JP2519694B2 - エンジンのアイドル回転数制御装置 - Google Patents

エンジンのアイドル回転数制御装置

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JP2519694B2
JP2519694B2 JP61259824A JP25982486A JP2519694B2 JP 2519694 B2 JP2519694 B2 JP 2519694B2 JP 61259824 A JP61259824 A JP 61259824A JP 25982486 A JP25982486 A JP 25982486A JP 2519694 B2 JP2519694 B2 JP 2519694B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンの運転状態が所定の条件を満たす
アイドリング状態にあるとき、燃焼に供される混合気の
空燃比を、理論空燃比近傍より希薄(リーン)側に移行
させる制御を行うとともに、エンジン回転数を目標アイ
ドル回転数に収束させる制御を行うようにされたエンジ
ンのアイルド回転数制御装置に関する。
(従来の技術) 従来より、車両に搭載されるエンジンにおける吸気制
御に関する技術の一つとして、例えば、エンジンのアイ
ドリング時における実際の回転数を所定回転数(目標ア
イドル回転数)に維持すべく、吸気通路におけるスロッ
トル弁の上流側部分と下流側部分とを連通させるバイパ
ス通路を設けるとともに、このバイパス通路に流量調整
弁を介装し、スロットル弁が全閉状態(アイドリング開
度状態)にあるとき、流量調整弁の開弁作動量(流量調
整弁の開度あるいは単位期間当たりの開弁期間等)を変
化させて吸入空気の量を制御する、所謂、アイドル回転
数制御を行うことが知られている。
斯かるアイドル回転数制御が行われるエンジンにおい
ては、通常、その運転状態がアイドリング状態にあると
き、例えば、スロットル弁が全閉状態にあり、かつ、エ
ンジン回転数が所定回転数以下にあるとき、実際のエン
ジン回転数を目標アイドル回転数に収束させるべく、実
際のエンジン回転数と目標アイドル回転数との差に基づ
いて流量調整弁の開弁作動量、従って、吸入空気量をフ
ィードバック制御するようにされる。
一方、エンジンがアイドリング状態にあるとき、燃費
の向上を図るべく、燃焼に供される混合気の空燃比を理
論空燃比近傍よりリーン側のものとし、エンジンが他の
運転状態にあるとき、要求されるエンジン出力を得るべ
く、空燃比を理論空燃比近傍もしくは理論空燃比近傍よ
りリッチ側のものとすることが要望される場合がある。
ところが、従来、汎用されている空燃比センサは、そ
の出力特性が理論空燃比近傍で変化するようにされてい
るので、空燃比センサから得られる検出出力に基づくフ
ィードバック制御によっては空燃比を理論空燃比近傍よ
りリーン側、もしくは、リッチ側に移行させて維持する
ことができない。このため、従来のエンジンにおいて
は、空燃比を理論空燃比近傍よりリーン側もしくはリッ
チ側に移行させて維持するにあたり、吸入空気量や吸気
負圧であらわされるエンジン負荷とエンジン回転数とに
基づいて基本燃料供給量を算出し、この算出された基本
燃料供給量に補正を加えて得た最終燃料噴射量を用いる
ようにして、空燃比のオープンループ制御を行うものと
されている。
しかしながら、このように基本燃料供給量を算出して
空燃比をオープンループ制御するようにしたエンジンの
空燃比制御装置では、エンジンの特性の経年変化や運動
環境の変化等の影響を受けて制御が不安定になる、ある
いは、制御精度が低下するという問題があり、常時所望
の空燃比を得ることが困難となってしまう。このため、
例えば、特開昭57−105530号公報にも示されている如
く、エンジンの運転状態が所定の条件を満たすとき、空
燃比センサから得られる検出出力に基づいて、空燃比を
理論空燃比近傍のものとなすべく、燃料供給量のフィー
ドバック制御を行い、このフィードバック制御時におい
て燃料噴射量の過不足を補正するフィードバック補正量
を求める学習を行って、空燃比をオープンループ制御す
