JP2527883B2 - 製版装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴム印などの版を製造
する製版装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の製版装置としては、製版しようと
するネガフィルムを製版用樹脂板上に載せ露光し、製版
用樹脂板を洗浄し、その製版用樹脂板を乾燥させ、後露
光させて製版するのを、コンベアーなどを使用して各工
程を順次行う平面上の流れ作業により製造する装置があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような平面的長
手方向の流れ作業による製版装置では、装置が大袈裟で
使用する場所も広く必要となり、製版装置をできるだけ
コンパクトにすることが求められている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
の事情に鑑み、製版装置をできるだけコンパクトにして
場所を取らないようにし、しかも、製版作業を短時間で
できるように全自動にすべく、水平状の支持軸を中心と
して回転する支持台を設け、支持台上に製版用樹脂板を
載置し、該製版用樹脂板上に製版しようとするネガフィ
ルムを載せ露光し、該製版用樹脂板を回転させて洗浄
し、また該製版用樹脂板を回転させて乾燥し、該製版用
樹脂板を前記露光した位置まで回転し後露光してなる製
版装置であって、水槽と、水槽の背面側に起立させた起
立壁上方に基端を水平軸に枢着させ上下方向に回動自在
に設けた露光装置と、前記水槽と露光装置との間に製版
用樹脂板を載置する水平状の支持軸を中心として回転す
る支持台を備えた製版板支持装置と、起立壁中央の樹脂
板支持装置の製版用樹脂板に対向する位置に設けたファ
ンとよりなり、支持台は、水平状の支持軸の端部を受け
入れる回転ガイド板およびガイド板を備え、さらに、基
端を中心に回動するスイングアーム先端に前記支持軸端
部を支持させたクランク機構により回転し、コンパクト
で全自動により駆動される製版装置とした。

【０００５】

【０００６】

【０００７】

【作用】露光装置を開けて、樹脂板支持装置の支持台上
に製版用樹脂板を載せ、さらに製版用樹脂板上にネガフ
ィルムを載せ、露光装置を閉めて操作ボタンを押すと、
露光装置に内蔵された紫外線ランプにより照射される。
露光装置を開いてネガフィルムを取り出し、露光装置を
再度閉めて、操作ボタンを押す。すると、製版用樹脂板
は回転して洗浄し、乾燥し、後露光され製版が完成す
る。露光装置を開いて製版された製版用樹脂板を取り出
す。

【０００８】

【実施例】本発明を添付する図面に示す具体的一実施例
に基づいて以下詳細に説明する。本製版装置は、図１お
よび図２に示すように、水槽１と水槽１の背面側に起立
させた起立壁２上方に基端を水平軸17に枢着させ上下方
向に回動自在に設けた露光装置３と、前記水槽１と露光
装置３との間に製版用樹脂板31を載置する水平状の支持
軸32を中心として回転する支持台４を備えた樹脂板支持
装置５と、起立壁２中央の樹脂板支持装置５の製版用樹
脂板31に対向する位置に設けたファン６とよりなる。

【０００９】水槽１は、露光された製版用樹脂板31を洗
浄し現像するもので、その背面には垂直状に起立壁２を
起立させている。水槽１内には、製版用樹脂板31の露光
面を洗い出すブラシ33を植設した洗浄装置35が回転可能
なるように設けられ、水槽１内の水温も洗浄に適する30
〜40℃の範囲に設定できるようにし、通常好適温度は38
℃ぐらいである。

【００１０】水槽１の下面にはクッションゴム11を下方
に設けた調整ボルト12を螺着してこの製版装置を設置し
た場合、高さ方向の調整が可能なるようにしてある。ま
た、水槽１の前面には水槽１の水を流出させたり遮断さ
せたりするバルブ13が設けてある。水槽１の側面にはこ
の装置を駆動する電源スイッチ14、電源ヒューズ15、電
源コードのソケット16が設けてあり、起立壁２の上方に
は露光装置３の基端が水平軸17のまわりに回動自在に設
けられ、露光装置３と水槽１の間には樹脂板支持装置５
が、垂直軸18のまわりに水平状に回動できるように一端
を枢着されている。

