JP2527177B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2527177B2
JP2527177B2 JP62062257A JP6225787A JP2527177B2 JP 2527177 B2 JP2527177 B2 JP 2527177B2 JP 62062257 A JP62062257 A JP 62062257A JP 6225787 A JP6225787 A JP 6225787A JP 2527177 B2 JP2527177 B2 JP 2527177B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は自動二輪車等の動力伝達系に用いられる無段
変速機の制御装置に関するものである。
「従来の技術」 従来、知られている無段変速機の一つに、入力軸に取
り付けた駆動プーリーと出力軸に取り付けた従動プーリ
ーとの間に無端ベルトを巻回し、両プーリーの溝幅を変
えてこれらプーリーと無端ベルトとの係合半径を変える
ことにより、所望の変速比が得られる形式のものがある
が、この種無段変速機においてプーリーの溝幅を変える
手段に油圧を用いたものがある。
この油圧を用いた無端変速機の制御装置の一例につい
て説明すると、予め低・高2種類の油圧を作っておき、
通常は両油圧の内の一方例えば高圧側圧油を、駆動プー
リーおよび従動プーリーに付設された圧力室にそれぞれ
導入して各プーリーに所定の側圧をかけ、また、変速比
を変える場合には両プーリーの圧力室のうちの一方に高
圧側の圧油を、また他側圧力室に低圧側の圧油をそれぞ
れ導入し、その差圧を利用して両プーリーの溝幅を変え
るように構成したものがある。
「発明が解決しようする問題点」 ところで、このような無端変速機の場合、停止後、車
体を再発進させようとする際には、変速比を予め発進に
有利な変速比(減速側のレシオ)に戻しておくのが好ま
しいが、上記構成の制御装置にあっては、両プーリーに
付随する圧力室の一方に高圧側を、また他方に低圧側の
圧油をそれぞれ導入し、それらの差圧を利用して変速す
る構成であるため、短時間の変速が行い難く、例えば急
停車した場合には、変速比を減速側のレシオまで戻すこ
とができない等の不具合が生じるおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、急停止時
においても変速比を減速側のレシオに速やかに戻すこと
ができ、再発進の際良好な特性が得られる無段変速機の
制御装置を提供することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明では、圧力室に圧油を供給することにより溝幅
を変えられる、駆動プーリーおよび従動プーリー間に無
端ベルトを巻回し、運転時に変速制御に用いられるため
の所定の差圧を保つよう予め調圧された低圧側および高
圧側の圧油を、切換弁により切り換えて前記駆動プーリ
ーおよび従動プーリーの圧力室のうちの一方に低圧側の
圧油を導入する一方、他側の圧力室に高圧側の圧油を導
入し、駆動および従動プーリーの溝幅をそれぞれ変えて
任意の変速比に変える無段変速機の制御装置であって、
前記切換弁と前記駆動プーリー側の圧力室との間に、無
段変速機の搭載した車両の速度が所定速度以下になった
とき、前記切換弁から駆動プーリーに付設された圧力室
へ通じる油路を減圧をさせることにより、前記低圧側の
油圧を低下させて前記所定の差圧を拡大する差圧拡大機
構を、前記切換弁とは別個独立に設けたことを特徴とし
ている。
「作用」 通常の変速は、駆動、従動プーリーにそれぞれ付設さ
れた圧力室の内の一方に高圧側の圧油を導入するととも
に、他側の圧力室に低圧側の圧油を導入し、もって、各
プーリーの溝幅を互いに関連した状態で変えることによ
り行なう。
車速が所定速度以下になった時には、差圧拡大機構が
働いて、駆動プーリーに付設された圧力室への圧油供給
を断つため、該駆動プーリーの圧力室には殆ど圧力がか