る際には、学習によって求めた学習値を用いて燃料噴射
量を補正するようにし、エンジンの経年変化等を吸収し
たうえで空燃比を理論空燃比近傍とは異なる目標空燃比
に維持すべく制御する方法が提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述の如く空燃比制御が行われるエン
ジンにおいて、その運転状態がアイドリング状態にある
とき、空燃比を理論空燃比、もしくは、それよりリッチ
側のものから理論空燃比よりリーン側のものに移行させ
る制御が行われるとともに、エンジン回転数を前述の如
くに目標アイドル回転数に収束させる制御が行われるよ
うにされた場合には、以下に述べる如くの問題を生じる
虞がある。
即ち、エンジンの運転状態がアイドリング状態にある
とき、空燃比が理論空燃比、もしくは、それよりリッチ
側のものから理論空燃比よりリーン側のものに移行させ
るようにする場合には、通常、アイドリング状態におけ
る空燃比として、窒素酸化物(NOx)が発生し易い空燃
比15〜17は使用されず、空燃比17以上の極めてリーン側
のものが使用されるので、リーン側のものに移行せしめ
られたときには、空燃比が急激に変化し、そのため、エ
ンジンの出力が急激に低下するので、斯かる移行直後に
はエンジン回転数が目標アイドル回転数から大幅にずれ
てしまい、エンジンストール等をまねき易くなってしま
うのである。
斯かる点に鑑み、本発明は、エンジンがアイドリング
状態とされてから所定時間が経過した後に、空燃比を理
論空燃比よりリーン側のものとすべく、燃料供給量を補
正するようになされるとともに、エンジンの運転状態が
アイドリング状態にあるときには、エンジン回転数を目
標アイドル回転数に収束させる制御を行うようになさ
れ、しかも、空燃比が理論空燃比よりリーン側のものに
移行せしめられた直後に、エンジン回転数が目標回転数
から大幅にずれることがないようにされたエンジンのア
イドル回転数制御装置を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述の如くの目的を達成すべく、本発明に係るエンジ
ンのアイドル回転数制御装置は、第1図にその基本構成
が示される如く、エンジンの運転状態がアイドリング状
態とされてから所定時間が経過した後に、エンジンにお
ける燃焼に供される混合気の空燃比を、理論空燃比もし
くは理論空燃比よりリッチ側のものから理論空燃比より
リーン側のものに変更する動作を行う空燃比変更手段
と、エンジンの運転状態がアイドリング状態にあると
き、エンジン回転数を目標アイドル回転数に収束させる
制御を行うアイドル回転数制御手段と、エンジンの回転
数の補正を行う回転数補正手段とを備え、回転数補正手
段が、エンジンの運転状態がアイドリング状態にあっ
て、混合気の空燃比が理論空燃比もしくは理論空燃比よ
りリッチ側のものから理論空燃比よりリーン側のものに
移行せしめられるとき、その混合気の空燃比の移行に伴
うエンジン出力低下に応じて、エンジン回転数を上昇さ
せるべく補正するものとされる。
(作用) 上述の如くの構成とされた本発明に係るエンジンのア
イドル回転数制御装置においては、エンジンの運転状態
がアイドリング状態とされて、空燃比が理論空燃比より
リーン側の値に移行せしめられるとき、回転数補正手段
が、混合気の空燃比の移行に伴うエンジン出力低下に応
じてエンジン回転数を上昇させる補正を行うので空燃比
が理論空燃比よりリーン側の値に移行せしめられた直後
における、エンジン回転数の急激な低下が緩和され、こ
れにより、エンジン回転数が目標アイドル回転数から大
幅にずれてしまうことが効果的に防止される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第2図は、本発明に係るエンジンのアイドル回転数制
御装置の一例を、それが適用されたエンジンと共に示
す。第2図において、エンジン本体10の燃焼室14にエア
クリーナ11からの吸入空気を導く吸気通路12には、アク
セルペダルに連動するスロットル弁16が配されている。
このスロットル弁16の開度がスロットル開度センサ18に
