JP2520323B2 - 低温焼成セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

低温焼成セラミック基板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミック多層配線基板に使用する低温焼
成セラミック基板に関し、特に外観の美しさ、電磁気特
性、物理、機械特性などが従来の高温焼成濃紫色アルミ
ナセラミックを用いた多層配線基板と同等な濃紫色セラ
ミック多層配線基板の製造を可能とする低温焼成セラミ
ック基板およびその製造法に関する。
[従来の技術] 従来、セラミック多層配線基板に用いられる材料とし
てアルミナセラミックが広く知られている。元来セラミ
ック多層板に求められる必要条件は外観の美しいことは
勿論であるが、配線回路の機密保持のため内部配線を見
えにくくすること、レーザー光線を良く吸収して切断し
易くするため暗い色に仕上げることである。これらの点
を満足するため、高温焼成型アルミナセラミックが使用
されて来ていた。
一方最近セラミック多層配線基板の内部配線の配線損
失を小さくするため導電性のよい銅や銀が使用されるよ
うになり、これら金属の融点より低い焼成温度で焼成で
きるアルミナ−ガラス系低温焼成型セラミックが一部の
特定物に使用されてきている。現在アルミナ−ガラス系
低温焼成型セラミックにおいてもアルミナセラミックと
同様な濃紫色着色セラミックの開発が進められている
が、これに関する研究報告、文献は未だ見当たらない。
[発明が解決しようとする課題] 従来のアルミナ−ガラス系低温焼成型セラミックで
は、アルミナセラミックと同様な濃紫色には着色せず、
緑色または茶褐色となり内部配線の見えにくさ、レーザ
ースクライブによる切断性が劣る上に、特に外観の美し
さに関しては比較にならない程見劣りがするため、商品
価値の低下が甚だしい。したがって、1100℃以下の低温
焼成によって製造できる従来のアルミナセラミックと同
等のセラミック材の開発が課題となっていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者は斯かる課題を解決するために鋭意研究を行
なった結果、アルミナ−ガラス系低温焼成セラミック材
の原料アルミナの代りにアルミナに酸化クロムを固溶さ
せた粉末を使用すれば、焼成温度が1100℃以下、あるい
はさらに1000℃以下の低温でも美しい濃紫色に着色した
セラミック材が得られることを見出したのである。すな
わち本発明の主眼は酸化クロム・アルミナ固溶体粉末に
セラミック用ガラス粉末を混合、成型して1100℃以下、
あるいはさらに1000℃以下の低温で焼成することを特徴
とする濃紫色セラミック多層配線基板およびその製造法
を提供することである。
[作用] 二元系状態図によれば、Al2O3‐Cr2O3系は完全固溶体
型である。すなわち酸化クロムにアルミナを固溶させて
得られる固溶体は1相のみであるため、該粉末は安定性
に富み、かつ後加工工程である焼成、レーザー切断など
の熱加工に対し同じく1相のみであるアルミナと同様な
挙動をとることが推察される。
また本発明に使用される酸化クロム・アルミナ固溶体
は酸化クロム粉末にアルミナ粉末を混合仮焼して得られ
たものである。本発明者は酸化クロム0.5wt%をアルミ
ナ粉末に混合し、1300℃に1時間保持して仮焼したとこ
ろ、濃紫色の粉末が得られた。これをX線回折を行なっ
て、そのデータを同定した結果Cr2O3は完全にAl2O3に固
溶していることを確認した。
アルミナセラミックにおける濃紫色の発色はアルミナ
に酸化クロムが固溶した固溶体に起因する。しかしなが
ら酸化クロムをアルミナに固溶させるには1200℃以上の
温度に1時間以上保持する必要がある。実際にアルミナ
セラミック基板はアルミナに酸化クロムを混合し、1450
℃〜1600℃に1時間以上保持して製造する。従って酸化
クロムは完全にアルミナに固溶するため濃紫色に着色す
るのである。
一方アルミナ−ガラス系セラミックの場合の焼成温度
は1100℃以下であるため、酸化クロムを添加しても、こ
れが完全にアルミナに固溶せず、濃紫色の発色が現われ
ず、緑色となる。すなわち焼成温度が酸化クロム・アル
ミナ固溶体を形成する温度以下のため、酸化クロム(緑
色)とアルミナがそのまま混合焼結して緑色を呈する。
本発明の製造法は、これらの現象を十分考察して2工
程とした。最初の工程において酸化クロムをアルミナに
固溶させた濃紫色酸化クロム・アルミナ固溶体粉末を製
造し、次の工程では、これにセラミック用ガラス粉末を
混合し、低温焼成(1000℃以下)を行なう。かくして製
造されたセラミック基板は、美しい濃紫色を呈しアルミ
ナ高温焼成型セラミック基板と同等な特性を有してい
る。
本発明の製造法において酸化クロム・アルミナ固溶体
中の酸化クロムの混合割合が0.5wt%以下の場合に得ら
れた酸化クロム・アルミナ固溶体粉末の濃紫色着色が薄
く外観もやや劣り、焼成セラミック基板は実用上十分満
足できる製品ではなかった。
一方、上記酸化クロム混合割合が30wt%以上となる
と、濃紫色の着色は満足できるものであったが焼成が十
分に進行せず外観がやや劣るものとなった。このため、
酸化クロムの量を変えて同様の実験を繰り返すことによ
り、酸化クロム・アルミナ固溶体中の酸化クロムは0.5w
