JP2525002B2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複写機に設けられる現像装置に関し、詳し
くは現像装置に用いられる現像剤を回収するための機構
に関するものである。

〔従来技術〕

現像装置において、トナーのキャリアとして用いられ
る現像剤は、使用されるにつれてその特性が劣化するた
め、適時新しい現像剤と交換する必要がある。

そこで、現像装置内部において使用されて劣化した古
い現像剤を、この現像装置から回収するための機構を有
する現像装置としては、例えば特開昭60−107057号公報
に開示のものが知られている。

上記公報に記載の従来装置では、装置本体のハウジン
グの下部の長手方向全長にわたって設けられた開口部
に、蓋がこの開口部に沿って摺動可能に取り付けられて
おり、現像剤の回収時には、上記蓋を開口部の長手方向
に沿って引き出し、この開口部を開放することにより、
上記現像剤の回収が行われる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来の現像装置においては、上述の如
く、現像剤の回収時には比較的長尺の蓋が開口部の長手
方向に沿って引き出されるため、現像装置の周囲にはこ
の蓋が当らないようにかなりのスペースが必要とされ
る。

特に大型の複写機においては、上記スペースは無視す
ることのできない程の大きさになる。

更に、上記構造によるハウジングでは、このハウジン
グの下部の長手方向全長にわたって現像剤抜き取り用の
開口部が設けられているため、ハウジング自体の強度が
低下するという問題点もある。

そこで、本発明は、ハウジング自体の強度を低下させ
ることなく、狭いスペースにおいても効率良く現像剤の
回収を行うことのできる現像装置の提供を目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明が採用する主たる
手段は、その要旨とするところが、磁気的吸引力により
現像剤を搬送する現像スリーブと、上記現像スリーブの
現像剤搬送方向下流側に回転可能に配備され、上記現像
剤を撹拌しつつ上記現像スリーブ側へ供給するための撹
拌羽根を有するパドルホイールと、上記現像スリーブ及
びパドルホイールの上方に配備される仕切板と、上記現
像スリーブ，パドルホイール及び仕切板を収容し、上記
現像スリーブの下方の第１の底板及び上記パドルホイー
ルの下方であってこのパドルホイールの仮想外周面に対
応した曲面に形成された第２の底板を有するハウジング
とを具備してなる現像装置において、上記パドルホイー
ルの撹拌羽根を螺旋状になし、このパドルホイールが回
転駆動された時上記螺旋状の攪拌羽根の運びネジ作用に
よって現像剤が搬送される側の上記第２の底板の一端部
に、開閉可能な蓋を有する現像剤回収用開口部を設け、
上記仕切板に、上記パドルホイールによって搬送される
現像剤をこの現像剤搬送方向と逆方向へ移動させるため
の現像剤返還手段を設けてなる点に係る現像装置にあ
る。

〔作用〕

上記したようにして本発明の現像装置は構成されてい
るため、現像剤の回収時には、ハウジングの第２の底板
の一端部に設けられた蓋を開放し、現像スリーブ及びパ
ドルホイールを回転駆動することにより、このパドルホ
イールの運びネジ作用によって上記現像剤が現像剤回収
用開口部から回収される。従って、この現像剤回収用開
口部は上記ハウジングの下部の長手方向全長にわたって
設ける必要はなく、また、上記現像剤回収用開口部を覆
うための蓋は比較的小型のものでよい。

なお、上記現像装置において現像剤を回収しない通常
の使用時には、上記パドルホイールの運びネジ作用によ
って現像剤回収用開口部側へ搬送される現像剤は、現像
剤返還手段によって、上記現像剤回収用開口部と逆方向
へ移動される。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して本発明を具体化した実施例
に付き説明し、本発明の理解に供する。

なお、以下の実施例は本発明を具体化した一例であっ
て、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。

ここに第１図は本発明の一実施例に係る現像装置の側
断面図、第２図は第１図におけるＡ矢視部断面図、第３
図は上記現像装置の要部斜視図である。

この実施例に係る現像装置は、第１図，第２図及び第
３図に示す如く、磁気的吸引力により図示せぬ現像剤を
搬送する現像スリーブ３と、上記現像スリーブ３の現像
剤搬送方向（矢印４方向）下流側に回転可能に配備さ
れ、上記現像剤を撹拌しつつ上記現像スリーブ３側へ供
給するための複数の攪拌羽根５を有するパドルホイール
６と、上記現像スリーブ３及びパドルホイール６の上方
に配備される仕切板７と、上記現像スリーブ3,パドルホ
イール６及び仕切板７を収容し、上記現像スリーブ３の
下方であってこの現像スリーブ３の外周面に対応した曲
面に形成された第１の底板８、及び上記パドルホイール
６の下方であってこのパドルホイール６の仮想外周面に
対応した曲面に形成された第２の底板９を有するハウジ
ング10とを具備して構成されている。