より検出され、スロットル開度センサ18からスロットル
弁16の開度に応じた検出信号Stが得られて、それが、後
に詳述するコントロールユニット100に供給される。
吸気通路12におけるスロットル弁16に配された部分よ
り上流側には、吸入空気を検出するエアフローメータ20
が配されており、このエアフローメータ20から、検出さ
れた吸入空気量に応じた検出信号Saがコントロールユニ
ット100に供給される。また、吸気通路12におけるスロ
ットル弁16が配された部分より下流側には、比較的大な
る容積を有するサージタンク22が設けられており、この
サージタンク22よりさらに下流側には、燃料噴射弁25が
臨設されている。燃料噴射弁25は、電子制御されるもの
となされていて、コントロールユニット100から供給さ
れる噴射パルス信号Pcのパルス幅(デューティ)に応じ
て開弁作動し、燃料供給系から調圧されて圧送される燃
料を、燃焼室14に対する吸気ポート部に向けて所定のタ
イミング、例えば、エンジンの回転に同期して間歇的に
噴射し、燃焼室14内での燃焼に供される混合気を作る。
混合気は燃焼室14に給気弁27を介して供給され、点火プ
ラグ28により点火されて燃焼される。そして、燃焼室14
において混合気が燃焼されて生成される排気ガスは、排
気弁29を介して排気通路26に排出される。
吸気通路12におけるスロットル弁16とエアフローメー
タ20との間の部分には、スロットル弁16を側路するバイ
パス通路15の始端部が連結され、バイパス通路15の終端
部は、吸気通路12におけるスロットル弁16より下流側部
分に設けられたサージタンク22に連結されている。バイ
パス通路15には、流量調整弁19が介装されており、流量
調整弁19は、コントロールユニット100から供給される
開弁作動パルス信号Cqのパルス幅(デューティ)に応じ
てバイパス通路15を開閉し、それによって燃焼室14内に
吸入される吸入空気量を調整するようにされている。
また、エンジン本体10におけるピストン31の往復運動
を回転運動に変化するクランク機構33に関連して、エン
ジン回転数を検出する回転数センサ30が配されており、
この回転数センサ30から、エンジン回転数に応じた検出
信号Snがコントロールユニット100に供給される。
コントロールユニット100には、上述の検出信号Sa,Sn
及びStに加えて、排気通路26に配された、理論空燃比近
傍での出力特性が変化するO2センサ35から得られる検出
信号Soが供給され、さらに、エンジン本体10に設けられ
た水温センサ(図示省略)から得られるエンジンの冷却
水温に応じた検出信号やエンジンに加わる空調機等の外
部負荷の作動状態をあらわす検出信号等から成る、エン
ジンの制御に必要な他の検出信号群Sxも供給される。コ
ントロールユニット100は、上述した各種の検出信号及
び検出信号群に基づいて、燃料噴射弁25における燃料噴
射量の制御、即ち、燃焼室14において燃焼に供される混
合気の空燃比の制御を行う。
ここで、本例においては、エンジンの運転状態に応じ
て区分される複数の領域について夫々予め目標空燃比が
設定されている。
即ち、エンジンの運転状態が、例えば、高負荷もしく
は高回転状態とされる領域(以下、この領域をR領域と
呼ぶ)にあるときには、目標空燃比が理論空燃比よりリ
ッチ側の値(約13)とされる空燃比(以下、リッチ空燃
比と呼ぶ)に、また、アイドリング状態を除く、低負荷
及び低回転状態とされる領域(以下、この領域をL領域
と呼ぶ)にあるときには、目標空燃比が理論空燃比より
リーン側の値(約18)とされる空燃比(以下、リーン空
燃比と呼ぶ)に、さらに、低負荷及び低回転状態にあっ
ても加速状態とされる領域(以下、この領域をS領域と
呼ぶ)にあるときには、理論空燃比に、夫々、設定され
る。また、エンジンの運転状態がアイドリング状態にあ
るときには、当該アイドリング状態に移行せしめられた
直後の所定時間Hの間は、目標空燃比が理論空燃比に、
所定時間Hの経過後は、目標空燃比がリーン空燃比に設
定される。
なお、スロットル弁13が全閉状態とされ、かつ、エン
ジン回転数が所定回転数を越える減速状態とされる領域
