JP2519454B2 - 含窒素基体を電極とする有機電解質電池 - Google Patents
含窒素基体を電極とする有機電解質電池Info
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Description
物質又は電子受容性物質をドーピングしたものを電極活
物質とする有機電解質電池に関する。
しく、それに伴い電源となる電池の小形化、薄形化、軽
量化の要望が大きい。小形で性能のよい電池として現在
は酸化銀電池が多用されており、又薄形化された乾電池
や、小形軽量な高性能電池としてリチウム電池が開発さ
れ実用化されている。しかし、これらの電池は一次電池
であるため充放電を繰り返して長時間使用することはで
きない。一方、高性能な二次電池としてニッケル−カド
ミウム電池が実用化されているが、小形化、薄形化、軽
量化という点で未だ不満足である。
の産業分野で用いられているが、この電池の最大の欠点
は重いことである。これは電極として過酸化鉛及び鉛を
用いているため宿命的なものである。近年、電気自動車
用電池として該電池の軽量化及び性能改善が試みられた
が実用するに至らなかった。いまもなおエネルギー源と
して大容量で且つ軽量な二次電池に対する要望は強い。
一短が有りそれぞれ用途に応じて使い分けされている
が、電池の小形化、薄形化、或は軽量化に対するニーズ
は大きい。このようなニーズに応える電池として、近
時、有機半導体である薄膜状ポリアセチレンに電子供与
物質又は電子受容性物質をドーピングしたものを電極活
物質として用いる電池が研究され提案されている。該電
池は二次電池として高性能で且つ薄形化、軽量化の可能
性を有しているが、大きな欠点がある。それは、有機半
導体であるポリアセチレンが極めて不安定な物質であ
り、空気中の酸素により容易に酸化を受け、又熱により
変質することである。従って電池製造は不活性ガス雰囲
気で行なわれなければならず、又ポリアセチレンを電極
に適した形状に製造する事にも制約を受ける。
つ不溶不融性基体を正極とする有機電解質電池が開示さ
れている(特開昭60-170163)。
り、電極活物質の酸化安定性も高く、さらにその成形も
容易であるなど将来有望な二次電池である。ところが該
電池の実用化を進めるにはいくつかの課題が残されてい
た。これらの課題の中で最も重要なのは、電池の容量の
向上、換言すればドーピング量を増大させ、取り出し得
るエネルギー密度をより大きくするための改良である。
と、充放電の電荷効率およびエネルギー効率が高いこ
と、重量あたりのエネルギー密度及びパワー密度が大き
いこと、寿命が長いこと、耐過放電、耐過充電に優れて
いること、メンテナンスフリーであること、安価である
こと等々である。
提供することにある。他の目的は、大型の有機電解質電
池を製造することにある。他の目的は、起電圧が高く、
充放電の電荷効率及びエネルギー効率が高く、かつ重量
あたりのエネルギー密度が高い二次電池を提供するにあ
る。更に他の目的は、製造が容易で安価な二次電池を提
供するにある。
格構造を有する不溶不融性基体の構造中に窒素原子を含
有せしめることにより達成されることを見い出した。す
なわち本発明は (A) 窒素を含む熱硬化性樹脂成分とフェノール系樹
脂成分とからなり、窒素を含む熱硬化性樹脂成分/フェ
ノール系樹脂成分の重量比が5〜0.05である樹脂成形体
の熱処理物であって (a) 水素原子/炭素原子の原子数比が0.05〜0.5か
つ窒素原子/炭素原子の原子数比が少なくとも0.01であ
るポリアセン系骨格構造を有し (b) BET法による比表面積値が600m2/g以上であり、
そして (c) 平均孔径10μm以下の連通孔を持つ不溶不融性
基体を正極および/また負極とし、 (B) 電解により該電極にドーピングされうるイオン
を生成しうる化合物を非プロトン性有機溶媒に溶解した
溶液を電解液とする ことを特徴とする有機電解質電池である。
含む有機化合物とアルデヒド類の縮合物であり、かつ熱
硬化性のものである。
ニリン等を言い、アルデヒド類と酸性あるいは塩基性下
で縮合するものである。メラミン樹脂を用いることが最
も好ましい。メラミン系樹脂は後の熱処理後に残る窒素
量が多く、また窒素原子を多く含んでおり、かつアルデ
