JP2525466B2 - 筆記具、製図器、画具の閉鎖キヤップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は挿入口と、端面側が閉鎖された内部空間
と、閉鎖キャップの軸部に沿って軸方向に貫通して延在
する空気管路とを有する筆記具、製図器、画具の閉鎖キ
ャップに関する。

この種のキャップは特許出願公開GB2174374Aから知ら
れている。

この公開公報には、軸部の外側面に半径方向外側に向
いて開いたいくつかの軸方向の管路があり、これらの管
路はキャップの前部の穴によってキャップ内部と連通し
ている。この種のキャップはたとえば子供が呑むと、外
側管路に沿って充分な空気を供給して、つきささらない
ようにして医者が来るまで生命をつなぎとめなければな
らない。

しかし外側管路と半径方向の穴は閉鎖キャップの通常
の使用では比較的汚れやすく、一部は詰まることがある
ので、必ずしも充分な通過性は保証されているとはいえ
ない。

その上溝とリブによって形成された外側の管路によっ
て閉鎖キャップと、従ってまた場合によっては筆記具の
視覚的または美的印象は損なわれ、この点で遊隙は著し
く制限される。

更にヨーロッパ特許0204252A1、ノルウエー特許33364
号公報及び実公昭61-11016から知られる閉鎖キャップで
は端面或いは外壁に軸方向及び或いは半径方向の穴を設
けて、空気を通し、筆記具の開閉に際して圧縮または真
空形成を防止している。

多くの筆記具、製図キャップ、画具はただ単に中に押
し込まれた先端部分を使用しており、この先端部分はた
いていキャップ軸部の密封域にしっかり収まっていて、
特に古い軸部の場合には不意に筆記具から外れることが
あるので、閉鎖キャップを外すときこの先端部がキャッ
プ内に残るのを完全には阻止できないので、やはり軸方
向に貫通する通気管路もできないであろう。

更にまたこの場合も空気管路の出口は詰まりやすい。

従ってこの発明の基本課題は、前記の欠点をもたず、
外側の構成を全く不可能にすることなく、最大の確実性
をもって常に軸方向に空気の通過を可能にし、閉鎖キャ
ップの密封機能を損なうことのない閉鎖キャップの提供
にある。

この課題はａ）空気管路が内部空間の周壁部の部分で
ある中間壁とこの中間壁に連接して対向して突出する二
つの周壁部部分とこれらの周壁部分を連結する蓋部とに
よって囲まれていて且つ両端部に空気貫流用の排気口を
有し、ｂ）空洞部或いは横方向管路を閉鎖キャップの軸
端部の端面側に設け、ｃ）端面側の排気口が縁蓋部によ
って側面の一部のみが限定された空洞部に通じるか、部
分蓋と縁蓋部によって限定される空洞部に通じるか或い
は部分蓋と端面側の軸端部と縁蓋部によって限定される
横方向管路に通じ且つｄ）前方側軸端部にある前方側の
排気口が外気か或いは部分蓋と縁蓋部とによって形成さ
れた前方側空洞部に通じることによって解決される。

第１図と第1a図に示した閉鎖キャップ10は軸部１に挿
入口21を形成して密封域22を備えた密封挿入体23を含む
内部空間２を有する。

蓋部４によって外側に対して閉鎖され、中間壁３によ
って内部空間２に対して分離された空気管路５があり、
この空気管路の前方排気口51は挿入側面、即ち前方側面
11側にあり、空気管路の端面側の排気口52は端面側12の
二つの湾曲した縁蓋部42′の間にある空洞部55に通じて
いる。空気管路５は前方側面11側の領域では中間壁３の
貫通孔31を介して閉鎖キャップ10の内部空間２と挿入孔
21とに連通している。

このようにしてこの発明では常に端面側12から前方側
面11側へまたはその逆の空気循環が可能である。外側か
ら囲った軸部１の場合には端面側の空洞部55、端面側の
排気口52、空気管路５、前方排気口51及び／或いは中間
壁の貫通孔31並びに場合によっては挿入口21を介して前
記二つの縁蓋部42′間で空気循環を行うことができる。

第２図及び第2a図の閉鎖キャップ20は第１図に記載し
た閉鎖キャップ10の変形例である。この例でも軸部１は
内部空間２に同じく前方側面11側に通じる挿入口21と密
封挿入体23を持っている。

中間壁３と蓋部４とによって囲まれた空気管路５はそ
の前方排気口51により周縁の一部を形成する部分蓋41″
が境界となる前方側空洞部54に通じている。

端面側の排気口52は空気管路５を端面側の空洞部55と
連通させる。空洞部55は、前方側面のものと同様に蓋部
４の軸方向延長部として形成された部分蓋41′と周囲を
囲み且つ端面側12に沿って軸方向に端面側軸端部14の方
に向かって傾斜している縁蓋部42′とによって限定形成
されている。周囲の全部または一部に設けられた縁蓋部
42′は事実上第１図と第1a図の縁蓋部42′に対応してい
る。

前方側軸端部13にある前方排気口51は外気か或いは部
分蓋41″と縁蓋部42″とによって形成された前方側空洞
部54に通じる。

第３図、第3a図、第3b図の閉鎖キャップ30から明らか
なように、端面側12が閉鎖された内部空間２には前方側
面11側に向かって拡開された挿入口21を設けることがで
き、内部空間は軸方向前方側で短縮されて前方側面の軸
端部13まで全くは達しない中間壁３によって空気管路５
から分離しておくことができるので、この場合にも中間
壁の貫通孔31が形成され、この貫通孔によって前方排気
口51が挿入口21に直接連通している。