(以下、この領域をC領域と呼ぶ)にあるときには、所
謂、減速燃料カットが行われて空燃比の制御が行われな
い。
そして、コントロールユニット100は、検出信号Sa,S
n,St及びSxに基づいて、燃焼に供される混合気の空燃比
を、上述の如くに設定される目標空燃比に一致させるべ
く、燃料噴射弁25に供給する噴射パルス信号Poのパルス
幅を変化させて、燃料噴射量を制御する。
その際、コントロールユニット100は、検出信号Sa及
びSnが夫々あらわす吸入空気量及びエンジン回転数に基
づいて基本燃料噴射量を算出する。そして、エンジンの
運転状態が領域Sにあるとき、及び、アイドリング状態
に移行せしめられた直後の所定時間Hの間は、目標空燃
比を理論空燃比にすべく、O2センサ35から供給される検
出信号Soに基づいて基本燃料噴射量を補正し、得られた
燃料噴射量に対応するパルス幅を有した噴射パルス信号
Pcを形成してこれを燃料噴射弁25に供給する。これによ
り、空燃比のフィードバック制御が行われ、実際の空燃
比が理論空燃比に収束するものとなる。
斯かるフィードバック制御が行われるとき、コントロ
ールユニット100は、基本燃料噴射量の過不足を補正す
べく、フィードバック補正量Gbを算出し、このフィード
バック補正量Gbを所定回数(例えば、2回)集計してそ
の平均値MGbを求め、斯かる平均値MGbを、学習値として
内蔵するメモリに、先に求められた平均値に代えて記憶
し、平均値MGbの更新を行う。
また、コノトロールユニット100は、エンジンの運転
状態が領域Rにあるときには、空燃比をリッチ空燃比に
すべく、前述した如くにして算出される基本燃料噴射量
に、内蔵するメモリに記憶された上述の平均値MGbを加
算し、加算された値に所定係数を乗じて燃料噴射量を算
出し、算出された燃料噴射量を検出信号群Sxがあらわす
エンジンの運転状態に応じて補正して、新たな燃料噴射
量を算出し、算出された燃料噴射量に応じたパルス幅を
有した噴射パルス信号Pcを形成してこれを燃料噴射弁25
に供給する。これにより、吸入空気量に対する燃料噴射
量の割合が上述したフィードバック制御時に比して増大
されて、実際の空燃比が目標空燃比とされるリッチ空燃
比となる。
さらに、コントロールユニット100は、エンジンの運
転状態が、領域Lにあるとき、及び、アイドリング状態
に移行せしめられた後、所定時間Hの経過したとき、空
燃比をリーン空燃比にすべく、基本燃料噴射量に、内蔵
するメモリに記載された平均値MGbを加算してそれを補
正し、補正された燃料噴射量に所定係数を乗じて燃料噴
射量を算出し、算出された燃料噴射量をエンジンの運転
状態に応じて補正して新たな燃料噴射量を算出する。こ
れにより、吸入空気量に対する燃料噴射量の割合が上述
したフィードバック制御時に比して減少されて、実際の
空燃比がリーン空燃比となる。
斯かる燃料噴射量の制御に加えてコントロールユニッ
ト100は、検出信号Sn,St、及び、検出信号群Sxに基づい
て、開弁作動パルス信号Cqのパルス幅を定める制御値D
を設定し、設定された制御値Dに対応するパルス幅を有
した開弁作動パルス信号Cqを形成して、それを流量調整
弁19に供給することにより、バイパス通路15を通じて吸
気通路12におけるスロットル弁16より下流側の部分に導
かれる吸入空気の量を制御する。
その場合、コントロールユニット100は、開弁作動パ
スル信号Cqのパルス幅を定める制御値Dを次のように設
定する。即ち、エンジンの運転状態がアイドリング状態
にあるときには、アイドリング状態に移行せしめられた
後において所定時間Hが経過した時点、即ち、燃料に供
される混合気の空燃比が理論空燃比近傍からリーン空燃
比に移行せしめられる時点を除いて、制御値Dを、先回
の制御値D′に、エンジンの運転状態に応じて設定され
る目標アイドル回転数と検出信号Snがあらわすエンジン
回転数との間の回転数差に基づいて設定されるフィード
バック補正値DFを加算して得られる値に設定し、また、
エンジンの運転状態がアイドリング状態にないときに
は、制御値Dを、予め設定された固定制御値と検出信号
群Sxがあらわすエンジンの冷却水温等のエンジンの運転
