JP2526447Y2 - 歯車加工装置 - Google Patents
歯車加工装置Info
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- JP2526447Y2 JP2526447Y2 JP1991087099U JP8709991U JP2526447Y2 JP 2526447 Y2 JP2526447 Y2 JP 2526447Y2 JP 1991087099 U JP1991087099 U JP 1991087099U JP 8709991 U JP8709991 U JP 8709991U JP 2526447 Y2 JP2526447 Y2 JP 2526447Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、歯切り盤,歯車研削盤
等、歯車材に加工工具によって機械加工を施す歯車加工
装置に関するものであり、特に、駆動源の駆動力が歯車
列によって歯車材と加工工具との少なくとも一方に伝達
される歯車加工装置に関するものである。
等、歯車材に加工工具によって機械加工を施す歯車加工
装置に関するものであり、特に、駆動源の駆動力が歯車
列によって歯車材と加工工具との少なくとも一方に伝達
される歯車加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車加工装置によって歯車材に機械加工
を施す場合、歯車材と加工工具との少なくとも一方が駆
動される。この駆動力の伝達は、多くの場合歯車列によ
って行われ、その場合、互に噛み合う歯と歯との間のバ
ックラッシにより、歯面のがたつきや回転むらが生じ、
加工中に騒音が発生したり、回転誤差に基づく加工精度
の低下を招来したりする。この問題は、ホブ盤のように
衝撃の大きい断続切削が行なわれる場合に特に重大とな
る。そのため、実開昭63−140338号公報に記載
の歯車加工装置においては、バックラッシの除去が図ら
れている。この装置においては、互に噛み合わされて回
転が伝達される駆動歯車と被駆動歯車とのうち、駆動歯
車がその回転軸線と直交する面において2個に分割され
た第一歯車部と第二歯車部とから成るものとされ、それ
ら第一,第二の歯車部をボルトによって結合するに当た
り、ボルトのねじ部が第一歯車部に螺合されるととも
に、第二歯車部に嵌合されるボルトの軸部と第二歯車部
との間に環状の弾性体が嵌装される。弾性体は、第一歯
車部と第二歯車部とに僅かな位相差を生じさせる状態で
嵌装される。そのため、被駆動歯車に噛み合わされる
と、第一歯車部の歯と第二歯車部の歯とは、被駆動歯車
の歯の逆向きの歯面にそれぞれ当接し、被駆動歯車と第
一歯車部の歯との間にバックラッシがあっても、被駆動
歯車がバックラッシ分回転することは第二歯車部によっ
て阻止され、実質的にバックラッシが除去されたことと
なるのである。
を施す場合、歯車材と加工工具との少なくとも一方が駆
動される。この駆動力の伝達は、多くの場合歯車列によ
って行われ、その場合、互に噛み合う歯と歯との間のバ
ックラッシにより、歯面のがたつきや回転むらが生じ、
加工中に騒音が発生したり、回転誤差に基づく加工精度
の低下を招来したりする。この問題は、ホブ盤のように
衝撃の大きい断続切削が行なわれる場合に特に重大とな
る。そのため、実開昭63−140338号公報に記載
の歯車加工装置においては、バックラッシの除去が図ら
れている。この装置においては、互に噛み合わされて回
転が伝達される駆動歯車と被駆動歯車とのうち、駆動歯
車がその回転軸線と直交する面において2個に分割され
た第一歯車部と第二歯車部とから成るものとされ、それ
ら第一,第二の歯車部をボルトによって結合するに当た
り、ボルトのねじ部が第一歯車部に螺合されるととも
に、第二歯車部に嵌合されるボルトの軸部と第二歯車部
との間に環状の弾性体が嵌装される。弾性体は、第一歯
車部と第二歯車部とに僅かな位相差を生じさせる状態で
嵌装される。そのため、被駆動歯車に噛み合わされる
と、第一歯車部の歯と第二歯車部の歯とは、被駆動歯車
の歯の逆向きの歯面にそれぞれ当接し、被駆動歯車と第
一歯車部の歯との間にバックラッシがあっても、被駆動
歯車がバックラッシ分回転することは第二歯車部によっ
て阻止され、実質的にバックラッシが除去されたことと
なるのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】請求項1に記載の考案
は、従来の歯車加工装置とは別の手段によって、バック
ラッシを除去することができる歯車加工装置を提供する
ことを課題として為されたものである。請求項2に記載
の考案は、噛み合いクラッチの利用によってバックラッ
シを除去することができる歯車加工装置を提供すること
を課題として為されたものである。請求項3に記載の考
案は、摩擦力の利用によってバックラッシを除去するこ
とができる歯車加工装置を提供することを課題として為
されたものである。
は、従来の歯車加工装置とは別の手段によって、バック
ラッシを除去することができる歯車加工装置を提供する
ことを課題として為されたものである。請求項2に記載
の考案は、噛み合いクラッチの利用によってバックラッ
シを除去することができる歯車加工装置を提供すること
を課題として為されたものである。請求項3に記載の考
案は、摩擦力の利用によってバックラッシを除去するこ
とができる歯車加工装置を提供することを課題として為
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の考案は、上記
の課題を解決するために、歯車材とその歯車材を機械加
工する加工工具との少なくとも一方を、その少なくとも
一方と一体的に固定される被駆動歯車と、駆動源の出力
軸に一体的に固定された駆動歯車と、少なくとも1個の
中間歯車を含んで駆動歯車の回転を被駆動歯車に伝達す
る中間歯車列とを介して駆動源により駆動しつつ、加工
工具によって歯車材を加工する歯車加工装置において、
駆動歯車と被駆動歯車との間に、主中間歯車列としての
前記中間歯車列と並列に、少なくとも1個の中間歯車を
含む副中間歯車列を設けることにより、それら駆動歯
車,主中間歯車列,被駆動歯車および副中間歯車列から
成る環状歯車列を形成するとともに、その環状歯車列に
属する歯車の一つを、互に同軸で相対回転可能な第一歯
車部と第二歯車部とから成るものとし、それら両歯車部
の各々をそれぞれ異なる隣接歯車と噛み合わせ、かつ、
第一歯車部と第二歯車部との間に、少なくとも歯車の加
工中は両歯車部に互に逆向きの回転トルクを生じ続けさ
せる逆向きトルク発生手段を設けたことを特徴とする。
請求項2の考案に係る歯車加工装置においては、上記の
課題を解決するために、第一歯車部と第二歯車部とが噛
