JP2518609B2 - トランス作用性転写因子 - Google Patents

トランス作用性転写因子

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JP2518609B2 JP60502493A JP50249385A JP2518609B2 JP 2518609 B2 JP2518609 B2 JP 2518609B2 JP 60502493 A JP60502493 A JP 60502493A JP 50249385 A JP50249385 A JP 50249385A JP 2518609 B2 JP2518609 B2 JP 2518609B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、所望の遺伝子のトランス作用性転写活性化
(trans−acting transcriptional activation)を引起
して所望の遺伝子産物の発現を大きく増幅するある種の
ウイルス性転写制御要素(transcriptional control el
ements)を含有するベクター系を用いる遺伝子産物の大
量生産に関する。より特定的には、本発明は所望の異種
(heterologous)遺伝子産物の発現を増大させるために
トランス活性化性レトロウイルス由来のトランス作用性
因子の使用並びにこのような発現に有用な方法及び物に
関する。本発明は統合(integrated)及び非統合(unin
tegrated)DNA上の異種遺伝子に対する転写プロモータ
ーとしてトランス活性化性レトロウイルス由来の転写制
御要素を利用する。本発明の転写制御因子を使用すると
異種遺伝子の転写速度が劇的に増加し、それ故所望の遺
伝子産物の発現が増大する。
発明の背景 多くの種類のレトロウイルスが公知である。レトロウ
イルスの転写制御要素がウイルスゲノムの末端長反復配
列(long tenninal repeat,LTR)として知られる部分
内、より特定的にはLTRのU3領域内にあるということも
知られている。エツチ・エム・テミン(H.M.Temin)、
セル(Cell)、27:1(1981);同、28:3(1982)参照。
本発明によつて、ある種のウイルス及びそれらウイル
スのゲノムのセグメントにより遺伝情報を指定(コー
ド)されたある種の因子は、それらウイルスのLTRセグ
メントの制御下で機能を発揮する遺伝子が産生する産物
の量を数倍増幅する能力を有することが発見された。ト
ランス作用性転写調節(trans−acting transcriptiona
l regulation)と呼ばれるこの現象は、種々の型のヒト
Tリンパ球ウイルス(human T lymphotropic virus,HTL
V)やウシ白血病ウイルス(BLV)を含めて多数のウイル
スが共通して示す。本明細書中で用いられている「トラ
ンス活性化性レトロウイルス(trans−activating retr
ovirus)」という用語はトランス作用性転写調節活性を
有するウイルスを意味するものとする。
ヒトTリンパ球ウイルス(HTLV)はTリンパ球のOKT4
+(ヘルパー)サブセツトの障害に関連するレトロウイ
ルスである。
HTLV I型(HTLV−I)は成人T細胞白血病の病因と
して有望なものである(ビー.ジエー.ポイエツ(B.J.
Poiesz)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)、77:7415(1980);ブイ.エ
ス.カリアナラマン(V.S.Kalyanaraman)ら、ネイチヤ
ー(Nature)(ロンドン)294:271(1981);エム.ロ
バート−グロフ(M.Robert−Guroff)ら、ジエー.エク
スプ.メド.(J.Exp.Med.)、154:1957(1981);エ
ム.ヨシダ(M.Yoshida)ら、プロク.ナトル.アカ
デ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、79:2031
(1982);及びエム.ポポビツク(M.Popovic)ら、ネ
イチャー(Nature)(ロンドン)、300:63(1982)参
照〕。
HTLV II型(HTLV−II)は毛細胞白血病(hairy cell
leukemia)のT細胞変種(T cell variant)をもつ患
者から最初に得られた単離物である〔ブイ.エス.カリ
アナラマン(V.S.Kalyanaraman)ら、サイエンス(Scie
nce)、218:571(1982);アイ.エス.ワイ.チエン
(I.S.Y.Chen)ら、ネイチヤー(Nature)(ロンド
ン)、305:502(1983);イー.ピー.ゲルマン(E.P.G
elmann)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)、81:993(1984)参照〕。
ヒトTリンパ球ウイルスIII型(HTLV−III)は、OKT4
+(ヘルパー)T細胞喪失を特徴とする伝達可能な免疫
抑制性疾患である後天性免疫不全症候群(AIDS)の病因
として有望なものとして最近同定された〔エム.ポポビ
ツク(M.Popovic)ら、サイエンス(Science)、224:49
7(1984);アール.シー.ガロ(R.C.Gallo)ら、同、
500ページ;ジエー.シユプバツハ(J.Schupbach)ら、
同、503ページ;エム.サーンガダラン(M.Sarngadhara
n)ら、同、506ページ参照〕。これは、レトロウイルス
の特徴(同上)、リバーストランスクリプターゼ(逆転
写酵素)のマグネシウム嗜好性(preference)(同
上)、OKT4+Tリンパ球特異性(同上)、p24及びエン
ベローブ蛋白とHTLV−I及びHTLV−IIの対応する蛋白質
との交差反応性〔エス.ケー.アーヤ(S.K.Arya)ら、
サイエンス(Science)、225:927〜930(1984);及び
エム.エセツクス(M.Essex)ら、サイエンス(Scienc
e)、221:1061(1983)参照〕及び核酸レベルでのHTLV
−I及びIIに対する類縁性の少なさ(distant relatedn
ess)(同上)に基いて、HTLV族に属するとされた。
多くの点において、ウシ白血病ウイルス(BLV)によ
り引起される疾病はHTLV−Iによるものと類似してい
る。これらの疾患は、時にはリンパ球増加症の後に来る
長い潜伏期間を有している〔フエラー(Ferrer)ら、キ
ヤンサー レス.(Cancer Res.)、34:893(1974);
及びガロ(Gallo)ら、ブラツド(Blood)、60:545(19
82)〕。いずれの疾患でも、疾患に先立ち標的器官内で
慢性のウイルス血症はみられず、腫瘍細胞内でプロウイ
ルスのDNA組込み(DNA integration)が起こる好適部位
はない〔パウル(Paul)ら、上記;ケツトマン(Kettma
n)ら、上記;グレゴワール(Gregoire)ら、上記;ガ
ロ(Gallo)ら、上記;及びビー.ハーン(B.Hahn)
ら、ネイチャー(Nature)305:340(1983)参照〕。
トランス活性化性レトロウイルスに感染した細胞で
は、ウイルス末端長反復配列(LTR)に支配されるベク
ター内での異種遺伝子の転写速度が大幅に増大すること
が今回発見された。これらウイルスのウイルスゲノムの
トランス作用性転写調節を提供する部分を含有する適当
なベクターによつて宿主細胞を形質転換すると、異種遺
伝子のトランス活性化が可能になり、従つて、ウイルス
に感染した宿主細胞を使用する必要なしに所望遺伝子産
物の産生量が劇的に増加する。
発明の要約 本発明は、レトロウイルスの転写における新規な現
象、すなわち転写のトランス活性化(trans−activatio
n)の発見によるものである。ここでは、新規なトラン
ス活性化転写(TAT)因子をコードする、本明細書中で
“tat"遺伝子と称する新規な遺伝子について記載する。
また、ウイルスゲノムのLTR部内のある種のシス活性化
された領域(cis−activated region)についても記載
するが、この領域はトランス活性化因子が作用してトラ
ンス活性化効果が生ずる領域であり、以下tar調節要素
と称する。
本発明はその1面において遺伝子産物の生産を刺激す
る方法を含む。この方法は、(a)トランス活性化性の
レトロウイルスのゲノムの、トランス作用因子をコード
しているセグメントからなるトランス作用性DNAセグメ
ントを宿主細胞中に挿入し、(b)発現させる遺伝子産
物をコードしている遺伝子と、トランス作用性DNAセグ
メントが産生するトランス作用因子に応答するシス作用
性調節要素とからなる発現ベクターを宿主細胞に挿入
し、(c)宿主細胞を培養することからなる。
さらに、HTLVエンベロープの糖蛋白質のような同種
(homologous)遺伝子及び原核性クロラムフエニコール
アセチルトランスフエラーゼ(CAT)遺伝子のような異
種遺伝子の転写と発現を増大するためにトランス作用性
転写調節現象を利用する方法及び物の例、並びにトラン
ス活性化性ウイルス及び因子を同定し、その有効性を測
定するためのこれら遺伝子の使用の例についても記載す
る。
本発明の物と方法を使用すると組換えDNA技術による
遺伝子産物の発現速度と発現量がかなり増加する。本発
明の対になつた発現系を用いると、典型的な場合遺伝子
産物発現がこのような系を用いない場合より少なくとも
約5倍大きくなる。好ましい場合には本発明の対になつ
た遺伝子発現系によつて発現される遺伝子産物の量は、
ここに記載した因子のない場合に産生される量の少なく
とも約30倍のフアクターで増大し、さらに好ましい場合
には少なくとも約500倍となる。以下に詳細に述べるよ
うに特定の場合には本発明の方法と物を用いると遺伝子
産物生産が1100より大きいフアクターで増大した。
図面の簡単な説明 図1(a)、(b)及び(c)は本発明に使用した組
換えプラスミドの図式的な説明と構造を示している。こ
れらの図はCAT遺伝子に対して5′に位置するLTRの領域
を示す。
図2(a)、(b)及び(c)はLTR転写要素が指令
するCAT遺伝子の過渡的発現を示す。これらのグラフは
示した時間経過に亘る典型的なCATアツセイを示してい
る。実験は全て少なくとも3回行つたが、結果はせいぜ
い30%までしか違わなかつた。記号はプラスミド、pU3R
−1(○)、pSV2CAT(●)、pV3−II(□)、pV3R−II
(■)及びpSVXCAT(△)によつて支配されるCAT活性を
示す。挿入図はあるCATアツセイの実際のオートラジオ
グラムを示し、このアツセイの直線範囲内のある時間に
得られた変換を表わしている。
図2(d)はHTLV−III感染細胞及び非感染細胞内で
のCAT遺伝子の過渡的発現を示している。
図3はgag、pol及びenv遺伝子とpXすなわちtat遺伝子
の相対位置を示すHTLV−IウイルスDNAの概略説明図で
ある。このtat遺伝子をHTLV LTRが指令する合成と組み
合せて用いるとトランス作用性転写が引起こされる。
図3(A)はHTLV−IウイルスDNAの同様な概略説明
図であり、tat遺伝子のセグメントと、この遺伝子の解
析に使用したBamH IとCla I制限エンドヌクレアーゼ部
位との位置を示している。
図4はHTLV−IIIゲノム上のトランス作用性転写因子
の位置を決定するのに使用した欠失プラスミドとその発
