JP2524376Y2 - コンバインの刈取部昇降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、昇降自在の刈取部の降下位置を調節できる
ようにして自動的に降下停止をさせることができるよう
にしたコンバインの刈取部昇降装置に関する。

［従来の技術］ 従来は、後部の支点軸（１）中心に回動して昇降でき
る刈取部を脱穀部の前方に配備して構成するコンバイン
において、刈取部の昇降操作は油圧シリンダにより行
い、該油圧シリンダに設けた調節可能のストッパーボル
トにより刈取部の降下位置を調節できるような構造にな
っていた。

［考案が解決しようとする課題］ したがって、油圧シリンダ装置では、ポンプや切換弁
などの油圧装置を装備することになって複雑な構造にな
るとともにコストアップとなり、また、刈取部の下限位
置を調節する場合には、運転者はわざわざ運転席から降
りて、機体下方のストッパーボルトを操作しなければな
らず、作業性が悪い、といった不具合を呈していた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような不具合を解決し、コンパクト構
造にして、しかも調節操作を容易に行えるようにしたも
のであり、そのため、後部の支点軸中心に回動して昇降
できる刈取部を脱穀部の前方に配備して構成するコンバ
インにおいて、前記刈取部が支点軸中心に回動できるよ
うモータに伝動連結し、運転席の内側方近傍となる機体
の部位には、板を運転席の内側方近傍となる機体の部位
に架設して、運転席から運転者が板の上下動調節操作を
行うことができるようにし、該板の上方位となる刈取部
の枠部には、刈取部が下限まで降下すると前記板に当接
できるモータ停止用のスイッチを架設して構成したもの
である。

［作用］ したがって、モータ駆動により刈取部を支点軸中心に
回動させながら昇降させることができることになって、
降下させる場合には、スイッチが板にあたるとモータを
停止させて自動的に停止させることができることにな
り、また、運転席から運転者が板の上下動調節操作を行
うことができることになって、刈取部の下限位置を容易
に調節できることになる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図はコンバインの側面図を示し、両クローラ
（６）により支持するシャーシ（７）の上方には脱穀部
（Ｂ）を搭載し、該脱穀部（Ｂ）の前方には、両引越し
装置（８）、刈刃（９）、両掻込ホイル（10）、縦搬送
チェン（11）、タイン式上部搬送体（12）などを装備す
る刈取部（Ａ）を配備し、機体の側方前部に架設したス
テップ（13）の前後には操縦コラム（14）と運転席
（３）を立設し、ステップ（13）の内側方に立設したサ
イドコラム（15）の前面から上面にかけてサイドコラム
フレーム（16）を添設し、前記運転席（３）の下方にエ
ンジン（17）を内装して構成したものである。

前記刈取部（Ａ）には、後部に斜設した伝動ケース
（18）の上部側方に支点軸（1a）を固設し、伝動ケース
（18）の上端面側より延出する伝動筒（19）の一方側に
は、前記支点軸（1a）と同一軸心となる支点軸（１）を
両連結フレーム（20）を介して一体的に架設し、脱穀部
（Ｂ）の前方に立設する両ブラケット（21）の上端側の
両メタル（22）に前記支点軸（１）（1a）をそれぞれ回
動自由に嵌合して軸架し、前記伝動ケース（18）の下部
からは前記刈刃（９）、両掻込ホイル（10）および左側
の引越し装置（８）に伝動できるように装設し、前記伝
動筒（19）の一端側からは右側の引越し装置（８）に伝
動する伝動パイプ（23）を延設し、伝動筒（19）の他端
側に連設したギヤケース（24）の上下には前記上部搬送
体（12）および縦搬送チェン（11）に伝動する駆動輪
（25）（26）をそれぞれ軸架し、また、前記支点軸（1
a）の軸心方向となる伝動ケース（18）の内側部には、
前記エンジン（17）に伝動連結するミッションケース
（27）より伝動される刈取入力プーリ（28）を軸架して
構成する。

前記支点軸（１）の外端部には扇形ギヤ（29）の中心
側を一体的に固着するとともに該扇形ギヤ（29）をモー
タ（２）により回動させるように装設するが、該モータ
（２）はそれぞれ機体に固定した両モータ（2a）（2b）
からなり、両モータ（2a）（2b）によりそれぞれ回動さ
せる両ピニオンギヤ（30a）（30b）を前後に間隙をおい
て前記扇形ギヤ（29）にそれぞれ噛合させ、刈取部
（Ａ）が上限位置まで上昇すると扇形ギヤ（29）の前端
縁（29a）が衝合することになるストッパー（31）を前
記ブラケット（21）の上方側部に架設し、また、前記伝
動ケース（18）の途中部位に固設した連結片（32）と、
前記シャーシ（７）の前方に立設した支持片（33）に
は、ガススプリング体（24）の両端側を、刈取部（Ａ）
の昇降中間位でバランスされるようにして連結し構成す
る。

