sd
m1,Sdc1を作成し、これらの信号に基づいて校正用画像
を記録するので、校正用画像において、印刷時の網点の
かすれを模擬した状態で画像品質を確認できるという利
点がある。 さらに、K版信号合成回路205y,205m,205cによって、
K版の網点を他の網点を重ねあわせて表現した画像信号
Sdy2,Sdm2,Sdc2を作成するので、例えば、銀塩写真感材
のように、Y,M,C発色層しか持たない出力媒体に対して
も、これらの信号に基づいて校正用画像を直接記録でき
る。以上の処理によって、校正用画像を作成するため
に、従来のように色分解画像を網フィルムなどに記録す
る必要がなく、画像信号から校正用画像を直接作成でき
るという利点がある。 なお、カスレ模擬信号合成回路によって、Y,M,C,K各
版のカスレ模擬網点信号を作成した後、K版信号合成回
路によってK版のカスレ模擬網点信号を他の版のカスレ
模擬網点信号と合成することによっても、Y,M,C,K各版
のかすれを正確に模擬できる原理については、後で詳述
する。 B. カスレ模擬信号合成回路の処理内容 B−1. カスレ模擬信号合成回路の構成と動作 第2図は、Y版用のカスレ模擬信号合成回路204yの内
部構成を示すブロック図である。他の版のカスレ模擬信
号合成回路の構成については、後述する。 カスレ模擬信号合成回路204yは、カスレ模擬信号発生
回路41yと論理加算回路42yとを有している。カスレ模擬
信号発生回路41yは、クロック発振器410と、アドレスカ
ウンタ420と、ラインリングカウンタ430と、カスレ模擬
データメモリ440〜449と、比較器450〜459とを備えてい
る。また、論理加算回路42yは、ORゲート460〜469と、N
ORゲート470〜479と、スイッチ回路480〜489とを備えて
いる。 カスレ模擬データメモリ440〜449には、網点のかすれ
を模擬したカスレ模擬データDbが収納されている。第3
図は、カスレ模擬データDbの一例を示しており、各画素
のカスレ模擬データDbのレベルを表わす3次元ヒストグ
ラムを示す斜視図である。このカスレ模擬データDbは、
40x40の画素マトリクス内の各画素に対する4ビットの
データとして構成されている。このようなカスレ模擬デ
ータDbは各版ごとに準備される。1番目のカスレ模擬デ
ータメモリ440には、副走査座標xの座標値が1,11,21,3
1である4本の主走査線上におけるカスレ模擬データDb
が記憶される。同様に、2番目のカスレ模擬データメモ
リ441には、副走査座標xの座標値が2,12,22,32である
4本の主走査線上におけるカスレ模擬データDbが記憶さ
れる。その他のメモリ442〜449も同様である。なお、カ
スレ模擬データDbの作成方法については、さらに後述す
る。 第4図は、カスレ模擬データDbのための画素マトリク
スPMと、100%網点領域HDとの大きさを比較して示す説
明図である。ここで、100%網点領域とは、網点の繰り
返し単位となっている領域であり、また、網点面積率が
100%の時に網点が占める領域である。この実施例で
は、スクリーン角度が0°の場合を例にとると、100%
網点領域HDは23x23個の画素で構成されている。カスレ
模擬データDbの周期(40画素)は、100%網点領域HDの
周期(23画素)と異なっている。カスレ模擬データDbを
40画素の周期を有する信号とみなし、また、網点を表わ
すデータを23画素の周期を有する信号とみなすと、これ
ら2つの信号は互いに非同期である。しかも、それらの
周期の最小公倍数は920画素と大きな値であり、その非
同期性の程度はかなり高い。 なお、後述するように、カスレ模擬データは、網点の
カスレがランダムに発生するとみなして作成されたラン
ダムデータである。従って、カスレ模擬データを表わす
信号は、網点信号に対して非同期なランダム信号であ
る。 アドレスカウンタ420とラインリングカウンタ430と
は、カスレ模擬データメモリ440〜449に与えるためのア
ドレスを出力する回路である。 アドレスカウンタ420には、クロック信号発振器410か
ら出力されたカウントクロック信号Sccとともに、出力
シリンダ102の軸に設けられたエンコーダ(図示せず)
から出力されたシリンダ原点パルスPsが与えられる。こ
のシリンダ原点パルスPsは、出力シリンダ102が1回転
