JP2521834Y2 - 多段ブームにおける油圧シリンダのチェック弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、順次伸縮作動式の多段
ブームに設けられた油圧シリンダのチェック弁に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、基端ブームと、１本または複数本
の中間ブームと、先端ブームと、これらブームに設けら
れた複数本の油圧シリンダとを備え、これら油圧シリン
ダに内蔵されたチェック弁の作用により圧油の供給経路
を切り換え複数本の油圧シリンダを順次伸縮させて前記
中間ブーム及び先端ブームを順次伸縮作動させる多段ブ
ームが提供されており、上記チェック弁は、一般的に、
図３に示すように、球体ａの外側面を弁本体ｂに固設さ
れたカシメ部材ｃによってカシメ接合されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のチェック弁では、カシメ部材ｃによるカシメ接合の
分だけ該チェック弁の径が大きくなり、このチェック弁
を収容する油圧シリンダの収容部分が大きくなり、多段
ブームの限られた空間に納めるのに余裕がなく、そのた
めシリンダの小型化が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の多段ブームにお
ける油圧シリンダのチェック弁は、基端ブームと、１本
または複数本の中間ブームと、先端ブームと、これらブ
ームに設けられた複数本の油圧シリンダとを備え、これ
ら油圧シリンダに内蔵されたチェック弁の作用により圧
油の供給経路を切り換え複数本の油圧シリンダを順次伸
縮させて前記中間ブーム及び先端ブームを順次伸縮作動
させる多段ブームにおいて、前記チェック弁は、弁本体
と、該弁本体の一端に設けられ油圧シリンダ本体に形成
された弁座に圧接する球体とからなり、上記弁本体と球
体とが溶接により直接接合されたものである。

【０００５】

【作用】チェック弁を構成する弁本体と球体とを溶接に
より直接接合することにより、簡単な構成でチェック弁
の小型化を図る。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。

【０００７】図１は多段ブームに設けられる油圧シリン
ダを示している。

【０００８】この油圧シリンダは、２本の第１，第２油
圧シリンダ１０，２０のロッド１２，２２が互いに逆方
向に伸縮するように本体１１，２１が固設されたもの
で、第１油圧シリンダ１０のロッド端が図示しない基端
ブームに固設され、第１油圧シリンダ１０及び第２油圧
シリンダ２０の本体１１，２１が図示しない中間ブーム
に固設され、さらに第２油圧シリンダ２０のロッド端が
図示しない先端ブームに固設されている。

【０００９】すなわち、これら第１，第２油圧シリンダ
１０，２０は、基端ブーム、中間ブーム、先端ブームか
らなる３段式の多段ブームに適用されるもので、伸長時
には中間ブーム、先端ブームの順で順次伸長させ、逆に
縮退時には先端ブーム、中間ブームの順で順次縮退させ
るように構成されている。

【００１０】第１油圧シリンダ１０は、前記本体１１
と、ロッド１２と、該ロッド１２の基端部に設けられた
ピストン部１２ａとから構成されている。

【００１１】ロッド１２には中心部とその外周部に通路
１３，１４が形成されており、これら通路１３，１４に
は図示しない油圧ポンプ、切換弁等を備えた油圧供給手
段によりロッド１２の先端部から圧油が供給される。

【００１２】前記通路１３は、該通路１３内に摺動自在
に嵌挿された嵌挿部材１５内、本体１１の基端部に形成
された通路１６ａ，１６ｂ，１６ｃを経てピストン室１
７に連通されている。また、通路１４は連通部１８を経
てロッド室１９に連通されている。

【００１３】前記通路１６ａ，１６ｂ，１６ｃには、第
１チェック弁３０と第２チェック弁４０とが配置されて
いる。

【００１４】チェック弁３０は、図１及び図２に示すよ
うに、弁本体３１と、該弁本体３１の一端に設けられ第
１油圧シリンダ１０に形成された弁座１０１と圧接する
球体３２とから構成されている。このチェック弁３０
は、スプリング３５により球体３２が弁座１０１に圧接
するように付勢されている。

【００１５】また、弁本体３１の他端部は前記嵌挿部材
１５に挿入係止されており、ロッド１２が略最大に伸長
した際にピストン部１２ａが嵌挿部材１５を伸長方向
（図２に示す矢符Ｐ方向）に引っ張ることで、球体３２
を弁座１０１からスプリング３５の付勢力に抗して離脱
するようになされ、これにより通路１６ａと第２油圧シ
リンダ２０のピストン室２５に連通された通路１０２と
が連通する。