【００１１】露光装置３は、基端を起立壁２に枢着され
上下方向に回動するが、後述の樹脂板支持装置５の支持
台４上の製版用樹脂板を照射する紫外線ランプ19が内面
側開口20に臨むように配置してある。露光装置３の外面
には、操作部21が設けられ、操作部21には操作ボタン2
2、電源表示ランプ23、実行中ランプ24が配置され、表
示窓25には操作状態がデジタル表示される。符号26は電
線コードである。

【００１２】次に、樹脂板支持装置５は、一端を垂直軸
18に枢着され水平方向に回動し、水平状の支持軸32を中
心として回転する支持台４を備えている。図１は支持台
４が上面に位置する状態を示している。この支持台４
は、後述のクランク機構により、露光、洗浄、乾燥、後
露光のため、わずかに上昇し、180 °回転、逆方向にほ
ぼ90°回転、同じく逆方向にほぼ90°回転して工程を完
了する。なお、支持台４上には製版用樹脂板31を固定す
るために、スプリング (図示せず) で支持された支持板
36を介在させて粘着板27が張り付けてある。

【００１３】また、起立壁２の中央部には、乾燥工程の
洗浄された製版用樹脂板31と対向する位置にファン６が
配置してある。次に、本製版装置の作動について述べ
る。まず、図１に示すように、露光装置３および樹脂板
支持装置５をそれぞれ開き、支持台４の粘着板27上に製
版用樹脂板31を置き、さらに、製版用樹脂板31の上にネ
ガフィルム37を置く。その状態で樹脂板支持装置５を閉
じ、すわなち、樹脂板支持装置５を回動させて起立壁２
の内面に当接するまで回動させる。この閉じた状態を保
持するため、樹脂板支持装置５の内側面に設けた磁石28
が起立壁２の内面に磁着して閉じた状態を保持する。

【００１４】続いて、露光装置３を閉じ、図２に示す状
態となる。ここで、露光装置３の外面の操作部21の操作
ボタン22を押す。支持台４はわずかに上昇して紫外線ラ
ンプ19下面のガラス板38に当接する。これ等の動作を行
う機構については以下詳細に説明する。すると、紫外線
ランプ19がネガフィルム37を通して製版用樹脂板31を照
射する。

【００１５】次に、露光装置３を開きネガフィルム37を
取り去る。続いて、露光装置３を閉じ、操作ボタン22を
再び押す。すると、支持台４は180 °回転し、製版用樹
脂板31表面が下方を向き、水槽１の液中に没入し洗浄装
置35が回転し、ブラシ33が製版用樹脂板31の露光された
面に接触して製版用樹脂板31の表面が洗い出しされて凹
凸が形成される。製版用樹脂板31の表面がやゝ下方を向
く姿勢とし付着物の取り除きが容易なるようにしてあ
る。

【００１６】続いてほぼ90°逆方向に回転し、洗浄した
製版用樹脂板31はファン６に対向して停止する。する
と、ファン６が駆動され、乾燥させる。引き続いて露光
した位置に支持台４がほぼ90°逆方向に回転して停止す
る。そこで、紫外線ランプ19が再び照射して後露光を行
い、製版は完了する。露光装置３を開き、製版された製
版用樹脂板31を取り出す。

【００１７】以上の工程が約12分程度で完了する。ここ
で、支持台４がわずかに上昇、180 °回転し、ほぼ90°
逆方向に回転し、さらにほぼ90°逆方向に回転して元の
位置に戻る、(a) 後露光位置、(b) 露光位置、(c) 洗浄
位置、(d) 乾燥位置への動作機構について図３〜図６に
より詳しく説明する。

【００１８】図３は、支持台４の全体を示す斜視図であ
る。図４はスイングアーム41と各位置との関係を示す動
作図である。図５はガイド板42と回転ガイド板43と各位
置との関係を示す動作図である。図６は支持台４と回転
ガイド板43と各位置との関係を示す動作図である。図３
で分かるように、支持台４の中央部を水平状の支持軸32
が貫通し、支持台４を貫通し支持台４から突出したその
両端はそれぞれ回転ガイド板43のガイド溝44およびガイ
ド板42のガイド溝45を通る。