からなくなる。
したがって、切換弁によって駆動プーリーの圧力室に
高圧側の圧油が導入される際、該従動プーリーの圧力室
の圧力と、前記駆動プーリーの圧力室の圧力との間の差
を大きく採れ、従来と同程度の圧油を用いるにもかかわ
らず、極短時間で減速側のレシオに変換し得る。
「実施例」 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1実施例 第1図は本発明の第1実施例を示す。この実施例の大
きな特徴は、予め作った低圧側および高圧側の圧油を駆
動、従動プーリーに付随する圧力室35、44に選択的に供
給するための切換弁53の導出ポート85と、駆動プーリー
に付随する圧力室35につながるケーシング1の導入ポー
ト1aとの間に、車両の速度が所定速度以下になったと
き、切換弁53から駆動プーリーに付随する圧力室35へ通
じる油路を大気へ開放させることにより、低圧側の油圧
を低下させてそれと高圧側の油圧との差圧を拡大する差
圧拡大弁100を設けた点である。
第1図中符号1はケーシング、2はケーシングに回転
自在に支持されたクランク軸、3は無段変速機、4は無
段変速機3とクランク軸2との間に介装されたクラッチ
を示す。無段変速機3は制御装置5によって、変速比を
変える際の基準となる変位置、例えばスロットル開度に
より決定される理想のエンジン回転数と実際のエンジン
回転数との差に基づき、適宜変速比を持つように制御さ
れる。
クランク軸2の回転は、該クランク軸2に取り付けら
れたギヤ6および該ギヤ6に噛合されたギヤ7を介して
クラッチ4に伝達される。
クラッチ4は、無段変速機3の入力軸10上に配備され
ていて、入力軸10に対し回転自在に配置された回転体11
と、該回転体11にダンパ機構12を介して取り付けられた
クラッチインナ13と、入力軸10に対して一体的に回転す
るように取り付けられたクラッチアウタ14と、クラッチ
インナ13とクラッチアウタ14との間に介装された摩擦板
15a、15bと、クラッチアウタ14と一体的に回転するよう
にかつA、B方向移動自在に設けられたクラッチピスト
ン16と、回転体11のボス部11aとクラッチインナ13との
間に介装された遠心ガバナ機構17から構成されている。
上記構成のクラッチ4は、ケーシング1の導入ポート
1bから入力軸10の軸心に配されたフイードパイプ18を介
し入力軸10の内部の圧油流路19に圧油が導入される際、
該圧油が圧油流路19から入力軸10に設けられた半径方向
に延びる透孔10aおよびそれにつながる圧油流路20を通
ってクラッチピストン16の図中右側に形成された圧力室
21に導かれるものの、入力軸10が所定回転以下(例えば
アイドリング時の回転)の場合には、遠心ガバナ機構17
に付随する、圧油流路20中に配された流路制御ピン22が
図に示す位置にあって、圧力室21に導入される圧油の一
部が該流路制御ピン22の中空部および半径方向に延びる
開口22aから外部へ逃げるため、圧力室21の圧力は所定
圧力には達せず、クラッチ4は接続状態にはならない。
入力軸10の回転が所定回転を越える場合には、遠心ガ
バナ機構17のボール23が遠心力によって外方へ移動し、
スプリング24に抗して移動部材25をB方向へ移動して前
記流路制御ピン22を同方向へ移動させる。この結果、ピ
ン22の開口22aが塞がれることとなり、入力軸10内の圧
油流路19に導入される圧油はすべて圧力室21に導かれて
圧力室21を昇圧し、クラッチピストン16をA方向へ移動
させ、摩擦板15a、15b同士を強く圧接させる。これによ
り、クランク軸2に連結されている回転体11の回転がク
ラッチインナ13、両摩擦板15a、15b、クラッチアウタ14
を経て入力軸10に伝えられる状態、つまりクラッチ接続
状態となる。
前記無段変速機3は、ケーシング1に入力軸10および
出力軸26が回転自在に設けられ、入力軸10には駆動プー
リー27が入力軸10に対して一体的に回転するよう取り付