t%以上かつ30wt%以下とすることが好ましく、2〜20w
t%とすることがさらに好ましいことがわかった。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1] Al2O3粉末950g、Cr2O3粉末50gをボールミルにより湿
式混合し、乾燥した後、電気炉中1300℃×1時間保持
(仮焼)して酸化クロム・アルミナ固溶体粉末を得た。
この粉末にSiO2‐B2O3‐BaO系ガラス粉末を等量(重量
比1:1)加え再び湿式混合し、乾燥した。次にこの混合
粉末に有機ビヒクルを加え再度ボールミルで混合してス
ラリーのままドクターブレード式塗工機で塗工してセラ
ミックグリーンシートに成形し、電気炉中920℃×1時
間保持(焼成)して濃紫色セラミック基板を得た。
以上の工程により作成された基板は現在実用化されて
いるアルミナセラミック基板と全く同様な美しい濃紫色
セラミック基板で、商品価値の高いものであった。なお
上記セラミックグリーシートに通常の加工方法を適用し
てセラミック多層基板を作成し得ることは云うまでもな
い。
[実施例2〜18] 酸化クロム(Cr2O3)・アルミナ(Al2O3)固溶体中に
占める酸化クロムの重量百分率(表中Aで表わす)、ガ
ラスの種類、および、固溶体:ガラスの重量比(表中B
で表わす)を第1表に示すようにした以外は実施例1と
同様にして低温焼成セラミック基板をつくり、これら
が、製品の外観、色彩に及ぼす影響を調べた。その結果
を同表中に示した。ただし焼成温度はそれぞれの組成に
適合させて850〜1050℃の範囲で変化させた。
なお表中実施例7については1050℃においても焼成が
十分に進行しなかったため生成セラミックの外観は平滑
とはならなかった。
酸化クロム・アルミナ固溶体はアルミナ−ガラス系セ
ラミック用に使用されるすべてのセラミック用ガラス粉
末に適用できる。従って本発明に利用されるガラス粉末
は表中に記載したガラスのみに限定されない。
[発明の効果] 本発明は新規な濃紫色低温焼成セラミック基板および
その製造法を提供するもので、低温焼成品であってもア
ルミナセラミックと同等な美しい濃紫色の外観を有する
ため、多層配線基板にした場合に内部配線の見えにくい
商品価値の高いセラミック基板である。更に製造過程に
おいて、酸化クロム・アルミナ固溶体の生成には1200℃
〜1300℃の仮焼を必要とするが、焼成温度をアルミナセ
ラミックの場合の1500℃以上の高温からアルミナ−ガラ
ス系セラミックと同等の1100℃以下あるいはさらに1000
℃以下に降下することを可能にしたため、焼成装置の低
廉化、エネルギーコストの低下並びに作業環境の改善な
どが大いに期待できる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ微粒子中に酸化クロムが固溶して
    いる酸化クロム・アルミナ固溶体−ガラス系焼成体から
    なり、酸化クロム・アルミナ固溶体成分とガラス成分と
    の重量比は3:7〜7:3であり、酸化クロム・アルミナ固溶
    体中に含まれる酸化クロムの重量は0.5wt%以上かつ30w
    t%未満であり、焼成体はアルミナセラミックと同等な
    美しい濃紫色に着色していることを特徴とする低温焼成
    セラミック基板。
  2. 【請求項2】前記酸化クロム・アルミナ固溶体中に含ま
    れる酸化クロムの量が2〜20wt%である請求項1記載の
    低温焼成セラミック基板。
  3. 【請求項3】アルミナ−ガラス系のセラミック材料を用
    いる低温焼成セラミック基板の製造において、あらかじ
    めアルミナに酸化クロムを固溶させた酸化クロム・アル
    ミナ固溶体の粉末をアルミナ粉の代りに用い、これをガ
    ラス粉に配合して低温焼成することにより、アルミナセ
    ラミックと同等な美しい濃紫色に着色したセラミック基
    板を得ることを特徴とする低温焼成セラミック基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記酸化クロム・アルミナ固溶体中に含ま
    れる酸化クロムの量が0.5wt%以上かつ30wt%未満であ
    る請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記酸化クロム含有量が2〜20wt%である
    請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】アルミナ粉と酸化クロム粉とを両者の合計
    量に対する酸化クロムの割合が0.5wt%以上かつ30wt%
    未満となるように配合した混合粉末を1200℃以上の温度
    で仮焼して酸化クロムがアルミナ中に固溶した酸化クロ
    ム・アルミナ固溶体の粉末をつくり、該固溶体粉末とガ
    ラス粉末とを重量比で3:7〜7:3に配合した混合粉末から
    セラミックグリーンシートをつくり、該グリーンシート
    を1100℃以下の温度で焼成することを特徴とするアルミ
    ナセラミックと同等な美しい濃紫色に着色した低温焼成
    セラミック基板の製造方法。
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