JP2518652Y2 - トラップ付き排水桝 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、宅地内の排水管路の起点または入隅角部に
設置されるトラップ付き排水桝に関する。

（従来の技術） 従来の排水桝としては、宅地内の出隅角部に設置され
る大曲りエルボ部の彎曲凹縁側にトラップを接続するト
ラップ接続口を形成した構造が知られている。そして、
この構造の排水桝では、大曲りエルボ部の一端から流入
した排水が彎曲突縁側の側壁面に沿って方向を変えて他
端から流出するため、彎曲凹縁側に接続されているトラ
ップに逆流することがない。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、入隅角部に設置されるトラップ付き排
水桝としては大曲りエルボ部の外側にトラップを接続す
るトラップ接続口を付けなくはならず、大曲りエルボ部
の彎曲突縁側にトラップを接続すると彎曲突縁側の壁面
に衝突した排水が彎曲突縁側に接続したトラップに逆流
するという問題を有している。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、大曲りエ
ルボ部の彎曲突縁側に接続したトラップに排水が逆流し
ないようにするとともに、トラップ内の掃除がしやすい
トラップ付き排水桝を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 請求項１記載のトラップ付き排水桝は、彎曲形成され
この彎曲された部分に上方に向けた彎曲突縁側が形成さ
れた大曲りエルボ部と、この大曲りエルボ部の彎曲突縁
側の上縁側に偏って上面に突設された掃除口と、前記大
曲りエルボ部の上面に前記掃除口内に開口された開口部
と、トラップと、前記大曲りエルボ部の彎曲突縁側の上
流側の外側に上方に向けた開口縁を有して開口されかつ
この開口縁を越流口として連通され前記トラップを回動
自在に接続するトラップ接続口と、前記大曲りエルボ部
の開口部の彎曲突縁側に内方に突出形成した水返し縁と
を具備したものである。

請求項２記載のトラップ付き排水桝は、請求項１記載
のトラップ付き排水桝において、大曲りエルボ部の両端
に排水本管接続口を形成し、開口縁は、前記排水本管接
続口の内径高さより高いものである。

（作用） 請求項１記載のトラップ付き排水桝は、大曲りエルボ
部に一端から流入した排水は彎曲突縁側に沿って流動さ
れるが、トラップへの越流口は、大曲りエルボ部の彎曲
突縁側の上流側に開口されているため彎曲突縁側の彎曲
中間部に排水が衝突しても越流口からトラップに排水が
逆流することがない。さらに、大曲りエルボ部の彎曲突
縁側の開口部に水返し縁を形成することによってトラッ
プへの逆流が防止される。また、掃除口は大曲りエルボ
部の上面に上流側に偏って突設されていることからこの
口径内にトラップ接続口が開口されトラップ内の掃除を
することができる。さらに、トラップ接続口に接続され
るトラップは回動自在に接続されているから接続される
排水管の配管方向に応じて方向を任意に変化できる。

請求項２記載のトラップ付き排水桝は、請求項１記載
のトラップ付き排水桝において、開口縁は、大曲りエル
ボ部の排水本管接続口の内径高さより高いため、確実に
トラップへの逆流が防止される。

（実施例） 以下、本考案のトラップ付き排水桝の一実施例を図面
を参照して説明する。

図１において、１は大曲りエルボ部で、この大曲りエ
ルボ部１は、一端に上流側の排水本管接続口２、他端に
下流側の排水本管接続口３を有し、彎曲に沿って彎曲突
縁側1aが形成されている。そして、上面の上流側の彎曲
突縁側1aに中心が偏って上面に開口した円筒状のたとえ
ば口径150mmの掃除口４が突設されている。なお、この
掃除口４の開口面積のほぼ1/2を大曲りエルボ部１の上
面開口部５が占め、残りの略半円弧分1/2は大曲りエル
ボ部１の彎曲突縁側1aより外方に突出されている。

さらに、大曲りエルボ部１の上面開口部５の彎曲突縁
側1aの上流側でこの上面開口部５の彎曲突縁側1aの開口
縁８が最低部となるように掃除口４の大曲りエルボ部１
より外方に突出した部分に底板部７が傾斜状に形成され
ている。また、掃除口４内に位置する大曲りエルボ部１
の上面開口部５の彎曲突縁側1aの開口縁８の高さを大曲
りエルボ部１に接続する排水本管接続口2,3の少くとも
いずれか一方の内径の高さよりもやや高く形成し、この
上面開口部５の彎曲突縁側1aの開口縁８に内方に向かっ
て水返し縁９が水平状に突出形成されている。