現活性を示す。
図5はHTLV−IIIゲノムの3′領域とトランス作用性
転写因子のヌクレオチド及びアミノ酸配列を示す。
図6はHTLV−III LTRのシス作用性調節領域を含有す
る部分を示す。
好適実施態様の詳細な説明 種々のHTLVのLTR領域は配列が大きく異なつている〔H
TLV−IとIIの間のLTRの相違に関してはシモトーノ(Sh
imotohno)ら、上記参照〕。ここではトランス活性化性
のレトロウイルスの末端長反復要素が適当な環境中で異
種遺伝子の発現を促進できることを報告する。HTLV LT
Rの制御下での異種遺伝子発現の速度に種特異的な差及
び組織特異的な差が生じることが発見された。HTLV−I,
II及びIII並びにBLVの転写要素の活性に主要な相違があ
ることも発見された。
最も衝撃的な一連の観察によると、HTLVに感染した細
胞内ではHTLV LTRにより促進された転写がトランス活
性化因子によつて顕著に刺激される。このことはLTRに
関連(結合)する遺伝子が同種(homologous)であつて
も異種であつても真実であり、また発現すべき遺伝子に
結合されたLTRがその全体より少ないときにも真実であ
る。LTR領域には、TAT因子と共同して機能を発揮するこ
とにより所望遺伝子の非常に増大した転写が得られ、従
つて発現も大きく増幅されることになる最少の遺伝子セ
グメントがあることがわかる。これらのセグメントはTA
R要素と呼ばれており、これを利用すると同種又は異種
のエンハンサーを用いても用いなくてもトランスに活性
化された応答を得ることができる。少なくとも1つのエ
ンハンサーをTAR要素と共に使うのが好ましい。トラン
スに作用する転写因子はHTLV転写要素の活性化に対して
ある種の型特異性(type specificity)を示す。
転写のトランス活性化の現象と、HTLV及びBLVウイル
スゲノムのLTR領域の能力とは表1に挙げた結果が得ら
れた実験で例示される。これらの実験では、原核遺伝
子、すなわちクロラムフエニコールアセチルトランスフ
エラーゼ(CAT)を含有するプラスミドはプロモーター
として種々のトランスに活性化するレトロウイルスLTR
を有していた。ウサギのB−グロビン遺伝子を用いて同
様の実験を行つた。本発明による発現に適した他の遺伝
子としては遺伝子操作技術による適切な宿主中での産生
に適したあらゆるもの、たとえば、インターフエロン,
インシユリン,ヒトその他の生長因子もしくは他の発現
可能な遺伝子産物をコードしている異種遺伝子、また
は、抗原やワクチンとして有用なHTLV−I表面糖蛋白質
のような有用なウイルス産物をコードしている同種遺伝
子がある。
例えば、プラスミドpU3R−III(構造は図1(B)に
示すはU3全体を含み、HTLV−III cDNAクローンに由来
するR領域の約80個のヌクレオチドがクロラムフエニコ
ールアセチルトランスフエラーゼ(CAT)遺伝子に対し
5′に挿入されていた〔シー.エム.ゴーマン(C.M.Go
rman)ら、モル.セル.バイオール.(Mol.Cell.Bio
l.)、2:1044(1982);シー.エム.ゴーマン(C.M.Go
rman)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA)、79:6777(1982)参照〕。この
プラスミド(pU3R−III)をトランスフエクシヨンによ
つて真核細胞に導入し、定常状態のCATメツセンジヤーR
NAレベルに相関するCAT酵素活性レベル〔同上:及びエ
ム.デイー.ウオーカー(M.D.Walker)ら、ネイチャー
(Nature)(ロンドン)、306:557(1983)参照〕をト
ランスフエクシヨンの48時間後に測定した。HTLV−I
(pU3R−I)、HTLV−II(pU3R−II)及びBLV(pBLV−C
AT)のLTRプロモーター領域の制御下にあるCAT遺伝子を
用いて同様に構築されたプラスミドで同様のトランスフ
エクシヨンを行つた。すなわち、プラスミドpU3R−I,pU
3R−II及びpBLV−CATは、細菌のクロラムフエニコール
アセチルトランスフエラーゼ(CAT)遺伝子に対し5′
に位置するHTLV−I,HTLV−II及びBLVのLTRを各々含有し
ている〔ゴーマン,シー.エム.(Gorman,C.M.)ら、
モレク.セル.バイオール.(Molec.Cell.Biol)、2:1
044〜1051(1982)参照〕。これらのプラスミドの構造
については図1(A),1(B)及び1(C)参照された
い。
CAT活性は、種々の細胞型の、外来DNAを取り込み発現
する能力の差を調整するため、CAT遺伝子の5′にSV40
初期領域プロモーターを含有するプラスミドであるpSV2
CAT〔ゴーマン(Gorman)ら、上記〕のトランスフエク
シヨンで観察された活性に対して規格化した。
これらの研究に使用したHTLV−I株のLTRについての
配列は図1Aに示す〔セイキ,エム.(Seiki,M.)ら、プ
ロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA)、80:3618〜3622(1983)参照〕。この配列は
ヌクレオチド51個の長さの不完全反復配列を2つとヌク
レオチド21個の長さの不完全反復配列を3つ含有してい
る。この結果によつて、HTLV LTRのU3領域が非リンパ
様及びリンパ様細胞中で異種遺伝子の転写のプロモータ
ーとして働きうることが確認される。
トランスフエクシヨン実験の結果を表1に示す。HTLV
−III LTRは、種々の動物及びヒトのリンパ様及び非リ
ンパ様セルライン(細胞系)で効率的なプロモーターと
して機能する。HTLV−I LTRと同様に、HTLV−III LTRが
機能的にリンパ様細胞に限定されないことは明白であ
る。HTLV−I,HTLV−II又はBLVに感染した細胞内ではpU3
R−IIIによつて支配されるCAT活性は顕著に利激されな
い。HTLV−I,HTLV−II又はBLVに関連するトランス作用
性の転写因子はHTLV−III LTRによつて指令される遺伝
子発現を刺激しない。
上記の結果は本発明による異種遺伝子産物の産生にお
いて劇的な増加が得られることを示している。例えば、
HTLV−I LTRに制御される発現ベクターpU3R−IをHTLV
−Iに感染したHOS細胞及びヒトTリンパ球(MT2)細胞
内で使用すると、各々CAT酵素活性の生成が約75倍及び1
30倍に増加した。同様に、HTLV−III LTRに制御される
発現ベクターpU3R−IIIをHTLV−IIIに感染したH9細胞及
びヒトTリンパ球(L8460D)細胞内で使用すると各々CA
T酵素活性の生成が約1,160倍及び500倍に増加した。同
種遺伝子産物、例えばHTLV env糖蛋白質についても同様
の結果が得られる。又、HTLV LTRに指令される発現ベク
ターをトランスに活性化する因子だけを発現するベクタ
ーと共に用いると非感染細胞中での遺伝子産生が同様に
増加することについては以下でより詳しく検討する。
ウシ白血病ウイルス(BLV)のゲノムは全てのレトロ
ウイルスに特徴適なLTR,gag,pol及びenv配列を含んでい
る(エス.オロツラン(S.Oroszlan)ら、上記〕。さら
に、ヒトTリンパ球ウイルス(HTLV)と同様に、BLVゲ
ノムはエンベロープ遺伝子の3′に約1600個のヌクレオ
チドの長い読み取り枠(open reading frame)(LOR)
領域を持つ(ダヴリユ.エー.ハセルチン(W.A.Haselt
ine)ら、サイエンス(Science)、225:419(198
4)〕。
BLV LTR配列の転写能力をテストするために、細菌の
クロラムフエニコールアセチルトランスフエラーゼ(CA
T)遺伝子の5′にBLV LTRが位置するプラスミドを構築
した(図1(C))〔ゴーマン(Gorman)ら、上記〕。
転写活性をアツセイするために、この組換えプラスミド
をトランスフエクシヨンによつて真核細胞中に導入した
〔グラハム(Graham)ら、上記〕。CAT酵素活性のレベ
ルはCATメツセンジヤーRANのレベルと密接に相関してお
り、そのためCAT遺伝子の5′の配列が転写を促進する
能力の尺度となる〔ゴーマン(Gorman)ら、上記;エ
ス.エル.マクナイト(S.L.McKnight)ら、ネイチヤー
(Nature)(ロンドン)、306:557)1983)〕。
感染していないネズミ線維芽細胞とヒト上皮ラインに
おける転写要素として機能するBLV LTR配列の能力をテ
ストした。これらのデータを表2に要約する。
CAT遺伝子が他のプロモーター配列の制御下にあるい
くつかの他のプラスミドを用いても平行して実験を行つ
た。これら他のプラスミド全部でトランスフエクシヨン
するとかなりのレベルのCAT活性が生じた(表2)が、
このことは使用したトランスフエクシヨン手順で効率的
なDNAの取り込み及び発現が得られることを示してい
る。BLV LTR配列を含むプラスミドでトランスフエクト
した細胞から調製した抽出物中ではCAT活性は検出され
なかつた。ヒトT及びBリンパ球のトランスフエクシヨ
ンでも同様な結果が得られた(表2)。これらの結果
は、BLV転写要素がこれらの細胞内で転写プロモーター
として機能しないことを示している。
BLVに感染した胎児羊腎臓細胞及び感染していないも
のにおいてBLV LTR配列が転写要素として機能する能力
も検討した。非感染細胞ではBLV LTR配列が支配するCAT
活性は検出されず、これらの細胞ではBLV LTRが不活性
であることを示唆している。反対に、BLVに感染したプ
ロデユーサー細胞(producer cells)をトランスフエク
シヨンすると、高レベルのCAT活性が検出された(表2
及び図2)。この実験に使つた感染セルラインはリバー
ストランスクリプターゼレベルが高いことで示されるよ
うにBLVウイルス粒子(virons)を産生した(データは
示さず)。他の非感染及びBLV感染適合セルライン(mat
ched cell line)を用いても同様の結果が得られた。使
用したセルラインは、非感染コウモリ肺細胞(CCL88)
とBLVを産生するCCL88ラインのクローン性単離物〔デイ
ー.シー.グラプス(D.C.Graves)ら、キヤンサー リ
ス.(Cancer Res.)、36:4152(1976)〕とトランスフ
エクシヨンの6〜8日前にBLVに感染させたFLK細胞であ
つた(表2及び図2)。
これらの実験から、ウイルスで誘発されてもウイルス
でコードされていてもトランスに作用する因子はBLV LT
Rに制御される遺伝子発現を活性化すると結論される。
この効果は転写のレベルで最も生じやすい〔マクナイト
(McKnight)ら、上記〕。
HTLV−I,HTLV−II及びHTLV−IIIのLTR配列が指令する
遺伝子発現はHTLVに感染した細胞中に存在するトランス
作用性因子で増強される。これらの因子がBLV転写制御
配列を活性化しうるかどうかについてもテストした。
表2に示したように、HTLV−I,HTLV−II及びHTLV−II
Iに感染したセルライン中に存在するトランス作用性因
子はBLV LTRによつて指令されるCAT遺伝子発現を活性化
できなかつた。同様に、BLVに感染した細胞中に存在す
る因子は種々のHTLV−LTR配列によつて指令されるCAT遺
伝子発現を増加することができなかつた。このことが示
唆しているように、HTLV−I,HTLV−II及びHTLV−IIIに
対するトランス作用性因子はBLV LTR配列を活性化する