するごとに1パルスずつ発生されるパルス信号である。
アドレスカウンタ420は、このシリンダ原点パルスPsに
よってクリアされて、カウントクロック信号Sccのパル
ス数をカウントし、その結果をカスレ模擬データメモリ
440〜449に与える下位アドレスLaとして出力する。アド
レスカウンタ420は40進のリングカウンタであり、下位
アドレスLaの値は、0〜39の範囲で循環的に変化する。
この下位アドレスLaは、カスレ模擬データの主走査方向
Yの座標に相当している。 一方、ラインリングカウンタ430は、シリンダ原点パ
ルスPsのパルス数をカウントして、その結果をカスレ模
擬データメモり440〜449の上位アドレスUaとして出力す
る。ラインリングカウンタ430は4進のリングカウンタ
であり、上位アドレスUaの値は、0〜3の範囲で循環的
に変化する。すなわち、2進数で表わせば、上位アドレ
スUaの値は“00",“01",“10",“11"の順に変化する。 上位アドレスUaは、第5図に示すように、画素マトリ
クスPMを副走査方向xにそって4つに分割した各領域R1
〜R4を指定するアドレスである。第1図に示すスキャナ
システムでは、10本の露光ビームで校正用画像を記録し
ており、第5図の各領域R1〜R4は、それぞれ10本の露光
ビームで一度に露光される領域である。領域R1を露光す
る際には、上位アドレスUaの値に従って、カスレ模擬デ
ータメモリ440〜449からその領域R1についてのカスレ模
擬データDbが読み出される。この時、例えば、1番目の
カスレ模擬データメモリ440からは、副走査座標xの座
標値が1である主走査線上におけるカスレ模擬データDb
0が出力される。このように、各カスレ模擬データメモ
リ440〜449からは、副走査座標xの座標値が1から10で
ある各主走査線上におけるカスレ模擬データDb0〜Db9が
それぞれ出力される。 各カスレ模擬データメモリ440〜449から読み出された
カスレ模擬データDb0〜Db9は、比較器450〜459にそれぞ
れ与えられる。各比較器450〜459には、カスレ模擬デー
タDb0〜Db9とともに所定の閾値Dthが与えられている。
各比較器450〜459の出力信号Sc0〜Sc9は、各カスレ模擬
データDb0〜Db9が閾値Dthよりも大きい場合にはHレベ
ルとなり、閾値Dthよりも小さな場合にはLレベルとな
る。 第6A図および第6B図は、閾値Dthの値が第3図に示す
値Aのときの信号Sc(Sc0〜Sc9)のレベルと、値Bのと
きの信号Sc(Sc0〜Sc9)のレベルとを示す概念図であ
る。図において、斜線を付した画素は信号ScがHレベル
であることを示し、白抜きの画素は信号ScがLレベルで
あることを示している。信号ScがHレベルの画素は、カ
スレによってインクが乗らなくなる画素である。なお、
閾値Dthの値は、印刷用紙の凹凸や、湿し水量の多少の
影響を考慮して、実際の網点カスレを良く模擬できるよ
うに、オペレータにより予め設定されている。 各比較器450〜459の各1ビットの出力信号Sc0〜Sc9は
ORゲート460〜469、およびNORゲート470〜479のそれぞ
れの一方の入力に与えられる。 ORゲート460〜469およびNORゲート470〜479の他方の
入力としては、ドットジェネレータ203から出力された
網点信号Ddyが与えられる。この網点信号Ddyは10本の露
光ビームに対応した10ビットの信号であり、その1ビッ
トずつの信号がORゲート460〜469およびNORゲート470〜
479にそれぞれ入力される。 ORゲート460〜469の出力信号とNORゲート470〜479の
出力信号とは、スイッチ回路480〜489にそれぞれ与えら
れる。スイッチ回路480〜489は、外部から与えられる切
換信号Ss1に応じて切換えられる。切換信号Ss1は、校正
用画像をポジ感材上に記録するときにはORゲート460〜4
69の出力信号を出力し、ネガ感材上に記録するときはNO
Rゲート470〜479の出力信号を出力するようにスイッチ
回路480〜489を切換える。 第7A図および第7B図は、ポジ感材とネガ感材を用いる
場合について、カスレ模擬信号合成回路204yの動作をそ
れぞれ示すタイミングチャートである。第7A図と第7B図
とにおいて、(a)はカスレ模擬データDbを模式的に示
しており、ランダムな雑音成分として表わされている。
