JP2519554Y2 - ガス絶縁開閉機器の受電部用検電装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は発電所や変電所などに設置するガス絶縁開閉
機器の受電部における電圧の有無を判定する検電装置に
関するものである。

B.考案の概要 この考案は、ガス絶縁開閉機器の受電部用検電装置に
おいて、受電部密閉容器の容器壁内面に取付けられてい
た検電装置を、ケーブルヘッドなどが配設された受電部
底板上に立設して、ガス絶縁開閉機器の受電部の小形化
を図ったものである。

C.従来の技術 第３図に従来一般に使用されている検電装置を示す。

同図において、１は検電用検出部で、開閉機器の主回
路を構成する高圧充電部２に対向配置されている。３は
接地された受電部密閉容器の容器壁、４は容器壁３の内
面に固設された取付座で支持絶縁物５が取付けられてお
り、その支持絶縁物５には前記検電用検出部１がボルト
６により取付けられている。７は検電用検出部１に接続
された同軸ケーブルで、８は該ケーブル７の固定金具で
ある。

D.考案が解決しようとする課題 検電用検出部１と高圧充電部２との間の距離は、高圧
充電部２に電圧を印加したときにコンデンサ分圧によっ
て検電用検出部１に発生させる電圧に必要な静電容量
と、検電用検出部１の高圧充電部２に対向する面積の大
きさにより定まり、且つ耐電圧試験電圧が高圧充電部２
に印加されたとき検電用検出部１との間の電圧に耐える
絶縁距離であることを要する。

また、検電用検出部１と容器壁３との間の距離は、検
電用検出部１が容器壁３に取付けられているために、支
持絶縁物５の沿面絶縁となり、空間絶縁の場合より大き
くなる。

従って従来は、検電用検出部１を容器壁３に取付けて
いるために、高圧充電部２と容器壁３との間の距離が大
きくなり、受電部の密閉容器が大きなものとなってい
た。

そこで本考案は、この受電部の密閉容器を小さくする
ことを目的とする。

E.課題を解決するための手段 ガス絶縁開閉機器のケーブルヘッド等が配設された受
電部底板上に、高圧充電部などとの間に所要の絶縁距離
を有して電界特性の良い支柱を立設し、該支柱の上端部
側面に支持絶縁物を介して検電用検出部を取付け、該検
電用検出部を高圧充電部に対向配置する。

F.作用 容器壁の内側に取付けられた検電用検出部は、受電部
底板上に取付けられて無くなり、高圧充電部と容器壁と
の間の距離は、耐電圧試験電圧に耐える空間（ガス）絶
縁距離であれば良いことになる。

G.実施例 以下、本考案を第１図および第２図に示す一実施例に
基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すガス絶縁開閉機器の
受電部底板近傍の断面図で、第１図（Ａ）は平面図を、
第１図（Ｂ）は側面図を示す。

第１図において10は底板、11は容器壁、12は高圧充電
部、13は底板上に立設されたケーブルヘッド14の高さよ
りも高さが高い円柱状の支柱で、上端頭部は曲面として
角部のない電界特性の良い形状としてある。また、支柱
13の上端部側面には支持絶縁物15を介して検電用検出部
16が、高圧充電部12に所要の空間距離を有して対向配置
されている。また、支柱13は高圧充電部12および避雷器
17からの所要絶縁距離の範囲外となる底板10の中央部付
近、すなわち、第１図における高圧充電部12の各中心点
a,b,cを結ぶ二等辺三角形の底辺b-cの中央部に立設され
ている。前記避雷器17は、ガス絶縁開閉機器の耐電圧試
験時には図示を省略した断路器により主回路を構成する
高圧充電部12から切り離される。18は検電用検出部16に
接続された引出用同軸ケーブルである。

以上に述べた本考案に係る受電部用検電装置の取付け
作業など、すなわち、組立取付，配線，調整作業などす
べての作業は、底板に密閉容器を取付ける前に密閉容器
の外で行うことができる。

第２図は第１図の一相検電の場合に対して、三層検電
の場合を示すガス絶縁開閉機器の受電部底板近傍の断面
図で、第２図（Ａ）は平面図、第２図（Ｂ）は側面図で
ある。なお第１図と同一部分には同一符号を付して説明
を省略する。

第２図において、支柱13はケーブルヘッド14や避雷器
17が配設された底板上の、前記第１図におけるものと同
じ場所に立設し、該支柱13の上端部側面に３個の検電用
検出部16を、それぞれに支持絶縁物15を介して各相の高
圧充電部12に対向配置したものである。第２図から明ら
かなように三相検電とした場合も第１図における一相検
電の場合と同一空間内に検電装置が収まり、三相検電と
した場合においてもガス絶縁開閉機器の受電部の大きさ
を大きくする必要はない。

なお、避雷器17は電圧変成器とともに隔壁で仕切られ
た別室に設けられることも多く、このような場合には各
相の高圧充電部12の中心点a,b,cを結ぶ三角形が正三角
形か、又は正三角形に近い三角形となり、支柱13は前記
三角形の中点位置に立設する。

H.考案の効果 本考案に係るガス絶縁開閉機器の受電部用検電装置
は、ケーブルヘッド等が配設された受電部底板上に設け
られ、密閉容器の容器壁内面に取付けられる従来の検電
装置と異なり、高圧充電部と容器壁との間の絶縁距離を
縮少することができるから、ガス絶縁開閉機器の受電部
を小形化することができ、また、検電装置を設けるため
のすべての作業を行った後に密閉容器で被覆するもので
あるから、取付，組立，配線，調整などの作業性を格段
に向上することができるという実用的効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図で、第１図
（Ａ）は平面図、第１図（Ｂ）は側面図、第２図は本考
案の他の実施例を示す断面図で、第２図（Ａ）は平面
図、第２図（Ｂ）は側面図である。 また、第３図は従来例を示す断面図である。 10……底板、12……高圧充電部、13……支柱、14……ケ
ーブルヘッド、15……支持絶縁物、16……検電用検出
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガス絶縁開閉機器を備えた発変電所の受電
   部における電圧の有無を判定する検電装置において、ガ
   ス絶縁開閉機器のケーブルヘッド等が配設された受電部
   底板上に、高圧充電部と所要の絶縁距離を有して立設し
   た角部のない曲面の支柱と、該支柱の上端部側面に支持
   絶縁物を介して取付けた検電用検出部とからなり、該検
   電用検出部を高圧充電部に対向配置したことを特徴とす
   るガス絶縁開閉機器の受電部用検電装置。