ヒドと縮合できる部位が1モノマーに対して3つあるた
め、強度的にも強く、かつ窒素を含んだポリアセン系骨
格構造を形成しやすい。
ヒド、フルフラール等を使用することができ、ホルムア
ルデヒドが好適である。従って、窒素を含む熱硬化性樹
脂の例として、メラミン又は尿素とホルムアルデヒドと
の縮合物が挙げられる。
水酸基を有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類と
の縮合物である。芳香族炭化水素化合物としては、例え
ばフェノール、クレゾール、キシレノールのごときいわ
ゆるフェノール類が好適であるが、これらに限られな
い。例えば下記式 (ここで、xおよびyはそれぞれ独立に、0、1又は2
である。) で表されるメチレンビスフェノール類であることがで
き、或はヒドロキシ−ビフェニル類、ヒドロキシナフタ
レン類であることもできる。これらの内、実用的にはフ
ェノール類、特にフェノールが好適である。本発明にお
けるフェノール系樹脂としては、上記のフェノール性水
酸基を有する芳香族炭化水素化合物の一部をフェノール
性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物例えばキシレ
ン、トルエン等で置換した変性芳香族ポリマー、例えば
フェノールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物で
ある変性芳香族ポリマーを用いることが出来る。アルデ
ヒドとしてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フ
ルフラール等を使用することができ、ホルムアルデヒド
が好適である。
ール系樹脂成分の割合は窒素を含む熱硬化性樹脂/フェ
ノール系樹脂の比率が5〜0.05、特に1〜0.1が望まし
い。この比率が上限を越える場合、後行程の熱処理にお
いて重量減少が著しく実用的でなく、下限より少ない場
合本発明における電池の性能、特に容量が改善されな
い。
上記二種類の樹脂のモノマーとアルデヒドを共重合させ
る方法、あるいはこれにさらにフェノール系樹脂をバイ
ンダーとして加える方法、又はフェノール系樹脂と窒素
を含む熱硬化性樹脂を混合する方法等、どの様な形態を
とっても良い。
状、板状等任意の形に成形したものである。
る。
ル系樹脂の初期縮合物を準備する。この初期縮合物と塩
化亜鉛とを含む水溶液を調製し、この水溶液を適当な型
に流し込み、加熱して該型内で例えば板状、フィルム状
あるいは円筒状等の形態に硬化し、その後この硬化体を
非酸化性雰囲気中で350〜800℃の温度まで加熱し熱処理
し、次いで得られた熱処理体を洗浄して該熱処理体に含
有される塩化亜鉛を除去する。
物、後述する球状の窒素を含む熱硬化性樹脂によって変
性されたフェノール系樹脂および塩化亜鉛とを含むスラ
リーを調製し、上記と同様の方法で硬化、洗浄する。フ
ェノール系樹脂/球状変性フェノール樹脂の混合比は球
状フェノール樹脂の形状・粒径によって異なるが重量比
で0.05〜10であることがのぞましい。この比率が0.05以
下の場合、バインダーとして働くフェノール系樹脂の割
合が低下するため、成形体の機械的強度が低下し好まし
くなく、この比率が10以上の場合、後の熱処理工程にて
成形体にクラック等が発生しやすくなるため好ましくな
い。
ートル以下の球状であり、例えば鐘紡(株)製メラミン
変性ベルパール(商標、フェノール対メラミン比は2:
3)等の市販品を用いることが出来る。この球状フェノ
ール樹脂の平均粒径が100マイクロメートルを越えると
分散性が極端に悪くなり均質な成形体が得られない。従
って該球状変性フェノール樹脂の平均粒径は、できるか
ぎり小さい方が好ましく、例えば20マイクロメートル以
下であることが好ましい。更に該球状変性フェノール樹
脂の形状は真球状でなくてもよく真球が変形した例えば
卵状の形状であることもできる。重要な事は成形体作成
時に球状フェノール樹脂が十分に均質に分散できるよ
う、流れの良い粉末でなければならないことである。
の工程で除去され硬化体に連通孔を付与するために用い
られる孔形成剤である。
ことができる。下限より少ない量では連通孔を有する多