図の横軸は時間を表わしているが、これは主走査方向y
の画素位置(またはアドレス)に対応している。閾値Dt
hが図に示すレベルに設定されていると、比較器450から
459の出力信号Scは、(b)に示すようにDth<Dbを満足
する画素位置のみでHレベルとなる。図の(c)に示す
ように、網点信号Sdyは網点形成部においてLレベルと
なる信号である。 ポジ感材を用いる場合には、ORゲート460〜469のそれ
ぞれにおいて、2つの信号Sdy,Sc(Sc0〜Sc9)が論理加
算され、第7A図の(d)に示すカスレ模擬網点信号Sdy1
が得られる。すなわち、2つの信号Sdy,Scのいずれか一
方がHレベルである画素位置ではカスレ模擬網点信号Sd
y1がHレベルとなり、その画素位置が露光される。ポジ
感材は、露光された部分が発色せず、露光されない部分
が発色する感材である。これに応じて、カスレ模擬網点
信号Sdy1は、カスレ模擬信号ScがHレベルとなっている
画素位置で発色せずに、かすれることを示している。 ネガ感材を用いる場合には、NORゲート470〜479のそ
れぞれにおいて、2つの信号Sdy,Sc(Sc0〜Sc9))が論
理加算の後に反転され、第7B図の(d)に示すカスレ模
擬網点信号Sdy1が得られる。すなわち、2つの信号Sdy,
Scの両方がLレベルである画素位置においてのみ、カス
レ模擬網点信号Sdy1がHレベルとなり、その画素位置が
露光される。ネガ感材は、露光された部分が発色する感
材である。これに応じて、カスレ模擬網点信号Sdy1は、
カスレ模擬信号ScがHレベルとなっている画素位置で発
色せずに、やはりかすれることを示している。 こうして合成されたカスレ模擬網点信号Sdy1は、カス
レ信号合成回路204yから出力され、K版信号合成回路20
5yに与えられる。 このように、ランダム信号としてのカスレ模擬データ
Dbをメモリに格納し、校正用画像を記録する際の走査に
同期して読み出して使用するようにしたので、種々の印
刷条件に応じたカスレ模擬データを準備しておき、印刷
条件によってカスレ模擬データを書き換えることによっ
て、どんな印刷条件の下でもカスレをうまく模擬でき
る。 第8A図は、Y,M,C版のカスレ模擬信号合成回路204y,20
4m,204cの概略構成を示すブロック図、第8B図は、K版
のカスレ模擬信号合成回路204kの概略構成を示すブロッ
ク図である。第8A図の回路は、簡略化して描かれてお
り、例えば第2図のY版の回路204yは、第8A図において
カスレ模擬信号発生回路41yと論理加算回路42yとを示す
ブロックのみで表わされている。 なお、これらのカスレ模擬信号合成回路は、Y,M,C,K
版をこの順序で重ね合わせる場合に、各版の重なりを考
慮した原カスレ模擬信号を発生させる回路である。この
ように、各版の重なりを考慮するのは、インクのトラッ
ピング率が重なり順によって異なり、カスレの発生の仕
方も異なるからである。 M版のカスレ模擬信号合成回路204mは、第1と第2の
カスレ模擬信号発生回路41m1,41m2と、スイッチ回路43m
と、論理加算回路42mとを有している。第1のカスレ模
擬信号発生回路41m1は、M版の網点下にY版の網点が無
い場合における、M版の網点のカスレを模擬した信号を
発生する。第2のカスレ模擬信号発生回路41m2は、M版
の網点の下にY版の網点がある場合における、M版の網
点のカスレを模擬した信号を発生する。第1と第2のカ
スレ模擬信号発生回路41m1、41m2から発生された信号は
スイッチ回路43mに与えられ、スイッチ回路43mにおいて
Y版の網点信号Sdyによって切換えられて、いずれか一
方の信号が論理加算回路42mに与えられる。なお、第1
と第2のカスレ模擬信号発生回路41m1,41m2からは、第
2図のカスレ模擬信号発生回路41yと同様に、10本の露
光ビームに対応して10ビットの信号が出力されており、
これらの各々が、10ビットの網点信号Sdyによって独立
に切換えられて出力される。スイッチ回路43mから出力
された信号は、論理加算回路42mにおいて、M版の網点
信号Sdmと論理加算され、カスレ模擬網点信号Sdm1とし
て出力される。 C版のカスレ模擬信号合成回路204cもM版の回路と同
様の構成を有しており、第1〜第4のカスレ模擬信号発