前記運転席（３）の内側方近傍となる前記サイドコラ
ムフレーム（16）の前方下部の横側方にはブラケット
（35）を固設し、ばね板（４）の一端側を上端に固定し
た支持板（36）を前記ブラケット（35）に上下動自在に
して嵌装するとともに、支持板（36）に形成した上下方
向の長溝（36a）とブラケット（35）には両締付ボルト
（37）を締付自在にして挿着し、前記ばね板（４）の上
方位となる前記伝動パイプ（23）の部位から支持板（3
8）を垂設し、前記ばね板（４）に接触すると前記モー
タ（2a）を停止させることができるリミットスイッチ
（５）を前記支持板（38）に固設し、また、前記操縦コ
ラム（14）の上面には前記両モータ（2a）（2b）をそれ
ぞれオンオフにさせる両スイッチ（39a）（39b）を装備
して構成する。

したがって、刈取部（Ａ）を降下させる際には、スイ
ッチ（39a）を押してモータ（2a）を始動させると、ピ
ニオンギヤ（30a）の回転により扇形ギヤ（29）および
支軸（１）（1a）が矢印（イ）で示すように回動させら
れて、刈取部（Ａ）は支軸（１）（1a）中心に回動しな
がらガススプリング体（34）に支持されたまま降下する
ことになり、リミットスイッチ（５）がばね板（４）に
接触するとモータ駆動回路の一部が開いてモータ（2a）
が停止して、刈取部（Ａ）は下限位置に自動的に停止さ
せられることになる。

その場合、リミットスイッチ（５）はばね板（４）に
接触することになるので、過負荷時のスイッチや伝動パ
イプ（23）などが破損することは防止できることにな
り、また、運転者は運転席（３）側から両締付ボルト
（37）（37）を操作できることになって、第６図に示す
ようにばね板（４）を上下方向にｌ長範囲内で上下動調
節すると、刈取部（Ａ）の下限位置を調節することがで
きることになる。

実施例の場合、ばね板になっているので、スイッチの
保護作用も期待できる。

また、刈取部（Ａ）を上昇させる場合には、スイッチ
（39b）を押してモータ（2b）を始動させると、ピニオ
ンギヤ（30b）の回転により扇形ギヤ（29）および支軸
（１）（1a）が逆矢印（イ）方向に回動させられて、刈
取部（Ａ）は支軸（１）（1a）中心に回動しながらガス
スプリング体（34）に支持されたまま上昇することにな
り、扇形ギヤ（29）の前端縁（29a）がストッパー（3
1）に衝合すると上昇は停止させられることになって、
刈取部（Ａ）は上限位置まで上昇させられることにな
る。

［考案の効果］ このように本考案は、モータ（２）による駆動のた
め、従来形の油圧シリンダ装置に比しコンパクト構造に
することができるとともにコストダウンを達成できるこ
とになり、また、刈取部（Ａ）を下限位置に降下させる
と、リミットスイッチ（５）が破損することなく無難に
板（４）に当接することができることになって自動的に
良好に下限位置に停止させることができることになり、
しかも、運転席（３）から降りることなく運転者は板
（４）の上下動調節を行うことができることになって、
刈取部（Ａ）の下限位置調節を容易に行うことができる
ことになり、好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の側面図、第２図は
コンバインの側面図、第３図はその平面図、第４図は刈
取部の一部の展開図、第５図は第１図の一部の拡大図、
第６図は第１図の一部を示す。 （１）…支点軸、（Ａ）…刈取部 （Ｂ）…脱穀部、（２）…モータ （３）…運転席、（４）…ばね板 （５）…リミットスイッチ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後部の支点軸（１）中心に回動して昇降で
   きる刈取部（Ａ）を脱穀部（Ｂ）の前方に配備して構成
   するコンバインにおいて、前記刈取部（Ａ）が支点軸
   （１）中心に回動できるようモータ（２）に伝動連結
   し、運転席（３）の内側方近傍となる機体の部位には、
   板（４）を運転席（３）の内側方近傍となる機体の部位
   に架設して、運転席（３）から運転者が板（４）の上下
   動調節操作を行うことができるようにし、該板（４）の
   上方位となる刈取部（Ａ）の枠部には、刈取部（Ａ）が
   下限まで降下すると前記板（４）に当接できるモータ停
   止用のスイッチ（５）を架設して構成したことを特徴と
   する刈取部昇降装置。