けられ、また、出力軸26には駆動プーリー27と対をなす
従動プーリー28が出力軸26に対して一体的に回転するよ
う取り付けられ、これら駆動プーリー27および従動プー
リー28間に無端ベルト29が巻回された基本構成となって
いる。
駆動プーリー27は、入力軸10のクラッチ4に対向する
側に入力軸10に対して一体に形成された固定側プーリー
半体27Aと、該固定側プーリー半体27Aに対向するよう入
力軸10の外周に軸線方向へ移動自在かつ相対回転不可能
にボール30…を介して嵌合された駆動側プーリー半体27
Bから成っている。可動側プーリー半体27Bの固定側プー
リー半体27Aに対する逆側には、ボス部32とその外方の
円筒部33とが一体形成されている。そして、ボス部32と
円筒部33との間にはピストン部材34が入力軸10に対し軸
線方向へ移動不可能かつ一体に回転するように設けら
れ、該ピストン部材34と可動側プーリー半体31との間に
圧力室35が形成されている。
上記駆動プーリー27では、導入ポート1aから入力軸10
の軸心に位置するフイードパイプ18の外側に配された流
路36に圧油が導入される際、該導入された圧油が入力軸
10に形成された半径方向に延びる透孔37、ボス部33とピ
ストン部材34との間に形成された油通路を介して前記圧
力室35に導かれて同室35を昇圧し、よって可動側プーリ
ー半体27BをA方向へ移動してプーリー27の溝幅を狭く
しようとする。
一方、前記従動プーリー28も、前述した駆動プーリー
27とほぼ同様な構成となっている。すなわち、従動プー
リー28は、出力側26に一体形成された固定側プーリー半
体28Aと、出力軸26の外周に出力軸に対し軸線方向に移
動自在かつ相対回転不可能にボール39…を介して嵌合さ
れた可動側プーリー半体28Bから成っている。可動側プ
ーリー半体28Bにはボス部41とその外方の円筒部42が一
体形成され、それらボス部41と円筒部42との間には、出
力側26に対し軸線方向に移動不可能かつ一体に回転する
ように設けられたピストン部材43が嵌装され、該ピスト
ン部材43と可動側プーリー半体40との間に圧力室44が形
成されている。
上記従動プーリー28では、導入ポート1cから出力軸26
の軸心に配されたフイードパイプ45を介し出力軸26の内
部の圧油流路46に圧油が導入される際、該導入された圧
油は出力軸26の半径方向に延びる透孔47を介して前記圧
力室44に導かれて同室を昇圧し、よって、可動側プーリ
ー半体28BをB方向へ移動させて、プーリー28の溝幅を
狭くしようとする。
また、ケーシング1に形成された導入ポート1dに圧油
が導入される際、該導入された圧油は出力軸26のフイー
ドパイプ45の外側に形成された流路48および出力軸26の
半径方向へ延びる透孔49を介して出力軸26の外周まで導
かれ、さらにそこから遠心力を受けて外方の前記無端ベ
ルト29に達し、同無端ベルト29を潤滑する。上記構成の
無段変速機3では、両プーリー27、28およびその間に巻
回された無端ベルト29を介して入力軸10の回転を出力軸
26に伝達することができ、さらに、駆動プーリー27およ
び従動プーリー28に付随する圧力室35、44に低高の圧油
を導入することにより、各可動側プーリー半体27B、28B
をA、B方向へ移動させ、もって、両プーリー27、28の
溝幅を変えて入力軸10の回転を任意の変速比をもって出
力軸26に伝えることができる。
なお、図示例の無段変速機3では、従動プーリー28の
ピストン部材43と可動側プーリー半体28Bとの間に、可
動側プーリー半体28BをB方向に付勢するスプリング50
が配されている。また、出力軸26の一端には図示せぬス
プロケットが取り付けられ、該スプロッケットに巻回さ
れるチエーン等を介して同出力軸26の回転が駆動輪に伝
達されるようになっている。
一方、前記制御装置5は、圧油供給源であるポンプ51
と、前記無段変速機3を収納するケーシング1に一体に
設けられた圧油接続用ポート1a〜1dとの間に介装されて