さらに、大曲りエルボ部１に形成されている上面開口
部５の彎曲突縁側1aの開口縁８を越流口６として大曲り
エルボ部１に連通するトラップ接続口11が形成され、こ
のトラップ接続口11の外側部分の上面は掃除口４の周面
の一部から下面にかけて下向きの覆い部10で覆われてい
る。また、このトラップ接続口11の内周にはＵ字形のト
ラップ12の一端に上向きに開口した接続口13がＯリング
14を介して回動自在に接続され、このトラップ12の一端
を掃除口４の口径内に開口させ、トラップ12の外周には
環状係止段部15が形成されている。さらに、トラップ12
の他端には排水枝管接続口16が上向きに形成されてい
る。

次に、上記実施例の作用を説明する。

まず、大曲りエルボ部１の排水本管接続口2,3に図示
しない排水本管を接続し、掃除口４に掃除口管17を接続
して上端を地上面に位置させ、さらに、トラップ12をト
ラップ接続口11で回動させることにより排水枝管接続口
16の方向を建物の排水設備等からの図示しない排水枝管
に合致されて接続する。

そして、大曲りエルボ部１の排水本管接続口２に接続
した排水本管から流入した排水は、この大曲りエルボ部
１の彎曲突縁側1aに衝突した排水本管接続口３に接続し
た排水本管に流出するが、この彎曲突縁側1aの上流側で
しかも大曲りエルボ部１の排水本管接続口2,3の少くと
もいずれか一方の内径よりも高い位置で分岐し上面開口
部５の開口縁８を越流口６としたトラップ接続口11への
逆流を防止する。また、大曲りエルボ部１の開口縁８に
内方に突出形成した水返し縁９によってもトラップ接続
口11への逆流が防止される。

さらに、掃除口４内にはトラップ接続口11に接続した
トラップ12の接続口13が開口しているからトラップ12の
掃除が容易にできる。

〔考案の効果〕

請求項１記載のトラップ付き排水桝によれば、掃除口
内に開口した大曲りエルボ部の彎曲突縁側の開口縁に内
方に突設した水返し縁を形成するとともに、開口部の彎
曲突縁側の上流側に偏らせて開口縁を越流口としてトラ
ップ接続口を連通したため大曲りエルボ部に流入した排
水が彎曲突縁側に衝突してもトラップ接続口の越流口よ
り下流で衝突するため、逆流することがない。また、掃
除口を大曲りエルボ部の彎曲突縁側の上流側に偏位して
設けるとともにトラップ接続口への越流口も彎曲突縁側
の上流側に設けたためトラップ接続口が掃除口内に開口
され、トラップの掃除を容易にすることができる。さら
に、掃除口を彎曲突縁側の上流側に偏らせてトラップ接
続口に接近させたため、掃除口を大径化することなく口
径内にトラップ接続口を開口させることができるから、
掃除口を小型化し、全体を小型化することができる。ま
た、トラップは大曲りエルボ部のトラップ接続口に回動
自在に接続されているから、手洗い等の排水設備からの
排水枝管の方向に対して任意に方向を変化できる。

請求項２記載のトラップ付き排水桝は、請求項１記載
のトラップ付き排水桝に加え、開口縁が大曲りエルボ部
の排水本管接続口の内径高さより高いため、確実にトラ
ップへの逆流が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すトラップ付き排水桝の
平面図、第２図は同上II-II線断面図である。 １……大曲りエルボ部、1a……彎曲突縁側、2,3……排
水本管接続口、４……掃除口、５……上面開口部、６…
…越流口、８……開口縁、９……水返し縁、11……トラ
ップ接続口、12……トラップ。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】彎曲形成されこの彎曲された部分に上方に
   向けた彎曲突縁側が形成された大曲りエルボ部と、 この大曲りエルボ部の彎曲突縁側の上流側に偏って上面
   に突設された掃除口と、 前記大曲りエルボ部の上面に前記掃除口内に開口された
   開口部と、 トラップと、 前記大曲りエルボ部の彎曲突縁側の上流側の外側に上方
   に向けた開口縁を有して開口されかつこの開口縁を越流
   口として連通され前記トラップを回動自在に接続するト
   ラップ接続口と、 前記大曲りエルボ部の開口部の彎曲突縁側に内方に突出
   形成した水返し縁と を具備したことを特徴とするトラップ付き排水桝。
2. 【請求項２】大曲りエルボ部の両端に排水本管接続口を
   形成し、 開口縁は、前記排水本管接続口の内径高さより高い ことを特徴とする請求項１記載のトラップ付き排水桝。