因子とは機能的に交換可能ではない。これは、HTLVとBL
VのLTR配列間で一次配列の相同性が欠けていることを考
えれば驚くべきことではない〔デイー.コウエツ(D.Co
uez)ら、ジエー.ビロール.(J.Virol.)、49:615(1
984);エー.ツイマニス(A.Tsimanis)ら、ヌク.ア
シツド.リス.(Nuc.Acid.Res.)、17:6079(1983);
及びジエー.ソドロスキ(J.Sodroski)ら、プロク.ナ
トル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.)、81:4167(1984)〕。
トランスに活性化するレトロウイルスの転写要素の効
率的な機能に対する主要な決定因子は、誘発されたトラ
ンス活性化因子の存在であると思われる。この活性化因
子はほとんどの場合それら自身の型のLTRプロモーター
に特異的である。すなわち、BLV LTRを含有するプラス
ミドが指令するトランスに活性化されたCAT遺伝子発現
はBLVに感染した細胞でのみ観察された。この点に関
し、HTLV−IIのLTRの効率的な活性は大部分HTLV−IIに
感染した細胞に限定されると思われるため、BLVはHTLV
−IIに以ている。一方、HTLV−I LTRによつて指令され
る転写はHTLV−IIにのみ感染した少なくともいくつかの
細胞内において効率的に行われるようであつた。
トランス−活性化現象とLOR領域の存在は他の非急性
レトロウイルスからBLV及びHTLVの両者を識別する。我
々は、HTLV LTRのトランス−活性化がHTLV tat遺伝子
の蛋白質産物により媒介されることを発見した。BLVの
ゲノムがそのエンベロープ遺伝子の3′にLOR領域を含
有する〔ダブリユ.エー.ハセルチン(W.A.Haseltin
e)ら、サイエンス(science)、225:419(1984)〕の
で、そのために、BLV LOR蛋白質産物がBLV LTRの転写活
性化を媒介するということが提起される。このような蛋
白質をコードしうる2キロ塩基の情報(message)はBLV
に感染した細胞で検出された〔ギスダエル(Ghysdael)
ら、ジエー.ビロール.(J.Virol.)、29:1087(197
9)〕。
トランスに活性化するウイルス遺伝子の同定 A. HTLV−I及びHTLV−IIにおけるtat遺伝子の位置 ヒトTリンパ球ウイルスII型(HTLV−II)の3′末端
の配列を決定し、HTLV−I、ウシ白血病ウイルス(BL
V)及びマウス乳癌ウイルス(MMTV)のゲノムの3′末
端と比較した。これらのウイルスは全て38〜40,000の分
子量領域の蛋白質をコードするのに十分な長い読み取り
枠を含有している。
HTLV−IIの3′端末領域の1,557塩基のヌクレオチド
配列は2つのドメインに分けることができる。547ヌク
レオチド長の1方のドメインは配列の5′末端にあり、
HTLV−Iの対応領域に対し全くあるいは非常にわずかに
しか配列の相似点はない。このドメインをここでは非保
存領域(non−consenved region,NCR)と呼ぶ。1,011ヌ
クレオチド長の2番目の領域はこの領域の3′部分から
なる。この配列はHTLV−Iのものと非常によく類似して
いる。この配列はHTLV−Iの配列と共に整列して並べる
ことができ、1,011ヌクレオチドのうち716(70%)とい
う相同性で同じである。
HTLV−IIゲノムの1,011ヌクレオチド長配列の周囲(p
erimeters)は337アミノ酸長のポリペプチドをコードし
うる1つの長い読み取り枠と正確に対応する。HTLV−I
の対応配列も359アミノ酸長のポリペプチドをコードし
うる1つの長い読み取り枠を囲んでいる。
HTLV−I及びIIにコードされる蛋白質はほとんど同じ
長さであり、337のアミノ酸の278個が等しい(82%同
一)。これら2つの蛋白質の類似の程度は保存的アミノ
酸置換(conservative amino acid substitutions)を
考えると更に一層著しくなる(95%類似)。これら蛋白
質の親水性領域及び疎水性領域の分布は著しく似てい
る。
他のいくつかの長い読み取り枠がI型及びII型のHTLV
の両者の3′領域内に存在する。これらのいずれもHTLV
−I及びHTLV−IIの両者に共通するものではないことが
判る。上記で検討した3′末端配列は注目に値する例外
であるが、HTLV−I及びIIウイルスのコーデイング能を
比較すると、どの読み取り枠でも3′領域内に予期され
た蛋白質配列の類似する領域は認められなかつた。特に
セイキ(Seiki)〔セイキ(Seiki)ら、上記〕が認めた
pX1、X2及びX3の長い読み取り枠はHTLV−IIの3′配列
内に同等物(counterpart)を全く持たず、一方、pX4は
上述の長い読み取り枠のカルボキシル末端に対応する。
HTLV−Iに比べてHTLV−CのNCR領域では11塩基対が欠
失しているが、これがウイルスの生物学的活性に作用し
ないことは明白である。
HTLV−I及びIIの3′末端領域は、HTLV−Iの場合に
は約42kdの、そしてHTLV−IIの場合には約38kdの分子量
の蛋白質をコードする新しい遺伝子を含んでいる。これ
らの蛋白質はアミノ酸レベルでは90%以上相同(homolo
gous)であり、主として感染細胞の核内に位置する。HT
LV−Iに感染したセルラインの分子量40〜42,000の蛋白
質は、HTLV−Iに感染した人の血清で認識されるが対照
のヒト血清では認識されないことを銘記しておく。
今回、HTLV−I及びIIのこれらの長い読み取り枠は各
々HTLV−I及びIIに対するトランス−活性化転写因子を
コードすることが発見された。従つて、(以前には時々
PX又はx−lor遺伝子と云われていた)これらの遺伝子
をここではHTLV−I及びHTLV−IIに対するtat遺伝子と
云う。
HTLV−I及びIIのtat遺伝子はイニシエータ−メチオ
ニンコドンを持たないが、その5′端にスプライスアク
セプターコンセンサス配列を示す。tat遺伝子産物蛋白
質は、LTR−及びtat相同(homologous)領域に加えてpo
l−env連結(iunction)を囲む配列を含有することが多
いスプライスされた2キロ塩基の情報から作られる。天
然tat遺伝子産物蛋白質の組成を洞察するために、HTLV
−Iで不死化した(immortalized)C81−66−45セルラ
イン中の選択されたスプライスドナー及びアクセプター
の遺伝子地図を作製した。このセルラインは2キロ塩基
のHTLV関連メツセンジヤーRNAのみを示し、HTLV−I 42t
at遺伝子産物蛋白質のみを発現する。この蛋白質は成人
T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)患者からの抗血清で検
出できる。C81−66−45のマツピングによつて、HTLV−
Iの長い読み取り枠中でコード可能な情報に対して以前
に決定されたのと同じ位置で、HTLV−I env遺伝子開始
コドンの3′のすぐ隣にあるスプライスドナーコンセン
サス配列とtat遺伝子内のCla I部位の5′から172bpに
あるスプライスアクセプターコンセンサス配列とが同定
された。天然のtat情報及び蛋白質の産生についての可
能な図式を図3に示す。二元のスプライス事象(dual s
plicing event)により、HTLV env遺伝子はその開始コ
ドンと1つのグアノシン残基をtat遺伝子に与え、枠内
(in−frame)コーデイング配列が得られる。
tat情報に対するスプライシングパターンについての
知見から、HTLV−I及びHTLV−IIのゲノムのenv−X領
域に対し5′にHTLV−IのLTRを配置することにより、
天然のtat産物が真核細胞中で発現されうることが示唆
された。この場合、これらプラスミドはHTLVゲノムの
3′側の半分からエンベロープ蛋白質、tat蛋白質及び
その他の産物を発現しうる。トランスに活性化するtat
因子がHTLV LTRで促進される発現ベクターで発現され
え、かつこのベクターを刺激しうることを確認するため
に、細菌のクロラムフエニコールアセチルトランスフエ
ラーゼ(CAT)遺伝子にコードされる9つのアミノ末端
残基とスプライスアクセプターから終結コドンまでにわ
たる完全なHTLV−II tat遺伝子の産物とからなる融合蛋
白質のみを発現するようにプラスミド(pCATLORII)を
設計した。このハイブリツド遺伝子をプラスミドpU3R−
I及びpU3−IIと共に種々のセルライン内にコトランス
フエクト(cotransfect)した。pU3R−IによるCAT LO
RIIのコントランスフオーマントによつて、ヒトTリン
パ球(HUT78)、サル腎臓細胞(COS−1)及びネズミ線
維芽細胞(NIH3T3)における効率的な転写が明らかにな
つた。HTLV−I及びIIのLTR配列によつて指令される遺
伝子発現の速度に影響するこれらプラスミドの能力を検
討した。
融合産物又はプラスミドCATLORIIは、CAT遺伝子がHTL
V LTRの制御下に置かれたプラスミドでコトランスフエ
クトしたときに、過剰産生クロラムフエニコールアセチ
ルトランスフエラーゼという形態でトランス活性化の証
拠を示した。他のインデイケータープラスミドで得られ
た結果とこの結果とから、CATLORIIプラスミドの融合産
物の1部であると思われるHTLV−IIの長い読み取り枠
(tat遺伝子)の遺伝子産物がトランスに活性化する因
子であることが示される。また、HTLVトランス活性化因
子を、所望の遺伝子産物を過剰に産生するために利用し
うることも確認される。感染により、又はトランスフエ
クシヨン後宿主ゲノム内に安定に取り込むことにより、
又は一時的には、所望の遺伝子を含有するLTRに制御さ
れた発現ベクター又はその他のベクターでコトランスフ
エクトすることにより、所望の宿主細胞にこれらのトラ
ンス活性化因子を含ませることができる。ベクターの大
きさがこれを取り込みかつ発現するための宿主細胞の容
量を超えなければ、tat遺伝子を発現ベクターそのもの
に含有させることもできる。
ここに開示したトランス活性化因子のもう一つの用途
はセルラインの不死欠(im−mortalization)である。H
TLV−Iによる細胞の不死化は、多分、リンパ球の増殖
制御に関与する細胞遺伝子のトランス活性化を介して、
直接的又は間接的にHTLV tat産物によつて媒介される。
疾患特性及びトランス活性化現象によりBLV及びHTLVが
他の非急性レトロウイルスから識別されるので、HTLV t
at遺伝子の産物は形質転換プロセスで重要な役割を果
す。
B. HTLV−IIIのtat遺伝子の位置 トランス活性化を決定するためにはHTLV−IIIのどの
領域が必要であるかを決定するために、HTLV−IIIプロ
ウイルスゲノムに欠失を導入した。欠失プラスミドは、
ラトナー(Ratner)ら、ネイチヤー(Nature)、313:27
7(1985)によるHTLV−IIIゲノムの配列に基き、欠失終
点のヌクレオチド番号を用いて命名する。プラスミド
(pH×Bc2)の欠失変異体のトランス活性化能を上記と
同様のコトランスフエクシヨン実験でテストした、欠失
体をテストするための受容体としてはヒーラ(Hela)細
胞を用いた。何故ならば、このセルライン中では本来HT
LV−III LTRの活性が低いのでトランス活性化の存否に