上記現像スリーブ３は、感光体ドラム11に対向配備さ
れており、このスリーブ３のスリーブ本体12の内部に
は、このスリーブ本体12の外周面に現像剤を吸収するた
めの複数の磁石13_a,13_b,13_c,13_d及び13_eがこの現像スリ
ーブ本体12に対して固定的に設けられている。上記各磁
石13_a乃至13_eは、現像剤搬送方向に見て上流側から下流
側に向かってそれぞれ異磁極同志が隣接して配備されて
おり、最も下流側では、同磁極同志の磁石13_c及び13_dが
隣接し得るように配備されている。これは、上記現像ス
リーブ３の上記磁石13_a乃至13_eの磁気的吸引力により搬
送される現像剤が、現像剤搬送方向に見て最も下流側の
位置に達した時、上記磁石13_cと13_dとの磁気的反発力に
より、スリーブ本体12の外周面から上記現像剤を離脱さ
せるためである。

上記パドルホイール６では、上記複数の攪拌羽根５が
螺旋状に形成されている（第２図及び第３図参照）。従
って、このパドルホイール６が回転駆動された時、上記
現像剤は、撹拌されつつ上記現像スリーブ３側へ掻き上
げられると共に、上記螺旋状の攪拌羽根５の運びネジ作
用によって矢印14方向へ搬送される。

上記仕切板７は、スリーブ本体12の外周面に吸引され
て矢印４方向へ搬送される現像剤の内、ハウジング10の
内部の上方に設けられた穂切部23によって穂切りされた
余剰現像剤を上記パドルホイール６側へ導くためのもの
で、この仕切板７の上面には、上記パドルホイール６の
運びネジ作用によって矢印14方向へ搬送される現像剤
を、矢印15方向へ移動させるための現像剤返還手段16が
設けられている（第３図参照）。上記現像剤返還手段16
は、上記パドルホイール６によって矢印14方向へ搬送さ
れつつ掻き上げられて上記仕切板７の上面を上記パドル
ホイール６側へ移動する現像剤を矢印15方向へ導くため
に、上記仕切り７の上面に傾斜して取り付けられた複数
の案内板17によって構成されている。

上記ハウジング10の第２の底板９の上記パドルホイー
ル６の運びネジ作用によって現像剤が搬送される側（矢
印14側）の一端部には、現像剤回収用の開口部18が穿設
されている。この開口部18の両側部に設けられたガイド
溝19a,19_bには、蓋20が開閉可能に嵌入されている。

従って、上記開口部18が開放されて上記パドルホイー
ル６が回転駆動された時、上記第２の底板９の上面で滞
留する現像剤は、パドルホイール６の運びネジ作用によ
って矢印14方向へ搬送され、この開口部18から外部へ排
出される。なお、この時、上記開口部18の下方に第１図
及び第２図に示す如く、例えば容器21を配備することに
より、周囲を汚すことなく上記現像剤を効率良く回収す
ることができる。

更に、上記実施例においては、ハウジグ10の第１の底
板８と第２の底板９との接合部22の位置が、上記現像ス
リーブ３の内部に隣接して配備された同磁極の磁石13_c
と13_dとの中間地点よりも感光体ドラム11側の磁石13_c側
に設けられている。

従って、現像スリーブ３によって搬送されてきた現像
剤は、上記磁石13_cと13_dとの磁気的反発力の作用によっ
て、このスリーブ本体12の外周面から効率良く離脱し、
上記磁石13_dの吸引力によって上記スリーブ本体12の外
周面に吸引されて再度搬送されるということはない。

また、実験結果では、上記第２の底板９の上記接合部
22からの下向き角度θ_３を40度以上とすることにより、
上記現像剤を第２の底板９の斜面に滞留させることな
く、効率良く第２の底板９の底部へ滑り落とすことがで
きた。

上記したようにして本発明に係る現像装置は構成され
ている。

次に、上記現像装置の動作について説明する。

現像剤は、スリーブ本体12の外周面に吸引されつつ、
このスリーブ本体12の回転に伴って感光体ドラム11の表
面に搬送される。そして、この現像剤によって運ばれた
トナーで上記感光体ドラム11表面に形成された原稿像の
現像が行われる。

上記感光体ドラム11の表面を通過した現像剤は、磁石
13_cと13_dとの磁気的反発力の作用により上記スリーブ本
体12の表面から離脱し、パドルホイール６により撹拌さ
れつつ、このパドルホイール６の運びネジ作用によって
矢印14方向へ搬送されると共に、現像スリーブ３側へ掻
き上げられてこの現像スリーブ３のスリーブ本体12の外
周面に吸引される。

