JP2520767Y2

JP2520767Y2 - インキ補給式リボンカセット

Info

Publication number: JP2520767Y2
Application number: JP1990004847U
Authority: JP
Inventors: 修松野
Original assignee: 株式会社パイロット
Priority date: 1990-01-23
Filing date: 1990-01-23
Publication date: 1996-12-18
Anticipated expiration: 2005-01-23
Also published as: JPH0398064U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案はプリンタ等に使用するインキ補給式リボンカ
セットに関する。

従来の技術従来、インキリボンの寿命を長くするため、インキリ
ボンにインキを補給するリボンカセットとして、スポン
ジ等のインキ含浸体をインキタンク内に充填し、このイ
ンキタンク内からインキ塗布片を突出させて繰り込みロ
ーラや転写ローラに塗布し、そのインキをインキリボン
に補給するものが、多く使用されている。

考案が解決しようとする課題しかし、これら従来のリボンカセットでは、インキタ
ンク内に充填するインキ含浸体の大きさが切断時の加工
精度によりばらつくことが多く、これら小さいとインキ
塗布片への押圧力が弱くなってインキ供給量が減ってし
まい、又、大き過ぎると飛び出しを防ぎながらの煩雑な
組立て作業となっていた。このため、実際に切断された
インキ含浸体の大きさに合わせてインキタンクを修正し
微調整しなければならず、コスト高の要因となってい
た。

本考案の課題はこれらの欠点を除去するもので、すな
わち、インキ含浸体の大きさにばらつきがあっても、イ
ンキ塗布片に対するインキ含浸体の押圧力が弱くなって
インキ補給が低下することなく、かつ、インキ含浸体の
充填作業が誰にでも簡単にできるリボンカセットを目的
とする。

課題を解決するための手段前記課題を達成するため本考案は、インキリボンを繰
り込む一対の繰り込みローラと、インキ含浸体を充填し
たインキタンクと、一端部を繰り込みローラ又は転写ロ
ーラに接触させ、他端部をインキタンク内に挿入させる
インキ塗布片とからなり、インキタンク内の内側面の少
なくとも隣接する２面に、弾力を有する金属板を折り曲
げたシート部材の一方の面を取付け、シート部材の内側
面間又はシート部材とインキタンクの内側面間のうち少
なくとも長寸の内側面間に、インキ含浸体の側面を当て
てシート部材を弾発変形させつつ充填し、インキ塗布片
を常時押圧する構成とした。

なお、弾力を有するシート部材は、シート部材自身に
弾力を付与したものでもよいが、第３〜５図のように１
個又は複数個の内方への凹部を設けて弾力を付与したも
のでもよい。

作用前述した構成において、インキ含浸体の大きさにばら
つきがあつても、シート部材によって常に押圧されてい
るインキ含浸体は、インキ塗布片をも常に押圧するの
で、リボンへのインキ補給が弱まることはない。また、
インキ含浸体の充填作業も、シート部材を弾発変形させ
つつインクタンク内に挿入するものなので、インキ含浸
体の寸法がシート部材の弾性変形寸法の範囲内に入って
いれば、シート部材を変形させるだけの簡単な挿入作業
となり、なおかつ、シート部材が金属板を折り曲げたも
のとし、それをインクタンク内側面の少なくとも隣接す
る２面に取付けて弾発変形量を大きくしてあるので、イ
ンキ含浸体の加工精度によるばらつきがあっても、調整
なしにシート部材を押し拡げて挿入するだけの簡単なも
のとなる。

なお、第２図のようにシート部材の一側縁部をインキ
含浸体の上面より突出させると、インキ含浸体のインキ
が側壁を伝わって蓋との隙間へ流れるのを防ぐ堰の作用
をなす。

