JP2524387Y2 - 棒状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅等の棒状化粧料を収容する容器に関す
る。

〔従来の技術〕

従来より、棒状化粧料を繰り出す型式の容器は、多種
多様のものが市販されかつ提案されている。棒状化粧料
を回転などさせて繰り出す構造のように、繰り出し時に
操作手間を省くために、保護キャップを外した後、容器
本体から棒状化粧料をワンタッチで使用可能な状態に取
り出す型式のものは公知である。

例えば、第４図に示す実開昭62−117912号公報に記載
された収納容器の場合、有底筒状の容器本体１が先端開
口端をキャップ２で閉塞され、支持体３上に保持された
口紅等の棒状化粧料４を容器本体１の先端開口端から使
用可能に取り出す。支持台３は容器本体１の底部に伸縮
自在なリンク部材５を介して連結されている。リンク部
材５の一方は操作端部5aとして容器本体１の底部外に突
出している。したがって、この構造により、棒状化粧料
４を取り出す際は、キャップ２を取り外した後にリンク
部材５の操作端部5aを操作すると、リンク部材５の全体
が軸線方向に伸長し、支持台３上の棒状化粧料４が容器
本体１の先端開口端から使用可能に突出する。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、この公報の収納容器の場合、リンク部
材５の構造が非常に複雑であり、コスト高で実用性に乏
しい他、使用性の面でも、棒状化粧料４を取り出す際
に、リンク部材５を伸長させるかなり大きな操作力が必
要である。また、リンク部材５を縮小させて容器本体１
内に収めるためには、リンク部材５の折畳外径を見込ま
なければならず、このために容器本体１の外径寸法を余
分に大きく設定することで設計上の無駄がある。

本考案は、この種の収納容器の不具合を解消し、ワン
タッチ機能を満足させかつ構造の簡潔な棒状化粧料容器
を提供することを技術的課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の棒状化粧料容器は、有底筒状の容器本体10
と、この容器本体10の先端開口端11を閉塞すべく着脱可
能に装着するキャップ20と、前記容器本体10の内部に底
部12から先端開口端11にほぼ至る長さで起立する化粧料
固定台13と、この化粧料固定台13の先端に取り付けられ
た台座30と、この台座30に保持され且つ前記容器本体10
の前記先端開口端11よりも外方へ突出する棒状化粧料40
と、前記容器本体10の内部において前記化粧料固定台13
と容器本体10内周面との間の空間に前記容器本体10の底
部から起立して設けられた蛇腹管50と、この蛇腹管50の
開放先端51に結合され且つ前記棒状化粧料40の外部を覆
う操作筒60とから構成され、前記蛇腹管50は、所定以上
の軸方向作用力により伸縮可能であり、且つ所定以下の
軸方向作用力では現状の伸縮状態を維持する剛性を備え
ていることを特徴とする。

〔作用〕

容器本体10の先端開口端11を閉塞するキャップ20が取
り外される。この時、化粧料固定台13上の台座30に保持
されている棒状化粧料40は操作筒60内に内包されたまま
である。これにより、操作筒60を蛇腹管50の伸長位置で
容器本体10内に押し込むと蛇腹管50は蛇腹が畳み込まれ
る。即ち、操作筒60の押し込みによって、棒状化粧料40
を使用可能に開放する。この間の操作はワンタッチで行
なわれる。

使用後は、操作筒60を容器本体10から引っ張り上げる
と、縮小位置にある蛇腹管50は伸びて、その伸長位置を
保持する。そして、棒状化粧料40の外部が操作筒60に内
包される形で被覆される。この後、キャップ20が容器本
体10の先端開口端11に装着される。

〔実施例〕

以下、本考案による棒状化粧料容器の実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図〜第３図において、細長い筒状に成形された容
器本体10は、この先端開口端11でキャップ20により閉塞
され、後端は底部12を有している。内部では底部12から
起立する形で、筒状の化粧料固定台13がほぼ先端開口端
11に至る長さで二重筒状に一体成形されている。この化
粧料固定台13の図の上方先端には台座30が固定されてい
る。実施例では、台座30は固定脚31を介して化粧料固定
台13側のアンダーカット係止部14に分解可能に結合され
ている。こうした構造の台座30上に口紅等の棒状化粧料
40が保持され、この棒状化粧料40は容器本体10の先端開
口端11よりも外方に位置することとなる。