生回路41c1〜41c4と、スイッチ回路43cと、論理加算回
路42cとを有している。なお、第8A図および第8B図の各
カスレ模擬信号発生回路の内部に示されている符号「Y
+],「M+],「C+]は、Y版,M版,C版が先に刷ら
れている場合に対応する原カスレ模擬信号を発生する回
路であることをそれぞれ示している。 K版のカスレ模擬信号合成回路204kもM版,C版の回路
と同様の構成を有しており、第1〜第8のカスレ模擬信
号発生回路41k1〜41k8と、スイッチ回路43kと、論理加
算回路41kとを有している。スイッチ回路43kには、8つ
のカスレ模擬信号発生回路41k1〜41k8からの出力信号が
与えられており、3つの網点信号Sdy,Sdm,Sdcによって
切換えられて、論理加算回路42kにその出力信号を供給
する。 第8A図および第8B図に示すように、各版の網点の重な
りを考慮して原カスレ模擬信号を選択するようにすれ
ば、インクのトラッピング率の影響を含めたカスレを模
擬できるという利点がある。 B−2. カスレ模擬データの作成方法 網点のカスレの原因としては、次のようなものがあ
る。 a. 刷版の網点上に残された湿し水(以下、「残留温
水」と呼ぶ。) b. 印刷用紙の凹凸 c. 印刷用紙のインクの吸収率 d. インクのトラッピング率 e. 印圧 このうち、カスレ発生の支配的な要因は、残留湿水の
影響および印刷用紙の凹凸であると考えられる。ここ
で、網点のカスレの発生メカニズムについて、次の3つ
の条件を仮定する。 条件C1:カスレの発生(インクの不転移)を確率過程
と考えると、カスレの発生は定常かつエルゴード的であ
る。確率過程に関する「定常」とは、一般に、確率過程
の統計的性質が時間をずらしても変わらないことを言う
が、ここでは、異なる網目版画像についてカスレの発生
の態様が変わらないことを意味する。また、「エルゴー
ド的」とは、一般に、確率過程の集合平均がその確率過
程の時間平均に等しいことを言うが、ここでは、同じ網
目版画像の中で、ある程度の数の網点を含む領域内での
カスレの発生の態様が、網目版画像全体の中でのカスレ
の発生の態様と等しいことを意味する。 条件C2:カスレの発生は、白色的である。これは、カ
スレの発生が特定の部分に集中することがなく、特定の
周期が存在しないことを意味する。 条件C3:印刷紙面上でのカスレの発生は、テクスチャ
(紙繊維の織り)の凹部に集中する。ここで、さらに、
印刷紙面はランダムテクスチャであると仮定する。ラン
ダムテクスチャでは、紙繊維のサイズ(太さおよび長
さ)を基本単位としたある程度の周期性が生じる。さら
に、残留湿水にも、ある程度の周期性がある。つまり、
網点上には、ある程度のサイズの水滴が残りやすく、あ
まりに大きな水滴や、あまりに小さな水滴は残りにく
い。 上記3つの条件C1〜C3のうちで、条件C1およびC2は、
カスレの発生を周期性が無い白色雑音として模擬できる
ことを示している。一方、条件C3は、カスレの発生を、
ある程度の周期性があるランダム信号として模擬できる
ことを示している。 条件C1〜C3を仮定した場合、網点のカスレの発生は、
紙繊維のランダムテクスチャや残留湿水のサイズによっ
て一意的に推定されるスペクトルを有するランダム信号
として模擬できる。この時、位相空間におけるカスレの
スペクトルは、ランダムテクスチャの(および/または
残留湿水の)基本周波数に応じたスペクトルと、白色雑
音のスペクトルとの線形結合として推定することができ
る。このようなランダム信号の推定方法については、例
えば、朝倉幹雄著「スペクトル解析」(朝倉書店、1977
年10月)の第142頁以降に紹介されている。以下では、
この方法を適用してカスレ模擬データを作成する方法の
例を説明する。 B−2a. パワースペクトルの推定に基づく方法 カスレの発生分布G(x,y)に対応するパワースペク
トルS(U,V)は、ランダム信号のパワースペクトルの
推定式を用いて、次のように表わされる。 S(U,V)=4(A^2)・(B^2) ・[1/f1(U)+1/f2(U) +1/f3(V)+1/f4(V)] ……(1) f1(U)=B^2+{U+U(0)}^2 ……(2a) f2(U)=B^2+{U−U(0)}^2 ……(2b) f3(U)=B^2+{V+V(0)}^2 ……(2c) f4(U)=B^2+{V−V(0)}^2 ……(2d) ここで、演算子^はべき乗を表わす。また、各符号は
