JP2525383B2 - 投写型液晶表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 光反射層上に液晶パネルとフレネルレンズを積層し、
このフレネルレンズ上より照射した光を光反射層で反射
させ、この反射光を、情報が書き込まれ部分的に光透過
率が異なっている液晶ライトバルブで透過させ、該透過
光を投写レンズで集光し、該集光した光をスクリーンに
映写する投写型液晶表示装置であって、前記フレネルレ
ンズと液晶ライトバルブとの間に投写レンズの焦点深度
より寸法が大きいスペーサ、或いは光透過層を設置する
ことで、フレネルレンズの刻み模様がスクリーン上に投
写されないようにした投写型液晶表示装置。

〔産業上の利用分野〕

本発明は投写型液晶表示装置の構造に係り、特に該装
置のフレネルレンズの刻み模様がスクリーン上に投写さ
れないようにした投写型液晶表示装置に関する。

光反射層上に液晶ライトバルブとフレネルレンズを積
層し、このフレネルレンズ上より照射した光を光反射層
で反射させ、この反射光を情報が書き込まれ部分的に光
透過率が異なっている液晶ライトバルブで透過させ、該
透過光を投写レンズで集光し、該集光した光をスクリー
ンに映写する投写型液晶表示装置は装置が小型で低価格
であるので、オーバーヘッドプロジェクト等に多く用い
られている。

〔従来の技術〕

このような投写型液晶表示装置の従来の構造を第３図
の説明図に示す。

図示するようにガラス基板１上には、蒸着によりアル
ミニウム（Al）の金属膜よりなる反射層２が形成され、
その上には液晶ライトバルブ３が設置されている。この
液晶ライトバルブ３は対向するガラス基板4A,4Bの内面
に対向するマトリックス型の電極5A,5Bが形成され、該
ガラス基板に囲まれた空間部に液晶６が挿入された構造
を示し、この上に凸レンズ状の突出部を多数有する平板
状のフレネルレンズ７が設置されている。

ここでパーソナルコンピュータ、或いはワードプロセ
ッサで編集された情報を、マトリックス型電極5A,5Bに
電気信号として送出し、この電気信号によって液晶６が
部分的に透明、或いは白濁状に変化し、部分的に光の透
過率が異なるようになる。一方、光源８よりフレネルレ
ンズ７を介して液晶バルブ３に光を照射する。するとこ
の光は部分的に光の透過率の異なった液晶６を透過し、
光反射層２で反射し、再び液晶６を透過し、集光レンズ
であるフレネルレンズ７によって投写レンズ９に集光さ
れ、部分的に光の透過率の異なった液晶６の画像をスク
リーン10に大画面として写し出している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、この装置に用いられているフレネルレンズ
７は、プラスチック板の表面に細かい輪帯状の溝を切
り、全体として凸レンズの働きをするようにしたもの
で、この輪帯状の溝が、従来の装置のようにフレネルレ
ンズ７と液晶ライトバルブ３が接するような構造をとっ
ていると、液晶６に投写レンズ９の焦点を合致させた場
合、フレネルレンズ７にも投写レンズ９の焦点が合致す
ることになり、そのためフレネルレンズ７の溝の刻み模
様が、スクリーン10に投写される不都合を生ずる。

本発明は上記した問題点を除去し、このフレネルレン
ズの輪帯状の刻み模様がスクリーン上に投写されないよ
うにした投写型液晶表示装置の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、液晶ライトバルブとフレネルレンズとを積
層し、情報が書き込まれた液晶ライトバルブを透過した
光を、フレネルレンズで集光し、投写レンズでスクリー
ンに投写する投写型液晶表示装置に於いて、フレネルレ
ンズは、液晶ライトバルブとの間隔が、投写レンズの焦
点深度より広くなるように配設されていることを特徴と
する投写型液晶表示装置を提供するものである。

〔作用〕

本発明の投写型液晶表示装置は、液晶ライトバルブと
フレネルレンズとの間にスペーサを設けることで、液晶
ライトバルブとフレネルレンズとの間隔を投写レンズの
焦点深度より拾い間隔とし、液晶に投写レンズの焦点を
合致させた時に、その投写レンズの焦点がフレネルレン
ズ上に位置しないようにして、フレネルレンズの刻み模
様がスクリーン上に投写されないようにする。