状態に応じて設定される補正値とを加算して得られる基
本制御値DTに設定する。
そして、コントロールユニット100は、エンジンの運
転状態がアイドリング状態に移行せしめられた後、混合
気の空燃比が理論空燃比近傍からリーン空燃比に移行せ
しめられる時点では、制御値Dを先回の制御値D′に増
量補正値DZを加算して得られる値に設定する。なお、こ
の場合、増量補正値DZは、混合気の空燃比が理論空燃比
からリーン空燃比に移行せしめられた時点におけるエン
ジン回転数の変動度合や、エンジン出力の低下度合を勘
案して設定される。このようにされることにより、空燃
比が理論空燃比近傍のものからリーン空燃比に移行せし
められた時点で、吸入空気量が素早く増量されることに
なる。
上述の如くの構成とされたもとで、例えば、第3図に
おいてt1で示される時点で、エンジンの運転状態が、例
えば、加速状態からアイドリング状態、即ち、スロット
ル弁16が全閉状態で、エンジン回転数が所定回転数N1
下の状態に移行せしめられたとすれば、斯かる時点t1
ら所定時間Hが経過する時点t2までの間は、第3図Aに
示される如く、O2センサから得られる検出信号Soに基づ
く燃料噴射量のフィードバック制御が引き続いて行われ
て空燃比が理論空燃比(14.7)近傍の値に維持される。
また、斯かる時点t1からは吸入空気量のフィードバック
制御が行われて、第3図Bに示される如くに制御値Dが
変化せしめられ、これにより、第3図Cに示される如
く、エンジン回転数が目標アイドル回転数Naに収束せし
められる。
そして、時点t1から所定時間Hが経過した時点t2で、
第3図Aに示される如くに、空燃比が理論空燃比近傍の
ものからリーン空燃比(18)近傍のものに移行せしめら
れ、これと同時に第3図Bに示される如くに、制御値D
が先回の制御値D′に増量補正値DZが加算された値に変
更されて吸入空気量が所定量だけ増量される。仮に、時
点t2において増量補正値DZが加算されないとすれば、エ
ンジン回転数が第3図Cにおいて一点鎖線で示される如
くに時点t2直後に大きく低下するものとなり、エンジン
回転数が目標アイドル回転数Naから大幅にずれてしまう
が、上述の如くに時点t2で吸入空気量が素早く増量され
る結果、時点t2直後におけるエンジン出力の急激な低下
が緩和されてエンジン回転数が第3図Cにおいて実線で
示される如くに、目標アイドル回転数Naから然程変動し
ないものとなる。
上述の如くの制御を行うコントロールユニット100
は、例えば、マイクロコンピュータが用いられて構成さ
れるが、斯かる場合におけるマイクロコンピュータが実
行する燃料噴射量制御及びアイドル回転数制御に際して
のプログラムの一例を第4図及び第5図のフローチャー
トを参照して説明する。
第4図は、燃料噴射量制御ルーチンにおけるプログラ
ムを示し、このプログラムはスタート後、プロセス101
で検出信号Sa,Sn,So,St及び検出信号群Sxを取り込み、
続くプロセス102で検出信号Saがあらわす吸入空気量Q
と、検出信号Snがあらわすエンジン回転数Nとに応じて
基本燃料噴射量Tpを設定する。即ち、Tp=K×Q/N(但
し、Kは定数)の演算を行う。
次に進むディシジョン103においては、検出信号Stが
あらわすスロットル開度及び検出信号Snがあらわすエン
ジン回転数に基づいてエンジンの運転状態が、目標空燃
比が理論空燃比とされるS領域にあるか否かを判断し、
S領域にあると判断された場合には、ディシジョン105
に進む。また、ディシジョン103において、S領域にな
いと判断された場合にはディシジョン106に進み、エン
ジンの運転状態がアイドリング状態にあるか否かを判断
し、アイドリング状態にあると判断された場合にはディ
シジョン107に進み、アイドリング状態にないと判断さ
れた場合にはディシジョン118に進む。
ディシジョン107では、後述するアイドル回転数制御
ルーチンにおいて設定される学習フラグFが1であるか
否かを判断し、学習フラグFが1であると判断された場
合には、フィードバック制御を行うべくディシジョン10
5に進み、学習フラグFが1でないと判断された場合に