【００１９】回転ガイド板43にはその内面中央にターン
ガイド軸46を水平状に突出してあって、前記支持台４の
支持軸32が挿通する端板の下方部分の縦方向の長孔47
に、ターンガイド軸46を挿入してある。また、回転ガイ
ド板43の上隅には回転軸48が水平状に設けられ回転ガイ
ド板が回転軸48のまわりに揺動可能に設けてあって、支
持軸32が下方に移動してガイド溝44の円弧溝部分49に至
ると、支持台４はターンガイド軸46を中心にして回転し
て支持台４を下方を向かせる。

【００２０】ガイド板42は静止部材で、ガイド板42の直
線状の縦方向のガイド溝45は、支持軸32を上下方向に案
内する。スイングアーム41はコ字状部材で、両アーム部
材51間に前記支持台４、回転ガイド板43、ガイド板42を
配置している。アーム部材51の基端から外方に向けて回
転軸52を突出させ、アーム部材51の先端はスプリング53
で弾性的に吊り上げてある。このスプリング53でアーム
部材51が吊り上げられている時は、支持軸32は回転ガイ
ド板43のガイド溝44およびガイド板42のガイド溝45の上
方に位置する。

【００２１】スイングアーム41にはコ字状断面に形成し
て部材方向に案内溝54が形成されているが、案内溝54内
に転動自在にローラ55が設けてあって、ローラ55はモー
タ (図示せず) で駆動される回転板56に取付けられてい
る。モータの回転力は歯車を介して減速して伝達され
る。モータを駆動すると、回転板56が回転するとローラ
55がアーム部材51の案内溝54を転動して、スイングアー
ム41を回転軸52を中心として揺動させる。なお、符号57
は回転板56の回転軸である。

【００２２】図４〜図６により、支持台４の(a) 後露光
位置、(b) 露光位置、(c) 洗浄位置、(d) 乾燥位置への
動作機構をより詳しく説明する。(a) 後露光位置では、
支持軸32は回転ガイド板43のガイド溝44とガイド板42の
ガイド溝45の上方に位置し支持台４の支持板36は上方で
製版用樹脂板31は上方を向いている。

【００２３】続いて露光装置３を開いて製版用樹脂板31
を粘着板27上に置き、製版用樹脂板31上にネガフィルム
37を置いて露光装置３を閉じ操作ボタン22を押すと、図
４に示すように、アーム部材51が回転板56の回動により
ローラ55が図で斜め下方へ移動し、アーム部材51先端の
支持軸32はガイド板42のガイド溝45に従って僅か上方に
移動させられガイド溝45の上端に位置させられる。支持
台４は(a) 後露光位置より僅か上方の(b) 露光位置に移
動させられて露光装置３下面の紫外線ランプ19下面のガ
ラス板38にネガフィルム37を当接させる。

【００２４】露光が完了すると、露光装置３を開きネガ
フィルム37を取り出し、露光装置３を閉じ、再び操作ボ
タン22を押す。すると、回転板56の回動によりローラ55
がアーム部材51の先端側へ移動し、支持軸32はガイド板
42のガイド溝45を下方へ移動し、同時に支持軸32は回転
ガイド板43のガイド溝44は下方へ移動する。回転ガイド
板43のターンガイド軸46は支持台４の長孔47に嵌まって
いるため、支持軸32が円弧溝部分49を通る時 (この時、
回転ガイド板43は回転軸48を中心として揺動する) 、支
持台４はターンガイド軸46を中心として倒れ支持台４の
上面すなわち、露光された製版用樹脂板31は下方を傾
き、(c) 洗浄位置となる。製版用樹脂板31の露光面は水
槽１内に没入し、洗浄装置35のブラシ33が製版用樹脂板
31の露光面に当接し、回転し、露光面を適温下で洗い流
し、凹凸を形成する。

【００２５】次に、回転板56がさらに回転すると、ロー
ラ55はアーム部材51の先端側へ移動しアーム部材51はほ
ぼ水平状となり、ガイド板42のガイド溝46および回転ガ
イド板43のガイド溝44の下方に位置した支持軸32は、ガ
イド板42のガイド溝46の中間部および回転ガイド板43の
ガイド溝47の円弧溝部分49に位置し、支持台４は当初の
回転方向と逆方向にほぼ90°回転して停止し、(d) 乾燥
位置となる。支持台４の上面はやゝ下方を傾くように設
定しておく。この時、製版用樹脂板31はファン６に対向
した位置にある。ファン６により送風して製版用樹脂板
31を乾燥させると共に付着している水滴を除く。支持台
４を若干下方を向けるのは水滴等の除去を容易にするた
めである。