み合いクラッチにより連結され、その噛み合いクラッチ
を構成する一対のクラッチ部材が、それらクラッチ部材
の軸方向に対して傾斜した傾斜面において互に噛み合わ
されるとともに、それらクラッチ部材が付勢手段により
互に接近する向きに付勢されて、それら噛み合いクラッ
チおよび付勢手段によって逆向きトルク発生手段が構成
される。請求項3の考案に係る歯車加工装置において
は、上記の課題を解決するために、環状歯車列に属する
各歯車の歯数が、第一歯車部と第二歯車部との間に相対
回転が生じる歯数に決められるとともに、それら両歯部
の相対回転に伴って摩擦抵抗を生じさせる摩擦抵抗発生
手段が設けられ、それらのことによって前記逆向きトル
ク発生手段が構成される。摩擦抵抗発生手段は、例え
ば、両歯車部を軸方向に相対移動可能とし、かつ、軸方
向の付勢手段により互に押し付けられることによって構
成し得る。この場合、両歯車部間に摩擦板を挟ませて
も、歯車の端面自体に摩擦層を形成してもよい。
の課題を解決するために、歯車材とその歯車材を機械加
工する加工工具との少なくとも一方を、その少なくとも
一方と一体的に固定される被駆動歯車と、駆動源の出力
軸に一体的に固定された駆動歯車と、少なくとも1個の
中間歯車を含んで駆動歯車の回転を被駆動歯車に伝達す
る中間歯車列とを介して駆動源により駆動しつつ、加工
工具によって歯車材を加工する歯車加工装置において、
駆動歯車と被駆動歯車との間に、主中間歯車列としての
前記中間歯車列と並列に、少なくとも1個の中間歯車を
含む副中間歯車列を設けることにより、それら駆動歯
車,主中間歯車列,被駆動歯車および副中間歯車列から
成る環状歯車列を形成するとともに、その環状歯車列に
属する歯車の一つを、互に同軸で相対回転可能な第一歯
車部と第二歯車部とから成るものとし、それら両歯車部
の各々をそれぞれ異なる隣接歯車と噛み合わせ、かつ、
第一歯車部と第二歯車部との間に、少なくとも歯車の加
工中は両歯車部に互に逆向きの回転トルクを生じ続けさ
せる逆向きトルク発生手段を設けたことを特徴とする。
請求項2の考案に係る歯車加工装置においては、上記の
課題を解決するために、第一歯車部と第二歯車部とが噛
み合いクラッチにより連結され、その噛み合いクラッチ
を構成する一対のクラッチ部材が、それらクラッチ部材
の軸方向に対して傾斜した傾斜面において互に噛み合わ
されるとともに、それらクラッチ部材が付勢手段により
互に接近する向きに付勢されて、それら噛み合いクラッ
チおよび付勢手段によって逆向きトルク発生手段が構成
される。請求項3の考案に係る歯車加工装置において
は、上記の課題を解決するために、環状歯車列に属する
各歯車の歯数が、第一歯車部と第二歯車部との間に相対
回転が生じる歯数に決められるとともに、それら両歯部
の相対回転に伴って摩擦抵抗を生じさせる摩擦抵抗発生
手段が設けられ、それらのことによって前記逆向きトル
ク発生手段が構成される。摩擦抵抗発生手段は、例え
ば、両歯車部を軸方向に相対移動可能とし、かつ、軸方
向の付勢手段により互に押し付けられることによって構
成し得る。この場合、両歯車部間に摩擦板を挟ませて
も、歯車の端面自体に摩擦層を形成してもよい。
【0005】
【作用】請求項1の考案に係る歯車加工装置において、
第一歯車部と第二歯車部とは相対回転可能であるが、同
じ軸線まわりに同方向に回転し、回転駆動力は1個の歯
車と同様に伝達する。しかし、逆向きトルク発生手段に
よって第一歯車部と第二歯車部とに生じさせられる逆向
きの回転トルクがそれぞれ第一,第二歯車部から環状歯
車列を形成する他の歯車に逆向きに伝達され、環状歯車
列内において互に噛み合う各対の歯車のすべてに互に逆
向きの回転トルクが加えられることとなる。そして、本
歯車加工装置においては、歯車材と加工工具との少なく
とも一方と駆動源との間に存在する全ての歯車が環状歯
車列に含まれているため、それら全ての歯車同士が互に
当接した状態に保たれ、それらの間にバックラッシがあ
っても、歯車がそのバックラッシ分回転することが阻止
され、実質的に歯車材と加工工具との少なくとも一方と
駆動源との間に存在する全てのバックラッシが除去され
たこととなる。請求項2の考案に係る歯車加工装置にお
いては、一対のクラッチ部材が付勢手段より互に接近す
る向きに付勢され、クラッチ部材の各傾斜面同士が互に
押し付けられる。その結果、斜面の効果により、第一歯
車部と第二歯車部とに互に逆向きの回転トルクが発生さ
せられ、第一,第二歯車部から環状歯車列を形成する他
の歯車に逆向きに伝達され、それら歯車に互に逆向きの
回転トルクが作用し、バックラッシが除去されることと
なる。請求項3の考案に係る歯車加工装置においては、
第一歯車部と第二歯車部とは同じ方向に回転するが、歯
数の設定によって第一歯車部の回転速度と第二歯車部の
回転速度とが異ならされており、両歯車部の間に相対回
転が生ずる。これら第一,第二歯車部は摩擦抵抗発生手
段によって生じさせられる摩擦力により一体的に回転し
ようとし、その際、回転速度が遅い方の歯車部には回転
速度が速い方の歯車部に引きずられることにより回転方
向の回転トルクが生じ、速い方の歯車部には回転方向と
は逆向きの回転トルクが生じて、第一,第二歯車部には
互に逆向きの回転トルクが発生させられることとなる。
そして、この逆向きの回転トルクが第一,第二歯車部か
ら環状歯車列を形成する他の歯車に逆向きに伝達され、
それら歯車のバックラッシが除去される。
第一歯車部と第二歯車部とは相対回転可能であるが、同
じ軸線まわりに同方向に回転し、回転駆動力は1個の歯
車と同様に伝達する。しかし、逆向きトルク発生手段に
よって第一歯車部と第二歯車部とに生じさせられる逆向
きの回転トルクがそれぞれ第一,第二歯車部から環状歯
車列を形成する他の歯車に逆向きに伝達され、環状歯車
列内において互に噛み合う各対の歯車のすべてに互に逆
向きの回転トルクが加えられることとなる。そして、本
歯車加工装置においては、歯車材と加工工具との少なく
とも一方と駆動源との間に存在する全ての歯車が環状歯
車列に含まれているため、それら全ての歯車同士が互に
当接した状態に保たれ、それらの間にバックラッシがあ
っても、歯車がそのバックラッシ分回転することが阻止
され、実質的に歯車材と加工工具との少なくとも一方と
駆動源との間に存在する全てのバックラッシが除去され
たこととなる。請求項2の考案に係る歯車加工装置にお
いては、一対のクラッチ部材が付勢手段より互に接近す
る向きに付勢され、クラッチ部材の各傾斜面同士が互に
押し付けられる。その結果、斜面の効果により、第一歯
車部と第二歯車部とに互に逆向きの回転トルクが発生さ
せられ、第一,第二歯車部から環状歯車列を形成する他
の歯車に逆向きに伝達され、それら歯車に互に逆向きの
回転トルクが作用し、バックラッシが除去されることと