は、プロセス122に進む。ディシジョン105においては、
先回、空燃比(A/F)が理論空燃比よりリッチ側であっ
たか否かを先回プロセス101で取り込まれた検出信号So
に基づいて判断し、先回はリッチ側であったと判断され
た場合には、ディシジョン110に進み、プロセス101で取
り込まれた検出信号Soに基づいて、今回空燃比が理論空
燃比よりリッチ側であるか否かを判断し、今回も空燃比
が理論空燃比よりリッチ側であると判断された場合、即
ち、2回続けて空燃比が理論空燃比よりリッチ側である
と判断さた場合にはプロセス111に進み、フィードバッ
ク補正量Gbを所定値−Iに設定してディシジョン118に
進む。
また、ディシジョン110において、今回は空燃比が理
論空燃比よりリッチ側でないと判断された場合、即ち、
空燃比が理論空燃比よりリッチ側からリーン側に反転し
たと判断された場合には、プロセス114に進み、先回の
フィードバック補正量Gb′に設定値P(但し、P<I)
を加算することにより新たなフィードバック補正量Gbを
設定してプロセス116に進む。プロセス116では、今回の
フィードバック補正量Gbと先回のフィードバック補正量
Gb′とを加算した値を2で割ることによりフィードバッ
ク補正量の平均値MGbを算出し、続くプロセス117でプロ
セス116で算出された平均値MGbを学習値として内蔵する
メモリに、先回記憶された平均値MGbに代えて記憶し、
平均値MGbの更新を行う。
一方、ディシジョン105において、先回、空燃比が理
論空燃比よりリッチ側でないと判断された場合には、デ
ィシジョン112に進み、今回は空燃比が理論空燃比より
リッチ側であるか否かを判断し、今回も空燃比が理論空
燃比よりリッチ側でないと判断された場合、即ち、2回
続けて空燃比が理論空燃比よりリーン側であると判断さ
れた場合には、プロセス113に進み、フィードバック補
正量GbをIに設定してディシジョン118に進む。また、
ディシジョン112において今回は空燃比が理論空燃比よ
りリッチ側であると判断された場合、即ち、空燃比が理
論空燃比よりリーン側からリッチ側に反転したと判断さ
れた場合には、プロセス115に進み、先回のフィードバ
ック補正値Gb′から所定値Pを減算することにより新た
なフィードバック補正値Gbを設定し、以下、上述と同様
にプロセス116及び117を順次実行してディシジョン118
に進む。
ディシジョン118では、検出信号St,Snに基づいて、エ
ンジンの運転状態が減速燃料カットを行うC領域にある
か否かを判断し、C領域にあると判断された場合にはプ
ロセス119に進み、燃料噴射量Tiを零に設定してプロセ
ス127に進む。また、ディシジョン118においてC領域に
ないと判断された場合にはディシジョン121に進み、エ
ンジンの運転状態が、目標空燃比がリーン空燃比とされ
るL領域にあるか否かを判断し、L領域にあると判断さ
れた場合にはプロセス122に進み、燃料噴射量Tiを次式
(1)により算出した後、プロセス127に進む。但し、
次式においてAは空燃比を理論空燃比からリーン空燃比
にするための補正係数,Ctは検出信号群Sxがあらわすエ
ンジンの運転状態に基づいて設定される補正値である。
Ti=(Tp+MGb)・A+Ct …(1) また、ディシジョン121において、L領域にないと判
断された場合には、ディシジョン123に進み、エンジン
の運転状態が、目標空燃比がリッチ空燃比とされるR領
域にあるか否かを判断し、R領域にあると判断された場
合にはプロセス124に進み、燃料噴射量Tiを次式(2)
により算出した後プロセス127に進む。但し、次式にお
いて、Bは空燃比を理論空燃比からリッチ空燃比にする
ための補正係数である。
Ti=(Tp+MGb)・B+Ct …(2) 一方、ディシジョン123において、R領域にないと判
断された場合には、エンジンの運転状態がS領域にある
のでプロセス125に進み、TpにGbを加算することにより
燃料噴射量Tiを設定してプロセス126に進む。プロセス1
26では、今回算出されたフィードバック補正量Gbを先回
のフィードバック補正量Gb′とおいてプロセス127に進
む。
