JP2522772B2 - Wをド―プしたTiO2単結晶粒子とその製造方法 - Google Patents
Wをド―プしたTiO2単結晶粒子とその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,金属酸化物の焼成過程における粒子成長状
態の解明や,物性調査等に用いられるWをドープしたTi
O2単結晶体とその製法に関する。
態の解明や,物性調査等に用いられるWをドープしたTi
O2単結晶体とその製法に関する。
従来,上記のような目的で用いられるTiO2系の単結晶
体は,粒径数十μm程度のTiO2の単結晶粒子が用いら
れ,これは次のような方法で製造されていた。まず,溶
質としての酸化チタン粉末と,媒質としての弗化カリウ
ム粉末とを混合する。この混合物を媒質の融点より高い
温度まで昇温し,溶質と媒質とを溶解する。その後,媒
質が固化する温度まで10℃/hr程度の降温速度で冷却
し,次いで,室温まで炉内において自然冷却する。こう
して,TiO2の単結晶体と媒質とで構成された塊状の物が
得られる。
体は,粒径数十μm程度のTiO2の単結晶粒子が用いら
れ,これは次のような方法で製造されていた。まず,溶
質としての酸化チタン粉末と,媒質としての弗化カリウ
ム粉末とを混合する。この混合物を媒質の融点より高い
温度まで昇温し,溶質と媒質とを溶解する。その後,媒
質が固化する温度まで10℃/hr程度の降温速度で冷却
し,次いで,室温まで炉内において自然冷却する。こう
して,TiO2の単結晶体と媒質とで構成された塊状の物が
得られる。
さらにこれを単結晶粒子とするため,次のような処理
を行う。まず,塊状の溶解物をビーカーに入れ,80℃の
温水を注いで十数分間放置した後,温水を捨てて温水洗
浄する。このような温水洗浄を繰り返し行うと,塊の中
の媒質成分が次第に崩れて溶出し,不要の粒子が残る。
これを十数回繰り返すことによって,粒径30〜50μm程
度の単結晶粒子が得られる。
を行う。まず,塊状の溶解物をビーカーに入れ,80℃の
温水を注いで十数分間放置した後,温水を捨てて温水洗
浄する。このような温水洗浄を繰り返し行うと,塊の中
の媒質成分が次第に崩れて溶出し,不要の粒子が残る。
これを十数回繰り返すことによって,粒径30〜50μm程
度の単結晶粒子が得られる。
しかしながら,上記TiO2単結晶体には,不純物として
媒質であるカリウムが500ppm,弗素が100ppm程度含まれ
る。この不純物は,単結晶内に含まれているので温水洗
浄を何度繰り返しても除去することができない。
媒質であるカリウムが500ppm,弗素が100ppm程度含まれ
る。この不純物は,単結晶内に含まれているので温水洗
浄を何度繰り返しても除去することができない。
また,塊状の溶解物から最終的に単結晶粉末を得るた
めには,既に述べたように何度かの温水洗浄を経なけれ
ばならない。従って,工程が複雑であると共に,大掛り
な洗浄設備を必要とする問題があった。
めには,既に述べたように何度かの温水洗浄を経なけれ
ばならない。従って,工程が複雑であると共に,大掛り
な洗浄設備を必要とする問題があった。
本件発明者らは,従来のTiO2単結晶体とその製造方法
における上記従来の問題点に鑑み,検討した結果,適当
な割合でWをドープしたTiO2が結晶サイズの整った多結
晶体を構成し,さらにこの多結晶体が容易に粒界破断を
起こすことに着目した。本発明は,この点を基に,上記
従来の問題点を解決することを目的とする。
における上記従来の問題点に鑑み,検討した結果,適当
な割合でWをドープしたTiO2が結晶サイズの整った多結
晶体を構成し,さらにこの多結晶体が容易に粒界破断を
起こすことに着目した。本発明は,この点を基に,上記
従来の問題点を解決することを目的とする。
第一の発明によるWをドープしたTiO2単結晶粒子は,T
iO2が94.0〜98.0モル%と,Wが2.0〜6.0モル%とからな
るものである。
iO2が94.0〜98.0モル%と,Wが2.0〜6.0モル%とからな
るものである。
また,第二の発明による上記単結晶粒子を製造する方
法は,TiO2を94.0〜98.0モル%と,WO3を2.0〜6.0モル%
混合し,この混合物を加圧成型した後,空気中で焼成
し、さらにこの焼成体を粉砕する方法である。
法は,TiO2を94.0〜98.0モル%と,WO3を2.0〜6.0モル%
混合し,この混合物を加圧成型した後,空気中で焼成
し、さらにこの焼成体を粉砕する方法である。
第二の発明による単結晶粒子の製造方法において,原
料となるTiO2とWO3との混合物を加圧成型した後,空気
中で焼成すると,第1図で示すような,第一の発明によ
るWがドープされたTiO2の成型体が得られる。この成型
体は,結晶サイズの整った多結晶体からなり,さらにこ
の多結晶体は,容易に粒界破断を起こして,結晶粒子毎
に分離しやすく,粉砕することによって,第2図で示す
ような単結晶粒子に分離される。この単結晶粒子は第1
