JP2525816B2 - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JP2525816B2
JP2525816B2 JP62147906A JP14790687A JP2525816B2 JP 2525816 B2 JP2525816 B2 JP 2525816B2 JP 62147906 A JP62147906 A JP 62147906A JP 14790687 A JP14790687 A JP 14790687A JP 2525816 B2 JP2525816 B2 JP 2525816B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は超音波を用いて生体内を治療する装置に関す
る。
(従来の技術) 従来、腎結石、尿管結石等に代表される体内の病変部
の治療は、外科手術が主で、長い入院や術後の安静が必
要であり、また、同じ部位を再度手術する事は不可能で
あった。これを解決するため、皮膚に穴をあけ、体外か
ら管を通し、それを利用して結石を破砕除去する。経皮
的石砕術等が開発されたが、患者への侵襲については今
だ問題が残っている。
このような生体内を治療する一技術として、最近注目
を集めている方法に体外衝撃波結石破砕術がある。これ
は、体内で発生させた衝撃波を体内の結石に収束させ結
石を破砕し、その後自然排出させようというものであ
る。
その衝撃波源には様々なものが考えられている。最初
に用いられたのが放電電極と回転 円体反射鏡を組み合
せたものである。これは、回転 円体の第1焦点に放電
電極のギャップを置きここで衝撃波を発生させると反射
鏡で反射し、第2焦点の位置に収束する。この位置に結
石を配置すれば良い。しかし、この方法では、高電圧放
電による電極の摩耗が起こり頻煩な電極の交換が必要と
なる。このため、治療費が高価になるという問題があっ
た。
この次に考えられたのが、超音波振動子を用いる方法
である。これは、大型の凹面振動子または、大型の凹面
状の型の内側に直径2cm程度の小型振動子を数百個貼り
付けたものを同時に大電圧駆動する事により収末点に大
音圧を発生させる方法である。
この方法によれば消耗品がないため、結果的に安価な
装置が可能となる。また駆動信号を変える事により、比
較的容易に破砕用衝撃波をコントロール可能で、非常に
有効な方法と考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしこの方法にもいくつか問題がある。圧電振動子
からの出力には限界があり、どうしても大面積からの収
束が必要となる。しかし、大面積の単板凹面振動子の製
作は困難であり、また多数の小型振動子を用いる場合に
は、製作が頻煩である。さらに複数振動子の同時駆動の
場合、単に幾何的に焦点をあわせても製作精度や、電気
回路のずれにより、各振動子から焦点までの超音波パル
スの到達時間に差ができるため、完全に各超音波パルス
のピークを重畳する事が出来なくなり最大の効率が得ら
れない。また、たとえ均一媒体中で到達時間が一致して
いたとしても生体内のように音速の不均一媒体を通過す
ると、個々の振動子からの音波の到達時間に差が出来、
これを調整する方法はなかった。
本発明は上記従来例に鑑み、破砕用超音波トランス
サ製作の困難さ、煩雑さを解決するとともに、複数振
動子の同時駆動の際、超音波パルスが焦点まで届く到達
時間を同じにして生体内の治療効率を向上させる事を特
徴とする。
〔発明の構成〕
(問題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の装置は各々の超
音波収束焦点が一致するよう設置された複数の振動子
と、各振動子を所定のタイミングで駆動する駆動手段
と、各振動子を駆動するための駆動手段のタイミングを
制御する手段とを備えたことを特徴とする。また上記構
成の他に更に複数の振動子の中から選択された振動子を
駆動手段が駆動させた時に複数の振動子の少なくとも一
つにより受信された受信信号のピーク値を検出するピー