孔体が得難く、また上限より多い量では最終的に得られ
る多孔体の機械的強度が低下する傾向が大きくなり望ま
しくない。初期縮合物と塩化亜鉛の水溶液は、例えば塩
化亜鉛の0.1〜1重量倍の水を用いて調整することがで
きる。
350〜800℃の温度、好ましくは350〜700℃の温度、特に
好ましくは400〜600℃の温度まで加熱され、熱処理され
る。
るいはその形状等によって多少相違するが、一般に室温
から300℃程度の温度までは比較的大きな昇温速度とす
ることが可能であり、例えば100℃/時間の速度とする
ことも可能である。300℃以上の温度になると、該芳香
族系縮合ポリマーの熱分解が開始し、水蒸気、水素、メ
タン、一酸化炭素の如きガスが発生し始めるため、充分
に遅い速度で昇温せしめるのが有利である。
において行なわれる。非酸化性雰囲気は、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム、ネオン、二酸化炭素雰囲気、ある
いは真空であり、窒素が好ましく用いられる。かかる非
酸化性雰囲気は静止していても流動していてもさしつか
えない。
に洗浄することによって、熱処理体中に含まれる塩化亜
鉛を除去することができ、その後これを乾燥すると連通
孔の発達した、しかも比表面積の大きな多孔性硬化縮合
体を得ることができる。
子の原子数比(以下H/C比という)が0.5〜0.05、好まし
くは0.35〜0.1、窒素原子/炭素原子の原子数比が0.01
以上、好ましくは0.5〜0.01のポリアセン系骨格構造を
有し、且つ平均孔系10μm以下の連通孔例えば平均孔径
0.03〜10μmの連通孔を持つ不溶不融性基体が得られ
る。X線回折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位
置は2θで表わして20.5〜23.5°の間に存在し、また該
メイン・ピークの他に41〜46°の間にブロードな他のピ
ークが存在する。また、赤外線吸収スペクトルによれ
ば、D(=D2900〜2940/D1560〜1640)の吸光度比は通
常0.5以下、好ましくは0.3以下である。
部の炭素が窒素で置き換った構造がポリアセン系分子間
に均一且つ適度に発達したものであると理解される。こ
のため、窒素を含まない不溶不融性基体に比べて高容量
・高エネルギー密度の二次電池が達成される。
には、該基体を後に示す方法に従って二次電池の電極と
して用いたとき充放電の効率が低下して好ましくない。
また、該ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基
体のBET法による比表面積値は塩化亜鉛を使用して製造
しているため極めて大きな値となり、本発明では600m2/
g以上であるものが用いられる。600m2/g未満の場合に
は、例えば該基体を電極とした二次電池の充電時におけ
る充電電圧を高くする必要が生じるためエネルギー密度
等が低下し、又電解液の劣化をさそうため好ましくな
い。
おり平均孔径10μm以下で孔系分布が狭い連通孔を有す
る多孔体であり、そして三次元網目構造をとっている。
を有する多孔体であるため電解液が細部まで侵入し易い
構造を有し、かつ高い比表面積値を有しているため、後
述するように電解質イオンをスムーズに且つ大量にドー
ピングできる。このような不溶不融性基体を電極として
用いると、二次電池の内部抵抗を小さく出来る。
〜101Ω-1・cm-1である。そして後述するとおり電解質
イオンをドーピングして電極材として利用する場合に
は、伝導度が大巾に増大するため、集電性を兼ねた電極
材となる。
度を有する。すなわち、比較的気孔率の高いものから比
較的気孔率の低いものまで使用できる。その機械的強度
は見掛密度に依存するが、例えば0.2g/cm2の見掛密度を
示すものであっても実用上充分な強度を有している。不
溶不融性基体は例えばフィルム、板、繊維、布、不織布
又はそれらの複合体の形態の如き種々の形態をとること
ができるため、電極材として用いたとき小型電池、薄形
電池あるいは軽量電池等を可能とする。本発明で用いら
れる上記多孔性不溶不融性基体は600m2/g以上の大きい
比表面積値を有するにもかかわらず、空気中に長時間放
