JP2519256Y2 - エンジンの油圧式弁駆動装置 - Google Patents

エンジンの油圧式弁駆動装置

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JP2519256Y2
JP2519256Y2 JP4912091U JP4912091U JP2519256Y2 JP 2519256 Y2 JP2519256 Y2 JP 2519256Y2 JP 4912091 U JP4912091 U JP 4912091U JP 4912091 U JP4912091 U JP 4912091U JP 2519256 Y2 JP2519256 Y2 JP 2519256Y2
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hydraulic
engine
piston
valve
drive
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健一 上田
哲也 藤崎
勇 吉田
昭司 端山
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンジンの吸、排気用
開閉弁を駆動するエンジンの油圧式弁駆動装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンの油圧式弁駆動装置とし
ては、例えば実開昭55−172605号公報や、実開
昭59−159706号公報に開示されている如く、駆
動ピストンを摺動自在に嵌装した駆動シリンダを設け、
前記駆動シリンダ油圧路により連通しかつ従動ピスト
ンを摺動自在に嵌装した従動シリンダを設け、前記駆動
ピストンをエンジンのクランク軸等に同期して回転駆動
されるカムの回転に追従して往復動せしめ、この作動に
より前記油圧路内を圧送される作動油により前記従動ピ
ストンが作動して、エンジンの吸、排気用開閉弁を開閉
作動させるものが知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
従来のエンジンの油圧式弁駆動装置では、油圧路内の作
動油には組立初期時のエア抜き不良や作動油中の気泡発
生によリエアが混入しているため、作動時に上記エアの
収縮により前記開閉弁のリフト量が変化し、エンジンの
安定した性能が得られないという不具合や、前記油圧路
が閉回路をなしているため、油圧路内の作動油の温度が
過上昇し、その粘度低下によって潤滑機能が損われ、駆
動ピストン、従動ピストンに焼き付きが生ずるという不
具合があった。本考案は、上述の従来装置の不具合を克
服するために考案したもので、作動油中に混合したエア
の排出を駆動ピストンのロッドの往復動を利用して行わ
せることにより、作動時のエアの収縮により生ずるエン
ジンの吸、排気用開閉弁のリフト量の変化を防止してエ
ンジンの安定した性能を得られるようにし且つ、油圧路
内の作動油の温度の過上昇およびそれに伴う粘度の低下
による潤滑機能の劣下を防止して駆動ピストン、従動ピ
ストンの焼き付きを防止するとともに、上記駆動ピスト
ンのロッド先端部付近に形成する環状溝の形状をテーパ
状となすことにより、前記作動油の排出時の流路抵抗を
微妙に調節し、これによって前記開閉弁の開弁時期の設
定を調節するようにしたエンジンの油圧式弁駆動装置を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案のエンジンの油圧式弁駆動装置は、エンジン
のシリンダヘッドに設置されたケースの一端部に駆動ピ
ストンを摺動自在に嵌装した駆動シリンダを設け、他端
部に前記駆動シリンダと油圧路により連通しかつ従動ピ
ストンを摺動自在に嵌装した従動シリンダを設け、カム
に連動される前記駆動ピストンの作動により圧送された
作動油により前記従動ピストンが作動してエンジンの
吸、排気用開閉弁を作動させるエンジンの油圧式弁駆動
装置において、前記駆動ピストンのロッド先端部付近を
テーパ状縮径部となして当該部位外周に環状テーパ溝を
形成し、前記ケースに前記環状テーパ溝を介して前記油
圧路と連通可能としたスピルポートを設けたことを特徴
とするものである。
【0005】
【作 用】上記構成を有する本考案のエンジンの油圧式