端面側の排気口52は端面側12の内側で半径方向内側に
延在している横方向管路53に通じており、横方向管路は
半径方向外側へは部分蓋41と端面側軸端部14により、ま
た側面へは縁蓋部42により限定されている。

第４図に示した、第３図、第3a図、第3b図の閉鎖キャ
ップ30とほぼ同じである、筆記具６上に載置されるか或
いは任意の筆記具、製図器、画具に載置可能な閉鎖キャ
ップ40の場合は閉鎖キャップ40が筆記具軸部61及び或い
は筆記具先端62と通常は密着座またはねじどめによって
しっかり結合されている場合にも軸部１の内部で端面側
12から横方向管路53、端面側排気口52、空気管路５、前
方排気口51を経て空気循環が可能であることが分かる。

この場合閉鎖キャップ40の密封域22は筆記具先端62に
沿って気密に閉鎖されているので、ここでは繊維芯とし
て形成された筆記先端63が密封閉鎖されている。軸方向
に短縮されて前方側軸端部13までは達していない中間壁
３はこの例でも部分的に密封域22の領域の残りの周縁面
と同様に密封の部分要素である。

閉鎖キャップ40が筆記具６から外されると、前方側面
11での空気循環は中間壁３の貫通孔31を介して空気管路
５の前方排気口51から内部空間２と挿入口21内へ行うこ
とができる。こうして筆記具６から外された閉鎖キャッ
プ40の気密或いは液密の閉鎖は軸部１が被われていても
常に確実に阻止される。

予定または必要と思われる貫流容量に応じて空気管路
５の大きさをきめることができる。横断面の形は原則的
には任意であるが、閉鎖キャップの形状に合わせること
ができるか或いは必要または所望に従って決めることが
できる。

安全上の理由からつきささる危険を充分に効果的に防
止するために、空気管路５、排気口51、52、横方向管路
53、空洞部54、55の横断面積は一貫して少なくとも５〜
10ミリ平方メートルにする必要がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示し、第1a図は第１図の閉鎖キャッ
プの平面図、第２図は閉鎖キャップの変形例、第2a図は
第２図を下から見た図、第３図は第３実施例、第3a図は
第３図の平面図、第3b図は第３図の閉鎖キャップを下か
ら見た図、第４図は筆記具を挿入した第３図の閉鎖キャ
ップの変形例を示す。 １……軸部、２……内部空間、３……中間壁、４……蓋
部、５……空気管路、６……筆記具、10、20、30、40…
…閉鎖キャップ、11……前方側面、12……端面側、13…
…前方側軸端部、14……端面側軸端部、21……挿入口、
22……密封域、23……密封挿入体、31……中間壁の貫通
孔、41、41′、41″……部分蓋、42、42′、42″……縁
蓋部、51……前方排気口、52……端面側の排気口、53…
…横方向管路、54……前方側空洞部、55……端面側の空
洞部、61……筆記具軸部、62……筆記具先端、63……筆
記先端。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入口と、端面側が閉鎖された内部空間
   と、閉鎖キャップの軸部に沿って軸方向に貫通して延在
   する空気管路とを有する筆記具、製図器、画具の閉鎖キ
   ャップにおいて、 ａ）空気管路（５）が内部空間（２）の周壁部の部分で
   ある中間壁（３）とこの中間壁（３）に連接して対向し
   て突出する二つの周壁部部分とこれらの周壁部分を連結
   する蓋部（４）とによって囲まれていて且つ両端部に空
   気貫流用の排気口（51、52）を有し、 ｂ）空洞部（55）或いは横方向管路（53）を閉鎖キャッ
   プ（10、20、30、40）の軸端部（14）の端面側（12）に
   設け、 ｃ）端面側の排気口（52）が ca）縁蓋部（42′）によって側面の一部のみが限定され
   た空洞部（55）に通じるか、 cb）部分蓋（41′）と縁蓋部（42′）とによって限定さ
   れる空洞部（55）に通じるか或いは cc）部分蓋（41）と端面側の軸端部（14）と縁蓋部（4
   2）によって限定される横方向管路（53）に通じ且つ ｄ）前方側軸端部（13）にある前方側の排気口（51）が
   外気か或いは部分蓋（41″）と縁蓋部（42″）とによっ
   て形成された前方側空洞部（54）に通じる閉鎖キャッ
   プ。
2. 【請求項２】閉鎖キャップ（10、30、40）の前方側面
   （11）にある空気管路（５）の排気口（51）が中間壁
   （３）の、半径方向内側に向けられた貫通孔（31）に通
   じており、貫通孔（31）は軸方向外側へ開いている、請
   求項１）に記載の閉鎖キャップ。
3. 【請求項３】空気管路（５）が挿入口（21）の領域で閉
   鎖キャップ（10、30、40）の内部空間（２）と貫通孔
   （31）を介して連通している請求項２）に記載の閉鎖キ
   ャップ。
4. 【請求項４】空気管路（５）の蓋部（４）が軸線方向の
   延長上で閉鎖キャップ（20）の軸部（１）から突出して
   部分蓋（41′、41″）を形成し、これらの部分蓋が境界
   を接する縁蓋部（42′、42″）と連接して空洞部（54、
   55）を囲んでいる請求項３）に記載の閉鎖キャップ。