JP2525578Y2 - 電気スタンドと書見部材との組合せ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【本考案の目的】本考案は読み物を斜立させる傾斜受板
の下端を、滑り止めとなる枠状隆起縁を前方に有する載
置台板上において電気スタンドの直立基柱に載脱自在に
凭せかけるように組合せることにより、簡易に書見装置
を構成させることを目的とするものである。

【０００２】

【産業上の利用分野】照度良好な電気スタンドと書見部
材との組合せに関する。

【０００３】

【従来の技術】従来の電気スタンドと書見台を組合せた
書見装置は電気スタンドと書見台をアーム等を介して固
定させたものであるため、構造の複雑さに加え簡易安価
に製造することができない等の欠点があつた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】書見台を用いて書籍又
は新聞等の読み物を斜立させる場合、電気スタンドの下
方に置かれる書見台を電気スタンドに取付けた構造のも
のを利用することを通常としていたが、これは構造が複
雑になり高価であるために普及上の難点があつたこ とに
鑑み、これを略々平板状のかさばらない別体のものとし
て分離し、簡便な組立を可能とし、入手し易いセツトも
のとして提供することが必要であつた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案では机の水平面
に対し約４５度の理想的角度に傾斜保持させた読み物の
紙面に対し、その上方から投光可能にするため必要とす
る書籍の傾斜受板として、電気スタンドとは別体の単な
る傾斜受板となる平板を使用するが、この平板と電気ス
タンドを、前端部に滑り止めとなる枠状隆起縁を有する
前二者とは別体の載置台板上に上載し前記平板の上縁を
電気スタンドの直立基柱に凭せかけるように組合せて簡
易に組立て構成させることにより迅速に提供可能にする
ものである。

【０００６】

【考案の構成】基台の直立基柱上に、上端に任意のソケ
ツト等を有する可動又は曲撓する接合延長部を設けた形
式の電気スタンドを前記基台自体とは別体から成る載置
台上に載置すると共に該載置台板前端部に構成した断面
適当形状をなす滑り止め突起の立上り際を支承部として
傾斜受板の上縁部を前記直立基柱に凭せかけることによ
り、該傾斜受板を適度に傾斜保持させるようにしたこと
を特徴とする電気スタンドと書見部材との組合せから成
るものであつて、夫々分離された別体から成る電気スタ
ンドと傾斜受板及び載置台板を組立てて理想の角度に作
られる電気スタンドと書見部材との組合せに係るもので
ある。

【０００７】

【実施例】基台１後端部の電源コード１３を取付けてい
る直立基柱２の上部に設けられた接合延長部３の先端に
電球取付用のソケット及びシェード等４を設けた公知の
電気スタンドＡとは別体から成る任意材質の載置台板８
の前端部８′に適宜の側面形状を有する滑り止め９の立
上り際９′を支承部として平板形状の傾斜受板１０の下
端部１０ｂを、折曲げ可能な適当材質の蝶番又は連結片
１１等により開閉自在に止め付けるか又は分離された別
体として載脱自在に載接させ、その上縁部１０ａを電気
スタンドＡの直立基柱２又は実質上の基柱状部分に凭せ
かけることとにより、該平板状の傾斜受板１０を机の水
平面上約４５度程度に傾斜保持させると共に前記滑り止
め９を用いて傾斜受板１０に書籍等の読み物Ｂを載置可
能にしたものであつて、この場合基台１上面又は直立基
柱２前面等に設けられたスイッチ６が隠れるようになる
が、これは傾斜受板１０が開閉又は載脱自在に構成され
ている関係上一向に差し支えなく、また直立基柱２の前
面上方に突出筋線７を設けておけば傾斜受板１０の上縁
部１０ａを凭せかけるのに便利である。なお第１図
（Ａ）及び第２図の例示においては直立基柱２とその接
合延長部３及びこれとシェード４の連結に当り蝶番又は
ユニバーサルジョイントその他の連結部材や適宜の接合
軸５等を用いるが、かかる部材は任意に取捨選択し得る
ことは勿論とすとる。