図で示すような多結晶体を構成している個々の結晶粒子
の形状を,粉砕後もほゞそのまゝ維持している。
料となるTiO2とWO3との混合物を加圧成型した後,空気
中で焼成すると,第1図で示すような,第一の発明によ
るWがドープされたTiO2の成型体が得られる。この成型
体は,結晶サイズの整った多結晶体からなり,さらにこ
の多結晶体は,容易に粒界破断を起こして,結晶粒子毎
に分離しやすく,粉砕することによって,第2図で示す
ような単結晶粒子に分離される。この単結晶粒子は第1
図で示すような多結晶体を構成している個々の結晶粒子
の形状を,粉砕後もほゞそのまゝ維持している。
なお,第一の発明において,Wの割合を上記の範囲に限
定したのは,次の理由による。単結晶体のドープされた
Wの割合が2.0モル%より少ないと,結晶の粒成長が起
こらずに緻密化し,粒界破断が起こらない。しかも,粉
砕された粒子は多結晶体であり,単結晶粒子が得られな
い。他方,Wの割合が6.0モル%より多いと,結晶の粒成
長が不規則に起こり,やはり粒界破断が起こらない。し
かも,粉砕した粒子は多結晶粒子であり,単結晶粒子が
得られない。
定したのは,次の理由による。単結晶体のドープされた
Wの割合が2.0モル%より少ないと,結晶の粒成長が起
こらずに緻密化し,粒界破断が起こらない。しかも,粉
砕された粒子は多結晶体であり,単結晶粒子が得られな
い。他方,Wの割合が6.0モル%より多いと,結晶の粒成
長が不規則に起こり,やはり粒界破断が起こらない。し
かも,粉砕した粒子は多結晶粒子であり,単結晶粒子が
得られない。
また,第二の発明による原料のWO3の割合は,上記W
の割合から必然的に決定される。
の割合から必然的に決定される。
次に,この発明の実施例を説明する。
(実施例1) 純度99.99%のTiO2粉末94.41gと,純度99.99%のWO3
粉末5.59gと,エタノール400mlとをボールミルに15時間
かけて混合した。
粉末5.59gと,エタノール400mlとをボールミルに15時間
かけて混合した。
この混合物を100℃の温度で乾燥し,TiO2とWO3の混合
粉末を得た。該混合粉末にポリビニールアルコールを4
%含む有機バインダを15g加え,擂潰機で撹拌した後,60
meshの篩を通過させて250μm以下の粉末を選別した。
この粉末を1ton/cm2の圧力で直径15mmφ,厚さ2mmの円
板形に加圧成型し,複数の成型物を作った。
粉末を得た。該混合粉末にポリビニールアルコールを4
%含む有機バインダを15g加え,擂潰機で撹拌した後,60
meshの篩を通過させて250μm以下の粉末を選別した。
この粉末を1ton/cm2の圧力で直径15mmφ,厚さ2mmの円
板形に加圧成型し,複数の成型物を作った。
該成形物を空気中において,次の温度プロファイルで
焼成した。まず,150℃/hrの昇温速度で1450℃まで昇温
し,この温度を4時間保持した後,300℃/hrの速度で降
温し,常温で炉から取り出した。これにより,第1図で
示すような結晶体からなる焼結体が得られた。
焼成した。まず,150℃/hrの昇温速度で1450℃まで昇温
し,この温度を4時間保持した後,300℃/hrの速度で降
温し,常温で炉から取り出した。これにより,第1図で
示すような結晶体からなる焼結体が得られた。
得られた焼結体を擂潰機に入れて30分間粗粉砕し,更
にエタノールを加えて,ボールミルで15時間粉砕し,第
2図で示すような粒径12〜18μmの粒子を得た。この粒
子は,X線回折法によって分析した結果,Wを2.0モル%含
むTiO2の単結晶粒子であることが確認され,その純度は
99.99%であった。以上の結果を表1にまとめた。
にエタノールを加えて,ボールミルで15時間粉砕し,第
2図で示すような粒径12〜18μmの粒子を得た。この粒
子は,X線回折法によって分析した結果,Wを2.0モル%含
むTiO2の単結晶粒子であることが確認され,その純度は
99.99%であった。以上の結果を表1にまとめた。
(実施例2) 実施例1において,原料中のTiO2粉末の量を94.41gか
ら89.21gに変え,WO3粉末の量を5.59gから10.79gに変え
た以外は,実施例1と同じ方法と条件で単結晶粒子を製
造した。この粒子はWを4.0モル%含むTiO2を単結晶粒
子であり,粒径が13〜28μm,純度が99.99%であった。
この結果を表1に示す。
ら89.21gに変え,WO3粉末の量を5.59gから10.79gに変え
た以外は,実施例1と同じ方法と条件で単結晶粒子を製
造した。この粒子はWを4.0モル%含むTiO2を単結晶粒
子であり,粒径が13〜28μm,純度が99.99%であった。
この結果を表1に示す。
(実施例3) 実施例1において,原料中のTiO2粉末の量を94.41gか
ら84.37gに変え,WO3粉末の量を5.59gから15.63gに変え
た以外は,実施例1と同じ方法と条件で単結晶粒子を製
造した。この粒子はWを6.0モル%含むTiO2の単結晶粒