ク値検出手段と、このピーク値検出手段の出力に基づい
て、各振動子を駆動するための駆動手段のタイミングを
制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。更に、
複数の振動子それぞれの位置を可変する位置可変手段を
備えて、複数の振動子の中から選択された振動子を駆動
手段が駆動させた時に複数の振動子の少なくとも一つに
より受信される受信信号のピーク値を検出するピーク値
検出手段と、このピーク値検出手段の出力に基づいて、
位置可変手段が各振動子を駆動するための駆動手段のタ
イミングの内少なくとも一方を制御する制御手段とを備
えたことを特徴とする。
(作用) 各振動子は、各々の駆動回路からの駆動信号により同
じ焦点に向い強力な超音波パルスを照射する。ここで駆
動回路の出力はトリガ回路からのトリガパルスが入った
タイミングで送信される。このタイミングは遅延回路に
設定された、遅延時間で決定される。この遅延時間を適
切に設定する事により各振動子よりの超音波パルスは同
じタイミングで焦点に到達し、重畳される。
また、前記第2の構成では1つの送信チャネルを基準
にし、他の1つの送信チャンネルを調整チャンネルとし
て選択し、同時に2つの振動子を駆動する。そして、振
動子の内の1つを受信用として用い、その受信信号のピ
ークを検出する。ここで調整チャンネルの遅延回路の遅
延時間を順次変えて行き、受信信号のピークが最大とな
る値にセットする。これで1チャンネルの調整を終え、
調整チャンネルを他に変える。次の調整チャンネルと基
準チャンネルとの間で同じ事が繰り返され、すべてのチ
ャンネルのタイミング調整を行う。その後、すべての振
動子が、設定されたタイミングで同時に駆動されると、
焦点ですべての超音波パルスが同じタイミングで到達
し、重畳される。
さらに前記第3の構成では、まず駆動されるチャンネ
ルが選択され、各チャンネルが1つずつ駆動される。こ
の時、駆動されたチャンネルで超音波パルスを送信し、
反射信号を受信し、ピークを検出する。そしてこのピー
ク値が最大となるように保持する手段を駆動し、その位
置に固定保持する。これを全チャンネルに対し行う。そ
れが終ると前記第2の構成と同じ動作を行い、最高の効
率で各超音波パルスが重畳される事になる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。第1図
に本発明の実施例を示す。
超音波振動子11a〜cは各々同一の曲率を持つ凹面振
動子で、各々の焦点が同一の焦点15に一致するように、
水中のような均一媒体中で調整され配置されている。但
し、ここで各々の振動子の焦点というのは、曲率によっ
て決まる幾何焦点ではなく、曲率と、開口、波長等によ
って決まる音圧のピーク点を示しており、両者は必ずし
も一致しない事が知られている。特に開口に対し曲率が
大きくなるほどその傾向は大きく、音圧ピーク点は幾何
焦点の手前にずれる。このため、各々の振動子表面は同
一球面の一部を成さない事が多い。また該振動子は体内
の結石位置(およそ深さ5〜15cm)において十分の焦点
を結ばせるため、一枚の面積が15cm2以上になってい
る。また、各々の駆動信号は以下のように発生される。
まずトリが回路12よりトリガパルスが送信される。この
パルスは、各々の振動子の遅延回路13a〜cに入り、各
々で設定された遅延時間後、駆動回路14a〜cに入る。
駆動回路14a〜cは、このパルスを受けると、振動子に
駆動パルスを送信する。第2図に遅延回路13a〜c未調
整時の焦点15での受信波形を示す。それぞれ11a、11b、
11c単独に駆動した時の受信波形と、3つ同時に駆動し
た時の受信波形である。同時駆動では、それぞれの波形
を重畳した波形が受信される。もし、治療対象の結石が
弱く、単独駆動時のピーク音圧が破壊応力の國値を越し
ていれば遅延回路13a〜cの調整の必要はなく、この状
態で破砕が可能であるが、通常の結石は非常に強く、容
易に破壊されないため、各波の重畳が必要となる。そこ