また、前述のディシジョン107において学習フラグF
が1でないと判断された場合、この場合は、空燃比をリ
ーン空燃比にすべく上述のプロセス122を実行してプロ
セス127に進む。そして、プロセス127では燃料噴射量Ti
に応じたパルス幅を有する噴射パルス信号Pcを形成して
それを燃料噴射弁25に供給した後元に戻る。
第5図は、アイドル回転数制御ルーチンにおけるプロ
グラムを示し、このプログラムは、例えば、エンジンが
始動されたときスタートし、まず、プロセス131におい
て、検出信号Sn,St及び検出信号群Sxを取り込み、続く
プロセス132において、基本制御値DTを、予め設定され
る固定制御値に検出信号群Sxがあらわすエンジンの運転
状態に応じて算出される補正値を加算することにより設
定してディシジョン133に進む。
ディシジョン133では、エンジンの運転状態がアイド
リング状態にあるか否かを判断し、アイドリング状態に
ないと判断された場合には、プロセス134に進み、学習
フラグFを0に設定した後プロセス135に進む。プロセ
ス135では、制御値Dをプロセス132で設定された基本制
御値DTに設定してプロセス151に進む。プロセス151で
は、プロセス135で設定された制御値Dに応じたパルス
幅を有する開弁作動パルス信号Cqを形成してこれを流量
調整弁19に供給してプロセス152に進む。プロセス152で
は、プロセス151で用いられた制御値Dを先回の制御値
D′として内蔵するメモリに記憶した後元に戻る。
一方、ディシジョン133においてアイドリング状態で
あると判断された場合には、プロセス136に進み、先回
はアイドリング状態であったか否かを判断し、先回はア
イドリング状態でなかったと判断された場合、この場合
は、エンジンの運転状態がアイドリング状態に移行せし
められた直後であるのでプロセス137に進み、学習フラ
グFを1に設定してプロセス138に進む。プロセス138で
は内蔵するタイマに所定時間H1をロードしてスタートさ
せ、アイドリング状態に移行した後における経過時間H
の計測を開始した後ディシジョン139に進む。また、デ
ィシジョン136において先回もアイドリング状態にあっ
たと判断された場合には、プロセス137及び138を経由す
ることなくディシジョン139に進む。ディシジョン139に
おいては、経過時間Hが所定時間H1以上であるか否かを
判断し、所定時間H1以上であると判断された場合にはデ
ィシジョン140に進み、学習フラグFが1であるか否か
を判断する。
そして、ディシジョン140において学習フラグFが1
であると判断された場合、この場合には、アイドリング
状態に移行せしめられた後所定時間H1が経過した直後で
あり、空燃比が理論空燃比からリーン空燃比に移行せし
められるときであるので、プロセス141に進み、先回の
制御値D′に増量補正値DZを加算することにより制御値
Dを設定し、続くプロセス142で学習フラグFを0にし
てプロセス151に進む。プロセス151では、プロセス141
で設定された制御値Dに対応した開弁作動パルス信号Cq
を形成してそれを流量調整弁19に供給した後プロセス15
2に進む。プロセス152では制御値Dを先回の制御値D′
としてメモリに記憶して元に戻る。これにより、空燃比
が理論空燃比からリーン空燃比に移行せしめられた直後
には、吸入空気量が増量される。
一方、ディシジョン139において経過時間Hが所定時
間H1以上でないと判断された場合、及び、ディシジョン
140において学習フラグFが1でないと判断された場合
にはプロセス144に進み、検出信号群Sxがあらわすエン
ジンの運転状態、例えば、エンジンの冷却水温やそれが
負担する外部負荷を大きさ等に基づいて目標アイドル回
転数Naを設定する。そして、続く、プロセス145では、
目標アイドル回転数Naと検出信号Snがあらわす実際のエ
ンジン回転数Nとの回転数差ΔNを算出してディシジョ
ン146に進む。ディシジョン146では、プロセス145で算
出された回転数差ΔNの大きさを判断し、回転数差ΔN
が零もしくはその近傍の値(−Nx<ΔN<Nx)であると
判断された場合にはプロセス147に進み、フィードバッ