なる。請求項3の考案に係る歯車加工装置においては、
第一歯車部と第二歯車部とは同じ方向に回転するが、歯
数の設定によって第一歯車部の回転速度と第二歯車部の
回転速度とが異ならされており、両歯車部の間に相対回
転が生ずる。これら第一,第二歯車部は摩擦抵抗発生手
段によって生じさせられる摩擦力により一体的に回転し
ようとし、その際、回転速度が遅い方の歯車部には回転
速度が速い方の歯車部に引きずられることにより回転方
向の回転トルクが生じ、速い方の歯車部には回転方向と
は逆向きの回転トルクが生じて、第一,第二歯車部には
互に逆向きの回転トルクが発生させられることとなる。
そして、この逆向きの回転トルクが第一,第二歯車部か
ら環状歯車列を形成する他の歯車に逆向きに伝達され、
それら歯車のバックラッシが除去される。
【0006】
【考案の効果】このように請求項1の考案に係る歯車加
工装置においては、複数の歯車を環状に噛み合わせ、各
歯車に逆向きの回転トルクを加えることにより、バック
ラッシを除去することができ、騒音を生ずることなく、
精度良く歯車の加工を行うことができる。請求項2の考
案に係る歯車加工装置においては、互に逆向きの回転ト
ルクが噛み合いクラッチの傾斜面の斜面の効果により発
生させられるようになっており、この逆向きの回転トル
クは歯車の停止中にも生じさせられている。したがっ
て、歯車加工装置の停止状態においても歯車材や加工工
具の位置が一義的に決まり、加工開始前の設定が容易と
なる特有の効果が得られる。また、一対のクラッチ部材
が傾斜面において互に噛み合うことにより、上記のよう
に互に逆向きの回転トルクが生ずるとともに、傾斜面に
摩擦力が生ずるため、加工時に負荷トルクが衝撃的に変
動しても、上記互に逆向きの回転トルクと摩擦力との両
方に打ち勝つ変動が生じなければ歯車列にがたつきや回
転むらが生じない。また、万一、がたつきが生じた場合
でもフリクションダンパ効果により速やかに減衰させら
れる。耐衝撃性が高いのであり、したがって、ホブ等の
加工工具を駆動源により駆動する装置のように、負荷ト
ルクが特に衝撃的に変動する場合の回転伝達に噛み合い
クラッチを用いることにより有効にバックラッシを除去
することができ、加工精度を向上させることができる。
請求項3の考案に係る歯車加工装置においては、逆向き
トルク発生手段の構成が簡単となり、コスト低減が可能
となる特有の効果が得られる。また、第一歯車部と第二
歯車部との間の相対回転に伴って摩擦抵抗を生じさせる
場合には、駆動源を正逆いずれの方向に回転させても逆
向きのトルクが発生させられるため、駆動源の回転方向
に合わせてトルクの発生方向を調整する必要がない。さ
らに、摩擦抵抗発生手段により発生させられる摩擦抵抗
を大きくしても、第一歯車部と第二歯車部との相対回転
速度が小さいため、発熱が少なくて済む。このように摩
擦抵抗の発生によって逆向きのトルクを発生させる場合
にもフリクションダンパ効果が得られるが、噛み合いク
ラッチを用いる場合に比較すれば耐衝撃性が低く、加工
が施されるブランクを駆動する装置のように負荷トルク
の衝撃的変動が比較的小さい装置に適している。
工装置においては、複数の歯車を環状に噛み合わせ、各
歯車に逆向きの回転トルクを加えることにより、バック
ラッシを除去することができ、騒音を生ずることなく、
精度良く歯車の加工を行うことができる。請求項2の考
案に係る歯車加工装置においては、互に逆向きの回転ト
ルクが噛み合いクラッチの傾斜面の斜面の効果により発
生させられるようになっており、この逆向きの回転トル
クは歯車の停止中にも生じさせられている。したがっ
て、歯車加工装置の停止状態においても歯車材や加工工
具の位置が一義的に決まり、加工開始前の設定が容易と
なる特有の効果が得られる。また、一対のクラッチ部材
が傾斜面において互に噛み合うことにより、上記のよう
に互に逆向きの回転トルクが生ずるとともに、傾斜面に
摩擦力が生ずるため、加工時に負荷トルクが衝撃的に変
動しても、上記互に逆向きの回転トルクと摩擦力との両
方に打ち勝つ変動が生じなければ歯車列にがたつきや回
転むらが生じない。また、万一、がたつきが生じた場合
でもフリクションダンパ効果により速やかに減衰させら
れる。耐衝撃性が高いのであり、したがって、ホブ等の
加工工具を駆動源により駆動する装置のように、負荷ト
ルクが特に衝撃的に変動する場合の回転伝達に噛み合い
クラッチを用いることにより有効にバックラッシを除去
することができ、加工精度を向上させることができる。
請求項3の考案に係る歯車加工装置においては、逆向き
トルク発生手段の構成が簡単となり、コスト低減が可能
となる特有の効果が得られる。また、第一歯車部と第二
歯車部との間の相対回転に伴って摩擦抵抗を生じさせる
場合には、駆動源を正逆いずれの方向に回転させても逆
向きのトルクが発生させられるため、駆動源の回転方向
に合わせてトルクの発生方向を調整する必要がない。さ
らに、摩擦抵抗発生手段により発生させられる摩擦抵抗
を大きくしても、第一歯車部と第二歯車部との相対回転
速度が小さいため、発熱が少なくて済む。このように摩
擦抵抗の発生によって逆向きのトルクを発生させる場合
にもフリクションダンパ効果が得られるが、噛み合いク
ラッチを用いる場合に比較すれば耐衝撃性が低く、加工
が施されるブランクを駆動する装置のように負荷トルク
の衝撃的変動が比較的小さい装置に適している。
【0007】
【実施例】以下、本考案を、ホブ盤に適用した場合を例
に取り、図面に基づいて詳細に説明する。
に取り、図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】図1において10はベースである。ベース
10上にはホブユニット12およびテーブルユニット1
4が設けられ、ホブとブランクとがそれぞれ別々の駆動
装置によって回転させられるようになっている。まず、
ホブユニット12について説明する。ホブユニット12
は、ベース10上に水平方向に移動可能に設けられた第
一スライド18を有している。第一スライド18はベー
ス10上に設けられた一対のガイドレール20に摺動可
能に嵌合され、図示しない移動装置により移動させられ
る。第一スライド18には第二スライド22が上下方向
に移動可能に嵌合され、図示しない昇降装置により昇降
させられる。第二スライド22には、図2に示すフレー
ム24が固定されるとともに、駆動源としてのホブ駆動
用サーボモータ26がその回転軸線が水平面内において
第一スライド18の移動方向と直交する姿勢で取り付け
られており、その出力軸28には駆動歯車30がキー3
2によって相対回転不能に取り付けられている。
10上にはホブユニット12およびテーブルユニット1
4が設けられ、ホブとブランクとがそれぞれ別々の駆動
装置によって回転させられるようになっている。まず、