置しても電気伝導度等の物性に変化はなく、酸化安定性
に優れている。また。耐熱性、耐薬品性に優れているた
め電極材として用い、電池を構成する場合電極の劣化の
問題が生じない。
不溶不融性基体を、正極及び/又は負極とし、電解によ
り該電極にドーピングされうるイオンを生成しうる化合
物を非プロトン性有機溶媒に溶解した溶液を電解液とす
る有機二次電池である。電極にドーピングされうるイオ
ンを生成しうる化合物としては、例えばアルカリ金属又
はテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物過塩素酸
塩、6フッ化リン酸塩、6フッ化ヒ酸塩、4フッ化ホウ
素酸塩等が挙げられる。具体的には、LiI、NaI、KI、NH
4I、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、N
aPF6、KClO4、KBF4、KAsF6、KOF6、(C2H5)4NClO4、(n-C4H9)4N
ClO4、(t-C4H9)4NClO4、(C2H5)4NBF4、(n-C4H9)4NBF4、(t-C
4H9)4NBF4、(C2H5)4NPF6、(n-C4H9)4NPF6、(t-C4H9)4NPF6、
LiB(C2H5)4、LiB(C6H5)4又はLiHF4等が挙げられる。
溶媒が用いられる。例えばエチレンカーボネイト、プロ
ピレンカーボネイト、γ−ブチロラクトン、ジチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトニル、ジメトキシエタン、テトラヒドロ
フラン、ジオキソラン、スルホラン又はこれらの混合物
が挙げられる。これらのうちから電解質として用いられ
る前記化合物の溶解性、電池性能等を考慮して選択され
る。
抗を小さくするため少くとも0.1モル/l以上とするのが
望ましく、通常0.2〜1.5モル/lとするのがより好まし
い。
性基体へのドーピング剤の電気化学的ドーピングと電気
化学的アンドーピングを利用するものである。即ちエネ
ルギーが不溶不融性基体へのドーピング剤の電気化学的
ドーピングにより蓄えられるか、或は外部に放出される
電気化学的アンドーピングにより、電気エネルギーとし
て外部に取出されるか或は内部に蓄えられる。
1のタイプは正極及び負極の両極にポリアセン系骨格構
造を含有する不溶不融性基体からなる成形体を用いる電
池であり、第2のタイプは正極に不溶不融性基体からな
る成形体を用い、負極にアルカリ金属又はその合金から
なる電極を用いる電池である。その金属の具体例として
はセシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチ
ウム等が挙げられるが、これらのうちリチウムが最も好
ましい。又アルカリ金属の合金としてはリチウム合金が
好ましく、中でもアルミニウムとの合金が好適である。
電極の形状、大きさは目的とする電池により任意に選ぶ
ことができるが電池反応は電極表面上の電気化学的反応
であるため電極は可能なかぎり表面積を大きくする事が
有利である。又該基体より電池外部に電流を取り出すた
めの集電体としては該基体或はドーピング剤でドーピン
グされた基体の成形体を用いても良い。又はドーピング
剤及び電解液に対し耐蝕性のある他の導電物質、例えば
炭素、白金、ニッケル、ステンレス等を用いることも出
来る。
本発明にかかる電池の基本構成図である。
び負極の両極にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不
融性基体からなる成形体を用いる電池について説明す
る。(1)及び(2)は、各々正極及び負極であり、フ
ィルム状、或は板状等からなるポリアセン系骨格構造を
含有する不溶不融性基体であり、ドーピング剤がドーピ
ングされていても、されていなくてもよい。電池を組み
立てた後、外部電源より電圧を印加してドーピング剤を
ドーピングできる。例えば、両極共に未ドーピングの不
溶不融性基体の成形体を用いた場合、電池の組立後の該
電池の起電圧は0Vであり、外部電源より電圧を印加して
両極にドーピング剤をドーピングすることにより該電池
は起電力を有するようになる。(3)は各電極から外部
に電流を取り出したり、電気化学的ドーピング、即ち充