【００２６】洗浄工程が完了すると、ほぼ90°当初の回
転方向と逆方向に回転して、前記の(a) 後露光位置にな
る。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、上述のように、水平状の支持
軸を中心として回転する支持台を設け、支持台上に製版
用樹脂板を載置し、該製版用樹脂板上に製版しようとす
るネガフィルムを載せ露光し、該製版用樹脂板を回転さ
せて洗浄し、また該製版用樹脂板を回転させて乾燥し、
該製版用樹脂板を前記露光した位置まで回転し後露光し
てなる製版装置であるので、コンパクトな製版装置がで
き、その上、製造時間が短縮することができる。

【００２８】また、本発明は、水槽と水槽の背面側に起
立させた起立壁上方に基端を水平軸に枢着させ上下方向
に回動自在に設けた露光装置と、前記水槽と露光装置と
の間に製版用樹脂板を載置する水平状の支持軸を中心と
して回転する支持台を備えた樹脂板支持装置と、起立壁
中央の樹脂板支持装置の製版用樹脂板に対向する位置に
設けたファンとよりなる製版装置であるので、製版装置
が至極シンプルとなり設置場所を取らず、その上製版作
業時間が短時間でできる。

【００２９】さらに、本発明は、支持台は、水平状の支
持軸の端部を受け入れる回転ガイド板およびガイド板を
備え、さらに、基端を中心に回動するスイングアーム先
端に前記支持軸端部を支持させたクランク機構により回
転し、コンパクトで全自動により駆動される製版装置で
あるので、製版装置を至極コンパクトにでき、さらに短
時間で製版ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の具体的一実施例の製版作業前の露光装
置および樹脂板支持装置をそれぞれ開いた状態の斜視図
である。

【図２】露光装置および樹脂板支持装置をそれぞれ閉じ
て製版操作を行っている状態の斜視図である。

【図３】支持台のクランク機構の全体を示す斜視図であ
る。

【図４】スイングアームと各位置との関係を示す動作図
である。

【図５】ガイド板と回転ガイド板と各位置との関係を示
す動作図である。

【図６】支持台と回転ガイド板と各位置との関係を示す
動作図である。

【符号の説明】 １…水槽 ２…起立壁 ３…露光装置 ４…支持台 ５…樹脂板支持装置 ６…ファン 11…クッションゴム 12…調整ボルト 13…バルブ 14…電源スイッチ 15…電源ヒューズ 16…電源コードのソケット 17…水平軸 18…垂直軸 19…紫外線ランプ 20…内面側開口 21…操作部 22…操作ボタン 23…電源表示ランプ 24…実行中ランプ 25…表示窓 26…電線コード 27…粘着板 28…磁石 31…製版用樹脂板 32…支持軸 34…ブラシ 35…洗浄装置 36…支持板 37…ネガフィルム 38…ガラス板 41…スイングアーム 42…ガイド板 43…回転ガイド板 44…ガイド溝 45…ガイド溝 46…ターンガイド軸 47…長孔 48…回転軸 49…円弧溝部分 51…アーム部材 52…回転軸 53…スプリング 54…案内溝 55…ローラ 56…回転板 57…回転軸

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平状の支持軸を中心として回転する支
   持台を設け、支持台上に製版用樹脂板を載置し、該製版
   用樹脂板上に製版しようとするネガフィルムを載せ露光
   し、該製版用樹脂板を回転させて洗浄し、また該製版用
   樹脂板を回転させて乾燥し、該製版用樹脂板を前記露光
   した位置まで回転し後露光してなる製版装置であって、
   水槽と、水槽の背面側に起立させた起立壁上方に基端を
   水平軸に枢着させ上下方向に回動自在に設けた露光装置
   と、前記水槽と露光装置との間に製版用樹脂板を載置す
   る水平状の支持軸を中心として回転する支持台を備えた
   製版板支持装置と、起立壁中央の樹脂板支持装置の製版
   用樹脂板に対向する位置に設けたファンとよりなり、支
   持台は、水平状の支持軸の端部を受け入れる回転ガイド
   板およびガイド板を備え、さらに、基端を中心に回動す
   るスイングアーム先端に前記支持軸端部を支持させたク
   ランク機構により回転し、コンパクトで全自動により駆
   動される製版装置。