JP2526925Y2 - 写真地図 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、航空写真等の地図上に
行政区画や地名等を印刷表示する写真地図に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】官公庁や学校等で使用される航空写真地
図等は、カラーの階調および色彩感が豊かになることで
知られる平版印刷によるのが一般的である。この平版印
刷は、光沢度の高い用紙に数種の色材を用いて被写体像
を印刷することにより、色画像を形成するものである。
この色画像は、航空機によって撮影した地表等をリアル
に表示することから、詳細な写真地図が得られることに
なる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
平版印刷による写真地図は、行政区画や地名等が表示さ
れておらず、利用に際しては市販の地図を参照しつつ場
所を確認するといったことが必要になる。このため、航
空写真と地図とを並べて見なければならず、煩瑣なため
に苛立ちを覚える欠点があった。また、航空写真から特
定の場所や行政区画等を確認するには、高度の慣れを必
要とするものであるうえ、密集地域の行政区画等にあっ
ては正確に把握し難いという問題がある。本考案は、上
記課題を解決することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するため、光沢を有し、表面に図表が印刷された写真
印刷物の図表上に、パールインキにて線や文字が印刷さ
れてなることを特徴としている。

【０００５】

【作用】本考案の写真地図は、光沢を有し、表面に図表
を印刷し、この図表上にパールインキにて線や文字を印
刷している。例えば、前記図表を地図とし、この地図上
に行政区画や地名等を銀色のパールインキにて印刷する
と、色画像の層の上に銀色の層が形成されることにな
る。この層は、通常は透光性を有するために地図等を見
る妨げとなることなく地図を見ることができ、しかも少
し角度を変えて見ると、背景画像とは反射率が異なるた
めに、紙面の角度を変えるとより明確になり、写真地図
を見ると共に、行政区画や地名等が地図上に浮かび上が
って見える状態となる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図を参照し
つつ説明する。図１は本考案に係る航空写真地図の平面
図、図２は同断面図である。この航空写真地図１は、航
空機により或る地域を撮影して得た被写体像を光沢紙２
にカラー印刷し、このカラー印刷紙２にパールインキで
線４や文字５等を印刷して形成するものである。航空写
真の撮影は公知の手段によるもので、例えば、図１に示
すような公園や市街地等を含む地域を予め撮影してお
く。そして、このネガの被写体像を光沢紙２に平版印刷
でカラー印刷する。

【０００７】光沢紙２としては、ネガの調子に合わせた
ものが選択されるが、特に、表面２ａが光沢度の高い印
刷紙が用いられる。また、平版印刷は、前記印刷紙に数
種の色材で被写体像を印刷し、色画像３を形成する。こ
の色画像３は、平版印刷によるので、カラーの階調およ
び色彩感が豊かな写真地図となる。そして、この色画像
３の表面３ａには、パールインキを用いて行政区画４や
地名５等が印刷される。パールインキは、光の反射率が
高いインキであって、通常、銀色を用いるが、金色を使
用してもよい。

【０００８】行政区画４については、一般の地図と同様
に各区の区分に一点鎖線４ａを、各町の区分に点線４ｂ
を使用する。また、地名５等については、住宅地域５ａ
および公共の場所５ｂに応じて文字の大きさを異ならせ
たり、縦書きや横書きとする。このような印刷によっ
て、図２に示す如く印刷紙２の表面２ａに色画像３の層
が形成され、この色画像３の表面３ａには、銀色のパー
ルインキによる行政区画４や地名５等が描かれたオール
カラーの航空写真地図１が得られる。

【０００９】この航空写真地図１は、表面２ａが光沢を
有しているので、この地図１の角度を様々に変化させる
と、光線の入射角に応じて行政区画４ａ，４ｂや地名５
ａ，５ｂ等が浮き上がった状態となり、背景の画像とは
明確に区別されて、視認が極めて容易になる。

【００１０】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の写真地図
は、光沢のある印刷紙の表面に色画像の層が形成され、
この色画像の表面にパールインキで印刷した線や文字の
層が形成されるので、色画像として航空写真を印刷した
場合には、光沢のある航空写真の上に行政区画や地名等
を銀色等で描いた航空写真地図を得ることができる。

【００１１】そして、通常は行政区画線等の目立たない
写真として見ることができ、しかも、紙面の角度を変化
させると、光線の入射具合により、行政区画や地名が浮
き上がって見える航空写真地図の状態となる。つまり、
行政区画線等が背景地図とは明確に区別されて視認が容
易になることから、従来のように、地図と写真とを並べ
て見るといった必要がなくなり、苛立ちを覚えるような
不快感が解消される効果がある。また、航空写真上にお
いて行政区画等が明瞭になるので、住宅密集地の環境等
を把握し易いといった利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る航空写真地図の平面図
である。

【図２】同航空写真地図の断面図である。

【符号の説明】

１ 写真地図 ２ カラー印刷紙 ３ 図表 ４ 線 ５ 文字

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光沢を有し、表面に図表が印刷された写
   真印刷物の図表上に、パールインキにて線や文字が印刷
   されてなる写真地図。
2. 【請求項２】 図表が航空写真であり、この航空写真上
   にパールインキで、地域区画線、地名、番地等の表示が
   印刷されてなる請求項１項記載の写真地図。