次のように定義されている。 U,V:周波数平面における直交座標 U(p),V(q):U,Vの定義域[0,U(Nx)],[0,V
(Ny)]におけるスペクトルサンプル。U(0),V
(0)は、それぞれの座標上での中心周波数である。こ
こで、中心周波数とは、スペクトルがピークとなる周波
数である。なお、ここでは、座標U,Vについて等方的で
ある場合を考えており、U(0)=V(0)である。 A,B:パワースペクトルの形状を決定する係数。 実空間におけるカスレ発生分布G(x,y)は、パワー
スペクトルS(U,V)によって、次のように表わされ
る。 G(x,y)=4ΣpΣq {S(Upa,Vqa) ・(ΔUp・ΔVq)^0.5 ・cos(UPa・x+θp) ・sin(Vqa・y+θk)} ……(3) Upa={U(p)+U(p−1)}/2 ……(4a) Vqa={V(q)+V(q−1)}/2 ……(4b) ΔUp=U(p)−U(p−1) ……(5a) ΔVq=V(q)−V(q−1) ……(5b) ここで、演算子Σp,Σqは、符号pについてゼロから
Nxまで加算する演算と、符号qについてゼロからNyまで
加算する演算とをそれぞれ表わす。また、θpとθqと
は、一様乱数を表わす。(3)式で与えられるカスレ発
生分布G(x,y)は、カスレ模擬データDbの分布形状を
表わしており、例えば第7A図(a)および第7B図(a)
に示すような形状を有している。 カスレ模擬分布G(x,y)は、中心周波数U(0)
(=V(0))と、係数A,Bの値とによって異なる形状
になる。そこで、これらの値U(0),A,Bをパラメータ
として、数種類のカスレ模擬分布G(x,y)を(3)式
に基づいて作成する。この時、中心周波数U(0)の値
が取る範囲は、実際の網点におけるカスレの発生の態様
から、ある程度予測できる。また、カスレ模擬分布G
(x,y)は、等方的であると考え、U=V,x=yとしてカ
スレ模擬分布G(x,y)を求めれば良い。 こうして求めたカスレ模擬分布G(x,y)をカスレ模
擬データDbとしてカスレ模擬データメモリ440〜449に収
納し、ベタ塗りに関する校正用画像を作成する。この校
正用画像としては、Y,M,C,Kの各版それぞれの単独の画
像、および、この内の2色、3色、4色を刷り重ねた場
合の画像をそれぞれ準備する。 一方、これと並行して、ベタ塗りの印刷サンプルを準
備する。この印刷サンプルとしても、Y,M,C,Kの各版を
それぞれ単独で刷った印刷物、および、この内の2色、
3色、4色を刷り重ねた印刷物をそれぞれ準備する。こ
のように校正用画像と印刷サンプルとで種々の刷り重ね
のサンプルを準備するのは、各インクの特性と刷り重ね
の仕方によってカスレの発生態様が異なる場合に、その
差異を反映したカスレ模擬データを作成するためであ
る。 次に、以上のように作成した校正用画像と、印刷サン
プルとを比較して、印刷サンプルにおけるカスレを再現
性良く模擬できるカスレ分布G(x,y)を選択し、これ
をカスレ模擬データDbとして採用する。こうして、第8A
図および第8B図に示すカスレ模擬信号発生回路41y,41m1
〜41m2,41c1〜41c4,41k1〜41k8内のメモリにそれぞれ収
納するカスレ模擬データDbが得られる。 B−2b. カスレの自己相関関数に基づく方法 この方法では、まず、上述したベタ塗りの印刷サンプ
ルを作成し、カスレの発生分布を実測する。実測して得
られたカスレの2次元分布Ga(x,y)は、画素ごとにカ
スレの有無を表わす2値データで表現されている。この
カスレ分布Ga(x,y)の2次元自己相関関数(2次元自
己共分散関数)φ(τx,τy)は、次式で与えられる。 φ(τx,τy)= (1/σ^2)(1/L^2) ・ΣiΣj[{G(i,j)−gg} ・{G(i+τx,j+τy)−gg}] ……(6a) σ^2=(1/L^2) ・ΣiΣj[{G(i,j)−gg}^2] ……(6b) gg=(1/L^2) ・ΣiΣj{G(i,j)} ……(6c) ここで、ウィーナー/キンチンの公式を用いると、カ
スレのパワースペクトルS(U,V)と自己相関関数φ
(τx,τy)とが次式で関係づけられる。 S(U,V)=F[φ(τx,τy)] ……(7) ここで、演算子Fはフーリエ変換を表わす。 こうして求められたパワースペクトルS(U,V)か