ついて正確に評価できるからである。欠失プラスミドと
それを用いて得たCAT発現の相対量とを図4に示す。こ
の実験のいくつかではH9ヒトTリンパ球も使用した。
この研究の結果は、HTLV−IIIゲノムの、HTLV−IIIに
対するトランス活性化因子をコードする部分の同定にあ
る。ゲノムのこの部分は欠失プラスミドp(83−5365
/5607−7719/8033−9266)によつて規定されたものに対
応する。HTLV−IIIゲノムのtat領域の可能性のある産物
の予期されるアミノ酸配列を図5に示す。49〜57のアミ
ノ酸残基は非常に塩基性である点で注目すべきものであ
る。核酸と結合する能力を示すいくつかの核蛋白質でこ
のようなアルギニン/リシンの多い領域が発見された。
配列決定した種々のHTLV−III単離体の中でこの塩基性
の部分(stretch)は不変であり、このことはそれが機
能を維持するために保存されているかもしれないことを
示唆している。
HTLV−IIIの場合にはtat遺伝子とその産物はHTLV−I
及びHTLV−IIと同様の方法で使用して、例えば宿主細胞
の感染、宿主細胞ゲノムに対するtat遺伝子の永久的付
加、HTLV−III LTRで促進される発現ベクターによるコ
トランスフエクシヨン、又はこのようなベクター内への
取り込みにより大量の遺伝子産物産生を得ることができ
る。
トランス作用性因子に応答するシス作用性調節要素の位
置 A. HTLV−I末端長反復配列内のシス作用性調節配列の
位置 HTLVウイルス中の統合プロウイルス(integrated pro
virus)にフランク(flank)する末端長反復配列は宿主
のRNAポリメラーゼと相互作用する認識信号を含有して
いる。この信号はポリメラーゼ用の開始部位、プロモー
ター及び近くのプロモーターでの転写速度を支配するエ
ンハンサーと呼ばれる配列を含んでいる。HTLV−I LTR
が、エンハンサーとプロモーター要素に加えて、HTLV−
Iに感染した細胞の中に存在するトランスに作用する調
節因子に応答するシス作用性の調節要素を含有している
ことが判明するだろうと予期された。
LTRの“TATA"配列に対し5′のシス作用性調節要素を
同定するために、一連の5′欠失変異体を構築した。上
述しかつ図1に示した、細菌のCAT遺伝子の構造コーデ
イング配列の5′にHTLV−I LTR配列を含有しているプ
ラスミドpU3R−Iで欠失を作製した。欠失プラスミドを
真核細胞中にトランスフエクトし、トランスフエクシヨ
ンの48時間後に調整した細胞抽出物のCAT酵素活性を測
定した。
非リンパ様細胞及びリンパ様細胞での転写速度に対す
る欠失の影響を図2cに示す。先ず70個のヌクレオチドを
欠失させると転写活性が実質的に失われた。更に10個の
ヌクレオチドを欠失させると活性は部分的に回復した
(図2c)。従つて、負の調節要素はU3配列の位置−294
と−286の間に位置しうる。
欠失−262及び−240の場合は、リンパ様細胞での転写
と比べヒーラ(Hela)細胞での転写に対する欠失の影響
に驚ろくべき相違があることが観察された。これらの欠
失はヒーラ(Hela)細胞中でのCAT活性のレベルを約10
倍減少させるが、リンパ様細胞中では転写レベルを約2
倍減少させるのみである。この知見により、非リンパ様
細胞内の効率的な転写に必要な配列はヌクレオチド−28
6と−262の間に位置すること、及びこのような配列はあ
る種のリンパ様細胞での効率的な転写には必要ではない
ことが示唆される。位置−230までさらに10個のヌクレ
オチドが欠失すると検討した全細胞で転写活性のレベル
が実質的に減少する。後者の欠失では上流の51bp反復配
列のほぼ2/3と21bp反復配列全体とが除去される。この
ように、51bpと21bpの不完全反復配列はLTR内で各各2
回及び3回重複して繰り返されるにもかかわらず、以上
のデータの意味することは最も5′の反復配列が完全な
転写活性に必要であるということである。
欠失研究の解析によつて、トランスに調節される領域
の5′境界についての情報も得られる。非感染細胞と比
べHTLVに感染した細胞では(SV40初期領域プロモーター
要素に対し規格化したときに)CAT遺伝子発現のレベル
が約75〜150倍高い。位置−230を通つて伸びる欠失でも
この倍率は一定のままである(図2c)。従つてウイルス
に関連するトランス調節はLTRの5′末端と位置−230と
の間の配列に依存しない。さらに、転写開始部位の上流
に55個のヌクレオチドを保持した欠失体pC55はCAT活性
をほとんど指令しないので、トランス−活性化に必要な
ある配列が除去されていると推測される。
TATAボツクスの5′側に離れている反復配列は明らか
にHTLV−I LTRの転写活性の役割を持つので、U3領域内
のこのような配列がエンバンサー要素、すなわち配向に
関係なく異種プロモーター上での転写速度を増すことの
できる配列として働くかどうかを決定しようとした〔ベ
ノイスト,シー.(Benoist,C.)ら、ネイチヤー(Natu
re)、290:304〜310(1981);バナージ,ジエー.(Ba
nerji,J.)ら、セル(Cell)、27:299〜308(1981);
及びグルス,ビー(Gruss,P.)ら、プロク.ナトル.ア
カデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、78:943
〜947(1981)参照〕。
LTRの5′末端からTATA開始配列のヌクレオチド35個
分上流の位置まで伸びる部分を、pSVI×CAT内で自身の
エンハンサー要素を欠くSV40初期領域プロモーターの
5′に挿入した。同じ転写配向でU3配列のコピーを、1
つもしくは2つ、又は反対の配向で1つのコピーを含む
プラスミドを構築した(図1c)。
ヒーラ(Hela)細胞のトランスフエクシヨンに際して
のCAT活性レベルを図2bに示す。HTLVU3配列がないと活
性はほとんど検出されなかつた。しかしながら、1つ又
は2つのU3配列コピーを含有するプラスミドについては
CAT遺伝子の発現はそれぞれ45又は130倍高かつた。U3配
列が反対の配向にあるときには、CAT活性のレベルはpSV
1CATの13倍であつた。これらのDNAを他の非リンパ様細
胞及びリンパ様細胞にトランスフエクトしても同様な結
果が得られた(表3)。これらの細胞のいくつかはHTLV
に関連するトランス作用因子を含有している。こうし
て、LTRのこの部分内にある配列が効率的な転写エンハ
ンサーとして機能するはずであると結論した。
表3はHTLVとSV40のプロモーター配列の比較活性を示
している。HTLV又はSV40のプロモーター配列の5′にHT
LV及びRSVのエンハンサー配列を持つ組換えプラスミド
を表示した細胞型にトランスフエクトした。48時間イン
キユベーシヨンした後にCATアツセイを行つた。表示し
た値は、プラスミドpU3R−Iでトランスフエクトした同
様の細胞中に存在する活性に対して規格化したCAT活性
のパーセンテージを表わす。
NDは実施せず。
このエンハンサー効果は調べた全細胞で同様であり、
リンパ様起源の細胞に限定されない。他のレトロウイル
スエンハンサー要素について観察されている〔ライミン
ズ,エル.エー.(Laimins,L.A.)ら、ジエー.ビロー
ル.(J.Virol)、49:183〜189(1984)及びフロム,エ
ム(Fromm,M.)ら、モル、セル、バイオール.(Mol.Ce
ll.Biol.)、3:991〜999(1983)参照〕ように、転写配
向には多少優先性があるように思われる。
さらに、この領域は他のウイルスエンハンサーで観察
された反復配列に形の上では類似しているかもしれない
反復配列要素を含有しているにもかかわらず、この領域
は多くの真核及びウイルスのプロモーター要素の5′で
観察されるコンセンサスコア配列に相同(homologous)
な配列は含有しない〔ワイハー,エイチ(Weiher.H.)
ら、サイエンス(Science)、219:626(1983)及びライ
ミンズ,エル.エー.(Laimins,L.A.)ら、プロク.ナ
トル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A)、79:6453〜6457(1982)参照〕。そのため、ウイル
スLTR内に存在する他の配列がこの機能を果たすはずで
ある。
TATA開始配列に隣接する領域が異種エンハンサー要素
に対するプロモーターとして働きうるかどうかを決定す
るために、U3領域の、TATA配列に対し5′の35ヌクレオ
チド、RNA開始配列を通つて延びる部分を含むプラスミ
ドを構築した(図2)。この配列の5′にHTLVのU3領域
(反対の配向で)又はTATA開始配列のないラウス肉腫ウ
イルス(RSV)のU3領域を含むプラスミドも構築した。S
V40初期プロモーター領域とHTLV及びRSVのU3エンハンサ
ー領域を含むハイブリツドプラスミドも構築した。こう
してHTLVとSV40のプロモーター機能の比較ができた。
HTLVエンハンサー及びSV40プロモーター領域を含有す
るプラスミドと対比して、HTLVプロモーター及びエンハ
ンサー配列を持つプラスミドでトランスフエクトした細
胞ではCAT遺伝子発現が20〜30倍高かつた(表3)。活
性の上昇は、それ自身のプロモーターと並んだ逆向きの
HTLVエンハンサーの機能ではない。RSVエンハンサー配
列がHTLV及びSV40のプロモーター配列の両方の5′にあ
つたときには、HTLVプロモーターを含有する構築物は類
似のRSVエンハンサー構築物の少なくとも3倍強力であ
つた(表3)。この観察によつて示されるように、TATA
ボツクスの周りのHTLV配列の領域は異種エンハンサー要
素に対するプロモーターとして働くことができる。
これらのプラスミドでC81−66/45リンパ様細胞をトラ
ンスフエクトすると、ヒーラ(Hela)細胞で得られたと
同様のCAT活性レベルが得られる(表3)。従つて、ハ
イブリツド転写領域は有効なプロモーターだが、これら
細胞内に存在するトランス作用因子には応答しない。従
つて、トランスに調節されているこの完全な機能性領域
はHTLV LTRの−35と+315の間には存在しない。
ここに示したデータによつて、HTLV−I LTRのU3部分
のいくつかの機能性ドメインの定義も得られる。この領
域は他のエンハンサー要素で見られるコンセンサス配列
と類似する配列を欠いているにもかかわらず、LTRの−3
35と−35との間にある領域は転写エンハンサー要素とし
て働く。さらにHTLVエンハンサーはマウスイムノグロブ
リンH鎖遺伝子〔ギリーズ,エス.デイー.(Gillies,
S.D.)ら、セル(Cell)、33:717〜728(1983)及びバ
ナージ,ジエー.(Banerji,J.)ら、セル(Cell)、3
3:729〜740(1983)参照〕及びいくつかの他のレトロウ
イルス〔ライミンズ(Laimins)ら、上記及びリニー,
イー.(Linney,E.)ら、ネイチヤー(Nature)、308:4
70〜472(1984)参照〕のエンハンサーが示すような検
出しうる組織指向性(優先性)を示さない。
これらのデータは、位置−286と−262の間に存在する
配列が非リンパ様細胞内の調節機能を付与することを示
唆している。この可能性は、この配列を持たないHTLV−
IIのLTR〔ソドロスキー,ジエー.(Sodroski,J.)ら、
プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA)、81:4617〜4621(1984)及びシモトーノ,
ケー.(Shimotohno,K.)ら、プロク.ナトル.アカ
デ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、81:1079
〜1083(1984)参照〕が非リンパ様細胞内では有効なプ
ロモーターではない〔チエン,アイ.エス.ワイ.(Ch
en,I.S.Y.)ら、ネイチヤー(Nature)、309:276〜279
(1984)参照〕のであるから興味深い。またこれらのデ
ータは、トランスに活性化される領域が位置−35と−38
5の間又は位置−35と+315の間のいずれの間にも完全な
形では存在しないことも示している。このことからトラ
ンスに調節される領域はこれら2つの領域を通つて伸び
ていることを示唆する。
B. HTLV−III末端長反復配列内のシス作用性調節配列
の位置 同様の方法を用い、HTLV−IIIのLTR中のシスに作用す
る調節要素の位置を決定した。認められた種々の要素を
図6に示す。このLTRはエンハンサー要素、プロモータ
ー、ウイルスに感染した細胞内でHTLV−III LTRが指令
する遺伝子発現のレベルを大幅に上昇させるために必要
な領域、並びにHTLV−III LTRプロモーター及び異種プ
ロモーターによつて指令される遺伝子発現を負に調節す
る領域を含有している。
ヌクレオチド−137と−17の間にある(cap=+1)HT
LV−IIIエンハンサーは多くのウイルス又は細胞のエン
ハンサー配列に典型的なタンデム反復要素とエアコンセ
ンサス配列の両者を欠いている。これは同様にコアコン
センサス信号を欠くHTLV−Iエンハンサーに類似してい
る。非リンパ様セルラインと同様にリンパ様セルライン
で異種プロモーター配列の活性を機能的に補完するエン
ハンサーの能力は注目すべきである。HTLV−IIIエンハ
ンサーの多くの細胞型で働く能力から、HTLV−IIIのOKT
4+細胞指向性(tropism)はLTRのみの機能によるもの
ではないと結論できる。
エンハンサー要素自身はウイルスに関連するトランス
作用性調節因子に応答しない。この点において、これら
の要素はHTLV−Iのエンハンサーに類似しているが、同
種ウイルスによる感染に関連する因子に弱いと云えども
応答するHTLV−II及びBLVのエンハンサー要素とは異な
る。
ゲノムのRNA開始部位を囲む配列は同種及び異種の両
方のエンハンサー配列に応答するプロモーター配列とし
て働くことができる。しかしながら、機能的なエンハン
サーが存在しないとこれらの配列はウイルスに関連した
トランス作用性調節因子に応答しえない。明らかに、−
17と+80との間にある配列は応答性表現型には十分なも
のである。これらの配列はHTLV−IIIエンハンサーの配
列と重ならず、プロモーター配列と共通の末端(co−te
rminal)をもたない。この理由のために、この領域がト
ランスに作用する応答性又はターゲツト要素に対する新
しい型の調節要素、すなわちTAR要素を含有していると
思われる。
異種エンハンサープロモーターと同様に同種のものか
らも指令される遺伝子発現のレベルに負に影響するHTLV
−III LTRの5′末端にある配列の同定は予想外であつ
た。この配列は離れた位置から配向に関わりなくCAT遺
伝子発現のレベルに負に作用する。NRE配列は感染及び
非感染細胞の両者でHTLV−III LTRによつて指令される
遺伝子発現を下向きに調節することは注目すべきことで
ある。NREの作用はエンハンサー要素の作用と反対であ
る。
tat要素とtar要素ならびに遺伝子産物生産におけるそ
れらの使用に重きを置いて来たが、業界の技術者は認識
できるように、ここで記載した発現系にその機能を変更
または改良するために他の要素を含ませることができ
る。たとえば、ここに記載した発現ベクターおよび/ま
たは活性化ベクターはポリアデニル化シグナルのような
他の要素、ネオマイシン耐性やGPT耐性のような1種以
上の選択マーカー、等を含んでいてもよい。たとえば適
切な宿主の範囲を拡大するために別のエンハンサー要素
をさらに含ませてもよい。その他の修正は当業者には全
く自明であろう。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明する。こ
れらの実施例は本発明を理解するためのものであつて、
本発明の範囲を限定するためのものではない。Xho I及
びHind III合成DNAリンカーの使用も含め全ての組換えD
NA手法は標準的手順による。
本発明ベクターは、マン(Mann)ら、セル(Cell)3
3:153(1983)に記載された手順に従つて製造されるも
ののようなウイルスベクター又はプラスミドの形であり
うる。
種々のセルラインはトランスフエクトされたDNAを取
り込み、発現する能力が異なつている。各実験で、HTLV
配列を持つプラスミドが指令するCAT活性はSV40エンハ
ンサープロモーター要素を含むプラスミドのものに対し
規格化した。SV40転写要素は非常に多くの細胞型で機能
することが示され、同様の研究の比較的中立の参照プロ
モーターとして利用されている〔ゴーマン(Gorman)
ら、上記;及びエム.デイー.ワーカー(M.D.Walker)
ら、ネイチヤー(Nature)、306:557(1983)〕。
実施例1 HTLV−CAT組換えプラスミドの構築 動物のレトロウイルスLTRの転写制御要素はU3領域内
に含まれているエイチ.エム.テミン(H.M.Temin)、
セル(Cell)、27:1(1981);及びエイチ.エム.テミ
ン(H.M.Temin)、セル(Cell)、28:3(1982)参
照〕。HTLV LTRの通常より長いR領域は転写調節の役割
を演ずると思われたので、HTLV−IのU3及びR領域の全
体をクロラムフエニコールアセチルトランスフエラーゼ
(CAT)遺伝子の5′に挿入した(pU3R−I及びpU3R−I
I)(図1及びシー.エム.ゴーマン(C.M.Gorman)
ら、モル.セル.バイオール.(Mol.Cell.Biol.)、2:
1044(1982);シー.エム.ゴーマン(C.M.Gorman)
ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.
Acad.Sci.U.S.A.)、79:6777(1982)参照〕。HTLV−II
のU3とR領域の1部とのみを含有する第3のプラスミド
も構築した(pU3−II)(図1)。
過渡的トランスフエクシヨンアツセイにおけるCAT遺
伝子の活性を、CAT遺伝子の5′にある、SV40エンハン
サー−プロモーター領域全体(pSV2CAT)、SV40エンハ
ンサーを含む72塩基反復領域を持たないSV40のプロモー
ター(pSV I×CAT)、又は、ラウスザルコーマウイルス
のLTR全体(pRSRVAT)を含む他のプラスミドの活性と比
較した〔シー.エム.ゴーマン(C.M.Gorman)ら、モ
ル.セル.バイオール.(Mol.Cell.Biol.)、2:1044
(1982);シー.エム.ゴーマン(C.M.Gorman)ら、プ
ロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA)、79:6777(1982)参照〕。
挿入したHTLV配列の転写活性をテストするために、リ
ン酸カルシウム法又はDEAE−デキストラン法〔エフ.エ
ル.グラハム(F.L.Graham)ら、ジエー.ピロロジー
(J.Virology)、52:456(1973);シー.クイーン(C.
Queen)ら、セル(Cell)、33:729(1983)を各々参
照〕を用い、トランスフエクシヨンによつてプラスミド
DNAを細胞内に導入した。
実施例2 線維芽及び上皮セルラインにおけるCAT遺伝子の発現 マウス、サル及びヒト由来の線維芽及び上皮細胞中に
おいて転写要素として作用するHTLV−I及びIIのLTR配
列の能力を下記のようにテストした。
表4及び図2のデータは、(NIH3T3)マウス線維芽細
胞〔ジー.ジエー.トダロ(G.T.Todaro)ら、ジエー.
セル.バイオール.(J.Cell.Biol.)、17:299(1963)
参照〕では、HTLV−IのLTR配列を含有するプラスミド
の活性がpSV2CATのものに匹敵し、SV40プロモーター配
列のみを持つプラスミドのレベルより非常に高いことを
示している。このセルラインでは、pRSV CATでトランス
フエクトした細胞内でのCAT活性レベルが最も高かつ
た。またHTLV−I配列はサル(CV−I)細胞にトランス
フエクトしたときにも〔エフ.シー.ジヤンセン(F.C.
Jansen)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)、53:53(1964)参照〕、pSV2C
ATプラスミドについて観察されたものより低いがかなり
のレベルのCAT活性を与えた。HTLV−IIのLTR配列はこれ
らマウス及びサルのセルラインの両方で非常に低いレベ
ルのCAT活性を指令した。これらの実験から、HTLV−I
のLTR配列は種々の種の細胞で有効な転写要素として機
能することができ、HTLV−II LTR配列と比較するとこれ
らの細胞型で非常に強い促進力を示すことが示される。
HTLV−I LTR配列を含むプラスミドをヒト線維芽細
胞、上皮細胞、ヒーラ(Hela)〔ジー.オー.ゲイ(G.
O.Gey)ら、キヤンサー リス.(Cancer Res.)、12:2
64(1952)参照〕及びM1(ビー.ローヤー−ポコラ(B.
Royer−Pokora)ら、エクスプ.セル.リス.(Exp.Cel
l.Res.)、151:408(1984)参照〕にトランスフエクト
したときのCAT活性のレベルは、同じ細胞にpSV2CAT含有
プラスミドをトランスフエクトして観察されたものより
大きかつた。これらの細胞を、HTLV II型配列を含有す
るプラスミドでトランスフエクトしたときには、CAT活
性はほとんど観察されなかつた。このように、HTLV−感
染の天然の標的(target)ではないヒト細胞内で、HTLV
−I LTR配列は転写制御要素として働くことができる
が、HTLV−II LTR配列は働くことができない。
発現細胞内でのLTRに媒介されたレトロウイルス遺伝
子の発現は宿主細胞ゲノムに安定に組込まれたプロウイ
ルスから起こり、一方、過渡的アツセイではトランスフ
エクトされたDNAが指令する転写は主として染色体外状
態で存在する〔ビー.ホワード(B.Howard)ら、バイオ
ケム.バイオフイズ.アクタ(Biochem.Biophys.Act
a)、228:105(1971);及びエー.ロイター(A.Loyte
r)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米国(Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.)79:422(1982)参照〕。
過渡的アツセイから得た結果が組込まれたプロウイル
ス(integrated provirus)でのHTLV LTR機能を理解す
るために適切かどうかを決定するために、CAT発現を指
令するために使用されるHTLV LTR配列をネオマイシン
ホスホトランスフエラーゼ(NEO)遺伝子の上流に置い
た〔ピー.ジエー.サザン(P.J.Southern)ら、モル.