【００１６】ここで、上記弁本体３１と球体３２とは溶
接により直接接合されている。

【００１７】具体的には、弁本体３１と球体３２とを圧
着溶接することによりこれら両者を直接接合しており、
また弁本体３１と球体３２とをプロジェクション溶接す
ることにより直接接合している。

【００１８】このようにチェック弁３０を構成すること
により、構成が簡単で従来のものよりチェック弁３０の
径を小さくすることができ、この結果油圧シリンダの収
容部分を小さくでき小型化を図ることができる。

【００１９】前記第２チェック弁４０は、球体４１がス
プリング４２の付勢力により弁座１０３に圧接されるも
ので、第２油圧シリンダ２０の縮退時には該第２油圧シ
リンダ２０のロッド端に設けられた押圧部材５０により
摺動ロッド４３を矢符Ｐ方向に摺動させることで球体４
１をスプリング４２の付勢力に抗して弁座１０３から離
脱させるように構成されている。

【００２０】前記第２油圧シリンダ２０は、上述したよ
うに、本体２１と、ロッド２２と、該ロッド２２の基端
部に設けられたピストン部２３とから構成されており、
ピストン室２５が第１油圧シリンダ１０の通路１０２に
図示しないパイプにより連通されるとともに、ロッド室
２６が第１油圧シリンダの通路１４に図示しないパイプ
により連通されている。

【００２１】次に、上述した第１，第２油圧シリンダ１
０，２０の動作について簡単に説明する。

【００２２】まず、図１に示すような第１，第２油圧シ
リンダ１０，２０を縮退させた状態において、第１油圧
シリンダ１０の通路１３に圧油を供給すると、この圧油
は通路１３、通路１６ａ，１６ｂ，１６ｃを経て第１油
圧シリンダ１０のピストン室１７に供給され、第１油圧
シリンダ１０のロッド１２を伸長させる。そして、ロッ
ド１２が略最大まで伸長すると、ピストン部１２ａが嵌
挿部材１５を伸長方向に引っ張ることで、チェック弁３
０が開放され、圧油は通路１０２を経て第２油圧シリン
ダ２０のピストン室２５に供給され、第２油圧シリンダ
２０のロッド２２が伸長する。この第２油圧シリンダ伸
長時においてチェック弁４０は通路１６ｃを閉塞し、こ
れにより第１油圧シリンダ１０の伸長状態を保持してい
る。また、縮退時は第１油圧シリンダ１０の通路１４に
圧油を供給することで、前記チェック弁３０、チェック
弁４０の作用によって第２油圧シリンダ２０から順次縮
退する。このように第１，第２油圧シリンダ１０，２０
が順次伸縮することで、中間ブーム、先端ブームが順次
縮退する。

【００２３】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、チ
ェック弁を構成する弁本体と球体とが溶接により直接接
合されたことにより、構成が簡単で従来のものよりチェ
ック弁の径を小さくすることができ、この結果油圧シリ
ンダの収容部分を小さくでき油圧シリンダを多段ブーム
の限られた空間に容易に納めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】多段ブームに設けられた油圧シリンダを示す側
面図である。

【図２】本考案に係る油圧シリンダのチェック弁の構成
を示す拡大の側面図である。

【図３】従来のチェック弁の構成を示す側面図である。

【符号の説明】

１０ 第１油圧シリンダ ２０ 第２油圧シリンダ ３０ チェック弁 ３１ 弁本体 ３２ 球体 １０１ 弁座

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基端ブームと、１本または複数本の中間
   ブームと、先端ブームと、これらブームに設けられた複
   数本の油圧シリンダとを備え、これら油圧シリンダに内
   蔵されたチェック弁の作用により圧油の供給経路を切り
   換え複数本の油圧シリンダを順次伸縮させて前記中間ブ
   ーム及び先端ブームを順次伸縮作動させる多段ブームに
   おいて、 前記チェック弁は、弁本体と、該弁本体の一端に設けら
   れ油圧シリンダ本体に形成された弁座に圧接する球体と
   からなり、上記弁本体と球体とが溶接により直接接合さ
   れたことを特徴とする多段ブームにおける油圧シリンダ
   のチェック弁。
2. 【請求項２】 前記弁本体と球体とが圧着溶接された請
   求項１記載の多段ブームにおける油圧シリンダのチェッ
   ク弁。
3. 【請求項３】 前記弁本体と球体とがプロジェクション
   溶接された請求項１記載の多段ブームにおける油圧シリ
   ンダのチェック弁。