ら、上記(3)式に従ってカスレ模擬分布G(x,y)を
求める。このカスレ模擬分布G(x,y)は、実測したカ
スレ分布Ga(x,y)と異なり、多値データで表現されて
おり、例えば第7A図(a)のような形状を有している。
このカスレ模擬分布G(x,y)を、カスレ模擬データDb
として、カスレ模擬信号発生回路41y,41m1〜41m2,41c1
〜41c4,41k1〜41k8内のメモリにそれぞれ収納すれば、
網点のカスレを模擬できる。 なお、カスレ模擬データDbとして、実測した2値のカ
スレ模擬分布Ga(x,y)をそのまま用いてもよい。この
場合には、第2図に示す構成のうち、比較器450〜459が
不要になるという利点がある。 しかし、上記のようにして求めた多値のカスレ模擬分
布G(x,y)をカスレ模擬データDbとして採用すれば、
第7A図および第7B図において説明したように、閾値Dth
のレベルを変えることによって校正用画像上におけるカ
スレの大きさを変えることができ、実際のカスレの発生
を模擬するのが容易になるという利点がある。 C. K版信号合成回路による合成処理 第9図は、K版信号合成回路205y,205m,205cにおける
合成処理の内容を示す概念図である。 第9図の(a)は、イエロー(Y),シアン(C)、
墨(K)の各色の網点がこの順に刷り重ねられた様子を
示している。なお、簡単のため、マゼンタの網点は無い
ものとしている。 第9図の(b),(c),(d)には、C,K,Y各版の
カスレ模擬網点信号Sdc1,Sdk1,Sdy1によって表わされる
網点が示されている。C版の網点内には3つのカスレ部
Hc1〜Hc3が模擬されており、同様に、、K版の網点内に
は4つのカスレ部Hk1〜Hk4が、また、Y版の網点内には
3つのカスレ部Hy1〜Hy3が模擬されている。 第9図の(e),(f),(g)には、K版信号合成
回路205c,205m,205yでそれぞれ作成される合成網点信号
Sdc2,Sdm2Sdy2によって表わされる網点がそれぞれ示さ
れている。図からもわかるように、合成網点信号Sdc2,S
dy2は、C版,Y版の網点と、K版の網点との和集合の形
状をそれぞれ表わしている。また、M版の合成網点信号
Sdm2で表わされる形状は、(c)に示すK版の網点形状
と同一であり、これがC版、Y版の網点と重ねられてK
版の網点を構成する。 第9図(h)は、上記の合成網点信号Sdy2,Sdm2,Sdc2
にもとづいて作成された校正用画像における網点を示し
ている。この網点では、C版の第3のカスレ部Hc3と、
Y版の第3のカスレ部Hy3とが消失している。これは、
これらのカスレ部Hc3,Hy3が、K版の網点と重なってい
るためである。また、C版の第2のカスレ部Hc2には、
Y版の網点が存在するので、このカスレ部Hc2はイエロ
ー(黄色)に見える。K版の4つのカスレ部Hk1〜Hk4
は、いずれも再現されているが、第2のカスレ部Hk2に
は、シアンの網点が存在するのでシアン色(藍色)に見
える。同様に、第3のカスレ部Hk3の色はイエロー、第
4のカスレ部Hk4の色は(イエロー+シアン)の色に見
える。 このように、カスレ模擬網点信号合成回路204y,204k,
204m,204cによって各網点のカスレを模擬した後、K版
信号合成回路205y,205m,205cによってK版のカスレ模擬
網点信号とY,M,C各版のカスレ模擬網点信号とを合成す
るようにすれば、その結果得られた合成網点信号Sdy2,S
dm2,Sdc2に基づいて作成される校正用画像においても、
Y,M,C,K各版のカスレをうまく模擬できる。 D. 変形例 なお、この発明は、上記実施例に限られるものではな
く、次のような変形も可能である。 (1) 上記実施例では、R,G,B3色の露光で色が記録さ
れる銀塩写真感材上に校正用画像を記録するものとした
が、他の種々のプリンタ(静電方式、熱転写方式、熱昇
化方式のプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプ
リンタなど)を用いて校正用画像を作成してもよい。た
だし、これらの場合には、直接Y,M,C,K4色の減法混色の
インキを用いて画像を記録するので、Y、M、C、Kの
各版についてカスレを模擬した4つの網点信号に基づい