おり、ポンプ51から供給された圧油を一定の差値を持つ
低高圧に分け、かつこのように分けた低高圧の圧油を一
定の差値を保ちつつ無段変速機3の変速比に応じて全体
的に圧力変化させ得る低高圧設定部52と、該低高圧設定
部52にて設定された低高圧の圧油を前記駆動および従動
プーリー27、28に付随する圧力室35、44に選択的に導く
切換弁53と、該切換弁53の導出ポート85と駆動プーリー
に付随する圧力室35へ通じるケーシングの導出ポート1a
との間に介装された前記差圧拡大弁100を備えている。
なお、54は前記クラッチ4の断続切り換えを行なうため
のクラッチ切断弁である。
低高圧設定部52は、固定シリンダ55と、該固定シリン
ダ55内にA、B方向摺動自在に嵌挿された差圧レギュレ
ータピストン56と、シリンダ55の図中右側小径部55aの
外周にA、B方向摺動自在に嵌合された可動スリーブ57
と、該可動スリーブ57内にA、B方向摺動自在に嵌挿さ
れたレシオ連動レギュレータピストン58とを備えてい
る。
前記差圧レギュレータピストン56は、一端が固定シリ
ンダ55の内周に取り付けられたスナップリングに支持さ
れる差圧レギュレータスプリング59によってA方向へ付
勢され、また、レシオ連動レギュレータピストン58は、
一端がケーシングに支持されるレシオ連動レギュレータ
スプリング60によってA方向へ付勢されている。また、
可動スリーブ57にはレバー61が外方へ延びて形成され、
レバー61の先端には前記無段変速機の駆動プーリーの可
動側プーリー半体27Bの溝27xに係合されていて、可動ス
リーブ57は可動側プーリー半体27Bと一体的にA、B方
向へ移動するようになっている。
固定シリンダ55の外周所定箇所には導入ポート62、導
出ポート63、64がそれぞれ設けられ、導入ポート62は圧
油流路65を介してポンプ51につながっている。また、可
動スリーブ59の外周にはドレンポート66が設けられ、ド
レンポート66は油通路67を介してタンク68につながって
いる。
固定シリンダ55には半径方向へ延びる透孔69、70、71
が軸線方向所定間隔置きに設けられている。透孔69は、
シリンダ55内であって差圧レギュラーピストン56の図中
左側に形成される圧力室72を導入ポート62、導出ポート
63にそれぞれ連通させるためのものであり、透孔70は差
圧レギュラーピストン56の移動によって開閉され、開か
れたとき前記圧力室72をシリンダ55の外側に形成された
前記導出ポート64につながる空間73に連通させものであ
り、また、透孔71は空間73をシリンダ55内であって差圧
レギュレータピストン56の右側に形成される空間74に連
通させるためのものである。
また、可動スリーブ57の所定箇所には半径方向へ延び
る透孔75が設けられている。この透孔75はレシオ連動レ
ギュレータピストン58の移動に伴い開閉されるもので、
開かれたとき前記差圧レギュレータピストン56の右側に
形成される空間74を、可動スリーブ57の外周に形成され
る前記ドレンポート66とつながる空間76に連通させるも
のである。
低高圧設定部52において、ポンプ51から圧油流路65を
経て供給される圧油は導入ポート62より差圧レギュレー
タピストン56の左側に形成される空間72に導かれる。こ
の空間72内の圧力が所定圧よりも高くなると、ピストン
56が差圧レギュレータスプリング59に抗してB方向へ移
動してシリンダ55に一体形成している前記透抗70を開
き、透抗70を介して空間72内の圧油をシリンダ55の外側
に形成される空間73に逃がす。つまり、空間72の圧力P1
は、空間73、74の圧力P2より差圧レギュレータスプリン
グ59の付勢力分高くなる。
一方、空間73、74の圧力P2が所定圧力より高くなる
と、レシオ連動レギュレータピストン58がレシオ連動レ
ギュレータスプリング60に抗してB方向へ移動して、可
動スリーブ57に形成している透抗75を開き、空間73内の
圧油をドレンポート66から油通路67を介してタンク68側
に戻す。