アプル.ジエン.(Mol.Appl.Gen.)1:227(1982)〕。
これらのプラスミドをマウス及びヒトのセルライン(表
5)にトランスフエクトし、安定にトランスフエクトし
たコロニーをネオマイシン アナローグG−418の存在
下で選択した。得られたG−418耐性コロニー数をSV40
で促進されたネオマイシンホスホトランスフエラーゼ遺
伝子と比べると、過渡的発現のデータでは非常に良く似
ていた。過渡的アツセイでのCAT活性レベルにより、テ
ストしている転写要素が宿主染色体内に組込まれたとき
に機能する能力がかなり合理的に洞察できる。
表5に示した組換えプラスミドは、Hind III−BamH I
でHTLV−CAT組換え体を開裂し、CATコード配列をネオマ
イシン耐性をコードする遺伝子で置き換えることにより
構築した。トランスフエクシヨンの24時間前に、100cm2
の皿に1×106個の細胞を播種した。3μgのCsCl結合
(banded)DNAを使うリン酸カルシウム04−DNA共沈法を
用いてトランスフエクシヨンを行つた。48時間後に、細
胞を150cm2の皿に移し、G−418(400μg/ml)含有培地
中で選択した。トランスフエクシヨンの2〜3週後にコ
ロニーを計測した。
実施例3 ヒトリンパ球様細胞での発現 天然に起こるHTLVの感染では感染細胞の多くはT細胞
由来である〔アール.シー.ガロ(R.C.Gallo)ら、プ
ロク、ナトル、アカデ、サイ、米国(Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.)、79:5680(1982)参照〕。しかしながらB
細胞マーカーを発現するHTLV産生細胞がいくつか単離さ
れた〔例えば、エヌ、ヤマモト(N.Yamamoto)ら、ネイ
チヤー(Nature)(ロンドン)、299:367(1982)参
照〕。リンパ球内でのLTR配列の相対的な促進力を決定
するために、リンパ球様細胞由来のセルラインに上記の
プラスミドをトランスフエクトした。使用したセルライ
ンは、HUT78、すなわちセザリー症候群(Sezary syndro
me)のHTLV−陰性患者由来のOKT4+ヒトTセルライン
(このセルラインはHTLVプロウイルス配列を持たない−
このセルラインの特徴及びオリジナルな参考文献として
は、ブイ.マンザリ(V.Manzari)ら、プロク.ナト
ル.アカデ.サイ.米国(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.)、80:11(1983)参照〕;NC37、すなわち正常ドナー
から樹立されたエプスタイン−バーウイルスで不死化し
たBセルライン(同上);及びL691、すなわちT細胞マ
ーカーを発現するマウスリンパ様セルラインであつた。
HTLV−IのLTR配列はかなりのレベルのCAT遺伝子産物
の合成を指令し、これ対pSV2CAT活性のそれは線維芽細
胞及び上皮細胞セルラインでのこの比の約2倍高かつ
た。プラスミドpV3R−Iをトランスフエクトしたマウス
セルラインではpSV2CATによつて誘発されたレベルと比
べてより高いCAT活性が観察された。これらの発見は種
特異性及び細胞型特異性因子がHTLV−I LTRの活性を
調節することを示している。
驚くべきことに、HTLV−II LTR配列を含有するプラ
スミドでのHUT78又はNC37のトランスフエクシヨンでは
認識できるレベルのCAT活性は得られなかつた。このこ
とは、ヒトリンパ球様細胞の環境はHTLV−II LTRの有
効な機能には十分でなく、HTLV−I及びHTLV−IIのLTR
機能の要件には差があることを示唆していた。
実施例4 HTLV感染細胞での発現 リンパ球様細胞セルラインでHTLV−II LTRが不活性
であることは、HTLV標的細胞に特異的な因子がHTLV LT
Rの制御下での有効なCAT遺伝子発現に必要であろうこと
を示唆した。このために、感染個体由来のHTLV産生セル
ライン又はヒト一次リンパ球の共培養から確立したセル
ラインをHTLVプロデユーサーセルラインでトランスフエ
クトした。使用セルラインはHUT102、及びHTLV関連成人
型T細胞白血病/リンパ腫(きのこ状フングス−同上)
患者から確立したHTLV−I産生OKT4+セルライン;MT2、
及びHTLVプロデユーサーセルラインと共培養した後一次
Tリンパ球を不死化して確立したHTLV−I産生OKT−4
+セルライン〔アイ.ミヨシ(I.Miyoshi)ら、ネイチ
ヤー(Nature)(ロンドン)、294:770(1981)参照〕;
C3−44、すなわち患者細胞と一次リンパ球を共培養する
ことによつて得られた不死化HTLV−II産生セルライン
(マンザリ、上記);及びC81−66、すなわちウイルス
を産生しないHTLV−I不死化OKT4+一次T細胞〔ビー.
ハーン(B.Hanh)ら、ネイチヤー(Nature)(ロンド
ン)、303:253(1983)参照〕を包含していた。
HTLV−I LTR配列を含むプラスミドでこれらのセル
ラインをトランスフエクトして得られた結果は顕著で予
期しないものだつた。pSV2CATのものと比しCAT活性レベ
ルは劇的に上昇し、25〜180倍の増加であつた。
I型LTR AT活性がこのように大きいことに寄与して
いるのはこれらの細胞中のpSV2CAT及びpSVCATプラスミ
ドの活性が一貫して減少することである。これは、これ
らの要素の取込みと促進活性の効率の低下によるものか
もしれない。トランスフエクトしたDNAの発現をこれら
の細胞により又は特異的もしくは非特異的因子に対して
規格化すると、これらの要素の促進活性が下方に調整さ
れる。DNAの取込みについて規格化すると、感染細胞中
のpU3−RIプラスミドによつて指令されるCAT活性のレベ
ルの上昇は真の増加であつて非感染細胞中のレベルと比
較した相対的なもののみではないことを表わすことが示
される。過渡的に発現するDNAの染色体外状態は有効な
シス−活性化を妨げることから、これらの結果はHTLVに
感染した細胞内のトランス作用因子がHTLV LTRの転写
能を刺激することを示唆している。低いとはいえ、HTLV
−II LTR配列を含有するプラスミドによつて指令される
CAT活性はHTLV−Iプロウイルスを含有するほとんどの
細胞内では非感染細胞内より実質的に高い。
II型ウイルスを産生するセルライン内でHTLV−II LT
R配列が機能しうるかどうかを決定するために、同じプ
ラスミドを使つてC3−44セルラインをトランスフエクト
した。このセルラインでは、pU3R−IIとpU3−IIの両者
のプラスミドについて非常に高いレベルのCAT活性が観
察された。CAT活性のレベルはpSV2CAT DNAをトランスフ
エクトした同じ細胞のものの約40倍である。このこと
は、適切な細胞環境ではHTLV−II LTRも有効な転写要
素として働くことを示している。
HTLV−I LTR配列を含有するプラスミドのCAT活性は
C3−44細胞中でも非常に高く、pSV2CATの約135倍であつ
た。すなわち、HTLV−II感染の標的細胞でさえも、HTLV
−II LTRよりもHTLV−I LTRがより大きな促進力を示
している。
HTLVに感染したTリンパ球はマイトジエン刺激又は抗
原刺激に露出することにより活性化したT細胞の特性で
もある変化を示す。〔エム.ポポビツク(M.Popovic)
ら、プロク、ナトル、アカデ、サイ、米国(Proc.Natl.
Acad.Sci.U.S.A.)、80:5402(1983)〕。
T細胞活性化のみが細胞環境を変えてHTLV LTRの転
写活性を増加させるのかどうかを検討するために、HTLV
−CATと対照プラスミドを、T細胞マイトジエンフイト
ヘマグルチニン(PHA)の存在下及び不在下の両方にお
いて未成熟ヒトTセルライン、ジヤーカツト(Jurkat)
にトランスフエクトした〔マンザリ(Manzari)、上
記、参照〕。CAT活性の相対レベルに対するPHA刺激の作
用はいずれのプラスミドによつても認められなかつた。
T細胞のPHA−活性化のみでは、HTLV−CATプラスミドで
トランスフエクトした感染細胞中で見られるCAT活性の
刺激を説明するには不充分であると結論した。
実施例5 ウイルス関連トランス作用因子のテスト HTLVに感染したTリンパ球のサブセツトでHTLV LTR
機能の程度が高いというこの現象に、ウイルスがコード
している又は誘導する因子が役割を演じているかどうか
を直接的にテストするために、インビトロ(in vitro)
でヒト骨肉腫ライン(HOS)にHTLV−Iを感染させて確
立したセルラインであるHOS/M細胞にプラスミドを導入
した。HOS/M細胞はHTLV−Iビリオンを産生し、ウイル
ス蛋白質を発現するにもかかわらず、T細胞増殖因子の
レセプター、OKT抗原、新規なHLA抗原又はリンホカイン
を発現しない。これはHTLV感染リンパ球の特徴である性
質である〔ピー.クラフアム(P.Clapham)ら、サイエ
ンス(Science)、222:1125(1983)参照〕。従つて、
ウイルス蛋白質が産生されるにもかかわらず、HOS/Mの
細胞環境はHTLVに感染した腫瘍細胞とは非常に異り、上
記の他のものと区別する助けとなる。
上記に示したように、HTLV−I LTRが非感染HOS細胞
内で働く機能はSV40初期プロモーターにより幾分効果的
ではなかつた。対照的に、pV3R−Iによつて指令される
CAT発現はHOS−M細胞内ではpSV2CATのものの55倍高か
つた。さらに、HTLV−Iに感染したリンパ球における我
々の結果と一致して、pVRR−II及びpV3R−IIはトランス
フエクトしたHOS/M細胞内でCATを顕著なレベルでは発現
しない。
実施例6 欠失分析 (a) 明白にするために、HTLV−CR株のHTLV−I LT
RU3領域内に存在する配列を図1に示す。51bpの不完全
反復配列にはオーバーラインし、21bpの不完全反復配列
には下線をつけた。矢印は下記(b)で記載する各欠失
の位置を示す。
(b) 欠失DNAを構築するために、先ずプラスミドpU3
R−I7をLTR内の唯一の部位Sma I部位(位置−322)で開
裂した。消化したDNAをエキソヌクレアーゼBal 31と共
にインキユベートした。種々の時点でアリコートを取
り、DNAをフエノールクロロホルム抽出し、次いでエタ
ノール沈殿した。全ての突き出した末端をT4ポリメラー
ゼで充填し、次にXho Iリンカーに連結した。リンカー
を付加した後、DNAを再び環化し、大腸菌(E.coli)株H
B 101にトランスフエクトした。いくつかのサイズで選
択したクローンを制限酵素分析で特性決定した。次い
で、Xho I部位で所望クローンを末端ラベルし、マキサ
ム及びギルバートの配列分析〔マキサム,エー.エム.
(Maxam,A.M.)ら、プロク、ナトル、アカデ、サイ、米
国(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)、74:560〜564(197
7)参照〕にかけて末端を決定した。各プラスミドの名
前は転写開始部位に関して存在するヌクレオチドの数を
示している。
(c) DEAEデキストラン共沈法の変法(クイーン,シ
ー.(Queen,C.)ら、セル(Cell)、33:729(1983)参
照〕により、欠失DNAを下記の細胞型にトランスフエク
トした。ヒーラ(Hela)、すなわちヒト上皮セルライ
ン;HUT78、すなわちセザリー症候群のHTLV陰性患者由来
のOKT4+ヘルパー/インデユーサ−ヒトTセルライン
(ゲイ(Gey)ら、キヤンサーリス、(Cancer Res.)、
12:264(1952)参照〕;NC37、すなわち健常人ドナーか
ら樹立されたエプスタインバール(Epstein Barr)ウイ
ルスで不死化したBリンパ球ライン〔マンザリ、ブイ.