〔実施例〕

以下、図面を用いながら本発明の一実施例につき詳細
に説明する。

第１図に本発明の投写型液晶表示装置の一実施例の説
明図を示す。

図示するようにガラス基板１上にはAlよりなる金属膜
を蒸着して光反射層２を形成する。そしてこの上にはマ
トリックス状の駆動用対向電極（図示せず）を有し、ネ
マティック液晶６を封入した液晶ライトバルブ３が設置
され、その上にはプラスチックよりなるスペーサ11を液
晶ライトバルブ３の上の四隅に設け、その上に輪帯状の
小型の凸レンズが多数配設された平板状のフレネルレン
ズ７が設置されている。

つまり本発明の装置が従来の装置と異なる点は、フレ
ネルレンズ７と液晶ライトバルブ３が直接接触しておら
ず、その間にスペーサ11を介在させている点にある。

このスペーサ11の高さは、投写レンズ９の焦点深度以
上の寸法となるようにしている。

このようにすれば、投写レンズ９の焦点を液晶６の位
置に合致させ、情報を書き込んで部分的に光の透過率が
異なっている液晶６に、光源８より光を照射した時、フ
レネルレンズ７の刻み模様7Aの位置に投写レンズ９の焦
点が合致するような現象がなくなり、スクリーン10上に
フレネルレンズ７の刻み模様が投写されるような不都合
な現象が無くなる。

第２図は本発明の対向の実施例の構造を示す断面図で
ある。

図示するように本実施例が、第１の実施例と異なる点
は、液晶ライトバルブ３とフレネルレンズ７との間に透
明なプラスチック、または透明なガラス板のような光透
過層21を設けた点にある。

この光透過層21の厚さは前記した投写レンズ９の焦点
深度以上の寸法であることが必要で、また本実施例のよ
うにフレネルレンズ７の刻み模様7Aが、液晶ライトバル
ブ３側に存在する場合には、この刻み模様7A内に光透過
層21が挿入された時、そのフレネルレンズ３がレンズと
しての機能を果たせなくなるので、この刻み模様7A内に
は空気層が存在するようにする。

以上述べたように、本発明の投写型液晶表示装置によ
れば、フレネルレンズの刻み模様がスクリーン上に投写
されないため、高品位の表示画像がスクリーン上に得ら
れる効果がある。

尚、本実施例では液晶にネマティック液晶を用いた
が、ネマティック液晶とコレステリック液晶が混在した
液晶よりなる相転移型液晶を用いることで、光学情報を
蓄積するメモリ機能を持たせることもできる。

更にAlの金属層よりなる反射膜２をガラス基板１上に
形成せずに液晶ライトバルブ３の裏面側に形成し、この
反射膜２を液晶ライトバルブ３の駆動用電極として用い
ると装置全体の構造が簡単な構造となる。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明の投写型液晶表示装置によ
れば、フレネルレンズの刻み模様がスクリーン上に投写
されない高品位の表示画像が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の第１の実施例の構造を示す斜視
図、 第２図は本発明の装置の第２の実施例の構造を示す断面
図、 第３図は従来の装置の構造を示す説明図である。 図に於いて、 １はガラス基板、２は反射層、３は液晶ライトバルブ、
4A,4Bはガラス基板、5A,5Bはマトリックス電極、６は液
晶、７はフレネルレンズ、８は光源、９は投写レンズ、
10はスクリーン、11はスペーサ、21は光透過層を示す。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液晶ライトバルブとフレネルレンズとを積
   層し、 情報が書き込まれた該液晶ライトバルブを透過した光
   を、該フレネルレンズで集光し、投写レンズでスクリー
   ンに投写する投写型液晶表示装置に於いて、 前記フレネルレンズは、前記液晶ライトバルブとの間隔
   が、前記投写レンズの焦点深度より広くなるように配設
   されている ことを特徴とする投写型液晶表示装置。
2. 【請求項２】前記フレネルレンズと前記液晶ライトバル
   ブとの間隔が、それらの間に設けられた光透過性部材か
   らなる層によって形成されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の投写型液晶表示装置。
3. 【請求項３】前記液晶ライトバルブは、裏面側の駆動用
   電極が光反射面を備えていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の投写型液晶表示装置。
4. 【請求項４】前記液晶ライトバルブは、相転移型液晶を
   備えていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の投写型液晶表示装置。