弁駆動装置の作用は次の通りである。先ず、カム10
が、駆動ピストン3とベースサークルで接触している図
1の状態より時計方向に回転駆動され始めると、駆動ピ
ストン3が駆動シリンダ4内を上方に移動する。この駆
動ピストン3の移動にて閉回路となる油圧路5内の圧力
は上昇し、その圧力値がスピルボート14の逆止弁15
の開弁圧に到達すると、前記逆止弁15は図2に示す如
く開弁する。このとき、圧油(作動油)の一部Lととも
に作動油に混入されていたエアが外部に排出される。こ
の作動油の排出は環状テーパ溝13とスピルポート14
が連通する間連続して行われる。そして、カム10の駆
動により駆動ピストン3がさらに上方に移動すると、図
3のように環状テーパ溝13とスピルポート14との連
通が断たれ、油圧路5内の油圧が高圧となり、駆動ピス
トン3の作動が圧油を介して従動ピストン7に伝達さ
れ、従動ピストン7が下方に移動する。上記従動ピスト
ン7の移動は、ブリッジ24を介して開閉弁26、27
へ作用し、開閉弁26、27はコイルばね32、33に
抗して下方に押圧されて、開弁する。
【0006】次に、カム10の回動がカムノーズを超え
て再びベースサークル側に向かうと、駆動ピストン3が
ばね11の付勢力と作動油の油圧とにより下方に移動す
る。上記駆動ピストン3の下方への移動により油圧路5
内の圧力が低下し、コイルばね32、33の付勢力によ
って開閉弁26、27が上方へ押圧されて閉弁する。上
述のように、本考案のエンジンの油圧式弁装置は、駆動
ピストン3の上昇時に、一時的にスピルポート14より
圧油の一部Lとともにエアが外方へ排出されるので、作
動油に混入したエアの収縮により生ずるエンジンの吸、
排気用開閉弁のリフト量のバラツキが防止されエンジン
の安定した性能が得られる。
【0007】また、上記スピルポート14よりの圧油の
一部排出により、油圧路内の作動油の温度の過上昇およ
びそれに伴う粘度低下による潤滑機能の劣化を防止し
て、駆動ピストン、従動ピストンの焼き付きが防止され
る。さらに、本弁駆動装置では駆動ピストン3のロッド
12の先端部付近をテーパ状縮径部12aとなし当該部
位外周に環状テーパ溝13を形成したことにより、前記
作動油の排出時の流路抵抗を微妙に調節することがで
き、例えば図4に示すように、流路抵抗を増加して作動
油の排出を減少させ、吸気用開閉弁26、27の開弁特
をAのようにロッド12の縮径部を単なる円柱状とな
した場合の開弁特性Bに比較して進角側に移動し、開弁
時期を早めることができる。従って、エンジン回転速度
が高速になればなる程、吸入効率が向上し、エンジンの
出力が増大する。
【0008】
【実施例】本考案のエンジンの油圧式駆動装置の一実施
例を図について説明する。1はエンジンのシリンダヘッ
ド2の上面に適宜の固着手段により固定的に設置された
ケースであり、その一端部には駆動ピストン3を摺動自
在に嵌装した駆動シリンダ4が設けられている。また、
ケース1の他端部には駆動シリンダ4と油圧路5により
連通しかつ従動ピストン6を摺動自在に嵌装した従動シ
リンダ7が設けられている。8は油圧路5の開口端を封
止するためのキャップである。駆動ピストン3はシリン
ダヘッド2に回転自在に支持され、エンジンのクランク
軸等に同期して回転駆動されるカム軸9上のカム10
に、戻しばね11の付勢力および作動油圧により常時摺
接するようになっている。
【0009】前記駆動ピストン3のロッド12の先端部
付近をテーパ状縮径部12aとなして、当該部位外周に
は環状テーパ溝13が形成されている。そして前記環状
テーパ溝13は駆動ピストン3がカム10のベースサー
クル面と接触時において、ケース1の油圧路5と外気と
の連絡路となるように、上記ケース1に形成されたスピ
ルポート14と連通するようになっている。前記テーパ
状縮径部12aは後記スピルポート14及びボール型逆
止弁15を経て作動油が排出されるときの流路抵抗を微
小調節するもので、実験等によりテーパの方向及びその
度合いが決定される。上記スピルポート14には、予め
設定された圧力値で開弁するボール型逆止弁15が配設
されている。16はその開弁圧を設定するばねである。
前記ケース1の油圧路5の途中には、作動油の補給用の
ボール型逆止弁17が設けられている。このボール型逆
止弁17は、エンジンの圧油源Pまたはその圧油系路と
