JP2519921C - - Google Patents

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JP2519921C
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lens
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lenses
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は主として調節力の弱まった老視者のための視力矯正装置に関するもの
である。 〔従来の技術〕 従来の老視者用の服鏡レンズの代表的なものとしては、第2図に示すような2
重焦点レンズがある。これは遠方を見るための部分21と近くを見るための部分
22を持ち、原理的には屈折力の異なる2つのレンズを1つのレンズ上に配置し
たものである。この2重焦点レンズは21と22の部分の間に境界が存在し、眼
鏡として使用したとき見苦しい感じを与えるが、非点収差が少なく視野が広いこ
とから、現在でも装用者は少なくない。 さらに、第3図に示すような、中間距離を見るための部分23をつけた3重焦
点レンズも開発されているが、最近では第4図(a)に示すような累進多焦点レ
ンズが使用されるようになった。第4図(a)は累進多焦点レンズの正面図で、
Mはレンズのほぼ中央を通る主子午線である。累進多焦点レンズは遠用部領域4
1、中間部領域42、近用部領域43の3つの部分に大きく分けられるが、各部
分は滑らかに接続されていて、図のような境界は見えない。第4図(b)に主子 午線M上の屈折力変化を示す。遠用部中心Aより上方では、遠方視力を確保でき
る屈折力であり、近用部中心Bより下方では近方視力を確保できる屈折力となっ
ている。A点とB点の間では屈折力はほぼ直線的に増加し、このためAB間では
遠方から近方まで連続的な視力が確保される。以上述べたように累進多焦点レン
ズは、遠方から近方まで連続的に視力矯正が行えるうえに、2重焦点レンズのよ
うな境界線もなく、フアッション性にもすぐれている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、従来の累進多焦点レンズは、屈折力の異なる部分を滑らかに接続して
いるため、非点収差や歪曲収差が発生し、像のぼけやゆがみ、揺れといった問題
をかかえている。これらの収差を完全に取り除くことは不可能であり、累進多焦
点レンズの設計者は、これらの収差をどのように配置し、いかに使いやすい眼鏡
レンズに仕上げるかを最大の課題としている。本発明はこれらの問題点を解決し
、収差の少ない良好な視野をもつ視部矯正装置を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の2つの累進多焦点レンズを使用した視力矯正装置は、 2つの光学レンズを使用した視力矯正装置であって、 前記2つの光学レンズはどちらも、屈折面のほぼ中央を通る主子午線上の少な
くとも一部分で屈折力が累進的に変化する累進多焦点レンズであって、 前記2つの累進多焦点レンズは屈折力の変化が互いに逆向きとなるように、光
軸に沿って配置されており、 前記2つの累進多焦点レンズの一方は眼球の移動に合わせて移動可能なコンタ
クトレンズであり、他の一方は固定されたレンズである ことを特徴とする。 〔実施例〕 本発明の実施例を以下では図に沿って説明する。 第1図(a)は本発明の視力矯正装置の第1の実施例を示す。2つの累進多焦
点レンズ1および2は光軸OAに沿って配置されている。1および2の主子午線
1、M2は同一平面上にあり、光軸OAと垂直に交わっている。第1図(b)お
よび(c)は累進多焦点レンズ1、2の主子午線上の屈折力変化を示す。S1
2,T1,T2は屈折力の変化する始点あるいは終点を表す。レンズ1は、 S1で屈折力が0[ディオプター](以下では[D]と略す。)で、下方に向か
うに従って直線的に屈折力が増加し、T1で2[D]となる。この点S1からT1
への屈折力の増加分を以下では加入度と呼ぶ。すなわちレンズ1の加工度は2[
D]である。レンズ2はS2で屈折力が2[D]で、以後直線的に減少しT2で0
[D]となる。すなわち、加入度−2[D]のレンズである。この2つの累進多
焦点レンズを第1図(a)のように配置することにより、屈折力の変化は相殺さ
れ、この視力矯正装置の屈折力は第1図(d)に示すごとく、一定の値2[D]
となる。すなわち、この状態で使用すると、患者は2[D]の単焦点レンズを装
用したのと同じ効果がある。一方レンズ2を取りはずして装用すると、レンズ1
は従来の累進多焦点レンズと変わりないから、本発明の視力矯正装置を使って、
遠方から近方まで連続した視野が得られる。さらに本発明者の研究によれば、本
実施例のように符号の異なる加入度の2つの累進多焦点レンズを組み合わせるこ
とにより、互いに収差を打ち消し合い、視野が改良されることがわかった。 第5図(a)に本発明の第2の実施例を示す。レンズ1は上下方向に移動でき