【０００８】なお本考案の実施上、載置台板８の形状は
電気スタンドＡの基台形状とその後方形状が略々一致す
ることが体裁上好ましいが、少なくとも長手方向の寸法
は２０〜２２ｃｍ横幅は１６〜１８ｃｍ程度であればそ
の全体形状は方形に限らず前方後円形状等任意のもので
よく、その厚みは問はないから材質に応じて厚手のシー
ト状のものから板状の厚いものは勿論のこと、必要に応
じて枠状周縁のある箱の浅い蓋状のもの若しくは折畳状
の薄板材によつて構成することも自由である。

【０００９】また載置台板８の後方に適宜の囲い枠形成
用突体１２の適数個を固定して電気スタンド基台の摺脱
を防止するのが便利であるが、これらの方法に代えて浅
い凾蓋又は盆状の、広い凹平面を有するものにより同様
の作用をさせることができる。これらの場合は滑り止め
９の作用をさせる前方の枠状隆起縁と縦長方向の枠状隆
起縁の接合角部を第１図の（Ｂ）に切截して示す如く側
面Ｖ字型等に離切開放させておくのがよく、このように
することにより載置台板８の後枠に相当する枠形成用突
体１２に当る枠状隆起縁（コード導入用切込みを設ける
ことがある）に達する後退限界範囲内で、載置台板８上
において基台１を前後に摺動させ、傾斜受板１０上縁部
１０ａの直立基柱に対する当接位置を変更させることが
でき、従って読書角度を容易に調節することができて利
便である。

【００１０】更に実施上適当な電気スタンドとしては、
机の水平面から光源迄の高さが、少なくとも３０ｃｍ程
度、シェード位置は少なくとも、載置台板等の滑り止め
９の略々直上方からその前方（読者寄りであるいわゆる
手前の方）において眼に直射することなく投光可能なよ
うに調整され得るものであることが好ましいものであ
る。本実施例においては特に第１，２図に示す如く株式
会社三城 の発売に係る商品名 エコラ なる電気スタ
ンドを用いたものであり、この器具を用いる場合には電
気スタンドの包装凾の側壁に沿うように傾斜受板及び載
置台板を収納できるから、電気スタンドとこれらの組立
用書見部材を合理的に取扱うことが可能である。

【００１１】直立基柱２に凭せかける傾斜受板１０は任
意材質から成る薄板平板であつて、その厚さに制限はな
いが硬質材から成る厚さ略々２ｍｍ以上のもので、その
大きさは横幅３５０〜４００ｍｍ、縦幅は略々２４０〜
２５０ｍｍ程度のものがよい。例えば今縦幅２４２ｍｍ
の傾斜受板１０の下端部１０ｂが載置台板８前端の滑り
止め９の内側に当接載置される場合、前記滑り止め９の
立上り際９′と電気スタンドＡの直立基柱２における傾
斜受板１０の上縁部１０ａとの接点までの距離が２４２
ｍｍであることは当然であり、前記接点の直下位置すな
わち、この接点から載置台板８上面に達する仮定垂線の
長さ（距離）が１７２ｍｍであつて、電気スタンドＡの
直立基柱２の略々中心下端すなわち前記仮定垂線の下端
部から滑り止め９の立上り際９′までの距離も同一の１
７２ｍｍであるから、当然に該仮定垂線と傾斜受板１０
上縁部１０ａの接点部位における角度は４５度となり、
同様に傾斜受板１０下端部１０ｂと載置台板８等の端部
（滑り止め９の立上り際９′）との開度も同一となる。
従ってまたこの場合直立基台２と傾斜受板１０の上縁部
１０ａとの当接点までの縦の距離と前記仮定垂線の下端
から滑り止め９の立上り際９′までの距離は前記詳述の
如く共に均しいものであり、両者のなす角度は一直角で
あるから傾斜受板８の傾斜角度は理想の４５度となり書
見上極めて良好な條件を作出することができるものであ
る。

