JP2527317B2 - 骨疾患治療剤 - Google Patents

骨疾患治療剤

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、骨疾患、例えば骨孔症、ベーチェット病、
リュウマチ関節炎、骨折、骨移植、抜歯後の歯槽骨吸収
等の治療に用いられる薬剤に関するものであり、特に骨
の石灰化作用を促進させ、骨の強度向上及び修復作用を
有する温血動物用の骨疾患治療剤に関するものである。
〔従来技術〕
これまでに、骨疾患の治療に関して種々の検討が行な
われている。例えば、同化ステロイド、エストロゲン、
ポリリン酸塩、活性型ビタミンD3誘導体、プロスタグラ
ンジン類、パラサイロイドホルモン(PTH)、フッ化
物、カルシトニン、芳香族カルボン酸塩などである。し
かしながら、同化ステロイド、エストロゲンは副作用が
強く、ポリリン酸塩は副作用が強い上に、骨吸収抑制作
用しか示さないという欠点がある。また、活性型ビタミ
ンD3誘導体、プロスタグランジン類、パラサイロイドホ
ルモンは、局所的には骨吸収作用を示し、石灰化と相反
する作用を有しており、使用がむずかしい、一方、フッ
化物及びカルシトニンは、骨吸収抑制作用のみを有し、
芳香族カルボン酸類は、骨吸収抑制作業と石灰化作用を
有するが、石灰化作用が低いという欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って、本発明は、安定性が高く副作用もなく、かつ
骨吸収抑制作用とすぐれた石灰化作用とを有する温血動
物用の骨疾患治療剤を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
骨が骨基質(主にコラーゲン)と骨塩(ヒドロキシア
パタイト)とから成り、形成と吸収を繰り返しているダ
イナミックな生物体であり、その形成と吸収のバランス
がくずれると正常の骨形成が行なわれないこと、そして
骨形成を司るのは、骨芽細胞(osteoblast)であり、骨
や歯などの硬組織形成に伴いアルカリフォスファターゼ
活性が上昇すること、また骨吸収を司るのは破骨細胞
(osteoclast)であることから、結局、正常な骨を形成
するためには骨芽細胞の活性を増加させる必要があるこ
とを見出した。この観点から多数の化合物について検討
を行ったところ、キチン、キトサン及びその誘導体を用
いると上記の問題点を解決できることを見出し、これに
基づいて本発明をなしたのである。
すなわち、本発明は、キチン、キトサン及びその誘導
体の群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする骨
疾患治療剤を提供するものである。
本発明に用いられるキチンは、一般式(I) で示すように、N−アセチル−D−グルコサミンがβ−
1,4で結合したものであり、キトサンはその脱アセチル
化物であって、一般式(II)で表わされる。
本発明では脱アセチル化率が60%以上のものをキトサ
ンと定義し、キチンには、実質上すべての構成単位がN
−アセチル−D−グルコサミンであるものの他に脱アセ
チル化率が60%未満の一部脱アセチル化物も包含するも
のとする。
キチンまたはキトサンとしては解重合して低分子化し
たオリゴマーも使用することができ、高分子量の水不溶
性キチンまたはキトサン(n>35)および低分子化水溶
性キチンまたはキトサン(1<n<34)またはモノマー
のいずれもが使用できる。
また、キトサンと有機酸もしくは無機酸との塩、N−
置換体、またはキチン、キトサンのO−置換体などの各
種誘導体も本発明で用いられる。これら誘導体の具体例
を、一般式とともに次に例示する。
(A) キトサンと有機酸または無機酸との塩 (式中、Xは有機酸または無機酸のアニオン残基を表わ
す。) ここで、有機酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、
乳酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、マレイン酸、フマル酸等の炭素数2〜10のカルボン
酸、炭素数10から20のアルキルベンゼンスルホン酸、炭
素数10から20の脂肪族オレフィンスルホン酸、炭素数10
から20のアルキルリン酸エステルなどが、また無機酸と
しては塩酸、硫酸、リン酸などが例示される。
(B) O−ヒドロキシアルキルキチンまたはキトサン (式中、mは1〜4であり、Rは水素又はアセチル基を
表わす) (C) O−カルボキシアルキルキチンまたはキトサン
あるいはそれらの塩 (式中、Z1は−CH2COOM、−CH2CH2COOM、−CH2CH2COOM
(MはH、アルカリ金属あるいは有機アンモニウム塩を
示す)等のカルボキシレート基を表わし、Z2は−Hまた
はZ1であり、Rは−Hまたはアセチル基を表わす。) (D) N−アシルキトサン (式中、R1はホルミル、プロピオニル、ブチリル、ステ
アロイルなどのアルキルカルボニル基、オレイルなどの
アルケニルカルボニル基、クロルアセチル、グリシル、
サクシニルなどの置換アルキルカルボニル基などのアシ
ル基を表わす。) (E) N−アルキリデンまたはN−アリリデンキトサ
(式中、R2は−H、−CH3、−C2H5などの炭素数1〜5
のアルキル基、−C6H5、−C6H4NO2、−C6H4F、−C6H4C
l、−C6H4OCH3、−C6H4OH、−C6H3(OCH3などを表
わす。) (F) O−アシルキチンまたはキトサン (式中、R3−COCH3、−COC2H5などのアシル基であり、
Rは−Hまたはアセチル基を表わす。) (G) 硫酸化キチンまたはキトサンあるいはそれらの
(式中、MはH、アルカリ金属あるいは有機アンモニウ
ム塩であり、R4は−H、アセチル基または−SO3Mを表わ
