JP2524682Y2 - 消火栓装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、消火栓装置に関し、特にホースを収納した
状態で通水可能な消火栓装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、ホースを収納した状態で通水可能な消火栓装置
としては、ゴムホースのように通常円形断面を保持した
ホースを回転リールに巻いた状態で消火栓ボックスに収
納し、そのままの状態で通水できるようにすると共に、
回転リールを消火栓ボックスから支持装置で取出すよう
にした構造の消火栓装置が一般的である。しかしなが
ら、この消火栓装置は支持装置の構造が複雑となり、形
状や重量が大きくなる傾向がある。

そのため、例えば実開昭61-159950号公報に示される
ように、略環状の外周壁と後側壁と中心部が開口してい
る前側壁で形成されるホース収納箱に、内端が送水源に
接続され、外端に放水ノズルが取付けられた円形断面を
保持できるゴムホースを、略環状の外周壁から中心部に
向かって順次巻き付ける構造の簡単な消火栓装置が提案
されている。しかしながら、この消火栓装置においては
ホース収納箱にゴムホースを巻き込む毎に一回のねじれ
がゴムホースに加わり、ゴムホースがキンクして通水が
不可能となるので、ゴムホースの要所要所により戻し具
が必要となる。

そこでこの問題を解決するものとして、実開平1-1577
70号公報には、ゴムホースをホース収納箱に８字状に支
持体に掛けながら収納してゴムホースにねじれが加わら
ないようにした消火栓装置が提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この消火栓装置においては、ゴムホー
スをホース収納箱に８字状に収納する場合、一回一回ゴ
ムホースを支持体に手で掛け回してやらなければならず
操作が面倒である。

本考案は、上記問題を解決するためになされたもので
操作性に優れ、構造が簡単な消火栓装置を提供すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 而して本考案は、消火栓ボックス内に、外縁板と後板
と中心部に開口部を有する前板とよりなるホース収納箱
を設け、該ホース収納箱内に前記開口部の下端付近から
両側下方に傾斜する案内面が形成されたセパレータを取
付け、内端が送水源に接続され、外端には放水ノズルが
取付けられた円形断面を保持できるホースを前記開口部
より押し込むことによりホース収納箱の後板から前板に
向かって順次セパレータの案内面に沿わして８字状に収
納可能とすると共に、前記開口部より引出すようにした
ことを特徴とする消火栓装置である。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。
第１図及び第２図において、１は消火栓ボックスで、背
板1a、上板1b、下板1c、及び両側板1d、1eより構成され
ている。

両側板1d、1e間には、仕切板２が懸架され、該仕切板
２の前端より下板1cに向かって延びる前板３が固定され
ており、この実施例においては、背板1a、仕切板２、下
板1c、両側板1d、1e、及び前板３により外縁板が長方形
状のホース収納箱４を形成している。なおホース収納箱
４の外縁板は、環状、楕円状であってもよい。

そして前板３の中心部には環状の開口部５が形成され
ており、開口部５の回りには、ホース案内のためのリン
グ６が取付けられている。またホース収納箱４上部には
ノズル掛止具14が固定されている。

７はセパレータである。該セパレータ７は板を「く」
字状に折り曲げて案内面８、９を形成したもので、折曲
部分が開口部５下端付近に位置し、案内面８、９が両側
下方に傾斜するように取付けられている。なお前記折曲
部分が開口部５下縁より上部に位置すると、ホースを引
出す際、ホースが案内面８、９と開口部５との間に挟ま
る場合があるため、折曲部分は開口部５下端より下部に
位置させておく必要がある。また案内面８、９の傾斜角
度は、ホース収納箱４の大きさに応じて適宜設定すれば
よい。

10は円形断面を保持できるホースであって、ホース収
納箱４の背板1aから前板３に向かって順次セパレータ７
の案内面８、９により８字状に保持されながらホース収
納箱４内に収納されている。ホース10の具体的な構造と
しては、厚肉のゴム又は合成樹脂ホースや、たて糸と合
成樹脂ブリッスル等の線状体のよこ糸とを筒状に織成し
たジャケットの内面にゴム又は合成樹脂のライニングを
施したホース等がある。そしてホース10の内端は、仕切
板２に形成された孔11よりホース収納箱４外へ出て消火
栓ボックス１内に設けられた送水源12に接続されてお
り、外端には放水ノズル13が取付けられている。なお放
水ノズル13は、開口部５よりホース収納箱４外へ出され
ており、前記ノズル掛止具14に掛止されている。

（作用） まず一旦引出された円形断面を保持できるホース10を
ホース収納箱４に収納する場合を第１図を参照しながら
説明する。

ホース10を開口部５より押し込み始めると、送水源12
の位置の関係（第１図ではホース収納箱４の左方に位
置）より、ホース10は左側板1dに沿って下方に進み、下
板1cに突当たると、一方向にややねじれながら下板1cに
沿って右方に進み、そしてセパレータ７の案内面８に沿
って右上方に進む。円形断面を保持できるホース10は剛
性を有するためそのまま仕切板２の右端に突当たり、今
度は他方向にややねじれながら右方に進み、右側板1eに
突当たると、右側板1eに沿って下方に進む。再び下板1c
に突当たると、下板1cに沿って右方に進み、案内面９に
沿って左上方に進むことになり、第１図に示すようにホ
ース10は８字状に収納される。この状態では前記一方向
のねじれと、他方向のねじれとが打ち消し合い、ホース
10にねじれが加わることはない。

さらにこの操作を繰返すことにより、ホース収納箱４
の背板1aから前板３に向かって順次８字状に収納するこ
とができる。

一方ホース10をホース収納箱４から引出す場合も、収
納する場合と同様に一方向のねじれと、他方向のねじれ
とが打ち消し合い、ホース10にねじれが加わることはな
いため、ホース10をスムーズに引出すことができる。

（効果） 本考案の消火栓装置によれば、ホース収納箱４内下部
に設けたセパレータ７により、ホース10を開口部５より
押し込むだけで、ホース収納箱４に８字状に簡単に収納
することができる。またホース10を引出す場合も、ホー
ス10にねじれが加わることはなく、スムーズに引出すこ
とができ、操作性に優れる。

さらに本考案によれば、従来の回転リール方式の消火
栓装置に比較して非常に簡単な構造であるため、軽量で
安価な消火栓装置になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の消火栓装置の正面図であり、第２図は
一部を破断した右側面図である。 １……消火栓ボックス ４……ホース収納箱 ７……セパレータ 10……ホース

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】消火栓ボックス内に、外縁板と後板と中心
   部に開口部を有する前板とよりなるホース収納箱を設
   け、該ホース収納箱内に前記開口部の下端付近から両側
   下方に傾斜する案内面が形成されたセパレータを取付
   け、内端が送水源に接続され、外端には放水ノズルが取
   付けられた円形断面を保持できるホースを前記開口部よ
   り押し込むことによりホース収納箱の後板から前板に向
   かって順次セパレータの案内面に沿わして８字状に収納
   可能とすると共に、前記開口部より引出すようにしたこ
   とを特徴とする消火栓装置。