ホブユニット12について説明する。ホブユニット12
は、ベース10上に水平方向に移動可能に設けられた第
一スライド18を有している。第一スライド18はベー
ス10上に設けられた一対のガイドレール20に摺動可
能に嵌合され、図示しない移動装置により移動させられ
る。第一スライド18には第二スライド22が上下方向
に移動可能に嵌合され、図示しない昇降装置により昇降
させられる。第二スライド22には、図2に示すフレー
ム24が固定されるとともに、駆動源としてのホブ駆動
用サーボモータ26がその回転軸線が水平面内において
第一スライド18の移動方向と直交する姿勢で取り付け
られており、その出力軸28には駆動歯車30がキー3
2によって相対回転不能に取り付けられている。
【0009】駆動歯車30には第一中間歯車34が噛み
合わされている。第一中間歯車34は、フレーム24に
より軸受36,38を介して回転可能に支持された第一
支持軸40に取り付けられており、第一中間歯車34に
は第二中間歯車42が噛み合わされている。第二中間歯
車42は、フレーム24により軸受43,44を介して
回転可能に、かつ第一支持軸40と平行に支持された第
二支持軸46に取り付けられている。第二中間歯車42
は一体に形成された大径歯車部47と小径歯車部48と
を有しており、大径歯車部47において第一中間歯車3
4と噛み合う一方、小径歯車部48において被駆動歯車
50と噛み合っている。これら第一および第二中間歯車
34,42が主中間歯車列51を構成している。
合わされている。第一中間歯車34は、フレーム24に
より軸受36,38を介して回転可能に支持された第一
支持軸40に取り付けられており、第一中間歯車34に
は第二中間歯車42が噛み合わされている。第二中間歯
車42は、フレーム24により軸受43,44を介して
回転可能に、かつ第一支持軸40と平行に支持された第
二支持軸46に取り付けられている。第二中間歯車42
は一体に形成された大径歯車部47と小径歯車部48と
を有しており、大径歯車部47において第一中間歯車3
4と噛み合う一方、小径歯車部48において被駆動歯車
50と噛み合っている。これら第一および第二中間歯車
34,42が主中間歯車列51を構成している。
【0010】被駆動歯車50は、フレーム24およびブ
ラケット53(図1参照)によってホブ駆動用サーボモ
ータ26の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に支
持されたスピンドル52にキー54により相対回転不能
に取り付けられている。スピンドル52には、図1に示
すように加工工具としてのホブ56が相対回転不能に取
り付けられ、ホブ駆動用サーボモータ26の回転が駆動
歯車30,主中間歯車列51および被駆動歯車50を介
してホブ56に伝達される。
ラケット53(図1参照)によってホブ駆動用サーボモ
ータ26の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に支
持されたスピンドル52にキー54により相対回転不能
に取り付けられている。スピンドル52には、図1に示
すように加工工具としてのホブ56が相対回転不能に取
り付けられ、ホブ駆動用サーボモータ26の回転が駆動
歯車30,主中間歯車列51および被駆動歯車50を介
してホブ56に伝達される。
【0011】前記駆動歯車30には、第一中間歯車34
とは軸心方向にずれた位置において第一補助歯車60が
噛み合わされている。第一補助歯車60は第一中間歯車
34と同径の歯車であり、回転軸線と直交する第一歯車
部61と第二歯車部62とに分割されている。第一,第
二歯車部61,62は共に第一支持軸40に回転可能に
嵌合され、第一中間歯車34と同心に回転するようにさ
れている。第一歯車部61と第二歯車部62との互に対
向する側にはそれぞれ、クラッチ部材64,65が一体
に形成されている。クラッチ部材64,65は三角形状
の複数の歯66,67が歯車部61,62の回転軸線を
中心とする円筒部の端面に形成されたものであり、これ
らクラッチ部材64,65が噛み合いクラッチ68を構
成している。
とは軸心方向にずれた位置において第一補助歯車60が
噛み合わされている。第一補助歯車60は第一中間歯車
34と同径の歯車であり、回転軸線と直交する第一歯車
部61と第二歯車部62とに分割されている。第一,第
二歯車部61,62は共に第一支持軸40に回転可能に
嵌合され、第一中間歯車34と同心に回転するようにさ
れている。第一歯車部61と第二歯車部62との互に対
向する側にはそれぞれ、クラッチ部材64,65が一体
に形成されている。クラッチ部材64,65は三角形状
の複数の歯66,67が歯車部61,62の回転軸線を
中心とする円筒部の端面に形成されたものであり、これ
らクラッチ部材64,65が噛み合いクラッチ68を構
成している。
【0012】前記第一支持軸40の第二歯車部62とフ
レーム24との間の部分には、付勢手段としての皿ばね
70が嵌合され、第二歯車部62を第一歯車部61に接
近する向きに付勢している。それにより歯66と67と
が互に噛み合わされ、歯66,67のそれぞれ傾斜した
歯面の斜面の効果により、第一歯車部61と第二歯車部
62とには互に逆向きの回転トルクが発生させられてい
る。クラッチ部材64,65,皿ばね70が逆向きトル
ク発生手段を構成しているのであり、回転トルクは第
一,第二歯車部61,62が回転していない状態でも作
用している。
レーム24との間の部分には、付勢手段としての皿ばね
70が嵌合され、第二歯車部62を第一歯車部61に接
近する向きに付勢している。それにより歯66と67と
が互に噛み合わされ、歯66,67のそれぞれ傾斜した
歯面の斜面の効果により、第一歯車部61と第二歯車部
62とには互に逆向きの回転トルクが発生させられてい
る。クラッチ部材64,65,皿ばね70が逆向きトル
ク発生手段を構成しているのであり、回転トルクは第
一,第二歯車部61,62が回転していない状態でも作
用している。
【0013】歯66の互に逆向きの2個の歯面と歯67
の互に逆向きの2個の歯面とのいずれを噛み合わせるか
は、ホブ56の回転方向によって決められる。歯66の
逆向きの2個の歯面と歯67の逆向きの2個の歯面との
いずれを噛み合わせても逆向きの回転トルクは発生する
が、いずれを噛み合わせるかで発生する回転トルクの向
きが逆になる。したがって、歯切り時にホブ56に作用
する切削抵抗に基づいて駆動歯車30,第一中間歯車3
4,第二中間歯車42および被駆動歯車50の各々の歯
が互に当接する側の歯面を当接させる向きの回転トルク
が生じるように歯66,67の噛合い歯面が決定される
のである。
の互に逆向きの2個の歯面とのいずれを噛み合わせるか
は、ホブ56の回転方向によって決められる。歯66の
