JP2527091B2 - フロアタイル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、店舗、オフィス等のフロア用床材等に使用
される塩化ビニル製フロアタイルに関するものである。

〔従来の技術〕

塩化ビニル製のタイル（以下塩ビタイルと呼ぶ）は店
舗等の床材として広く使われている。係る床材の物性と
して重要なものに、寸法収縮及び反りがある。

従来から、これらの寸法収縮及び反りを押さえる方法
として、ガラス不織布を塩ビタイルの構成中に設ける手
段が知られているが、熱融着性を有しないガラス不織布
と塩化ビニル製フィルムの接着は、難かしく、これらの
接着性を向上させる為、 1.ガラス不織布の表裏にポリビニルアルコール樹脂を塗
布する。

2.ガラス不織布に塩化ビニル樹脂を含浸させる。

等を処置を取っていた。しかしながら、係る処置を施さ
れたシートにおいても、層間強度の不足、更に熱ラミネ
ート時のフクレ等が発生し、満足のいくものではなかっ
た。

〔発明が解決しようとする課題〕

そこで本発明は、上記従来技術に鑑みなされたもの
で、その目的は、熱ラミネート時のフクレを発生せず、
かつ層間強度の優れた塩ビタイルを提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明は、塩ビタイルの
構成中に設ける不織布を、ガラス繊維と塩化ビニル繊維
の混抄物としたことである。

以下、本発明を詳細に説明する。

本発明の一態様としては、第１図に示すように、基材
としての裏打ちフィルム１、白色系のフィルム２、ガラ
ス及び塩化ビニル樹脂の混抄不織布３、印刷層を有する
フィルム４、クリヤーフィルム５を順設してなるタイル
の層構成において、裏打ちフィルムベース１は、塩化ビ
ニルの廃プラより製造したもので濃い灰色の色調を有し
ている。白色系のフィルム２は、その上層に設けられた
印刷層を有するフィルム４の色調が、裏打ちフィルムベ
ース１の色調から影響を受けない為に設ける。

更に、クリヤーフィルム５は、印刷層の表面保護用。
そして、フィルム２、４、５はいずれも塩化ビニルフィ
ルムを使用、また、不織布３は、ガラス繊維と塩化ビニ
ル繊維をほぽ1:1に混抄したものであり、熱融着性があ
る。

係る混抄不織布の塩化ビニル繊維は約120℃で溶融
し、熱接着シートとしての役目を果たし、不織布内に均
一に混抄されている為、不織布と上、下層との層間強度
は、熱ラミネートにより十分満足のできる強度が得られ
る。熱ラミネートの方法は、熱プレス法、連続ラミネー
ト法等を用いる。

〔実施例〕

図１の如く、2.4m/m厚の塩化ビニルフィルム１、0.2m
/m厚の塩化ビニルフィルム２、50g/m²の混抄不織布（三
菱レイヨン製）３、印刷層を有する0.1m/m厚の塩化ビニ
ルフィルム４、0.3m/m厚のクリヤーな塩化ビニルフィル
ムを順設して、温度120℃、圧力20kg/cm²の条件下の熱
プレスにて５分、加圧加熱後、冷却して、得られた塩ビ
タイルは、フクレが発生しておらず、寸法収縮及び反り
の少ない、かつ充分な層間強度を有するものであった。
下表は、実施例において得られた、塩ビタイルの寸法収
縮、反り及び層間強度の物性値を、従来品Ａ（ガラス不
織布入り）、従来品Ｂ（ガラス不織布無し）と比較した
物性データである。（層構成は、不織布部以外は全て同
じ内容の構成） 〔発明の効果〕 本発明により得られた塩ビタイルは、物性データから
も分かる様に、従来品に比べ、品質において優れたもの
であった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の塩ビタイルのプレス前の層構成を示す
説明図、第２図はプレス後の塩ビタイルの断面図であ
る。 １……裏打ちフィルム ２……白色系フィルム ３……混抄不織布 ４……印刷層を有するフィルム ５……クリヤーフィルム

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基材上に少なくとも塩化ビニル樹脂からな
   る二つの層が積層されたフロアタイルにおいて、該塩化
   ビニル樹脂層間にガラス繊維と塩化ビニル繊維の混抄物
   の層を設けたことを特徴とするフロアタイル。