で遅延回路13a〜cを調整する事により、3つの音波は
焦点15においてタイミングが合い、単独のピーク音圧の
3倍が得られる。実際の調整方法としては、水のような
均一媒質中に振動子群11a〜cを入れ焦点15の位置にハ
イドロホンを置き各々の振動子を単独に駆動させ、第2
図のデータを測定して、遅延時間を設定する。ここでタ
イミング合せの基準にしたチャンネルでは遅延回路がな
くても良い。
上記実施例により均一媒質中のタイミング合せは可能
となる。しかし生体内は、音速が不均一であり、部位、
臓器により音速に差がある。このため、複数の音波の経
路で違う音速部位を通った場合、上記実施例では調整し
きれないこともある。そこで不均質媒体内でもタイミン
グ合せの可能な実施例を以下に示す。
第3図にその構成図を示す。
図中21〜24は、第1図の11〜14と同じものを示し波砕
動作時の働きは同じである。タイミング調整の動作を次
に示す。
制御回路27は、外部からのスタート信号により一方の
遅延回路23cのパルス出力を停止させ、他方の遅延回路2
3aの遅延時間を設定する。そしてトリガ回路22の出力に
より基準振動子21bと被調整振動子21aが超音波パルスを
照射する。照射後基準振動子21bは受信用振動子として
用いられ、エコー信号が、焦点付近のデータのみを取り
出すゲート回路(図示せず)を内臓した受信アンプ25に
よって受信される。そのRF出力は、ピーク検出回路26で
ピーク値を検出され、その値は制御回路27に入力され
る。制御回路27内のメモリ(図示せず)には遅延時間と
ピーク値のデータが記憶される。1組のデータ入力後制
御回路27は遅延回路23aの遅延時間を変化させ、上記と
同様の測定を行なう。この動作は、事前に制御回路27に
セットされた回数だけ行なわれる。該制御回路27内で
は、ピーク値データ間の比較が行なわれ、最大値をとる
遅延時間が遅延回路23aにセットされ被調整振動子21aに
関する調整を終了する。次に同様の動作が基準振動子21
b被調整振動子21c間で行なわれ、遅延回路23cの遅延時
間がセットされる。全振動子の調整終了後は通常の破砕
モードに戻る。この一連の動作により、基準振動子21b
の受信信号が最大となるようなタイミング調整が行なわ
れるわけだが、これの物理的意味は、2つの音波が音圧
最大となるようなタイミングで重ね合され、最大の反射
波を出している状態を示す。これにより生体内で振動子
21cの音波だけが、音速の異なる部位28を通過したとし
ても3つの音波のピークが重畳されるようなタイミング
で本実施例の装置を使用する事が可能となる。
本実施例では受信用振動子を基準振動子としたが、他
の破調整振動子を用いても良い。また位置合せのための
画像描出用超音波プローブを有する装置であれば該プロ
ーブを受信用に用いてもかまわない。また専用受信振動
子を設けてももちろんかまわない。またこのようなタイ
ミング調整は治療の初めに行うだけでも良いし、所定時
間毎に行なっても良い。
上記第2の実施例により、音速の異なる経過を通る際
のタイミングを調整する装置を示したが、これはあくま
でもそれぞれの振動子の焦点位置が大きく変化せず、単
に焦点までの到達時間に差がある場合にのみ有効な方法
である。次にこの音速の異なる部位により伝搬時間のみ
ならず、屈折により焦点位置も変化する場合にも高効率
に破砕用音波を発生し得る装置の実施例につき説明す
る。
第4図に本実施例の構成図を示す。
本装置の動作は、破砕モード、タイミング調整モー
ド、軸合せモードの3つに分かれており、これらは主制
御回路39によりコントロールされる。各モードは、軸合
せ、タイミング調整、破砕の順に行なわれる。まず軸合
せモードの動作を説明する。トリガ回路32より出た信号
は、主制御回路39によりa,b,cの各チャンネルに順次送
信される。ここでaチャンネルについてのみ述べると、
主制御回路39より送信されたトリガパルスは、遅延回路
33aに入り、設定された遅延時間後、駆動回路34aに出力
される。そこで駆動回路34aから駆動パルスが振動子31a
に出力され超音波を送信する。そして反射してきた超音