電するために電流を供給するための集電体であり、前述
した方法により各電極及び外部端子(7)に電圧降下を
生じないように接続されている。(4)は電解液であり
非プロトン性有機溶媒に正負両極にドーピングされうる
イオンを生成しうる前述の化合物が溶解されている。電
解液は通常液状であるが漏液を防止するためゲル状又は
固体状にして用いることも出来る。(5)は正負両極の
接触を阻止する事及び電解液を保持する事を目的として
配置されたセパレータである。該セパレータは電解液或
はドーピング剤やアルカリ金属等の電極活物質に対し耐
久性のある連通気孔を有する電子伝導性のない多孔体で
あり、通常ガラス繊維、ポリエチレン、或はポリプロピ
レン等からなる布、不織布或は多孔体が用いられる。セ
パレータの厚さは電池の内部抵抗を少なくするため薄い
方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、強度等を勘
案して決定される。正負両極及びセパレータは電池ケー
ス(6)内に実用上問題が生じないように固定される。
電極の形状、大きさ等は目的とする電池の形状、性能に
より適宜決められる。例えば薄形電池を製造する場合に
は電極はフィルム状が適し、大容量電池を製造するには
フィルム状或は板状等の電極を多数枚正負両極を交互に
積層することにより達成できる。
セン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の成形体を用
い、負極にアルカリ金属又はその合金を用いる場合につ
いて説明する。第1図の(1)は正極で該不溶不融性基
体の成形体、(2)は負極でアルカリ金属或はその合金
である。その他(3)〜(7)については第1のタイプ
と同様である。該タイプ、即ち第2のタイプの場合、ド
ーピング機構、即ち電池の動作機構は更に2つの機構に
分けられる。第1の機構では不溶不融性基体に電子受容
性ドーピング剤がドーピングされるのが充電に対応し、
アンドーピングされるのが放電に対応する電池である。
例えば電極として未ドーピング不溶不融性基体の成形体
及びリチウムを、電解液としてLiClO41モル/lプロピレ
ンカーボネート溶液を用いた場合、電池組立後の起電力
は2.7〜3.3Vである。次に外部電源により電圧を印加し
てClO4−イオンを該不溶不融性基体にドーピングすると
起電力は3.5〜4.5Vとなる。第2の機構では、不溶不融
性基体に電子供与性ドーピング剤をドーピングするのが
放電に対応し、アンドーピングするのが充電に対応する
電池である。例えば上記した構成では電池組立後の起電
圧は2.7〜3.3Vであり、外部に電流を放出することによ
り不溶不融性基体にリチウムイオンをドーピングする起
電力は1.0〜2.5Vとなるが、外部電源により電圧を印加
し、リチウムイオンをアンドーピングすると再び起電力
は2.5〜3.0Vとなる。ドーピング又はアンドーピングは
一定電流下でも一定電圧下でも、又電流及び電圧の変化
する条件のいずれで行ってもよい。不溶不融性基体にド
ーピングされるドーピング剤の量は該基体の炭素原子あ
るいは窒素原子1個に対するドーピングされるイオン数
の百分率で0.5〜20%が好ましい。
び機械的強度に優れた窒素を含むポリアセン系骨格構造
を含有する多孔性不溶不融性基体を電極とし、該電極に
電子供与性又は電子受容性物質をドーピングしたものを
電極活物質とし、電解により、該電極にドーピングされ
うるイオンを生成しうる化合物を非プロトン性有機溶媒
に溶解した溶液を電解液とする電池であり、小形化、薄
形化、軽量化が可能である。また、窒素原子を含むポリ
アセン形骨格構造を含有する不溶不融性基体を電極に用
いることにより、公知の窒素原子を含なまいポリアセン
系骨格構造を含有する不溶不融性基体を電極に用いる二
次電池に比べ高容量、高出力が達成された。以下実施例
により本発明を具体的に説明する。
製、フェノール:メラミン=2:3〕/水溶性レゾール
(約60%濃度)/塩化亜鉛/水を重量比で5/5/30/6の割
合で混合したスラリーをフィルムアプリケーターでガラ
ス板上に成膜した。次に成膜した水溶液上にガラス板を
被せ水分が蒸発しない様にした後、約100℃の温度で1
時間加熱して硬化させた。