また、該可動スリーブ57は前述した通りレバー61を介
して係合された駆動プーリー27の可動側プーリー半体27
BとともにA、B方向へ移動するようになっており、透
孔75の位置は該可動スリーブ57の位置によって変動す
る。したがって、空間73、74の圧力P2はレギュレータ連
動スプリング60の付勢力と可動スリーブ57の位置によっ
て定まる。
すなわち、低高圧設定部52においては、空間72につな
がる導出ポート63からは高圧の圧油が、また前記空間73
につながる導出ポート64からは低圧の圧油がそれぞれ導
出されることとなり、かつ、それら導出された圧油は第
2図に示す如く差圧レギュレータスプリング59によって
定まる一定の差値を保ったまま、駆動プーリー27の溝幅
が広くなればなるほど可動スリーブ57がB方向に移動す
るため全体的に圧力が上がり、逆に駆動プーリー27の溝
幅が狭くなればなるほど、全体的に圧力が下がるように
なっている。
前記切換弁53は、シリンダ80内にスプール81がA、B
方向移動自在に設けられた構成となっており、スプール
81にはスロットル開度により設定される理想のエンジン
回転数と実際のエンジン回転数との差に基づいてスプー
ル81を操作する操作機構82が連結されている。
前記シリンダ80には導入ポート83、84および導出ポー
ト85、86が一体に設けられている。導入ポート83は圧油
流路87を介して前記低高圧設定部52の高圧油供給側の導
入ポート63に接続され、他側の導入ポート84は圧油流路
88を介して低高圧底部52の低圧油供給側の導出ポート64
に接続されている。また、導出ポート85は前記差圧拡大
弁100が介装された圧油流路89を介してケーシングの導
入ポート1aに接続され、導出ポート86は圧油流路90を介
して導入ポート1cに接続されている。
スプール81の外周にはリング溝91、92、93が一端から
他端にかけて所定間隔置きに設けられ、両端のリング溝
91、93は、軸心に設けられた油通路94および半径方向に
延びる透孔95、96を介してつながっている。
スプール81が図に示す中立位置にあるとき、導出ポー
ト85はスプール81の外周のリング溝91を介して高圧側の
導出ポート83に接続され、また導出ポート86は前記リン
グ溝91、スプール内部の油通路94および透孔95、96を介
して高圧側の導入ポート83に接続されており、両導出ポ
ート85、86からは共に高圧の圧油が導出される。したが
って、このとき、圧油供給停止弁100が機能しない限り
において、前記駆動・従動プーリ27、28の圧力室35、44
には共に高圧側の圧油が導入されることとなり、両プー
リ27、28の溝幅は変化せずにおのおののプーリ27、28に
は所定の側圧がかけられる。
操作機構82が操作されてスプール81が図に示す位置か
らA方向へ移動すると、導出ポート85は中央のリング溝
92を介して低圧側の導入ポート84に接続され、また導出
ポート86は前記同様、油通路94およびリング溝91、93等
を介して高圧側の導入ポート83に接続される。したがっ
てこのときには、低圧側の圧油が導出ポート85、圧油流
路89を介して駆動プーリ27の圧力室35に導入される一
方、高圧側の圧油が導出ポート86、圧油流路90を介して
従動プーリー28の圧力室44に導入されることとなり、両
圧力室35、44の差圧に基づき駆動プーリー27の溝幅は広
がり、従動プーリー28の溝幅は狭まり、変速比は減速側
(low)に変化する。
他方、スプール81が図に示す位置からB方向へ移動す
ると、前述とは逆に、導出ポート85は左端のリング溝91
を介して高圧側の導入ポート83に接続され、また導出ポ
ート86は中央のリング溝92を介して低圧側の導入ポート
84に接続されて、駆動プーリ27の圧力室35には高圧側の
圧油が導入される一方、従動プーリー28の圧力室44には
低圧側の圧油が導入されることとなり、駆動プーリー27
の溝幅は狭まると同時に従動プーリー28の溝幅は広がっ
て、前述とは逆方向の変速比に変わる。