逆向きの2個の歯面と歯67の逆向きの2個の歯面との
いずれを噛み合わせても逆向きの回転トルクは発生する
が、いずれを噛み合わせるかで発生する回転トルクの向
きが逆になる。したがって、歯切り時にホブ56に作用
する切削抵抗に基づいて駆動歯車30,第一中間歯車3
4,第二中間歯車42および被駆動歯車50の各々の歯
が互に当接する側の歯面を当接させる向きの回転トルク
が生じるように歯66,67の噛合い歯面が決定される
のである。
【0014】第二歯車部62には、第二補助歯車74が
噛み合わされている。第二補助歯車74は大径歯車部7
5と小径歯車部76とを一体に備えた歯車であり、第二
支持軸46に回転可能に嵌合されている。第二補助歯車
74は大径歯車部75において第二歯車部62に噛み合
う一方、小径歯車部76において、前記被駆動歯車50
に、前記第二中間歯車42の小径歯車部48とは軸心方
向にずれた位置において噛み合わされている。これら第
一および第二補助歯車60,74が副中間歯車列78を
構成し、前記駆動歯車30,被駆動歯車50および主中
間歯車列51と共に環状歯車列を形成している。
噛み合わされている。第二補助歯車74は大径歯車部7
5と小径歯車部76とを一体に備えた歯車であり、第二
支持軸46に回転可能に嵌合されている。第二補助歯車
74は大径歯車部75において第二歯車部62に噛み合
う一方、小径歯車部76において、前記被駆動歯車50
に、前記第二中間歯車42の小径歯車部48とは軸心方
向にずれた位置において噛み合わされている。これら第
一および第二補助歯車60,74が副中間歯車列78を
構成し、前記駆動歯車30,被駆動歯車50および主中
間歯車列51と共に環状歯車列を形成している。
【0015】次に、テーブルユニット14について説明
する。テーブルユニット14は、図1に示すように、ベ
ース10に上下方向の軸線まわりに回転可能に支持され
た駆動装置としてのテーブル駆動用サーボモータ84を
有している。このサーボモータ84の出力軸86には、
図3に示すように駆動歯車88が相対回転不能に取り付
けられており、駆動歯車88には、図1に示すように中
間歯車90が噛み合わされている。中間歯車90は、大
径歯車部91と小径歯車部92とを一体に備えており、
ベース10により上下方向の軸線まわりに回転可能に支
持された図示しない支持軸に取り付けられている。中間
歯車90は大径歯車部91において駆動歯車88と噛み
合う一方、小径歯車部92において被駆動歯車としての
マスタ歯車94と噛み合っている。中間歯車90が単独
で主中間歯車列95を構成しているのである。
する。テーブルユニット14は、図1に示すように、ベ
ース10に上下方向の軸線まわりに回転可能に支持され
た駆動装置としてのテーブル駆動用サーボモータ84を
有している。このサーボモータ84の出力軸86には、
図3に示すように駆動歯車88が相対回転不能に取り付
けられており、駆動歯車88には、図1に示すように中
間歯車90が噛み合わされている。中間歯車90は、大
径歯車部91と小径歯車部92とを一体に備えており、
ベース10により上下方向の軸線まわりに回転可能に支
持された図示しない支持軸に取り付けられている。中間
歯車90は大径歯車部91において駆動歯車88と噛み
合う一方、小径歯車部92において被駆動歯車としての
マスタ歯車94と噛み合っている。中間歯車90が単独
で主中間歯車列95を構成しているのである。
【0016】図3に示すように、ベース10上にはスリ
ーブ96が立設されるとともに、スリーブ96には軸受
98,100を介してテーブル軸102が回転可能に支
持されており、マスタ歯車94はテーブル軸102の下
端部に相対回転不能に取り付けられている。テーブル軸
102の上端部はスリーブ96から突出させられるとと
もに、図1に示すように、テーブル軸上端部104には
歯車材としてのブランク106が取り付けられる。
ーブ96が立設されるとともに、スリーブ96には軸受
98,100を介してテーブル軸102が回転可能に支
持されており、マスタ歯車94はテーブル軸102の下
端部に相対回転不能に取り付けられている。テーブル軸
102の上端部はスリーブ96から突出させられるとと
もに、図1に示すように、テーブル軸上端部104には
歯車材としてのブランク106が取り付けられる。
【0017】駆動歯車88には、図3に示すように、補
助歯車108が噛み合わされている。補助歯車108
は、中間歯車90と同様に大径歯車部と小径歯車部とを
一体に備えた歯車が回転軸線と直交する平面によって二
分割され、大径歯車部が第一歯車部109,小径歯車部
が第二歯車部110とされたものである。第一歯車部1
09は、ベース10により軸受112,114を介して
回転可能に支持された支持軸116の下端部に一体に設
けられ、中間歯車90の大径歯車部91より歯数が数個
多くされている。第二歯車部110は中間歯車90の小
径歯車部92と同数の歯を有し、支持軸116に回転可
能に嵌合されている。第二歯車部110の第一歯車部1
09側には摩擦板118が一体的に設けられている。摩
擦板118の第一歯車部109と対向する面には、支持
軸116の軸心を中心とする円環状の摩擦材120が固
定されている。支持軸116の第二歯車部110から突
出した端部には小径の軸部126およびねじ部128が
形成され、スラスト軸受130および付勢手段としての
皿ばね132が嵌合されるとともにナット134が螺合
されている。皿ばね132はスラスト軸受130を介し
て第二歯車部110を第一歯車部109側に付勢し、摩
擦板118の摩擦材120を第一歯車部109に押圧し
ており、中間歯車90の第一歯車部91と補助歯車10
8の第一歯車部109とに歯数の差が付けられているこ
とと共同して逆向きトルク発生手段を構成している。
助歯車108が噛み合わされている。補助歯車108
は、中間歯車90と同様に大径歯車部と小径歯車部とを
一体に備えた歯車が回転軸線と直交する平面によって二
分割され、大径歯車部が第一歯車部109,小径歯車部
が第二歯車部110とされたものである。第一歯車部1
09は、ベース10により軸受112,114を介して
回転可能に支持された支持軸116の下端部に一体に設
けられ、中間歯車90の大径歯車部91より歯数が数個
多くされている。第二歯車部110は中間歯車90の小
径歯車部92と同数の歯を有し、支持軸116に回転可
能に嵌合されている。第二歯車部110の第一歯車部1
09側には摩擦板118が一体的に設けられている。摩
擦板118の第一歯車部109と対向する面には、支持
軸116の軸心を中心とする円環状の摩擦材120が固
定されている。支持軸116の第二歯車部110から突
出した端部には小径の軸部126およびねじ部128が
形成され、スラスト軸受130および付勢手段としての