ク補正値DFの値を零に設定してプロセス150に進む。ま
た、回転数差ΔNがNx以上もしくは−Nx以下であると判
断された場合には、夫々、プロセス148及び149に進み、
フィードバック補正値DFの値を夫々−αもしくはαに設
定してプロセス150に進む。
プロセス150では、メモリに記憶されている先回の制
御値D′に、プロセス147,148もしくは149で設定された
フィードバック補正値DFを加算することにより制御値D
を設定してプロセス151に進む。プロセス151ではプロセ
ス150で設定された制御値Dに応じたパルス幅を有する
開弁作動パルス信号Cqを形成してこれを流量調整弁19に
供給した後プロセス152に進み、上述したと同様にプロ
セス119で用いられた制御値Dを先回の制御値D′とし
てメモリに記憶して元に戻る。
また、上述の例においては、吸入空気量を変化させる
ことにより、アイドル回転数を目標アイドル回転数に収
束させる制御を行うようにされているが、斯かる制御
を、例えば、エンジンの点火時期を変化させることによ
り行うようにされてもよい。
(発明の効果) 以上の説明から明らかな如く、本発明に係るエンジン
のアイドル回転数制御装置においては、エンジンの運転
状態がアイドリング状態とされてから所定時間が経過し
た後に、空燃比が理論空燃比よりリーン側の値に移行せ
しめられるとき、エンジン回転数を上昇させるべく、吸
入空気量等の制御量の補正を行わせるようにされるの
で、空燃比が理論空燃比よりリーン側の値に移行せしめ
られた直後における、エンジン回転数の急激な低下が緩
和され、これにより、エンジン回転数が目標アイドル回
転数から大幅にずれてしまうことを効果的に防止できる
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るエンジンのアイドル回転数制御装
置を特許請求の範囲に対応して示す基本構成図、第2図
は本発明に係るエンジンのアイドル回転数制御装置の一
例をそれが適用されたエンジンの主要部とともに示す概
略構成図、第3図は第2図に示される例の動作説明に供
されるタイムチャート、第4図及び第5図は第2図に示
される例においてコントロールユニットにマイクロコン
ピュータが用いられた場合における、斯かるマイクロコ
ンピュータが実行するプログラムの一例を示すフローチ
ャートである。 図中、10はエンジン本体、12は吸気通路、15はバイパス
通路、18はスロットル開度センサ、19は流量調整弁、25
は燃料噴射弁、30は回転数センサ、35はO2センサ、100
はコントロールユニットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三薗 義幸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−30448(JP,A) 特開 昭58−195043(JP,A) 特開 昭61−25941(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの運転状態がアイドリング状態と
    されてから所定時間が経過した後に、上記エンジンにお
    ける燃焼に供される混合気の空燃比を、理論空燃比もし
    くは理論空燃比よりリッチ側のものから理論空燃比より
    リーン側のものに変更する動作を行う空燃比変更手段
    と、 上記エンジンの運転状態がアイドリング状態にあると
    き、エンジン回転数を目標アイドル回転数に収束させる
    制御を行うアイドル回転数制御手段と、 上記エンジンの運転状態がアイドリング状態にあって、
    上記混合気の空燃比が理論空燃比もしくは理論空燃比よ
    りリッチ側のものから理論空燃比よりリーン側のものに
    移行せしめられるとき、該混合気の空燃比の移行に伴う
    エンジン出力低下に応じてエンジン回転数を上昇させる
    べく、エンジン回転数の補正を行う回転数補正手段と、 を具備して構成されるエンジンのアイドル回転数制御装
    置。
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