流下で40℃/時間の速度で昇温して、550℃まで熱処理
を行った。次に該熱処理物を希塩酸で洗った後、水洗
し、その後乾燥することによってフィルム状の多孔性を
得た。該フィルムの厚みは約200μmであり、見掛け密
度は0.45g/cm3であり、機械的強度に優れたフィルムで
あった。次に該フィルムの電気伝導度を室温で直流4端
子法で測定したところ10-4(Ω・cm)-1であった。また
元素分析を行ったところ、水素原子/炭素原子の原子比
は0.23であり窒素原子/炭素原子の原子比は0.1であっ
た。
に基因するパターンであり、2θで20〜22°付近にブロ
ードなメインピークが存在し、また41〜46°付近に小さ
なピークが確認された。
0m2/gと極めて大きな値であった。
フィルム断面の電子顕微鏡写真をとった。第2図に示
す。球状不溶不融性基体部分と三次元網目構造を持つ不
溶不融性基体部分からなり10μm以下の微細な連通気孔
を有する多孔体であった。
LiClO4を溶解させた1.0モル/lの溶液を電解液とし、リ
チウム金属を負極とし、上記した多孔性フィルム基体を
正極とした電池を第1図の様に組んだ。集電体としては
ステンレスメッシュを用い、セパレータとしてはガラス
繊維からなるフェルトを用いた。
は窒素原子1個当りのドーピングされるイオンの数で表
わすこととした。本発明ではドーピングされるイオンの
数は回路を流れた電流値より求めた。
第2機構を利用する電池である。即ち電子受容性ドーピ
ング剤であるClO4 -イオンを不溶不融性基体にドーピン
グすること及び電子供与性ドーピング剤であるLi+イオ
ンをドーピングすることが充電に相当し、ClO4 -イオン
のアンドーピングを行うこと及びLi+イオンのドーピン
グを行うことが放電に相当する。
池を充電した。1時間充電した後、起電圧を測定したと
ころ4Vであった。次に1時間あたりのアンドーピング量
が2%となる速度で放電し、電池の電圧が1Vになるまで
に要した時間を測定したところ5.5時間であった。その
時の内部抵抗は約30Ωであり、電極面積が約2cm2と小
さいにもかかわらず良好であった。
準に採って計算すると550Wh/kgと大きなものであった。
ルパールR〕/水溶性レゾール(約60%濃度)/塩化亜
鉛/水の重量比を5/5/30/6の割合で混合したスラリーを
用いる以外実施例1(1)と同様の方法で不溶不融性基
体の多孔性フィルムを得た。該フィルムの水素原子/炭
素原子の原子比は0.19であり、当然のことながら窒素原
子/炭素原子の原子比は0であり、電気伝導度は10-3S/
cm、BET法による比表面積は2300m2/gであった。
と同様の方法にて電池を組み容量を測定した。1Vになる
までに要した時間は4時間30分でありエネルギー密度は
約460Wh/kgであった。
ト電気炉にて窒素気流下約30℃/時間の速度で昇温して
第1表に示した種々の所定温度まで加熱した。その後、
希塩酸及び水にて洗浄し、乾燥する事によって不溶不融
性基体フィルムを得た。得られた基体フィルムについて
元素分析及びBET法による比表面積の測定をした。結果
をまとめて第2表に示す。
を2モル/lの濃度で溶解させた溶液を電解液として、そ
の他の条件は実施例1と同様にして容量を調べた。4Vで
充電した後、1時間あたりのアンドープ量が4%となる
速度で放電したとき、電池の電圧が2Vとなるのに要した
時間を第2表に示す。
%濃度、メラミン:フェノール=1:1)/塩化亜鉛/水
を重量比で10/25/5で混合し水溶液を調製した。該水溶
液を3cm×3cm×0.5mmの型に流し込み、その上にガラス
板を被せ水分が蒸発しない様にした後、約120℃の温度
で1時間加熱して硬化させた。
中に入れ窒素気流下Kで40℃/時間の速度で昇温して、
500℃まで熱処理を行った。次に該熱処理物を希塩酸で
洗った後、水洗し、その後乾燥することによって板状の
多孔体を得た。
子/炭素原子の原子比は0.25、窒素原子/炭素原子の原
子比は0.15であり、またBET法による比表面積は2200m2/
gであった。
(C2H5)4NCl4の1モル/lプロピレンカーボネート溶解を
使用して電池を構成し、充放電テストを行った。電池を
組んだ直後の電圧は0Vであった。次に外部電源により2.