操作機構82は、図にはその一部が表されているだけで
あって、スプール81の図中右端部にピン結合された操作
ロッド95と、該操作ロッド95に連結されるモータ等の駆
動部と、該駆動部を操作する制御器(ともに図示せず)
とを備えている。制御器からはスロットル開度によって
定まる理想のエンジン回転数と(制御器には、スロット
ル開度に応じ実験等によって求められる理想のエンジン
回転数が、予め入力されている)実際のエンジン回転数
との差に応じた制御信号が刻々発せられ、該制御信号に
基づき駆動部が駆動操作され、これにより、スプール81
がA、B方向に移動操作されるようになっている。な
お、96はケーシングとスプール81との間に介装されて、
スプール81を常時A方向へ付勢するスプリングであり、
バックラッシュの発生を未然に防止するためのものであ
る。
前記差圧拡大弁100は、固定シリンダ101内にスプール
102がA、B方向移動自在に嵌挿されてなるものであ
り、シリンダ101には導入ポート103および導出ポート10
4がそれぞれ一体に形成され、導入ポート103は圧油流路
89を介して切換弁53の導出ポート85に接続され、また導
出ポート104は圧油流路を介してケーシングの導入ポー
ト1aに接続されている。
スプール102の外周にはリング溝106、107、108が一端
から他端にかけて所定間隔置きに設けられ、両端のリン
グ溝106、108は軸心に設けられた油通路109および半径
方向に延びる透孔110、111を介してつながっている。ま
た、スプール102には図示せぬ位置決め手段が連結され
ており、この位置決め手段によってスプール102は、車
速がある速度を超えるとき図に示す位置に位置決めさ
れ、車速がある速度以下のとき図に示す位置よりA方向
へ所定量移動されるようになっている。
スプール102が図に示す位置にあるとき導入ポート103
と導出ポート104とは、リング溝108、106および軸心の
油通路109等を通じて連通されている。したがってこの
とき、切換弁53の導出ポート85から導出される圧油は、
差圧拡大弁100を通過した後、圧油流路89を介してケー
シングの導出ポート1aへ導かれ、駆動プーリーの圧力室
35に導入される。
また、車速が所定以下になってスプール102が図に示
す位置からA方向へ所定量移動された際には、導入ポー
ト103が閉じられるとともに、導出ポート104が中央のリ
ング溝107を介し、シリンダ101に一体に形成されたドレ
ン孔112につながる。なお、ドレンポート112は油通路11
3を通じて前記タンク68につながっている。このとき、
すなわちスプール102がA方向所定箇所まで移動された
ときには、駆動プーリーの圧力室35へは圧油が供給され
ず、逆に圧力室35内の圧油は油通路89および差圧拡大弁
100のドレンポート112からタンク68側に戻され、圧力室
35は速やかに減圧する。
前記クラッチ切換弁54は、圧油流路65から分岐した圧
油流路130とケーシング1の導入ポート1bとの間に介装
されており、ケーシング131内にE、F方向移動自在に
嵌挿されかつスプリング132によってE方向に付勢され
たピストン133と、ピストン133と同軸上となるようにか
つE、F方向移動自在にケーシング131内に嵌挿され、
かつスプリング134によってE方向へ付勢されたピスト
ン135と、該ピストン135のケーシング131の外部へ突出
する部分135aに当接して該ピストン135を押圧操作する
アーム136とを備えている。
図に示す状態はクラッチ4をつないでいる状態であっ
て、圧油流路130を介しポート140から導入される圧油
は、ピストン133内の油通路141に導かれ、そこからピス
トン135内に形成された油通路142を経て導出ポート143
に至り、そこからさらに圧油流路144、ケーシング1の
導出ポート1bを経てクラッチ圧力室21へ導かれる。
クラッチ4を切るときは、図示せぬクラッチレバーを
操作してアーム136をG方向に回動させる。すると、該
アーム136の先端に押されてピストン135はスプリング13