(Manzari,V.)ら、プロク.ナトル.アカデ.サイ.米
国(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、80:11〜15(198
3)〕;及びC81−66/45、すなわち一次臍帯赤血球とHTL
V−I産生細胞セルラインとの融合によるもの〔サラフ
ジン,エス.ゼツト.(Salahuddin,S.Z.)ら、ビロロ
ジー(Virology)、129:51〜64(1983)参照〕。このセ
ルラインはウイルスを産生しないがHTLV−I関連トラン
ス作用因子を含有している。トランスフエクシヨンの48
時間後に、細胞抽出物を作製し、前述のようにCATアツ
セイを実施した。示した値は、1.0とする親プラスミドp
U3R−Iでトランスフエクトした同様な細胞中に存在す
るCAT活性に対し規格化してある。カツコ内の数字は、S
V40エンハンサープロモーター配列を含むpSV2CATプラス
ミドをトランスフエクトした非感染リンパ球ラインに存
在する活性に対し規格化したC81−66/45細胞内の相対CA
T活性を示す〔ライミンズ(Laimins)ら、上記〕。
実施例7 組換えプラスミドの構築 上の輪はベクタープラスミドpSVIXCATを示す。プラス
ミドpSVIXCATは72bp反復エンハンサー配列のほとんどを
持たないが、CAT遺伝子の5′にあるSV40初期プロモー
ター領域は保持している。SV40初期プロモーターの5′
にあるHTLV U3配列を含有するプラスミドpHE1CAT、pHE
2CAT及びpHE3CATは次のように構築した。すなわち、プ
ラスミドpU3R−Iを、pBR322配列内でHTLV TATA配列の
5′側35bpで一度切断するNde Iで開裂した。450bpフラ
グメントをゲル単離し、Nde Iで開裂したPSVIXCATに連
結した。DNAをHB101にトランスフエクトし、HTLV挿入物
の存在及び配向についてコロニーに刻み目(score)を
つけた。同じHTLV U3配列を含有するがHTLVプロモータ
ーに対し逆の配向に位置しているプラスミドpHX1CAT
は、Nde IでpU3R−Iを開裂し、DNAを再連結し、逆の配
向の挿入物の再閉鎖(reclosures)をスクリーンするこ
とにより構築した。プラスミドpREH1とpRES1は各々LTR
エンハンサー配列を含有している。pSV2CATをAccI−SpH
Iで開裂してSV40エンハンサー配列を欠失させることに
よりプラスミドpRES1を構築した。突き出した末端をT4
ポリメラーゼで充填し、平滑末端DNAをXho1リンカーに
連結した。次いで、DNAをXho1−Bam H1で開裂し、SV40
初期プロモーター領域とCAT遺伝子を含有するフラグメ
ントをXho1−Bam H1で開裂したRSVCATの変異体に連結し
た。このようにして、RSVエンハンサーをSV40初期プロ
モーターに対し5′に配置した。pREH1を構築するため
に、pU3R−IのNde1部位をXho I部位に変換した。Xho I
−Hind IIIで消化した後、HTLVプロモーター配列を含有
するフラグメントを用いてpRESIのXho I−Hind IIIフラ
グメント置換した。全ての組換えDNA手法は標準的手順
に従つて実施したマニアチス,テイー.(Maniatis,
T,)、フリツチ,イー.エフ.(Fritch,E.F.)及びサ
ムブロツク,ジエー.(Sambrook,J.)、「分子クロー
ニング(Molecular Cloning)」(コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Lab
oratory)、(1982))参照〕。酵素消化は製造業者の
仕様書に従つて行つた。黒及び斜線の長方形の棒は各々
HTLVとRSVの配列を表わす。矢印の方向はLTR中でその配
向に関する配列の配向を示す。黒と白の四角は各々HTLV
とSV40のプロモーター配列を表わす。プラスミドpBR322
からの配列は実線で示す。
実施例8 HTLV U3配列が指令する相対CAT活性 SV40初期プロモーター領域の5′にHTLV U3配列を持
つ組換えプラスミドをCaPO4共沈法〔グラハム,エフ.
(Graham,F.)/及びバンデル エブ,エー.(van der
Eb,A.)、ビロロジー(Virology)、52:456〜467(197
3)参照〕によりヒーラ(Hela)細胞にトランスフエク
トした。48時間のインキユベーシヨンの後に、細胞抽出
物を調製した。細胞抽出物(蛋白質200〜400μg)を14
0クロラムフエニコールとアセチルCoA(24mM)と共にイ
ンキユベートした。経時アツセイを行ない、上行(asce
nding)薄層クロマトグラフイー〔ゴーマン(Gorman)
ら、モレク.セル.バイオール.(Molec.Cell.Bio
l.)、上記、参照〕により非アセチル化基質からクロラ
ムフエニコールのアセチル化型を分離した。構築物によ
つて指令されるCAT遺伝子発現を、pSVIXCATでトランス
フエクトした細胞中に存在するCAT活性を1.0とし、これ
に対比して表わす。結果は少なくとも2つの別な実験の
平均を表わす。挿入図は典型的なCATアツセイのオート
ラジオグラムを示す。
実施例9 受容体ベクターはプラスミドpSVICATの変異体であ
る、プラスミドpSVIXCATのHind III−xho Iフラグメン
トを含有している。pSV2CATは、クロラムフエニコール
アセチルトランスフエラーゼ(CAT)の産生をコードす
る遺伝子の5′にあるSV40初期プロモーターエンハンサ
ー領域を含有している。72bpエンハンサー領域を欠くこ
とを除いてはPSVIXCATはPSV2CATと同じである。Hind II
I−xho Iで消化すると、SV40プロモーター領域が除去さ
れてHTLV配列がCATの5′に位置するようになる。次の
プラスミドを構築した:PV3R−I;3′LTR又はHTLV−Iを
含有するプロウイルスクローンをRSA Iで開裂し、xho I
リンカーに連結し、次いでDNAをMbo Iで開裂し、T4ポリ
メラーゼで充填し(filledout)、Hind IIIリンカーに
連結した。Hind III−xho Iで開裂した後、800bpフラグ
メントをCATベクターに連結した。PV3−II;5′LTR含有H
TLV−IIプロウイルスクローンをEcoRiで開裂し、T4ポリ
メラーゼで充填し、Hind IIIリンカーと連結し、Hind I
II−xho Iで開裂し、次いでbpフラグメントをCATベクタ
ーに連結した、PV3−R II:3′LTRを含有するHTLV−IIプ
ロウイルスクローンをBAMHIで開裂し、T4ポリメラーゼ
で充填(fill out)にし、HIND IIIリンカーに連結し
た。HIND III−xho Iで消化して得られたフラグメント
をCATベクターに連結した。全構築は制限酵素地図(マ
ツピング)で確認した。塩化セシウム勾配中で遠心して
プラスミドDNAを精製した。
実施例10 リン酸カルシウム共沈法の変法〔グラハム(Graha
m)、上記〕でNIH3T3とCV−1細胞をトランスフエクト
した。Capo4−DNA沈殿物を添加する24時間前に、10cm2
の皿に約1×106個の細胞を播種した。5〜10μgのDNA
を含有する沈殿1mlを培地に加え、細胞を37℃で4時間
インキユベートし、次いで3分間のグリセロールシヨツ
クにかけた。トランスフエクシヨンの24時間後にCV−1
細胞を10分間のDMSOシヨツクにかけた。他の全てのセル
ラインはDEAE−デキストラン法の変法〔クイーン(Quee
n)ら、上記〕によりトランスフエクトした。トランス
フエクシヨンの24時間前に、付着細胞を10cm2の皿当り1
06細胞の密度で播種した。トランスフエクシヨン直前
に、細胞をトリプシン処理し、洗浄し、飽和以下を示す
量の5〜8μgのDNAにより懸濁液中でトランスフエク
トした。リンパ球ラインは5〜10μgのDNAを使用して1
ml当り1〜5×106細胞の密度でトランスフエクトし
た。ドツトブロツト分析で全セルラインでのかなりの取
り込みを確認した。トランスフエクシヨンの48時間後に
細胞を採取し、凍結/解凍(3回)により細胞抽出物を
調製した。簡単に遠心して細胞の破片を除去した後、ア
セチルコエンザイムAが24mmで存在することを除いては
ゴーマン(Gorman)が記載したように抽出物をCAT活性
について分析した。クロラムフエニコールがアセチル化
型に変換するパーセントは、上行薄層クロマトグラフイ
と、プレートから切り取つたスポツトを液体シンチレー
シヨンカウンターで計測することにより決定した。
実施例11 HTLV−I tat転写因子を産生する安定なセルラインの確
立 真核性の選択可能なマーカーであるpSV2gptをCATLOR
IIプラスミドに挿入した。このDNAをNIH3T3マウス線維
芽細胞、CCCS+L−ネコ腎臓細胞及びヒーラ(Hela)ヒ
ト頚癌細胞にリン酸カルシウム沈殿によりトランスフエ
クトした。トランスフエクシヨンの48時間後に細胞を、
その染色体内にCATLORII−pSV2gptプラスミドが安定に
組込まれた細胞のコロニーを選択するキサンチン:マイ
コフエノール酸含有培地中に入れた。これら細胞のコロ
ニーを単離し、HTLV−LTRによつて指令される転写を特
異的に活性化するトランス作用性因子の存在についてテ
ストした。
tat蛋白質を発現し、他のHTLVウイルス蛋白質は発現
しないいくつかのクローンを単離した。親の対照セルラ
インと比較してこれらのセルラインでは、HTLV LTRは
プロモーター活性の劇的な増加を示す。従つて、HTLV
LTRの制御下にあるどんな遺伝子でもこれらのクローン
化したセルラインでは非常に高いレベル(SV40初期プロ
モーターで得たレベルの約30倍)で発現されえる。
本発明のHTLV LTR配列は遺伝子で発現されうる蛋白
質や同様の物質を過剰に製造するのに有用である。この
過剰生産を起すためにはHTLV LTRを先ず、プロモータ
ー領域としてのHTLV LTRを使用するのに適切な配置で所
望の特異な異種遺伝子と結合し、次にその構築物を、ト
ランス作用性に働くHTLVゲノムを含有する細胞のトラン
スフエクシヨンに用いる。所望に応じ、HTLV LTRの完
全領域を利用する必要はない。例えば、HTLV−Iについ
ては、−159〜+315の領域がトランス作用因子に応答す
るのに十分である。それ自身の又は異種のエンハンサ要
素で補完してトランスに活性化されたプロモーターエン
ハンサーを作製することができる。このように、この概
念は発現可能な物質の過剰生産のための異種構築を利用
する。
蛋白質又は同様の産物の過剰生産の第二の実施態様は
tat配列、HTLV LTR配列及び異種遺伝子を含むベクター
の構築を含む。スプライシングと発現とが可能になるよ
うに異種遺伝子を配置せねばならない。この物質で感染
された細胞ではtat及びHTLV LTRによつて高活性レベル
となり、異種遺伝子産物の過剰生産が導かれる。
本明細書中で使用したように、一般用語HTLVは3つの
ウイルス、I,II及びIII型の全てを表わす。どのHTLV−I
sを使用したかには関係なく、異種遺伝子産物は適当なt
at遺伝子産物及びHTLV LTRの存在下で大きく刺激され
るであろう。
本発明のHTLV LTRベクターについて考えられるもう
1つの用途は、細胞に結合しているか又は表面蛋白質を
発現する遺伝子にHTLV LTRを掛け留めると、その細胞
を識別でき、続いてモノクローナル又はポリクローナル
抗体を使つてその細胞を破壊できるという事実を使用す
る。このことは、AIDSを含めてHTLVが媒介する疾患の治
療に特に重要である。
最後に、本発明のHTLV LTRベクターはワクチンの製
造に使用できることに注意されたい。ワクチンの第1の
型は、ビリオンカプシド産生に不可欠ではない領域の欠
失により産生されうる空のカプシド(empty capsid)
〔マン(Mann)ら、上記〕を用いる。これらのプラスミ
ドは例えばHOS又はヒーラ(Hela)のようなビリオン蛋
白質を発現することが知られている細胞をトランスフエ
クトするために使用できる。ここで、LTRはトランス作
用因子(tat、以前はlukと呼ばれていた)の不在下でも