常時連通する油通路18と前記油圧路5との連絡を断続
するものであり、油圧路5内の圧力が、所定値よりも低
いとき開弁して油通路18から圧油を補給するようにな
っている。逆止弁17の筒状部19には、その側壁部に
複数の開口20が形成されていて、筒状部19によって
隔てられた油圧路5の上流側と下流側とを常時連通する
ようになっており、さらに油通路18に臨む底部には下
端開口21が形成されており、その内側には上記開口2
1の内径よりも大なる径を有しかつ開口21を常時閉鎖
するようにばね22によって下方に付勢されたボール型
弁体23が配設されている。
【0010】24はシリンダヘッド2の上面部に突設さ
れたスダット25の上端部に摺動自在に嵌装された軸部
24aを有するブリッジで、その両端部は2本の吸、排
気用開閉弁本実施例では吸気用開閉弁26、27の軸部
上端と夫々連動可能に係止している。上記開閉弁26、
27の一方、本実施例では開閉弁27と係合する側の端
部には弁隙間調整用のアジャストスクリュウ28が取付
けられており、29はそのロックナットである。30、
31は開閉弁26、27の軸部上端近くに取付けられた
ばねシートであり、その下方に開閉弁26、27をその
閉じ方向に付勢するコイルばね32、33が内外2重に
装着されている。
【0011】上述のように構成してなる本願考案による
エンジンの油圧式弁駆動装置の作用は、次のとおりであ
る。先ず、カム10が、駆動ピストン3とベースサーク
ルで接触している図1の状態より時計方向に回転駆動さ
れ始めると、駆動ピストン3が駆動シリンダ4内を上方
に移動する。この駆動ピストン3の移動にて閉回路とな
る油圧路5内の圧力は上昇し、その圧力値がスピルポー
ト14の逆止弁15の開弁圧に到達すると、前記逆止弁
15は図2に示す如く開弁する。このとき、圧油(作動
油)の一部Lとともに作動油に混入されていたエアが外
部に排出される。この作動油の排出は環状テーパ溝13
とスピルポート14が連通する間連続して行われる。そ
して、カム10の駆動により駆動ピストン3がさらに上
方に移動すると、図3のように環状テーパ溝13とスピ
ルポート14との連通が断たれ、油圧路5内の油圧が高
圧となり、駆動ピストン3の作動が圧油を介して従動ピ
ストン7に伝達され、従動ピストン7が下方に移動す
る。上記従動ピストン7の移動は、ブリッジ24を介し
て開閉弁26、27へ作用し、開閉弁26、27はコイ
ルばね32、33に抗して下方に押圧されて、開弁す
る。
【0012】次に、カム10の回動がカムノーズを超え
て再びベースサークル側に向かうと、駆動ピストン3が
ばね11の付勢力と作動油の油圧とにより下方に移動す
る。上記駆動ピストン3の下方への移動により油圧路5
内の圧力が低下し、コイルばね32、33の付勢力によ
って開閉弁26、27が上方へ押圧されて閉弁する。上
述のように、本考案のエンジンの油圧式弁装置は、駆動
ピストン3の上昇時に、一時的にスピルポート14より
圧油の一部Lとともにエアが外方へ排出されるので、作
動油に混入したエアの収縮により生ずるエンジンの吸、
排気用開閉弁のリフト量のバラツキが防止されエンジン
の安定した性能が得られる。また、上記スピルポート1
4よりの圧油の一部排出により、油圧路内の作動油の温
度の過上昇およびそれに伴う粘度低下による潤滑機能の
劣化を防止して、駆動ピストン、従動ピストンの焼き付
きが防止される。
【0013】さらに、本弁駆動装置では駆動ピストン3
のロッド12の先端部付近をテーパ状縮径部12aとな
し当該部位外周に環状テーパ溝13を形成したことによ
り、前記作動油の排出時の流路抵抗を微妙に調節するこ
とができ、例えば図4に示すように、流路抵抗を増加し
て作動油の排出を減少させ、吸気用開閉弁26、27の
開弁特性をAのようにロッド12の縮径部を単なる円柱
状となした場合の開弁特性Bに比較して進角側に移動
し、開弁時期を早めることができる。従って、エンジン
回転速度が高速になればなる程、吸入効率が向上し、エ
ンジンの出力が増大する。
【0014】また、上記スピルポート14の逆止弁15
の背面側における後部スピルポート14を図5に示すよ
うに垂直方向に伸延せしめ、その下端開口、即ち排出口
14bを上記カム10の駆動ピストン3との接触作用面
に臨む部位に開口することによって、図6に示すように