4に抗してF方向へ移動し、同ピストン135に形成されて
いる開口145が導出ポート143からずれてケーシング1の
導出ポート1bへの圧油供給を断つ。その後、ピストン13
5をさらにF方向へ移動させることにより、ピストン135
に形成されている油逃がし孔147を導出ポート143と合致
させ、クラッチ圧力室21内の圧油を抜く。これにより、
クラッチ4を遮断状態にすることができる 逆に、クラッチ4を接続状態にするには、図示せぬク
ラッチレバーを操作し、アーム136を前述とは逆方向へ
回動させて、ピストン135を元の位置に戻せばよい。
なお、図示例のクラッチ切換弁54において、クラッチ
圧力室21内の圧力が所定以上にならんとする場合には、
ピストン13内の油通路141の圧力も同様に高まり、ピス
トン133がスプリング132に抗してF方向に移動し、ピス
トン133の開口148を導入ポート140からずらし、導入ポ
ート140からの圧油侵入を断つ。クラッチ圧力室21内の
圧力が所定以上になることはない。
前記構成の無段変速機3によれば、スロットル開度が
ある値にあるとき、該スロットル開度で定まる理想のエ
ンジン回転数に実際のエンジン回転数が一致するよう、
変速比を自動的に定めることができる。
すなわち、切換弁53のスプール81を操作する図示せぬ
制御器では、所定の検出手段によって検出されたスロッ
トル開度に応じて、予め入力されたデータから理想のエ
ンジン回転数が算出され、それと実際のエンジン回転数
とを比較しつつ、その差がある範囲以上になる場合所定
の信号が発せられる。該制御器から発せられる信号に基
づきサーボモータ等の駆動部が駆動されて操作ロッド95
を介し、スプール81をAあるいはB方向へ移動する。
これにより、切換弁53の導出ポート85、86の内一方に
は、前記低高圧設定部52から導入されてくる低、高圧の
圧油の内の一方、例えば低圧側の圧油が導入され、また
他側の導出ポートには高圧側の圧油が導入されて、変速
比を任意の方向(減速側あるいは増速側)に変えること
ができる。そして、このように変速比を変えることによ
って、エンジンに加わる負荷を変化させ、エンジン回転
数を理想の回転数を中心としたある範囲内に収めること
ができる。
エンジン回転数が理想の回転数を中心としたある範囲
内に収まったときには、その後制御器からその旨の信号
が発せられ、これに基づいて駆動部が駆動されて、切換
弁53のスプール81は図に示す位置に戻される。このよう
にスプール81がこの位置に戻された時には、切換弁53の
導出ポート85、86からは共に高圧側の圧油が導出される
こととなり、無段変速機の変速比はそのまま保持され、
かつ、各プーリーには所定の側圧がかけられる。
また、上記無段変速機の制御装置5にあっては、切換
弁53の導出ポート85とケーシングの導入ポート1aとの間
に差圧拡大弁100を介装し、車速がある速度を超えると
きにはスプール102を図に示す位置に至らしめて、切換
弁53から導入されてくる圧油をそのまま駆動プーリーの
圧力室35に導き、また、車速がある速度以下になるとき
にはスプール102を図に示す位置からA方向へ所定量移
動させて、圧力室35内の圧油をドレンポート112からタ
ンク68側に逃がし、圧力室35内の圧力をほぼゼロとする
(第3図参照)。
したがって、第3図に示すように通常の走行時におい
ては低・高圧油の差圧Paにて変速を行っているものが、
車速がある速度以下になった時点では高圧側圧油の圧力
Pbをもって変速することができ、極短時間で変速するこ
とが可能となる。この結果、停止寸前のわずかな車輪の
回転で変速比を増速側から減速側へ切り換えることがで
き、次発進時において所望の変速比で駆動させることが
できる。
また、完全なロックブレーキによる停止の場合でも、
前記同様、駆動プーリーの圧力室35の油圧Pbにより、無
端ベルト29とプーリー27、28間の滑りをもって強制的に
変速比を減速側に切り換えることができる。
加えて、実施例では、従動プーリーの可動側プーリー