て、4色のインキの量を制御する。したがって、上記実
施例のように、K版のカスレ模擬網点信号を有彩色の版
のカスレ模擬網点信号と加算する処理を行わないでよ
い。 また、この発明は、YMCの3色やYMCKの4色を使用し
てカラー画像を記録する場合に限らず、一般に複数の色
を用いてカラー画像を記録する方法および装置に適用可
能である。 (2) 網点のカスレと同様に、印刷時のドットゲイン
を校正用画像において再現することができる。ここで、
ドットゲインとは、印刷版の網点面積率に対する印刷物
の網点面積率の増加分(差分)をいう。ドットゲインを
模擬するには、その模擬データを、例えば第1図に示す
色演算回路202内の図示しないメモリに格納しておき、
色演算回路202内で行われる階調補正処理の際に、この
模擬データを利用してドットゲイン分だけ網点面積率を
増加させて校正用画像を作成すればよい。
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、各版ごとに
カスレ模擬信号と網点信号とを論理加算してカスレ模擬
網点信号を作成するので、このカスレ模擬信号に基づい
てカラー画像を作成すれば、各版のカスレを模擬するこ
とができるという効果がある。 また、網点のカスレは、先刷り版の網点の有無に影響
されることがあるので、これに対応した複数種類の原カ
スレ模擬信号を準備しておけば、種々の刷り重ね条件の
下でのカスレを模擬することができるという効果があ
る。 さらに、Y,M,C各版のカスレ模擬網点信号のそれぞれ
をK版のカスレ模擬網点信号と合成して得られた第1な
いし第3の合成網点信号に基づいて、感光材料上にカラ
ー画像を記録すれば、Y,M,C,K各版の網点とともに、そ
のカスレも模擬することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例としてのスキャナシステ
ムの構成を示す図、 第2図は、カスレ模擬信号合成回路の内部構成を示すブ
ロック図、 第3図は、カスレ模擬データの一例を示すヒストグラ
ム、 第4図は、カスレ模擬データの画素マトリクスと100%
網点領域との大きさを比較して示す説明図、 第5図は、画素マトリクスを分割した領域を示す説明
図、 第6A図および第6B図は、閾値のレベルとカスレ模擬信号
との関係を示す概念図、 第7A図および第7B図は、カスレ模擬信号合成回路の動作
を示すタイミングチャート、 第8A図および第8B図は、カスレ模擬信号合成回路の概略
構成を示すブロック図、 第9図は、K版信号合成回路による合成処理の内容を示
す概念図である。 204y,204k,204m,204c……カスレ模擬信号合成回路 205y,205m,205c……K版信号合成回路 41y,41m1〜2,41c1〜4,41k1〜8……カスレ模擬信号発生
回路 42y,42m,42c,42k……論理演算回路 Sdy,Sdk,Sdm,Sdc……網点信号 Sdy1,Sdk1,Sdm1,Sdc1……カスレ模擬網点信号 Sdy2,Sdm2,Sdc2……合成網点信号

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー原画を色分解して得られた複数の色
    分解画像の画素毎の濃度レベルをそれぞれ表す複数の画
    像信号に基づき、網点形式でカラー画像を記録する方法
    であって、 (a) 印刷時における前記複数の色分解画像内の網点
    のカスレをそれぞれ模擬する複数のカスレ模擬信号を準
    備し、 (b) 前記複数の画像信号に基づいて、各色分解画像
    を網目版画像としてそれぞれ表す複数の網点信号を作成
    し、 (c) 前記網点信号と前記カスレ模擬信号とを論理加
    算することによって、前記複数の色分解画像にそれぞれ
    対応する複数のカスレ模擬網点信号を作成し、 (d) 当該複数のカスレ模擬網点信号に基づいて、カ
    ラー画像を記録することを特徴とするカラー画像記録方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカラー画像記録方法であっ
    て、 各色分解画像に対応する各カスレ模擬信号として、 印刷時において各色分解画像に先刷りされる他の色分解
    画像の網点の有無にそれぞれ応じた複数種類の原カスレ