皿ばね132が嵌合されるとともにナット134が螺合
されている。皿ばね132はスラスト軸受130を介し
て第二歯車部110を第一歯車部109側に付勢し、摩
擦板118の摩擦材120を第一歯車部109に押圧し
ており、中間歯車90の第一歯車部91と補助歯車10
8の第一歯車部109とに歯数の差が付けられているこ
とと共同して逆向きトルク発生手段を構成している。
【0018】第一歯車部109と第二歯車部110とか
ら成る補助歯車108が単独で副中間歯車列136を構
成し、前記駆動歯車88,マスタ歯車94および主中間
歯車列95と共に環状歯車列を形成している。
ら成る補助歯車108が単独で副中間歯車列136を構
成し、前記駆動歯車88,マスタ歯車94および主中間
歯車列95と共に環状歯車列を形成している。
【0019】次に作動を説明する。ホブ56によってブ
ランク106に歯を形成する場合には、ブランク106
がテーブル軸上端部104にセットされた後、第一スラ
イド18の移動によりホブ56がブランク106に接近
させられ、それらの軸線の水平方向における相対位置が
決められた後、テーブル軸102の回転によってブラン
ク106が回転させられるとともに、ホブ56が回転さ
せられつつ、第二スライド22の移動によって下から上
へ(あるいは上から下へ)送られ、ブランク106に歯
を形成する。ホブ56の1回転とブランク106の1歯
分の回転とが同期させられており、ホブ56の回転,送
りおよびブランク106の回転により歯が形成される。
ランク106に歯を形成する場合には、ブランク106
がテーブル軸上端部104にセットされた後、第一スラ
イド18の移動によりホブ56がブランク106に接近
させられ、それらの軸線の水平方向における相対位置が
決められた後、テーブル軸102の回転によってブラン
ク106が回転させられるとともに、ホブ56が回転さ
せられつつ、第二スライド22の移動によって下から上
へ(あるいは上から下へ)送られ、ブランク106に歯
を形成する。ホブ56の1回転とブランク106の1歯
分の回転とが同期させられており、ホブ56の回転,送
りおよびブランク106の回転により歯が形成される。
【0020】ホブユニット12においてホブ駆動用サー
ボモータ26の回転が駆動歯車30,主中間歯車列51
および被駆動歯車50を介してホブ56に伝達されるの
であるが、この際、ホブ56は切削抵抗に抗して回転さ
せられることが必要であり、そのために互に当接すべき
歯面は決まっている。そして、これらの歯面は、前述の
ように、噛み合いクラッチ68によって発生させられ、
副中間歯車列78によって駆動歯車30と被駆動歯車5
0とにそれぞれ伝達される回転トルクによって積極的に
押し付けられている。したがって、ホブ56に作用する
切削抵抗の変動等に起因して、互に当接している歯面を
離間させる向きの回転トルクが歯車に加えられても、そ
れによって実際に歯面が離間することはない。バックラ
ッシの存在に基づく歯車のがたつきが防止されるのであ
る。
ボモータ26の回転が駆動歯車30,主中間歯車列51
および被駆動歯車50を介してホブ56に伝達されるの
であるが、この際、ホブ56は切削抵抗に抗して回転さ
せられることが必要であり、そのために互に当接すべき
歯面は決まっている。そして、これらの歯面は、前述の
ように、噛み合いクラッチ68によって発生させられ、
副中間歯車列78によって駆動歯車30と被駆動歯車5
0とにそれぞれ伝達される回転トルクによって積極的に
押し付けられている。したがって、ホブ56に作用する
切削抵抗の変動等に起因して、互に当接している歯面を
離間させる向きの回転トルクが歯車に加えられても、そ
れによって実際に歯面が離間することはない。バックラ
ッシの存在に基づく歯車のがたつきが防止されるのであ
る。
【0021】テーブルユニット14においては、テーブ
ル駆動用サーボモータ84の回転が駆動歯車88,主中
間歯車列95およびマスタ歯車94によりテーブル軸1
02に伝達され、ブランク106が回転させられる。ま
た、駆動歯車88により第一歯車部109が回転させら
れ、この第一歯車部109と摩擦係合している第二歯車
部110も回転する。この際、第二歯車部110の歯数
が中間歯車90の小径歯車部92の歯数と等しくされて
いるのに対し、第一歯車部109の歯数が中間歯車90
の大径歯車部91の歯数より多くされているため、第一
歯車部109の回転速度が第二歯車部110の回転速度
より小さくなり、第二歯車部110と第一歯車部109
との間にすべりが生じる。
ル駆動用サーボモータ84の回転が駆動歯車88,主中
間歯車列95およびマスタ歯車94によりテーブル軸1
02に伝達され、ブランク106が回転させられる。ま
た、駆動歯車88により第一歯車部109が回転させら
れ、この第一歯車部109と摩擦係合している第二歯車
部110も回転する。この際、第二歯車部110の歯数
が中間歯車90の小径歯車部92の歯数と等しくされて
いるのに対し、第一歯車部109の歯数が中間歯車90
の大径歯車部91の歯数より多くされているため、第一
歯車部109の回転速度が第二歯車部110の回転速度
より小さくなり、第二歯車部110と第一歯車部109
との間にすべりが生じる。
【0022】このすべりの発生に伴う摩擦力は第二歯車
部110の回転を抑制する向きに作用し、その結果、マ
スタ歯車94にはそれの回転を抑制する向きの回転トル
クが加えられる。また、この摩擦力は第一歯車部109
の回転を促進する向きに作用し、駆動歯車88にはその
回転を促進する向きの回転トルクが加えられる。これら
互に逆向きの回転トルクにより、駆動歯車88,中間歯
車90およびマスタ歯車94の各歯の互に反対向きの歯
面の一方同士が積極的に当接させられ、実際にはバック
ラッシが存在するにもかかわらず、実質的にはバックラ
ッシがないのと同じこととなる。しかも、この互に当接
させられる歯面同士は、テーブル駆動用サーボモータ8
4がテーブル軸102の回転抵抗に抗してテーブル軸1
02を回転させる際に互に当接させられる歯面と同じで
あるため、加工時にもこの状態が安定に維持される。
部110の回転を抑制する向きに作用し、その結果、マ
スタ歯車94にはそれの回転を抑制する向きの回転トル
クが加えられる。また、この摩擦力は第一歯車部109
の回転を促進する向きに作用し、駆動歯車88にはその
回転を促進する向きの回転トルクが加えられる。これら
互に逆向きの回転トルクにより、駆動歯車88,中間歯
車90およびマスタ歯車94の各歯の互に反対向きの歯
面の一方同士が積極的に当接させられ、実際にはバック
ラッシが存在するにもかかわらず、実質的にはバックラ
ッシがないのと同じこととなる。しかも、この互に当接
させられる歯面同士は、テーブル駆動用サーボモータ8