上記スリーブ本体12の回転に伴って搬送される現像剤
の内、穂切部23によって穂切りされた余剰現像剤は、仕
切板７の上面に設けられた現像剤返還手段16の案内板17
によって矢印15方向へ導かれつつ、上記パドルホイール
６の上方へ案内されてこのパドルホイール６に供給され
る。

他方、キャリア機能の劣化に伴う上記現像剤の交換時
には、ハウジング10の第２の底板９の一端部に設けられ
た開口部18の下方に現像剤回収用の容器21を配備し、蓋
20を開放する。そして、上記現像スリーブ３及びパドル
ホイール６を回転駆動することにより、このパドルホイ
ール６の運びネジ作用よって上記現像剤は矢印14方向へ
搬送され、上記第２の底板９の上面の現像剤から上記開
口部18を介して、上記容器21へ順次回収される。

そして、上記現像剤が容器21に全て回収された後、開
口部18は蓋20によって再び閉鎖され、上記ハウジング10
の上方に設けられた図示せぬ投入口より新しい現像剤が
供給される。

〔発明の効果〕

本発明は、上記したように、磁気的吸引力により現像
剤を搬送する現像スリーブと、上記現像スリーブの現像
剤搬送方向下流側に回転可能に配備され、上記現像剤を
撹拌しつつ上記現像スリーブ側へ供給するための撹拌羽
根を有するパドルホイールと、上記現像スリーブ及びパ
ドルホイールの上方に配備される仕切板と、上記現像ス
リーブ，パドルホイール及び仕切板を収容し、上記現像
スリーブの下方の第１の底板及び上記パドルホイールの
下方であってこのパドルホイールの仮想外周面に対応し
た曲面に形成された第２の底板を有するハウジングとを
具備してなる現像装置において、上記パドルホイールの
撹拌羽根を螺旋状になし、このパドルホイールが回転駆
動された時上記螺旋状の攪拌羽根の運びネジ作用によっ
て現像剤が搬送される側の上記２の底板の一端部に、開
閉可能な蓋を有する現像剤回収用開口部を設け、上記仕
切板に、上記パドルホイールによって搬送される現像剤
をこの現像剤搬送方向と逆方向へ移動させるための現像
剤返還手段を設けてなることを特徴とする現像装置であ
るから、現像剤を回収するためにハウジングに設けられ
る開口部は、第２の底板の一端部に部分的に設けるだけ
で良い。従って、上記ハウジングが強度的に低下するこ
とはなく、また現像剤を回収する時には、上記開口部に
設けられた比較的小さな蓋を開放するだけで良いため、
現像剤の交換作業においては広いスペースを必要とする
ことはない。

その結果、簡単な構成で、ハウジング自体の強度を低
下させることなく、狭いスペースにおいても効率良く現
像剤の回収を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る現像装置の側断面図、
第２図は第１図におけるＡ矢視部断面図、第３図は上記
現像装置の要部斜視図である。 〔符号の説明〕 ３……現像スリーブ、５……撹拌羽根 ６……パドルホイール、７……仕切板 ８……第１の底板、９……第２の底板 10……ハウジング、11……感光体ドラム 12……スリーブ本体 13_a,13_b,13_c,13_d,13_e……磁石 16……現像剤返還手段 17……案内板、18……開口部 20……蓋、22……接合部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気的吸引力により現像剤を搬送する現像
   スリーブと、 上記現像スリーブの現像剤搬送方向下流側に回転可能に
   配備され、上記現像剤を撹拌しつつ上記現像スリーブ側
   へ供給するための撹拌羽根を有するパドルホイールと、 上記現像スリーブ及びパドルホイールの上方に配備され
   る仕切板と、 上記現像スリーブ，パドルホイール及び仕切板を収容
   し、上記現像スリーブの下方の第１の底板及び上記パド
   ルホイールの下方であってこのパドルホイールの仮想外
   周面に対応した曲面に形成された第２の底板を有するハ
   ウジングとを具備してなる現像装置において、 上記パドルホイールの撹拌羽根を螺旋状になし、このパ
   ドルホイールが回転駆動された時上記螺旋状の撹拌羽根
   の運びネジ作用によって現像剤が搬送される側の上記第
   ２の底板の一端部に、開閉可能な蓋を有する現像剤回収
   用開口部を設け、上記仕切板に、上記パドルホイールに
   よって搬送される現像剤をこの現像剤搬送方向と逆方向
   へ移動させるための現像剤返還手段を設けてなることを
   特徴とする現像装置。