逆止弁15の開弁時、圧油(作動油)の一部Lがカム1
0の駆動ピストン3との接触作用面に滴下されるので、
上記接触作用面の強制潤滑が行われ、カム10と駆動ピ
ストン3との連動作用が円滑に行われるとともに、カム
10と駆動ピストン3の耐摩耗性が向上する。 なお、
上記実施例では、ブリッジ24を備えて2個の開閉弁を
同時に作動させる型式のエンジンの例について記述した
が、開閉弁が夫々1個ずつ配設される型式のエンジンに
も実施できることは当然である。
【0015】
【考案の効果】以上のように、本考案のエンジンの油圧
式弁駆動装置は、エンジンのシリンダヘッドに設置され
たケースの一端部に駆動ピストンを摺動自在に嵌装した
駆動シリンダを設け、他端部に前記駆動シリンダと油圧
路により連通しかつ従動ピストンを摺動自在に嵌装した
従動シリンダを設け、カムに連動される前記駆動ピスト
ンの作動により圧送された作動油により前記従動ピスト
ンが作動してエンジンの吸、排気用開閉弁を作動させる
エンジンの油圧式弁駆動装置において、前記駆動ピスト
ンのロッド先端部外周に環状テーパ溝を形成し、前記ケ
ースに前記環状テーパ溝を介して前記油圧路と連通可能
としたスピルポートを設けたことを特徴とするので、作
動油中へのエアの混入が防止され、作動油に混入したエ
アの収縮により生ずるエンジンの吸、排気弁用開閉弁の
リフト量のバラツキが防止され、エンジンの安定した性
能が得られる効果がある。また、上記スピルポートより
の圧油の一部排出により、油圧路内の作動油の温度の過
上昇およびそれに伴う粘度低下による潤滑機能の劣化を
防止して、駆動ピストン、従動ピストンの焼き付きが防
止される効果がある。さらに、上記駆動ピストンのロッ
ド先端部付近をテーパ状縮径部となして当該部位外周に
環状テーパ溝を形成したことにより、前記作動油の排出
時の流路抵抗を微妙に調節し、これによって前記開閉弁
の開弁時期の設定を調節する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のエンジンの油圧式弁駆動装置の一実
施例を示す縦断面図、
【図2】 同実施例のスピルポート内の逆止弁開放状態
を示す要部拡大縦断面図、
【図3】 同実施例の駆動ピストンのリフト状態を示す
縦断面図、
【図4】 同実施例の開閉弁の開弁特性曲線図、
【図5】 本考案の他の実施例を示す縦断面図、
【図6】 同実施例のスピルポート内の逆止弁開放状態
を示す要部拡大縦断面図、
【符号の説明】
1;ケース、2;シリンダヘッド、3;駆動ピストン、
4;駆動シリンダ、5;油圧路、6;従動ピストン、
7;従動シリンダ、9;カム軸、10;カム、12;ロ
ッド、12a;テーパ状縮径部、13;環状テーパ溝、
14、14a;スピルボート、14b;排出口15;逆
止弁、17:逆止弁、18:油通路、24:ブリツジ、
26、27;吸気用開閉弁32、33;コイルばね。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのシリンダヘッドに設置されたケ
    ースの一端部に駆動ピストンを摺動自在に嵌装した駆動
    シリンダを設け、他端部に前記駆動シリンダと油圧路に
    より連通しかつ従動ピストンを摺動自在に嵌装した従動
    シリンダを設け、カムに連動される前記駆動ピストンの
    作動により圧送された作動油により前記従動ピストンが
    作動してエンジンの吸、排気用開閉弁を作動させるエン
    ジンの油圧式弁駆動装置において、前記駆動ピストンの
    ロッド先端部付近をテーパ状縮径部となして当該部位外
    周に環状テーパ溝を形成し、前記ケースに前記環状テー
    パ溝を介して前記油圧路と連通可能としたスピルポート
    を設けたことを特徴とするエンジンの油圧式弁駆動装
    置。
JP4912091U 1991-05-30 1991-05-30 エンジンの油圧式弁駆動装置 Expired - Lifetime JP2519256Y2 (ja)

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JPH0614413U JPH0614413U (ja) 1994-02-25
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