子であり,粒径が25〜34μm,純度が99.99%であった。
この結果を表1に示す。
ら84.37gに変え,WO3粉末の量を5.59gから15.63gに変え
た以外は,実施例1と同じ方法と条件で単結晶粒子を製
造した。この粒子はWを6.0モル%含むTiO2の単結晶粒
子であり,粒径が25〜34μm,純度が99.99%であった。
この結果を表1に示す。
(比較例) 既に述べた従来の製造方法により製造されたTiO2単結
晶粉末の粒径及び純度を表1に示す。
晶粉末の粒径及び純度を表1に示す。
〔発明の効果〕 以上説明した通り,Wを上記の割合でドープしたTiO
2は,結晶サイズの整った多結晶体として得られ,これ
は容易に粒界破断を起こす。従って,この多結晶体を単
に粉砕するだけで,第一の発明による単結晶粒子が得ら
れ,従来のように,面倒な温水洗浄を行う必要が無くな
る。このため,工程が簡素化されると共に,洗浄設備が
不要となる。
2は,結晶サイズの整った多結晶体として得られ,これ
は容易に粒界破断を起こす。従って,この多結晶体を単
に粉砕するだけで,第一の発明による単結晶粒子が得ら
れ,従来のように,面倒な温水洗浄を行う必要が無くな
る。このため,工程が簡素化されると共に,洗浄設備が
不要となる。
また,媒質を使用せずに単結晶粒子が製造できるた
め,純粋な単結晶体が容易に得られる効果がある。
め,純粋な単結晶体が容易に得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は,第二の発明における粉砕前の焼結体の結晶構
造を示す電子顕微鏡写真,第2図は,同焼結体を粉砕し
た後の顕微鏡写真である。
造を示す電子顕微鏡写真,第2図は,同焼結体を粉砕し
た後の顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】TiO2が94.0〜98.0モル%と、Wが2.0〜6.0
モル%とからなるWをドープしたTiO2単結晶粒子。 - 【請求項2】TiO2を94.0〜98.0モル%と、WO3を2.0〜6.
0モル%混合し、これを加圧成型し、空気中で焼成し、
さらにこの焼成体を粉砕するWをドープしたTiO2単結晶
粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61194977A JP2522772B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | Wをド―プしたTiO2単結晶粒子とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61194977A JP2522772B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | Wをド―プしたTiO2単結晶粒子とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6350325A JPS6350325A (ja) | 1988-03-03 |
JP2522772B2 true JP2522772B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=16333492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61194977A Expired - Lifetime JP2522772B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | Wをド―プしたTiO2単結晶粒子とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2522772B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0320854D0 (en) | 2003-09-05 | 2003-10-08 | Arrow No 7 Ltd | Buccal drug delivery |
CN102527409A (zh) * | 2010-12-31 | 2012-07-04 | 中国科学院金属研究所 | 钨氮二元共掺杂纳米TiO2光催化剂及其制备方法 |
CN109761271A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-05-17 | 河南佰利联新材料有限公司 | 一种回收利用含钛细料的方法 |
-
1986
- 1986-08-19 JP JP61194977A patent/JP2522772B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6350325A (ja) | 1988-03-03 |
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