波は再び振動子31aに受信され受信アンプ35a、ピーク検
出回路36aを経て、制御回路37aに入る。ここで制御回路
37aは、主制御回路39の信号を振動子31aを保持し、位置
を可変する位置制御装置38aをコントロールし、受信信
号のピーク値が最大のなるような位置に振動子3aを設定
する。結石は生体内において音響インピーダンスが極め
て高いため、正確に超音波が当っている時、反射波が最
大となる。この方法により、振動子31aの中心軸を結石
に一致させる事が可能である。
以上の動作がb,cチャンネルにおいても行なわれ、3
個の振動子の中心軸は結石に対し、一致するようにな
る。この後、主制御回路39はモードをタイミング調整に
変える。
ここでは、前記第2の実施例と同じ動作が行なわれ各
々のチャンネルの超音波パルスが同時に結石に到達する
ようになる。その後モードは破砕モードに切り替わり、
高頻度の超音波パルスにより結石は破砕される。
上記実施例において、破砕以外のモードにおいて、発
射する超音波パルスの強度を可変にし、弱くコントロー
ルしても良い。
〔発明の効果〕
本発明により、比較的少数の振動子と駆動回路により
所定の出力が得られる。また、生体内の音速が均一又は
不均一であっても焦点において各振動子からの超音波パ
ルスを最適に重畳でき、効率良く治療する事が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第4図はそれぞれ本発明の実施例の構
成図、第2図は焦点における各振動子からの超音波パル
スの到達時間を示すタイムチャートである。 11a〜c、22a〜c、33a〜c……振動子、 12、22、32……トリガ回路、 13a〜c、23a〜c、33a〜c……遅延回路、 14a〜c、24a〜c、34a〜c……駆動回路、 25、35a〜c……受信アンプ、 26、36a〜c……ピーク検出回路、 27、37a〜c……制御回路、 38a〜c……位置制御装置、 39……主制御回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を体内に収束させて治療する超音波
    治療装置において、 略同一の焦点に前記超音波が収束されるように保持され
    た複数の振動子と、 前記各振動子を所定のタイミングで駆動する駆動手段
    と、 前記各振動子を駆動するための前記駆動手段のタイミン
    グで制御する制御手段とを備えたことを特徴とする超音
    波治療装置。
  2. 【請求項2】超音波を体内に収束させて治療する超音波
    治療装置において、 略同一の焦点に前記超音波が収束されるように保持され
    た複数の振動子と、 前記各振動子を駆動する駆動手段と、 前記複数の振動子の中から選択された振動子を前記駆動
    手段が駆動させた時に前記複数の振動子の少なくとも一
    つにより受信される受信信号のピーク値を検出するピー
    ク値検出手段と、 このピーク値検出手段の出力に基づいて、前記各振動子
    を駆動するための前記駆動手段のタイミングを制御する
    制御手段とを備えたことを特徴とする超音波治療装置。
  3. 【請求項3】超音波を体内に収束させて治療する超音波
    治療装置において、 略同一の焦点に前記超音波が収束されるように保持され
    た複数の振動子と、 前記複数の振動子それぞれの位置を可変する位置可変手
    段と、 前記各振動子を駆動する駆動手段と、 前記複数の振動子の中から選択された振動子を前記駆動
    手段が駆動させた時に前記複数の振動子の少なくとも一
    つにより受信される受信信号のピーク値を検出するピー
    ク値検出手段と、 このピーク値検出手段の出力に基づいて、前記位置可変
    手段か前記各振動子を駆動するための前記駆動手段のタ
    イミングの内少なくとも一方を制御する制御手段とを備
    えたことを特徴とする超音波治療装置。
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