0Vの電圧を印加して約1時間正極にClO4 -イオン、負極
に(C2H5)4N+イオンをドーピングした。電池の起電圧は
当然のことながら2.0Vであった。次に1時間当りのアン
ドーピング量が2.5%となる速度で放電したところ、約
1時間で電池の電圧は0に戻った。
イクルテストを行った所、約1200回サイクル後もその容
量にはほどんと変化がなかった。
り、1は正極、2は負極、3,3′は集電体、4は電解
液、5はセパレーター、6は電池ケース、7,7′は外部
端子を表わす。 第2図は本発明で用いられる多孔性不溶不融性基体フィ
ルム中の含窒素基体粒子の構造を示す電子顕微鏡写真で
ある。図中の1μより小さなブドウ状の粒子及び数μの
大きな粒子は共に含窒素基体である。
Claims (15)
- 【請求項1】(A) 窒素を含む熱硬化性樹脂成分とフ
ェノール系樹脂成分とからなり、窒素を含む熱硬化性樹
脂成分/フェノール系樹脂成分の重量比が5〜0.05であ
る樹脂成形体の熱処理物であって (a) 水素原子/炭素原子の原子数比が0.05〜0.5か
つ窒素原子/炭素原子の原子数比が少なくとも0.01であ
るポリアセン系骨格構造を有し (b) BET法による比表面積値が少くとも600m2/gであ
り、そして(c)平均孔径10μm以下の連通孔を持つ不
溶不融性基体を正極および/また負極とし、 (B) 電解により該電極にドーピングされうるイオン
を生成しうる化合物を非プロトン性有機溶媒に溶解した
溶液を電解液とする ことを特徴とする有機電解質電池。 - 【請求項2】窒素を含む熱硬化性樹脂がメラミン樹脂で
ある特許請求の範囲第1項に記載の有機電解質電池。 - 【請求項3】フェノール系樹脂がフェノールとホルムア
ルデヒドとの縮合物である特許請求の範囲第1項に記載
の有機電解質電池。 - 【請求項4】樹脂成形体がフェノール系樹脂および球状
メラミン変性フェノール樹脂からなる特許請求の範囲第
1項に記載の有機電解質電池。 - 【請求項5】熱処理物が、三次元網目構造を持つ不溶不
融性基体部分と球状不溶不融性基体部分よりなる特許請
求の範囲第4項記載の有機電解質電池。 - 【請求項6】水素原子/炭素原子の原子数比が0.1〜0.3
5であるところの特許請求の範囲第1項記載の有機電解
質電池。 - 【請求項7】不溶不融性基体のBET法による比表面積値
が800〜3000m2/gである特許請求の範囲第1項記載の有
機電解質電池。 - 【請求項8】不溶不融性基体が平均孔径0.03〜10μmの
多数の連通孔を持つ特許請求の範囲第1項に記載の有機
電解質電池。 - 【請求項9】窒素原子/炭素原子の原子数比が0.5〜0.0
1である特許請求の範囲第1項に記載の有機電解質電
池。 - 【請求項10】正極がポリアセン系骨格構造を含有する
不溶不融性基体からなる成形体、負極がアルカリ金属ま
たはアルカリ金属の合金である特許請求の範囲第1項記
載の有機電解質電池。 - 【請求項11】アルカリ金属がリチウムである特許請求
の範囲第10項記載の有機電解質電池。 - 【請求項12】アルカリ金属の合金が、リチウムとアル
ミニウムの合金である特許請求の範囲第10項記載の有機
電解質電池。 - 【請求項13】電解によりドーピングされうるイオンを
生成しうる化合物がLiI、NaI、KI、NH4I、LiClO4、LiBF4、
LiAsF6、LiPF6、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、NaPF6、KClO4、KBF4、
KAsF6、KPF6、(C2H5)4NClO4、(n-C4H9)4NClO4、(t-C4H9)4NC
lO4、(C2H5)4NBF4、(n-C4H9)4NBF4、(t-C4H9)4NBF4、(C2H5)
4NPF6、(n-C4H9)4NPF6、(t-C4H9)4NPF6、LiB(C2H5)4、LiB(C
6H5)4又はLiHF4である特許請求の範囲第1項に記載の有
機電解質電池。 - 【請求項14】非プロトン性有機溶媒がエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネイト、γ−ブチロラクト
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフランン、ジオキソラン、又はスルホ
ランである特許請求の範囲第1項に記載の有機電解質電
池。 - 【請求項15】樹脂成形体がフィルム、板、繊維、布、
不織布又はそれらの複合体の形態にある特許請求の範囲
第1項に記載の有機電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62133280A JP2519454B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 含窒素基体を電極とする有機電解質電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62133280A JP2519454B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 含窒素基体を電極とする有機電解質電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63301464A JPS63301464A (ja) | 1988-12-08 |
JP2519454B2 true JP2519454B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=15100947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62133280A Expired - Lifetime JP2519454B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 含窒素基体を電極とする有機電解質電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2519454B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2601777B2 (ja) * | 1990-02-09 | 1997-04-16 | 鐘紡株式会社 | 有機電解質電池用電極 |
-
1987
- 1987-05-30 JP JP62133280A patent/JP2519454B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63301464A (ja) | 1988-12-08 |
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