半体28Bと固定ピストン43と間にリターン用スプリング5
0を設けており、該スプリング50の付勢力は従動プーリ
ー28の溝幅を狭ばめる方向つまり変速比を減速側へ切り
換える方向に作用するため、より短時間で減速側への変
速が行える。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば、車両の速度が所
定速度以下になったとき、切換弁から駆動プーリーに付
設された圧力室へ通じる油路を減圧させることにより、
低圧側の油圧を低下させて所定の差圧を拡大する差圧拡
大機構を切換弁とは別個独立に設けた構成であり、たと
えば急ブレーキ等によって急停止した場合でも、また、
減速側のレシオへ変換する変速開始時点から変速終了時
点までの間は、切換弁のスプールの位置に関わりなく、
前記差圧拡大機構の作動により動プーリと従動プーリー
の両圧力室に導入されている圧油圧力差を大きくとるこ
とができ、もって、極短時間で減速側へのレシオに変換
することができ、いかなる停止状態においても、次発進
時において理想のレシオでの発進が可能となる。
また、切換弁によって駆動プーリーや従動プーリーの
溝幅を変えるだけであり、切換弁は調圧状態にはなって
おらず、このため、安定した制御が行える。
さらに、車両の速度が所定減速以下になって減速側の
レシオへ変換されるという特別な状況においてのみ、大
気開放となるので、ポンプのロスは少ない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第1実施例を示し、第1図は
無段変速機およびその制御装置を示す構成図、第2図は
低高圧設定部から導出される低圧側の圧油および高圧側
の圧油の関係を示す図、第3図は切換弁により切り換え
られる高圧側の圧油と低圧側の圧油との関係を示す図で
ある。 1……ケーシング、2……クランク軸、3……無段変速
機、4……クラッチ、5……制御装置、10……入力軸、
26……出力軸、27……駆動プーリー、28……従動プーリ
ー、35……圧力室、44……圧力室、51……ポンプ、52…
…低高圧設定部、53……切換弁、54……クラッチ切換
弁、81……スプール、100……差圧拡大弁(差圧拡大機
構)、102……スプール、103……導入ポート、104……
導出ポート、112……ドレンポート。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力室に圧油をを供給することにより溝幅
    を変えられる、駆動プーリーおよび従動プーリー間に無
    端ベルトを巻回し、運転時に変速制御に用いられるため
    の所定の差圧を保つように予め調圧された低圧側および
    高圧側の圧油を、切換弁により切り換えて前記駆動プー
    リーおよび従動プーリーの圧力室のうちの一方に低圧側
    の圧油を導入する一方、他側の圧力室に高圧側の圧油を
    導入し、駆動および従動プーリーの溝幅をそれぞれ変え
    て任意の変速比に変える無段変速機の制御装置であっ
    て、 前記切換弁と前記駆動プーリー側の圧力室との間に、無
    段変速機の搭載した車両の速度が所定速度以下になった
    とき、前記切換弁から駆動プーリーに付設された圧力室
    へ通じる油路を減圧をさせることにより、前記低圧側の
    油圧を低下させて前記所定の差圧を拡大する差圧拡大機
    構を、前記切換弁とは別個独立に設けたことを特徴とす
    る無段変速機の制御装置。
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JPS62196446A (ja) * 1986-02-22 1987-08-29 Toyota Motor Corp 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
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