JP2521544Y2 - 磁気カード読取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は料金収受機械に適用される磁気カード読取装
置に関する。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の磁気カード読取装置においては、磁気カードを
記録したトラックを中心として２枚に裁断し他方にダミ
ーの紙片を貼り合せた偽造カードでも信号レベルは半分
に低下するが二値化された信号コードは再生できるため
２枚のカードに不正使用される欠点があった。

その具体例を第４図及び第５図に示す。

第４図に示す11は磁気カードである。二点鎖線で示す
12のエリヤが例えば磁気バーコードによる磁気カード記
録部である。

第５図（ａ）は磁気ヘッドの読取波形の一例である。
通常出力電圧E_m（実線）に対して、数分の１程度の電圧
値E_sにスライスレベルを設定し、第５図（ｂ）のような
二値化データに波形整形される。

今、第４図に示す磁気コード記録部12の中心線ｃ−
ｃ′で裁断し他方にダミーカードを貼り合せた偽造カー
ドを読取装置にかけると、読取出力は第５図（ａ）の点
線のごとく、出力レベルは半分に低下するが、スライス
レベルE_sよりまだ十分大きいため前記実線出力同様に第
５図（ｂ）の信号コードが再生できる。

磁気カードの出力は磁気層の塗り厚などのバラツキ
で、出力変動が大きいから、一般に平均出力の±30〜50
％のバラツキを許容するようにスライスレベルE_sはそれ
より更に低く設定されるものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決するために同一トラックの
磁気コードの２つのギャップを有する磁気ヘッドで検出
すると共に、２つの検出信号を加算する増幅器の出力に
より信号コードを読み出し、減算する増幅器の出力レベ
ルから、２枚貼り合せによる磁気カードの偽造を判別す
ることを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案の磁気カード読取装置は上記のように構成され
ているので、正規カードの磁気ヘッドの出力、つまり２
つのギャップ出力は加算増幅器により加算されて２倍に
なり、減算増幅器の方は、互いに打消されて零となる。

一方、２枚貼り合せの偽装カードの、磁気ヘッドの出
力は一方のギャップは出力はあるが他方は出ないので、
加算増幅器減算増幅器とも出力が得られる。

従って加算増幅器の出力から信号を再生した際減算増
幅器側に出力があれば偽造、出力がなければ正規カード
であると判別することが可能となる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を第１図及び第２図により説明
する。第１図１は本考案の磁気ヘッドである。後述する
２つのギャップに対して２つのコイル、コイル−1,コイ
ル−２で構成されている。２つのコイルの極性は、同方
向であることを印で示している。つまり同一極性のコ
ードなら、同相の出力電圧である。

２は加算増幅器、３は減算増幅器である。入力端には
いずれもコイル１及び２が接続されている。仮に両コイ
ルの出力をe₁、及びe₂とすると、加算増幅器２はα（e₁
＋e₂）、減算増幅器３はα（e₁−e₂）の出力が得られ
る。αは増幅率で一定とする。４及び５はコンパレータ
ー回路で、第５図の従来例のようにアナログ入力電圧
（図中E_m，E_m′）を基準レベル即ちスライスレベル（図
中E_s）と絶対値比較して、第５図（ｂ）のごとくディジ
タル化を行う。この場合、コンパレーター回路４は、信
号読出し回路の機能を有し、コンパレーター回路５は、
磁気カードの正否を判別する判別回路の機能を有する。

第２図は本考案の磁気ヘッドのギャップ配置を示す。

２つのギャップで構成されており、ギャップ１及びギ
ャップ２は、第１図のコイル１及びコイル２に対応して
いる。その配置及び寸法関係は第３図書き込み用磁気ヘ
ッド６のギャップ長Ｌに対して読取り磁気ヘッドギャッ
プ長は第２図のごとく1/2L以下に設計し、かつ中心に対
して対象形に配置されている。

上記のように構成された磁気カード読取装置では、正
規カードの場合、両コイルの出力e₁，e₂は概略等しいか
ら減算増幅器３の出力はほゞ零〔α（e₁−e₂）≒０〕と
なり、２枚貼り合せの偽造カードの出力はe₁及びe₂のい
ずれか一方が検出されないから、減算増幅器３の出力は
α（e₁）又はα（e₂）となる。従ってコンパレーター５
のスライスレベルを０〜e₁（又はe₂）の中間に設定する
ことにより偽造の有無が判定できる。加算増幅器２の出
力は正規カードの場合はα（e₁＋e₂）が出力されるから
コンパレーター１により従来同様二値化符号が再生でき
る。偽造カードの場合の出力はα（e₁）又はα（e₂）で
正規の場合α（e₁＋e₂）の約半分で差はあり、偽造の判
定は出来ないこともないが、通常の磁気カードの出力
は、磁気層の塗り厚などのバラツキで±30〜50％程度の
出力変化は許容するようコンパレーター１のスライスレ
ベル（第５図ではE_s）はそれより更に低く設定されてい
るものである。

つまりα（e₁＋e₂）とα（e₁）又はα（e₂）の差では
判定の信頼性が乏しい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば磁気カードの２
枚貼り合せによる磁気カードの偽造が容易にかつ確実に
検出できることになり、偽造防止が大幅に改善されるこ
とになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の磁気カード読取装置の構成
図であり、第２図はその磁気ヘッドギャップ配置図であ
り、第３図はその書込用磁気ヘッドのギャップ配置図で
あり、第４図は磁気カード図であり、第５図は出力波形
再生例を示す。 １…磁気ヘッド、２…加算増幅器、３…減算増幅器、４
…コンパレーター１、５…コンパレーター２、６…書き
込み磁気ヘッド、11…磁気カード、12…磁気コード

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気カードに記録された同一トラックの磁
   気コードを２つのギャップで検出する磁気ヘッドと、こ
   の磁気ヘッドから出力される２つの検出信号を加算する
   加算増幅器と、上記磁気ヘッドから出力される２つの検
   出信号を減算する減算増幅器と、上記加算増幅器の出力
   から信号コードを読出す信号読出し回路と、上記減算増
   幅器の出力レベルを基準レベルと比較して上記磁気カー
   ドの正否を判別する判別回路とを具備したことを特徴と
   する磁気カード読取装置。