JP2527381Y2 - リフト作業車における足場板の自動出し入れ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、移動車に作業台を上下
昇降自在に設け、この作業台の下側に足場板を左右突設
可能に設けて高所作業に使ならしめる、リフト作業車に
おける足場板の自動出し入れ装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】従来の
リフト作業車における足場板の自動出し入れ装置は、図
６のように作業台２の長さ方向の左右端部に設けたガイ
ド輪６'・６'と、このガイド輪６'・６'に対応する作業
台２の中間位置に設けた駆動輪７'とに一本の作業ワイ
ヤー30を巻回してその両端を足場板４の長さ方向の両端
に止着し、駆動輪７'を正・逆回転させて作業台２に対
して足場板４を左右に突出するよう構成したので、構造
が複雑な上に作業ワイヤー30に対してガイド輪６'や駆
動輪７'が滑ったり、長期間使用すると作業ワイヤー30
が伸びて緊張張設が弛みスムーズに作動しない欠点があ
った。

【０００３】本考案は、上記欠点を解決したリフト作業
車における足場板の自動出し入れ装置を提供するもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本考
案の要旨を説明する。

【０００５】移動車１と作業台２との間に昇降機構３を
設けて作業台２を上下昇降可能に設け、この作業台２の
下側に左右に突出可能な足場板４を左右スライド自在に
設け、この足場板４の左右端部に左側で一回、右側で一
回折り返す二回蛇行チェーン５の両端を止着し、この二
回蛇行チェーン５の一方の蛇行部５'に作業台２側に付
設したガイド輪６を配設し、反対側の蛇行部５"に作業
台２側に付設した駆動輪７を配設し、この駆動輪７に動
力を分取して足場板２を左右いずれの側にも自動出し入
れ自在に設け、この足場板２の突出部を規制するリミッ
トスイッチ機構８を配設したことを特徴とするリフト作
業車における足場板の自動出し入れ装置に係るものであ
る。

【０００６】

【作用】昇降機構３により作業台２を移動車１の車体に
対して所望の高さに上昇させ、作業台２に付設した駆動
輪７を図２のように時計方向に回動すると、二回蛇行チ
ェーン５の蛇行部５'の蛇行チェーンが駆動輪７により
引き寄せられ、足場板４の左端に止着した止着部がガイ
ド輪６により右側方向に移動し、足場板４が作業台２に
対し右方に突出するので、作業員が作業台２より足場板
４に移動して高所作業を行う。また、上記とは逆に駆動
輪７を反時計方向に回動すると、二回蛇行チェーン５の
足場板４の右端に止着した止着部と駆動輪７間の蛇行部
５"の蛇行チェーンが駆動輪７により引き寄せられ、足
場板４が作業台２に対して左方に突出する。

【０００７】また、この足場板４，作業台２間に足場板
２の突出部を規制するリミットスイッチ機構８を設けた
ので、このリミットスイッチ機構８の作動により足場板
２を所定以上に左右に突出するのを規制する。

【０００８】

【実施例】図面は本考案の好適な実施の一例を示したも
ので、移動車１と作業台２との間に昇降機構３を設けて
作業台２を上下昇降可能に設け、この作業台２の下側に
左右に突出可能な足場板４を左右スライド自在に設け
る。

【０００９】図示した実施例では、昇降機構３として液
圧若しくは空圧により作動するシリンダー３'の伸縮に
より作業台２を上下昇降せしめるパンタグラフ機構を採
用し、作業台２の下側前後に夫々独立して左右に突出す
る足場板４を二基設置した場合を図示している。

【００１０】作業台２の前後のほぼ中央部の下側に左右
方向に中空角筒10を設け、この中空角筒10の左右に所定
間隔を置いて作業台２にアングル状の前横桟11，後横桟
12を架設して足場板４，４の設置空間を形成し、この前
横桟11・中空角筒10，中空角筒10・後横桟12間の夫々の
対向位置に複数個のガイドローラ手段13の基部を止着す
る。

【００１１】図示したガイドローラ手段13は、ガイドロ
ーラシャフト14の他端に軸受15を嵌着し、この軸受15に
鍔付のガイドローラ16を回転自在に被嵌してガイドロー
ラ手段13を構成し、このガイドローラシャフト14の基端
を前記前横桟12の後側板，中空角筒10の両側面，後横桟
13の前側板に対向状態に止着して夫々のガイドローラ16
が夫々内側に向き合って張り出すように形成する。

【００１２】前横桟11・中空角筒10間，中間角筒10，後
横桟12間の夫々の対向空間内に足場板４，４を設け、こ
の夫々の足場板４の前後のチャンネル形状の前横枠４',
後横枠４"の開口部を、前記ガイドローラ手段13のガイ
ドローラ16に被嵌し、前横枠４',後横枠４"の上下のフ
ランジ端がガイドローラ16の鍔部をガイドとして足場板
４，４を左右スライド自在に設ける。

【００１３】前後の足場板４，４の夫々の左右端部に二
回蛇行チェーン５の端部を止着する係止部17，17を設
け、これに対応する作業台２の右端よりの下側に夫々ス
プロケット形状のガイド輪６を設け、作業台２の左端寄
りの下側に夫々スプロケット形状の駆動輪７を設け、こ
の駆動輪７に液圧若しくは空圧発生機構（図示省略）よ
り発生した液圧若しくは空圧により作動する流圧モータ
18を接続する。