【００１２】

【考案の作用】本考案は上記実施例に示す如く電気スタ
ンドＡの基台１に立設させたスタンド部材例えば直立基
柱２又はこれに相当する竪部材の前面の適当高さの部位
に対し、電気スタンドとは別体の載置台として形成され
る任意材質から成る載置台板８の前端部に構成した横設
突起体である滑り止め９に、下端部１０ｂを蝶番その他
のヒンジ等を用いて連接し又は連接することなく支承さ
せた傾斜受板１０の上縁部１０ａを凭せかけることによ
り、該傾斜受板１０を机の水平面上約４５度の角度に傾
斜保持させ、その上面に対し、滑り止めの立上り際９′
を支承部として書籍等を上載定置し読書することを可能
としたものである。

【００１３】

【考案の効果】本考案は上記作用の如く読み物Ｂを傾斜
受板１０上に載置して読書するものであることは、既知
の書見台と同様であるが、傾斜受板１０の下端部１０ｂ
は、電気スタンドとは分離された別体から成る載置台板
８上の前方に設けられた滑り止め９により支承され且つ
その上縁部１０ａは基台１上に設けられた直立基柱２又
はこれと実質的に同一の竪部材の前面における適当高さ
の部分に凭せかけて適度の傾斜面を形成させて、この上
面に読み物を載架するものであるから、例えば前記の如
く傾斜受板１０が理想の読書角度約４５度に形成されて
いるときは、接合延長部等を操作してその直上又はこれ
に近い部位に光源を臨ませれば、光源電球等からの投射
光は略々第２図に点線で例示する範囲内において、書物
等の読み物Ｂ面によつて略々直角に反射し、読書者の視
野に入るものであるから、極めて照度の高い光線が効率
よく利用できるものであるが、かかる効果は本案の傾斜
受板が光源直下に位置されていることによるものであ
り、本案はこのような光源と読み物との位置関係すなわ
ち電気スタンドと傾斜受板との関係を従来公知のこの種
考案とは全く異なる方法すなわち両者が何等予めの結合
関係をも持つことなく、これらとは別体の、枠状隆起縁
を前方に有する載置台板上において規整し得るように、
直立基柱に対し分離された傾斜受板を凭せることにより
簡便に組立てられるようにしたものである。このとき、
書籍等の下端が傾斜板の下端と重畳的に載置台板上にお
いて複合支持されるように構成されているため、その構
造を著しく簡 素化したものであるにも拘らず書籍等の斜
立角度を理想の状態とし、この傾斜面に沿う斜立書籍面
等に対する照射光を最も有効に作用させるように極めて
簡易に組立て実施させ得、しかも著しく安価迅速に提供
できるものであるから、かかる良好な読書方法の普及に
寄与させ得る有用性を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施の一例を示すものであつて、（Ａ）
は一部を切截して示す本考案の斜視図、（Ｂ）は薄盆形
載置台板の切截側面図である。

【図２】本考案の使用状態と光源の変位状態を併せて示
す側面図である。

【図３】載置台板と傾斜受板構成の一例を示す拡大側面
図である。

【図４】載置台板上に、電気スタンドの接合延長部及び
シェードを除き基台及び直立基柱のみを載置して示す平
面図である。

【符号の説明】

Ａ…電気スタンド １…基台 ２…直立基柱 ３…接合延長部 ４…シェード ５…蝶番等の接合軸 ６…スイッチ ７…突出筋線 ８…載置台板 ９…滑り止め １０…傾斜受板 １１…蝶番又は連結片 １２…囲い枠形成用突体 Ｂ…書籍等の読み物

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台の直立基柱上に、上端に任意のソケツ
   ト等を有する可動又は曲撓する接合延長部を設けた形式
   の電気スタンドを前記基台自体とは別体から成る載置台
   板上に載置すると共に該載置台板前端部に構成した断面
   適当形状をなす滑り止め突起の立上り際を支承部として
   傾斜受板の上縁部を前記直立基柱に凭せかけることによ
   り、該傾斜受板を適度に傾斜保持させるようにしたこと
   を特徴とする電気スタンドと書見部材との組合せ。