    模擬信号を準備するとともに、 前記カスレ模擬信号と網点信号との論理加算に際して
    は、カラー画像の記録における各画素位置において、各
    色分解画像に先刷りされる他の色分解画像の網点の有無
    に応じて前記複数種類の原カスレ模擬信号を選択して使
    用するカラー画像記録方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のカラー画像記録方
    法であって、 複数のカスレ模擬網点信号は、イエロー、マゼンタ、シ
    アンおよび墨版の各色分解画像にこの順に対応する第1
    ないし第4のカスレ模擬信号であり、 カラー画像の記録は、 (d1) 前記第1ないし第3のカスレ模擬網点信号のそ
    れぞれと、前記第4のカスレ模擬網点信号との論理和ま
    たは論理積をとることにより、前記イエロー版と墨版、
    前記マゼンタ版と墨版、および前記シアン版と墨版のそ
    れぞれの組み合わせについての網点の和集合を表す第1
    ないし第3の合成網点信号を作成するとともに、 (d2) 前記第1ないし第3の合成網点信号に基づいて
    露光用ビームを制御することにより、感光材料上にカラ
    ー画像を網点形式で記録するカラー画像記録方法。
  4. 【請求項4】カラー原画を色分解して得られた複数の色
    分解画像の画素毎の濃度レベルをそれぞれ表す複数の画
    像信号に基づき、網点形式でカラー画像を記録する装置
    であって、 前記複数の画像信号に基づいて、各色分解画像を網目版
    画像としてそれぞれ表す複数の網点信号を作成する網点
    信号生成手段と、 印刷時における前記複数の色分解画像内の網点のカスレ
    をそれぞれ模擬する複数のカスレ模擬データを収納する
    とともに、前記複数のカスレ模擬データに対応する複数
    のカスレ模擬信号を発生し、前記網点信号と前記カスレ
    模擬信号とを論理加算することによって、前記複数の色
    分解画像にそれぞれ対応する複数のカスレ模擬網点信号
    を作成するカスレ模擬信号合成手段と、 当該複数のカスレ模擬網点信号に基づいて、カラー画像
    を記録する記録手段とを備えることを特徴とするカラー
    画像記録装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のカラー画像記録装置であっ
    て、 各色分解画像に対応する各カスレ模擬信号合成手段は、 印刷時において各色分解画像に先刷りされる他の色分解
    画像の網点の有無にそれぞれ応じた複数種類の原カスレ
    模擬信号をそれぞれ発生する複数の原カスレ模擬信号発
    生手段と、 カラー画像の記録における各画素位置において、各色分
    解画像に先刷りされる他の色分解画像の網点の有無に応
    じて前記複数種類の原カスレ模擬信号の1つを選択する
    とともに、選択された原カスレ模擬信号と網点信号とを
    論理加算する論理加算手段とを備えるカラー画像記録装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載のカラー画像記録装
    置であって、 複数のカスレ模擬網点信号合成手段は、イエロー、マゼ
    ンタ、シアンおよび墨版の各色分解画像にこの順に対応
    する第1ないし第4のカスレ模擬信号をそれぞれの網点
    信号と合成する第1ないし第4のカスレ模擬信号合成手
    段であり、 前記第1ないし第4のカスレ模擬信号合成手段と記録手
    段との間に、前記第1ないし第3のカスレ模擬網点信号
    のそれぞれと、前記第4のカスレ模擬網点信号との論理
    和または論理積をとることにより、前記イエロー版と墨
    版、前記マゼンタ版と墨版、および前記シアン版と墨版
    のそれぞれの組み合わせについての網点の和集合を表す
    第1ないし第3の合成網点信号を作成する墨版信号合成
    手段を備えるとともに、 記録手段は、前記第1ないし第3の合成網点信号に基づ
    いて露光用ビームを制御することにより、感光材料上に
    カラー画像を記録する手段であるカラー画像記録装置。
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