4がテーブル軸102の回転抵抗に抗してテーブル軸1
02を回転させる際に互に当接させられる歯面と同じで
あるため、加工時にもこの状態が安定に維持される。
【0023】このように本実施例のホブ盤においては、
ホブ56とテーブル軸102とがそれぞれ別々の駆動装
置によって回転させられるが、各駆動装置においてそれ
ぞれ歯車のバックラッシが実質的に除去されるようにな
っており、騒音が低減するとともに、回転の同期誤差の
発生が回避され、ブランク106を精度良く加工するこ
とができる。
ホブ56とテーブル軸102とがそれぞれ別々の駆動装
置によって回転させられるが、各駆動装置においてそれ
ぞれ歯車のバックラッシが実質的に除去されるようにな
っており、騒音が低減するとともに、回転の同期誤差の
発生が回避され、ブランク106を精度良く加工するこ
とができる。
【0024】また、テーブルユニット14においては、
摩擦板118を第一歯車部109に押し付ける押圧力を
調節することにより、第一歯車部109と第二歯車部1
10との間に生ずる逆向きの回転トルクの大きさを調節
することができる。皿ばね132を支持軸116に取り
付けるためのナット134のねじ部128への螺合量を
調節し、皿ばね132の押圧力を調節するのである。
摩擦板118を第一歯車部109に押し付ける押圧力を
調節することにより、第一歯車部109と第二歯車部1
10との間に生ずる逆向きの回転トルクの大きさを調節
することができる。皿ばね132を支持軸116に取り
付けるためのナット134のねじ部128への螺合量を
調節し、皿ばね132の押圧力を調節するのである。
【0025】なお、ホブユニット12においては、皿ば
ね70が第二歯車部62を第一歯車部61に押し付ける
押圧力が調節されるようになっていないが、テーブルユ
ニット14におけると同様にナットを用いて皿ばね70
を第一支持軸40に取り付け、ナットの螺合量の調節に
より皿ばね70の押圧力を調節するようにしてもよい。
ね70が第二歯車部62を第一歯車部61に押し付ける
押圧力が調節されるようになっていないが、テーブルユ
ニット14におけると同様にナットを用いて皿ばね70
を第一支持軸40に取り付け、ナットの螺合量の調節に
より皿ばね70の押圧力を調節するようにしてもよい。
【0026】また、図4に示すように、圧力空気の供給
により第二歯車部62を第一歯車部61側へ付勢すると
ともに、圧力の調節によってクラッチ部材64,65の
押付け力を調節しても、発生トルクの大きさを調節する
ことができる。第一支持軸40の第二歯車部62とフレ
ーム24との間の部分には、空気圧シリンダ140が設
けられている。空気圧シリンダ140は、第一支持軸4
0に固定のピストン142と、そのピストン142と第
一支持軸40とに軸方向に移動可能にかつ気密に嵌合さ
れたシリンダ本体144とを有し、シリンダ本体144
の底面が第二歯車部62に当接させられている。
により第二歯車部62を第一歯車部61側へ付勢すると
ともに、圧力の調節によってクラッチ部材64,65の
押付け力を調節しても、発生トルクの大きさを調節する
ことができる。第一支持軸40の第二歯車部62とフレ
ーム24との間の部分には、空気圧シリンダ140が設
けられている。空気圧シリンダ140は、第一支持軸4
0に固定のピストン142と、そのピストン142と第
一支持軸40とに軸方向に移動可能にかつ気密に嵌合さ
れたシリンダ本体144とを有し、シリンダ本体144
の底面が第二歯車部62に当接させられている。
【0027】ピストン142とシリンダ本体144との
間には空気室146が形成され、第一支持軸40内に形
成された空気通路148および配管150によって空気
供給源152に接続されており、空気室146に空気が
圧送されることによりシリンダ本体144が第二歯車部
62を第一歯車部61側へ押すようにされている。この
圧力を増減させることによって第二歯車部62の押圧力
を増減させることができる。なお、シリンダは空気によ
って作動するものに限らず、油等、他の流体によって作
動するものとしてもよい。
間には空気室146が形成され、第一支持軸40内に形
成された空気通路148および配管150によって空気
供給源152に接続されており、空気室146に空気が
圧送されることによりシリンダ本体144が第二歯車部
62を第一歯車部61側へ押すようにされている。この
圧力を増減させることによって第二歯車部62の押圧力
を増減させることができる。なお、シリンダは空気によ
って作動するものに限らず、油等、他の流体によって作
動するものとしてもよい。
【0028】また、テーブルユニット14において皿ば
ね132に代えて流体圧シリンダを設け、発生トルクの
調節を行うようにしてもよい。
ね132に代えて流体圧シリンダを設け、発生トルクの
調節を行うようにしてもよい。
【0029】さらに、上記実施例において、副中間歯車
列を構成する歯車が第一,第二歯車部から成るものとさ
れていたが、主中間歯車列を構成する歯車、駆動歯車あ
るいは被駆動歯車を第一,第二歯車部から成るものとし
てもよい。
列を構成する歯車が第一,第二歯車部から成るものとさ
れていたが、主中間歯車列を構成する歯車、駆動歯車あ
るいは被駆動歯車を第一,第二歯車部から成るものとし
てもよい。
【0030】また、上記実施例においてはホブユニット
12およびテーブルユニット14のいずれにおいても、
出力軸はスピンドル52,テーブル軸102の1つずつ
とされていたが、出力軸を多数有する歯車列のバックラ
ッシを除去する場合にも本考案を適用することができ
る。主中間歯車列を構成する歯車の少なくとも一つに出
力軸を固定したものがその実施例に相当する。
12およびテーブルユニット14のいずれにおいても、
出力軸はスピンドル52,テーブル軸102の1つずつ
とされていたが、出力軸を多数有する歯車列のバックラ
ッシを除去する場合にも本考案を適用することができ
る。主中間歯車列を構成する歯車の少なくとも一つに出
力軸を固定したものがその実施例に相当する。
【0031】さらに、上記実施例においては副中間歯車
列を構成する歯車の種類や数が主中間歯車列と同じにさ
れていたが、異ならせることも可能であり、主中間歯車
列の歯車ほど強度を必要としないため、合成樹脂等によ
って製作することも可能である。
列を構成する歯車の種類や数が主中間歯車列と同じにさ
れていたが、異ならせることも可能であり、主中間歯車
列の歯車ほど強度を必要としないため、合成樹脂等によ
って製作することも可能である。
【0032】また、上記実施例においては、スピンドル
52とテーブル軸102とはそれぞれ別々に駆動され、
別々の手段によってバックラッシが除去されるようにな
っていたが、両者が共通の駆動源によって駆動される歯
車加工装置にも本考案を適用することができる。