また、容器本体10の内部では前記の化粧料固定台13と
の間のスペースに、この化粧料固定台13を取り巻く形で
筒状の伸縮する蛇腹管50が底部12上に接着することによ
り起立して設けられている。

この蛇腹管50の先端部51には両端開口による直管状の
操作筒60がこの後方端部61で接続されている。即ち、蛇
腹管50の上端に操作筒60が上下方向への伸縮動作が自由
な状態で担持されており、操作筒60を蛇腹管50に抗して
押し下げ自在となっている。

ところで、蛇腹管50は、所定以上の軸方向への圧縮力
により収納可能であり、また同様に所定以上の軸方向引
張力により伸長可能であるが、しかし、所定以下の軸方
向圧縮力又は軸方向引張力では現状の伸縮状態を維持す
る剛性を備える成型品である。

言い換えれば、この蛇腹管50は、単に操作筒60を上部
に乗せて支持するだけでは圧縮による収納は起こらず、
この操作筒60を介して人為的な軸方向圧縮力を付与する
ことによって初めて収納し、またその人為的な軸方向圧
縮力を解除すればその収縮位置の状態を維持するのであ
る。他方、伸長の場合も同様で、人為的な軸方向引張力
を付与することによって蛇腹管50は伸長し、その人為的
引張力を解除するとその伸長位置の状態を維持するので
ある。

また、操作筒60は棒状化粧料40全体を外側から覆う長
さを有し、容器本体10の内周面に摺動可能である。

次に、以上のような構成による実施例の使用態様およ
び作用を説明する。

使用に際して、まず容器本体10の先端開口端11を閉塞
するキャップ20が取り外される。このキャップ20の取り
外しによって操作筒60で覆われた化粧料40が現れる。こ
れより、掴持固定された容器本体10に対して操作筒60を
押し込む。即ち、操作筒60を蛇腹管50に抗して容器本体
10内に押し込むと、容器本体10の内部で蛇腹管50が縮小
される。そして、操作筒60の押し込み力を解除すると蛇
腹管50はその縮小位置を保持し、操作筒60は容器本体10
内の押し込み位置に止まる。この操作筒60の押し下げ操
作で、容器本体10側の化粧料固定台13上に台座30を介し
て保持されている棒状化粧料40が、使用できる状態で外
部に露呈する。この間の操作はワンタッチで行なわれ
る。

使用後は、操作筒60を容器本体10から引っ張り上げる
と、棒状化粧料40が操作筒60に内包される形で被覆され
る。この後、キャップ20が容器本体10の先端開口端11に
装着される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による棒状化粧料容器
は、容器本体10側に保持された棒状化粧料40を、所定以
上の軸方向作用力により伸縮可能で且つ所定以下の軸方
向作用力では伸縮せずに現状の伸長位置及び縮小位置を
保持する蛇腹管50と直管状の操作筒60との結合構造によ
り、ワンタッチで使用状態にセットできるものであり、
容器全体の構造はいたって簡素であり、従来のこの種の
構造のものに比較して高寸法精度が各構成部品に要求さ
れないことから製造が非常に容易となり、製造コストを
格段に低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案による棒状化粧料容器の実施例
を示し、第１図は組立断面図、第２図は組立斜視図、第
３図は使用状態の斜視図である。第４図は従来例の組立
断面図を示す。 10……容器本体、12……底部、13……化粧料固定台、20
……キャップ、30……台座、40……棒状化粧料、50……
蛇腹管、60……操作筒。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】有底筒状の容器本体10と、この容器本体10
   の先端開口端11を閉塞すべく着脱可能に装着するキャッ
   プ20と、前記容器本体10の内部に底部12から先端開口端
   11にほぼ至る長さで起立する化粧料固定台13と、この化
   粧料固定台13の先端に取り付けられた台座30と、この台
   座30に保持され且つ前記容器本体10の前記先端開口端11
   よりも外方へ突出する棒状化粧料40と、前記容器本体10
   の内部において前記化粧料固定台13と容器本体10内周面
   との間の空間に前記容器本体10の底部から起立して設け
   られた蛇腹管50と、この蛇腹管50の開放先端51に結合さ
   れ且つ前記棒状化粧料40の外部を覆う操作筒60とから構
   成され、前記蛇腹管50は、所定以上の軸方向作用力によ
   り伸縮可能であり、且つ所定以下の軸方向作用力では現
   状の伸縮状態を維持する剛性を備えていることを特徴と
   する棒状化粧料容器。