るようになっており、レンズ2は固定されている。第5図(b)、(c)はそれ
ぞれレンズ1、2の屈折力の変化を示す。レンズ1はS1で0[D]、T1で3[
D]となる。一方レンズ2はS2で0[D]、T2で−1.5[D]である。S1
〜T1間の長さは100[mm]、S2〜T2間は50[mm]である。従って2
つのレンズの単位長さ当たりの屈折力の増加は、符号は異なるけれども、大きさ
は等しい。レンズ1を移動して第5図(d)に示すように、屈折力1[D]の点
Pと、レンズ2の点S2を合わせたとすると、2つのレンズが重なった部分は1
[D]の単焦点レンズと同等の効果を持つ。(第5図(e))さらにレンズ1を
移動して屈折力1.5[D]の点P′とS2を合わせると、レンズの重なった部
分は1.5[D]の単焦点レンズと見なせる。(第5図(f))このように、レ
ンズ1を移動することにより、本実施例の視力矯正装置に任意の屈折力を持たせ
ることができる。 第6図(a)は本発明の第3の実施例を示す。レンズ1は固定されている。レ
ンズ2はコンタクトレンズで、眼球Eといっしよに動く。第6図(b)(c)に
レンズ1、2の屈折力を示す。レンズ1はS1で−1[D]、T1で1.5[D ]となる加入度2.5[D]のレンズである。レンズ2はS2で0.5[D]、
2で−0.5[D]、加入度−1[D]であり、レンズのほぼ中央での屈折力
が0[D]となっている。レンズ2を角膜上に装用した状態で、レンズ1の屈折
力−0.5[D]の位置へ視線を向けると、屈折力の変化は相殺され、視野全体
に渡って−0.5[D]の屈折力が得られる。視線を下げて、レンズ1の1[D
]の位置を見ると、1[D]の屈折力が得られる。 〔発明の効果〕 以上説明したとおり、加入度の符号が異なる2つの累進多焦点レンズを光軸に
沿って配置することにより、遠方から近方まで連続した視野が得られるという累
進多焦点レンズの長所と、単焦点レンズなみの視野の広さとを合わせ持った、視
力矯正装置が提供される。 すなわち、第1の実施例では、普段はレンズ2を取りはずしてレンズ1だけで
従来の累進多焦点レンズと同様に使用できる。もし、手元の新聞・雑誌等を読む
時間が長くなるなら、レンズ2を装着して、近方視用の眼鏡と同じくらいの広い
視野を確保することもできる。 また、第2、第3の実施例で説明したように、2つのレンズを相対的にずらす
ことにより、遠方から近方まで自由に焦点を合わせることができるうえ、装用者
にはあたかも単焦点レンズを使用しているのと同じくらいの広い視野が提供され
る。 以上の説明では、2つの累進多焦点レンズは屈折力の変化を互いに完全に相殺
し、単焦点レンズのように視野全体に渡って屈折力が一定となる場合を述べてき
たが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、レンズ2の屈折力変化が
レンズ1の屈折力変化を十分に打ち消すほどでない場合も本発明に含まれ、その
場合には加入度のきわめてゆったりした累進レンズが得られ、遠中又は中近レン
ズとしての効果を発揮する。 また、実施例中で示した数字は、説明を具体的にしてわかりやすくするために
用いたもので、特に屈折力等の値は、患者の目の処方に合わせて、適切に決めら
れるべきものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の第1の実施例を示し、(a)2つの累進レンズの配置図。(
b)レンズ1の屈折力変化図。(c)レンズ2の屈折力変化図。(d)2つのレ
ンズによる屈折力変化図。 第2図は従来の2重焦点レンズの正面図。 第3図は従来の3重焦点レンズの正面図。 第4図は従来の累進多焦点レンズを示し、(a)正面図。(b)主子午線上の
屈折力変化図。 第5図は本発明の第2の実施例で、(a)レンズ配置図。(b)レンズ1の屈
折力変化図。(c)レンズ2の屈折力変化図。(d)レンズ1を移動した状態の
図。(e)及び(f)は2つのレンズによる屈折力変化図。 第6図は本発明の第3の実施例で、(a)レンズ配置図。(b)レンズ1の屈
折力変化図。(c)レンズ2の屈折力変化図。 1……第1の累進多焦点レンズ 2……第2の累進多焦点レンズ OA……光軸 M1,M2……主子午線 S1,S2……屈折力変化の始点 T1,T2……屈折力変化の終点

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 2つの光学レンズを使用した視力矯正装置であって、 前記2つの光学レンズはどちらも、屈折面のほぼ中央を通る主子午線上の少な
    くとも一部分で屈折力が累進的に変化する累進多焦点レンズであって、 前記2つの累進多焦点レンズは屈折力の変化が互いに逆向きとなるように、光
    軸に沿って配置されており、 前記2つの累進多焦点レンズの一方は眼球の移動に合わせて移動可能なコンタ
    クトレンズであり、他の一方は固定されたレンズである ことを特徴とする2つの
    累進多焦点レンズを使用した視力矯正装置。

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