【００１４】前記足場板４，４の夫々の左側の係止部17
に夫々の二回蛇行チェーン５の一端を止着し、二回蛇行
チェーン５の他端をガイド輪６に噛合せて左方に延設し
て蛇行部５'を形成し、この延設端側を駆動輪７に噛合
わせてその他端を右方に延設して蛇行部５"を形成して
その延設他端を足場板４の右端部の係止部17に止着す
る。

【００１５】本実施例を上記のように構成したので、シ
リンダー３'を作動してパンタグラフ機構により作業台
２を上昇せしめて所定の高さに保持し、流圧モータ18を
作動せしめて駆動輪７を正・逆回動せしめると、二回蛇
行チェーン５とガイド輪６とにより二回蛇行チェーン５
の両端を止着した足場板４がガイドローラ手段13により
作業台２の下側を左右にスライドして突出する。

【００１６】また、夫々の足場板４，４の左右端の内側
寄り下側に下方に突設したストッパー19，20を設け、作
業台２に足場板４が左側にスライドして突出したとき、
ストッパー20が当接して駆動輪７を停止せしめて作業台
２の突出を規制するプランジャー型スイッチ21を設け、
足場板４が右側にスライドして突出したときストッパー
19が当接して作業台２の突出を規制するプランジャー型
スイッチ22を作業台２に設ける。

【００１７】また、足場板４，４の左右端の夫々に、手
摺り23を立設するチャンネル形状の二個のブラケット2
6，26を設け、この夫々のブラケット26の底板に手摺り2
3の下端が嵌入して手摺り23を立設する嵌入孔23'を穿孔
し、ブラケット26の前後の立設板に長孔23"を穿孔し、
この長孔23"に手摺り23の下端部に設けた突出ピン27を
嵌入して、常態においては前記手摺り23の下端が嵌着孔
23'に嵌入して突出ピン26と長孔23"により足場板４に手
摺り23を立設し、足場板４がスライドするとき作業台２
と干渉しないように手摺り23の下端を嵌着孔23'より引
き出して長孔23"と突出ピン27により手摺り23を外側に
倒して横の状態に保持する。

【００１８】尚、符号24は作業車１を走行せしめる操縦
装置と昇降機構３を作動せしめる操作台、25は足場板４
を左右動せしめる操作部である。

【００１９】

【考案の効果】本考案は上述のように、移動車と作業台
との間に昇降機構を設けて作業台を上下昇降可能に設
け、この作業台の下側に左右に突出可能な足場板を左右
スライド自在に設け、この足場板の左右端部に左側で一
回、右側で一回折り返す二回蛇行チェーンの両端を止着
し、この二回蛇行チェーンの一方の蛇行部に作業台側に
付設したガイド輪を配設し、反対側の蛇行部に作業台側
に付設した駆動輪を配設し、この駆動輪に動力を分取し
て足場板を左右いずれの側にも自動出し入れ自在に設
け、この足場板の突出部を規制するリミットスイッチ機
構を配設したから、従来型のように作業台の長さ方向の
左右端部に設けたガイド輪と、このガイド輪に対応する
作業台の中間位置に設けた駆動輪とに一本の作動ワイヤ
ーを巻回してその両端を足場板の長方向の両端を止着
し、駆動輪を正・逆回転させて作業台に対して足場板を
左右に突出するように構成した自動出し入れ装置に比較
し、ガイド輪の数が一個少ないので、それだけ構造が簡
単になり原価が安くなるうえに、ワイヤー掛けにより生
じるスリップや長期間使用による作業ワイヤー伸びの調
整の作業がなくなり、蛇行チェーンにより簡単にしかも
確実に足場板を左右に突出できる、経済的で構造簡単な
秀れたリフト作業車における足場板の自動出し入れ装置
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のリフト作業車の全体斜視図である。

【図２】本実施例の要部の平面図である。

【図３】本実施例の作業台に対し足場板を左右にスライ
ドせしめるガイドローラ手段の側面図である。

【図４】本実施例の足場板の左右端に設けたブラケット
に手摺りを立設する機構を示す説明用断面図である。

【図５】上記のブラケットに手摺りを外側に倒して横の
状態に保持する機構を示す説明用断面図である。

【図６】従来の自動出し入れ装置の作動ワイヤー掛けを
示す説明用平面図である。

【符号の説明】

１ 移動車 ２ 作業台 ３ 昇降機構 ４ 足場板 ５ 二回蛇行チェーン ５' 蛇行部 ５" 蛇行部 ６ ガイド輪 ７ 駆動輪 ８ リミットスイッチ機構

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動車と作業台との間に昇降機構を設け
   て作業台を上下昇降可能に設け、この作業台の下側に左
   右に突出可能な足場板を左右スライド自在に設け、この
   足場板の左右端部に左側で一回、右側で一回折り返す二
   回蛇行チェーンの両端を止着し、この二回蛇行チェーン
   の一方の蛇行部に作業台側に付設したガイド輪を配設
   し、反対側の蛇行部に作業台側に付設した駆動輪を配設
   し、この駆動輪に動力を分取して足場板を左右いずれの
   側にも自動出し入れ自在に設け、この足場板の突出部を
   規制するリミットスイッチ機構を配設したことを特徴と
   するリフト作業車における足場板の自動出し入れ装置。