52とテーブル軸102とはそれぞれ別々に駆動され、
別々の手段によってバックラッシが除去されるようにな
っていたが、両者が共通の駆動源によって駆動される歯
車加工装置にも本考案を適用することができる。
【0033】さらにまた、本考案は、加工工具が往復動
させられて歯車を形成するギヤシェーパや、形成された
歯を研削する研削盤等にも適用することができる。
させられて歯車を形成するギヤシェーパや、形成された
歯を研削する研削盤等にも適用することができる。
【0034】その他、実用新案登録請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本考案を実施することができる。
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本考案を実施することができる。
【図1】本考案の一実施例であるホブ盤の斜視図であ
る。
る。
【図2】上記ホブ盤を構成するホブユニットを示す正面
断面図である。
断面図である。
【図3】上記ホブ盤を構成するテーブルユニットを示す
正面断面図である。
正面断面図である。
【図4】本考案の別の実施例であるホブ盤における発生
トルク調節機構を示す図である。
トルク調節機構を示す図である。
12 ホブユニット 14 テーブルユニット 26 ホブ駆動用サーボモータ 30 駆動歯車 34 第一中間歯車 42 第二中間歯車 50 被駆動歯車 51 主中間歯車列 56 ホブ 60 第一補助歯車 61 第一歯車部 62 第二歯車部 64 クラッチ部材 65 クラッチ部材 66 歯 67 歯 68 噛み合いクラッチ 70 皿ばね 74 第二補助歯車 78 副中間歯車列 84 テーブル駆動用サーボモータ 88 駆動歯車 90 中間歯車 94 マスタ歯車 95 主中間歯車列 108 補助歯車 109 第一歯車部 110 第二歯車部 132 皿ばね 136 副中間歯車列
Claims (3)
- 【請求項1】 歯車材とその歯車材を機械加工する加工
工具との少なくとも一方を、その少なくとも一方と一体
的に固定される被駆動歯車と、駆動源の出力軸に一体的
に固定された駆動歯車と、少なくとも1個の中間歯車を
含んで前記駆動歯車の回転を前記被駆動歯車に伝達する
中間歯車列とを介して前記駆動源により駆動しつつ、加
工工具によって歯車材を加工する歯車加工装置におい
て、前記駆動歯車と被駆動歯車との間に、主中間歯車列
としての前記中間歯車列と並列に、少なくとも1個の中
間歯車を含む副中間歯車列を設けることにより、それら
駆動歯車,主中間歯車列,被駆動歯車および副中間歯車
列から成る環状歯車列を形成するとともに、その環状歯
車列に属する歯車の一つを、互に同軸で相対回転可能な
第一歯車部と第二歯車部とから成るものとし、それら両
歯車部の各々をそれぞれ異なる隣接歯車と噛み合わせ、
かつ、第一歯車部と第二歯車部との間に、少なくとも歯
車の加工中は両歯車部に互に逆向きの回転トルクを生じ
続けさせる逆向きトルク発生手段を設けたことを特徴と
する歯車加工装置。 - 【請求項2】 前記第一歯車部と第二歯車部とが噛み合
いクラッチにより連結され、その噛み合いクラッチを構
成する一対のクラッチ部材が、それらクラッチ部材の軸
方向に対して傾斜した傾斜面において互に噛み合わされ
るとともに、それらクラッチ部材が付勢手段により互に
接近する向きに付勢されており、それら噛み合いクラッ
チおよび付勢手段によって前記逆向きトルク発生手段が
構成されている請求項1記載の歯車加工装置。 - 【請求項3】 前記環状歯車列に属する各歯車の歯数
が、前記第一歯車部と第二歯車部との間に相対回転が生
じる歯数に決められているとともに、それら両歯部の相
対回転に伴って摩擦抵抗を生じさせる摩擦抵抗発生手段
が設けられており、それらのことによって前記逆向きト
ルク発生手段が構成されている請求項1記載の歯車加工
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991087099U JP2526447Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 歯車加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991087099U JP2526447Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 歯車加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0529630U JPH0529630U (ja) | 1993-04-20 |
JP2526447Y2 true JP2526447Y2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=13905507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991087099U Expired - Lifetime JP2526447Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 歯車加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2526447Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112720022A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-30 | 天水星火机床有限责任公司 | 一种卧式车床纵向进给双齿轮消隙减速装置 |
CN114932434A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-08-23 | 高银海 | 一种可旋转式齿轮内径定位工装 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60238227A (ja) * | 1984-05-09 | 1985-11-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ホブ盤 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP1991087099U patent/JP2526447Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0529630U (ja) | 1993-04-20 |
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