また、シート部材の開口部に弾力を有する突片を一体
で突設すると、インキ塗布片の一端部を後から軽く押圧
できるので、インキ転写がより効率的となる。

実施例本考案の実施例を図面により説明する。

第１〜２図の実施例において、１はケース、２は一対
のアーム状としたリボン案内部、３はエンドレスのイン
キリボン４を折り畳んで収納するリボン収納部、５は駆
動ローラ、６は従動ローラで一対の繰り込みローラと
し、インキリボン４の一部をリボン案内部2,2から外部
にかけ渡し、印字ヘッド（図示せず）で印字した後、そ
のインキリボン４を挟持してリボン収納部３内に折り畳
んで繰り込むようにしてある。

案内部２と駆動ローラ５間には、インキタンク７が装
着してあり、インキタンク７内にはインキ含浸体８がイ
ンキ塗布片９を挟持しつつ上部に空間を残して挿入して
ある。インキタンク７の内側面には弾力を有するコ状の
シート部材10を、その側縁をインキ含浸体８の上面より
突出させ、かつケース１の上面より下方にして取付けて
あり、また、シート部材10の開口部には突片11をく状に
一体成型して弾力を付与してある。

このシート部材10の弾発力によりインキ含浸体８は常
に押圧され、かつインキ含浸体８は常にインキ塗布片９
を押圧している状態となっている。インキ塗布片９は、
その一端部をインキタンクから突出させて駆動ローラ５
に接触させると共に、その後からシート部材10の突片11
で軽く押圧するようにしてある。

このように構成したリボンカセットで印字を行うと、
インキ塗布片９はシート部材10によりインキ含浸体８で
常に押圧されるので、駆動ローラ５に常にインキが転写
でき、それをインキリボン４に補給できる。

また、シート部材10の側縁がインキ含浸体８の上面よ
り突出して堰の作用をなすので、インキがインキタンク
の側壁を伝わって、蓋との隙間へ流れ出すのを防止でき
る。

第３〜５図はシート部材10₁，10₂，10₃の形状を変え
た他の実施例を示すものであって、第３図はコ状の対向
片を互いに内方へわん曲させて一対の凹部12₁を、第４
図は複数対の円弧状の凹部12₂を、第５図は複数対のＶ
状の凹部12₃を、それぞれ設けることによって弾力を付
与したものであって、他の構成および作用は前述の実施
例と同一である。

考案の効果以上のように本考案によれば、インキ塗布片はシート
部材の弾力によりインキ含浸体で常に押圧されているの
で、インキ含浸体の大きさにばらつきがあってもインキ
補給を充分に行なえる。また、インキ含浸体の充填作業
も、シート部材を弾発変形させつつインクタンク内に挿
入する簡単なものなので、インキ含浸体の寸法がシート
部材の大きくした弾性変形寸法の範囲内に入っていれ
ば、調整なしで簡単な充填できる。

【図面の簡単な説明】第１図は本考案のリボンカセットの断面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ拡大断面図、第３〜５図は他の実施例のシ
ート部材を示す断面図である。１……ケース、４……インキリボン、５……駆動ロー
ラ、６……従動ローラ、７……インキタンク、８……イ
ンキ含浸体、９……インキ塗布片、10,10₁，10₂，10₃…
…シート部材、11……突片、12₁，12₂，12₃……凹部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】インキリボン（４）を繰り込む一対の繰り
込みローラ（５），（６）と、インキ含浸体（８）を充
填したインキタンク（７）と、一端部を繰り込みローラ
又は転写ローラに接触させ、他端部をインキタンク
（７）内に挿入させるインキ塗布片（９）とからなり、
インキタンク（７）内の内側面の少なくとも隣接する２
面に、弾力を有する金属板を折り曲げたシート部材（1
0），（10₁），（10₂），（10₃）の一方の面を取付け、
シート部材（10），（10₁），（10₂），（10₃）の内側
面間又はシート部材（10），（10₁），（10₂），（1
0₃）とインキタンク（７）の内側面間のうち少なくとも
長寸の内側面間に、インキ含浸体（８）の側面を当てて
シート部材（10），（10₁），（10₂），（10₃）を弾発
変形させつつ充填し、インキ塗布片（９）を常時押圧し
てなる、インキ補給式リボンカセット。