す。) (H) リン酸化キチンまたはキトサンあるいはそれら
の塩 (式中、Z3Z4はHまたはZ3であり、M1、M2はH、アルカリ金属ある
いは有機アンモニウム塩であり、Rは−Hまたはアセチ
ル基を表わす。) 上記有効成分である薬剤は、2種以上混合して用いる
ことができる。
本発明の骨疾患治療剤は、疾患部位への注射、内服等
種々の投与方法を採ることができる。また投与量として
は、体重1kg当り、1日につき0.01〜1000mg、好ましく
は1〜200mgである。投与形態としては、例えば、圧縮
錠剤、被覆錠剤、硬または軟弾性ゼラチンカプセル、エ
タノール溶液、油性または水溶液または懸濁液、塗布剤
等があげられる。なお、製剤化にあたっては、安定化を
目的としてβ−シクロデキストリン等の水溶性高分子物
質による包接化合物として用いることができる。
本発明の骨疾患治療剤には、さらに製剤化(安定化)
のためにグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、デキストラン、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸塩、トラガン
ト、ペクチン、アラビアゴム、可溶性デンプン等を添加
することができる。
本発明で用いる有効成分は安全性の高いものである。
表−1に安定性のデータを示す。
〔発明の効果〕 本発明の骨疾患治療剤によれば、薬剤が骨芽細胞に直
接作用し、その分化誘導を促進させ、骨ミネラル合成を
促進するアルカリフォスファターゼ活性が上昇し、骨基
質の形成及び骨の石灰化が促進され、骨の強度向上及び
修復作用が行なわれる。従って、骨孔性、ベーチェット
病、リュウマチ関節炎、骨折、骨移植、抜歯後の歯槽骨
吸収等の骨疾患に対してすぐれた効果を発揮するもので
ある。このうちでも抜歯等により減少した歯槽骨の補修
に対しては、口腔内投与により薬剤が直接疾患部位に作
用し、骨の修復が行なわれるので、特に効果的である。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1 分子量2,200,000、脱アセチル化率96%のキトサン10g
を5%酢酸水溶液100mlに溶解させ、これに特開昭61−4
2613号に記載される方法、具体的にはアルカリゲネス属
MHK−1株(微工研菌寄第8662号)により生産したキト
サナーゼ100Uを加えて45℃15時間反応させて平均分子量
1500の低分子化キトサンを得た。
この低分子キトサンを用いIn vitroでアルカリフォス
ファターゼ活性の測定を行なった。結果を表−2に示
す。なおアルカリフォスファターゼ活性の測定は、栗原
ら、Biochemical and Biophysical Research Communica
tion119(2)767〜771(1984)に記載の方法にもとづ
いて、次のようにして行なった。
活性測定法 新生仔マウスC57BL/6の頭蓋冠より取出され、3T3方式
で継代し、アルカリフォスファターゼ活性最高のクロー
ンであるMC3T3−E1細胞を分離した。この細胞30万個を3
5mmプラスチックシャーレに入れ、10%牛脂児血清を含
むα−MEM(フロー・ラボラトリー社)2mlを加え、2日
間培養した。次に種々の濃度の低分子化キトサンを含
み、かつ0.1%牛血清アルブミンを含むα−MEM2mlに交
換して2日間培養した。この後、細胞をリン酸緩衝液で
2回洗浄し、0.2%ノニデットP−40水溶液2mlを加えて
細胞を解離し、5分間超音波により細胞を破壊した。こ
の上清液0.2mlと、10mMリン酸p−ニトロフェニル水溶
液0.8mlとを37℃で20分間反応させ、0.2N NaOH 2mlを加
えて反応を停止し、410nmの吸光度を測定し、アルカリ
フォスファターゼ活性を求めた。
実施例2 分子量114,000、脱アセチル化率60%のキトサン1gを
5%乳酸水溶液100mlに加えて均一溶液を得た。このキ
トサン・乳酸塩を、薬剤として、低分子化キトサンの代
わりに用いたほかは、実施例1と同様の方法でアルカリ
フォスファターゼ活性を測定した。結果を表−3に示
す。
実施例3 分子量114,000、脱アセチル化率48%のキチン50gをエ
タノール250ml、水50ml及びNaOH45gよりなる混合液中に
室温で1時間懸濁後、モノクロル酢酸Na40gを水、50ml
及びエタノール150mlよりなる混合液中に懸濁させたも
のを加え、撹拌下に5時間かけて加熱しながら還流させ
た。反応後、生成物を濾過し、乾燥してカルボキシメチ
ルキチンを得た。このカルボキシメチルキチンを、薬剤
として、低分子化キトサンの代わりに用いたほかは、実
施例1と同様の方法でアルカリフォスファターゼ活性を
測定した。結果を表−4に示す。
実施例4 分子量47,000、脱アセチル化率77%のキトサン1gをジ
シクロヘキシルカルボジイミド1gの存在下、ピリジン50
ml中で塩化プロピオン酸5gと反応させることにより、N
−プロピオニル化キトサンを得た。このN−プロピオニ
ル化キトサンを、薬剤として、低分子化キトサンの代わ
りに用いたほかは、実施例1と同様の方法でアルカリフ
ォスファターゼ活性を測定した。結果を表−5に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キチン、キトサン及びこれらの誘導体から
    なる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特
    徴とする骨疾患治療剤。
  2. 【請求項2】注射剤又は経口投与の形態にある特許請求
    の範囲第(1)項記載の治療剤。
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