低いレベルでビリオンを発現するだろう。この低いビリ
オンレベルは免疫を誘発するが、ウイルス病は誘導しな
い。
ワクチンの製造は、異なる染色体部位に、発現のため
に予め工学処理した(しかし他のウイルス蛋白質の発現
のためではない)tat遺伝子を含有する細胞の感染も含
んでいる。プロウイルス中の欠失は先ず、他のウイルス
RNAは持たずHTLVのLTRを2倍とtat領域とを含有する細
胞に挿入される。この構築物は次に、この細胞内にトラ
ンスフエクトされた第2のウイルスをトランスに活性化
して、高度の、増殖性(viriality)を生じる。どのHTL
V LTR要素でもこの構築に使用できる。例えば、HTLV−I
II LTR自身が有害であることが発見されたら、HTLV−I
又はHTLV−IIのLTRをそれと換えることができる。
希釈した生ワクチンを作るためには、tat領域の機能
性の部分を欠失させてビリオンのトランス活性化能を制
限する。このウイルスは未だ細胞に感染することができ
るが、過剰生産はもうできず従つて疾患を引き起こすこ
とはできない。
本発明のHTLV LTRやその部分(特に組織特異性決定
基)のさらに別の延長又は用途はこれらの種の第一の製
薬的使用である。例えば、HTLV LTRを、組織特異性の実
体の哺乳動物へ分配(投与)するための適当な製剤キヤ
リアと組み合せることができる。さらに、この組織特異
性ベクターを抗癌剤や同様の薬剤、例えばフイジシヤン
ズ・デスク・レフアレンス(Physicians′Desk Referen
ce)、38版、メデイカル・エコノミツクス社(Medical
Economics Co.,)、オラーデン(Oraden),N.J.(198
4)に記載されている薬剤の分配にも使用できる。前記
文献の開示内容も引用によつて本明細書に含まれる。
フロントページの続き (72)発明者 ローザン,クレイグ・エイ アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 02146、ブルクライン、フリーマン・ス トリート・175;アパートメント・807

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(i)HTLVまたはHIVのLTRのU3およ
    び/またはR領域中の、トランス作用性タンパクに応答
    するのに十分な領域部分に相当するシス作用性調節要素
    であって、前記トランス作用性タンパクはトランス作用
    性DNAセグメントによって発現され、前記トランス作用
    性DNAセグメントは、(1)HTLV−I、HTLV−IIおよびB
    LV中でエンベロープ遺伝子の3′に位置しておりかつ
    5′端にコンセンサススプライスアクセプター部位を、
    およびこれに対して適正な読取り枠内にある開始コドン
    を有する長い読取り枠(LOR)の、分子量約38〜42,000
    のトランス作用性タンパクをコードし得るのに十分な部
    分、または(2)HIVのpol遺伝子とenv遺伝子との間に
    ありこれらとは別の読取り枠内にあるエクソンの、プロ
    リンリッチ領域、システインリッチ領域ならびにアルギ
    ニンおよびリシンリッチの塩基性領域を有するトランス
    作用性タンパクをコードするのに十分な部分に相当す
    る、前記シス作用性調節要素、 (ii)シス作用性調節要素の制御下にある異種遺伝子、
    を含む発現ベクター、および (b)トランス作用性タンパクを発現させ得る配列に、
    機能し得るように結合されたトランス作用性DNAセグメ
    ント、 を含む遺伝子発現系で形質転換した宿主細胞であって、
    前記トランス作用性タンパクの発現は異種遺伝子の発現
    を増幅し得る宿主細胞。
  2. 【請求項2】前記トランス作用性DNAセグメントがtat遺
    伝子を含み、HTLVの前記tat遺伝子がHTLV−I、HTLV−I
    IまたはBLVウイルスゲノムの3′タンパク中のLOR領域
    (env遺伝子の3′)に相当し、LORの5′端にコンセン
    サススプライスアクセプター部位を、およびこれに対し
    て適正な読取り枠内に開始コドンを有し、HIVの前記tat
    遺伝子がenv遺伝子とpol遺伝子との間のHIVウイルスゲ
    ノム中の、プロリンリッチ領域、システインリッチ領域
    ならびにアルギニンおよびリシンリッチの塩基性領域を
    有するトランス作用性タンパクをコードし得る最初のエ
    クソンに相当する請求の範囲1の宿主細胞。
  3. 【請求項3】tat遺伝子がHIVのtat遺伝子である請求の
    範囲2の宿主細胞。
  4. 【請求項4】tat遺伝子がHTLV−I、HTLV−IIまたはBLV
    のtat遺伝子である請求の範囲2の宿主細胞。
  5. 【請求項5】開始コドンがenv遺伝子の5′端の開始コ
    ドンである請求の範囲4の宿主細胞。
  6. 【請求項6】開始コドンがLOR読取り枠の枠内に融和さ
    れている請求の範囲4の宿主細胞。
  7. 【請求項7】前記トランス作用性タンパクに応答し得る
    シス作用性調節要素がtar要素といわれる請求の範囲1
    の宿主細胞。
  8. 【請求項8】シス作用性調節要素がHTLV−I、HTLV−I
    I、BLVまたはHIVのtar要素を含む請求の範囲7の宿主細
    胞。
  9. 【請求項9】シス作用性調節要素がHIVウイルスゲノム
    に相当し、HIVヌクレオチド約−340から−185の間に位
    置するU3領域中の領域であって、機能し得るようにHIV
    のLTRに結合された遺伝子に対して負の調節効果を有し
    得る領域(NRE領域という)を含み、さらにHIVのLTRの
    R領域中の領域であって、tar要素といわれるトランス
    作用性タンパクに応答し得る領域を含む請求の範囲1の
    宿主細胞。
  10. 【請求項10】tar要素がHIVヌクレオチド約−17から+
    80の間に位置する請求の範囲9の宿主細胞。
  11. 【請求項11】シス作用性調節要素がLTRのR領域中のH
    IVウイルスゲノム中の領域に相当し、tar要素といわれ
    る請求の範囲1の宿主細胞。
  12. 【請求項12】a)(1)HTLV−I、HTLV−IIおよびBL
    V中でenv遺伝子の3′に位置しておりかつ5′端にコン
    センサススプライスアクセプター部位を、およびこれに
    対して適正な読取り枠内にある開始コドンを有する長い
    読取り枠(LOR)の、分子量約38〜42,000のトランス作
    用性タンパクをコードし得るのに十分な部分、または
    (2)HIVのpol遺伝子とenv遺伝子との間にありこれら
    とは別の読取り枠内にあるエクソンの、プロリンリッチ
    領域、システインリッチ領域ならびにアルギニンおよび
    リシンリッチの塩基性領域を有するトランス作用性タン
    パクをコードするのに十分な部分に相当する、トランス
    作用性DNAセグメントを宿主細胞に挿入し、 b)HTLVまたはHIVのLTRのU3および/またはR領域中
    の、トランス作用性DNAセグメントによって発現される
    トランス作用性タンパクに応答し得るのに十分な領域部
    分に相当するシス作用性調節要素およびシス作用性調節
    要素の制御下にある遺伝子を含む発現ベクターを宿主細
    胞に挿入し、 c)この宿主細胞を培養することからなる、遺伝子産物
    の産生を刺激する方法。
  13. 【請求項13】発現すべき遺伝子がトランス作用性タン
    パクのゲノムに対して異種である請求の範囲12の方法。
  14. 【請求項14】トランス作用性DNAセグメントがtat遺伝
    子を含み、HTLVの前記tat遺伝子がHTLV−I、HTLV−II
    またはBLVウイルスゲノムの3′部分のLOR領域(env遺
    伝子の3′)に相当し、LORの5′端にコンセンサスス
    プライスアクセプター部位を、およびこれに対して適正
    な読取り枠内にある開始コドンを有し、HIVの前記tat遺
    伝子がenv遺伝子とpol遺伝子との間のHIVウイルスゲノ
    ム中の、プロリンリッチ領域、システインリッチ領域な
    らびにアルギニンおよびリシンリッチの塩基性領域を有
    するトランス作用性タンパクをコードし得る最初のエク
    ソンに相当する請求の範囲12の方法。
  15. 【請求項15】tat遺伝子がHTLV−I、HTLV−II、BLVま
    たはHIVのtat遺伝子である請求の範囲14の方法。
  16. 【請求項16】tat遺伝子がHIVのtat遺伝子である請求
    の範囲14に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記トランス作用性タンパクに応答し得
    るシス作用性調節要素がtar要素といわれる請求の範囲1
    2の方法。
  18. 【請求項18】シス作用性調節要素がHTLV−I、HTLV−
    II、BLVまたはHIVのtar要素を含む請求の範囲17の方
    法。
  19. 【請求項19】シス作用性調節要素がLTRのR領域中のH
    IVウイルスゲノム中の領域に相当し、tar要素といわれ
    る請求の範囲12の方法。
  20. 【請求項20】tar要素がHIVヌクレオチドの約−17から
    +80に位置する請求の範囲19の方法。
  21. 【請求項21】シス作用性調節要素がHIVウイルスゲノ
    ムに相当し、HIVのLTRに機能し得るように結合された遺
    伝子に対して負の調節効果を有する、HIVヌクレオチド
    約−340から−185の間に位置するU3領域中の領域(NRE
    領域という)を含み、さらにHIVのLTRのR領域中の領域
    であってtar要素といわれる、トランス作用性タンパク
    に応答し得る領域もまた含む請求の範囲12の方法。
  22. 【請求項22】トランス作用性因子の存在下の遺伝子産
    物の産生のレベルがトランス作用性因子を欠いたレベル
    の少なくとも5倍大きい請求の範囲12の方法。
  23. 【請求項23】宿主細胞が繊維芽細胞、リンパ細胞、上
    皮細胞またはハムスター卵巣細胞である請求の範囲12の
    方法。
  24. 【請求項24】宿主細胞がヒト、ネズミ、ネコまたはサ
    ルに由来する請求の範囲23の方法。
  25. 【請求項25】宿主細胞が繊維芽、リンパまたは上皮細
    胞である請求の範囲24の方法。
  26. 【請求項26】(i)トランス作用性タンパクに応答す
    るU3領域およびR領域の一部に実質的に相当するが、HT
    LVゲノムのHTLV−LTR領域の全てではないシス作用性調
    節要素であって、前記トランス作用性タンパクはトラン
    ス作用性DNAセグメントにより発現され、前記トランス
    作用性DNAセグメントが(1)HTLV−I、HTLV−IIおよ
    びBLV中のエンベロープ遺伝子の3′に位置しておりか
    つ5′端にコンセンサススプライスアクセプター部位
    を、およびこれに対して適正な読取り枠内にある開始コ
    ドンを有する長い読取り枠(LOR)の、分子量約38〜42,
    000のトランス作用性タンパクをコードし得るのに十分
    な部分、または(2)HIVのpol遺伝子とenv遺伝子との
    間にありこれらとは別の読取り枠内にあるエクソンの、
    プロリンリッチ領域、システインリッチ領域ならびにア
    ルギニンおよびリシンリッチの塩基性領域を有するトラ
    ンス作用性タンパクをコードするのに十分な部分に相当
    し、シス作用性調節要素の制御下で遺伝子の発現を増幅
    し得る、前記シス作用性調節要素、および (ii)シス作用性調節要素の制御下にあり、異種遺伝子
    産物をコードするDNAを含む異種遺伝子を含み、シス作
    用性調節要素に対して異種の遺伝子の産物の発現に使用
    されるベクター。
  27. 【請求項27】シス作用性調節要素がトランス活性化性
    レトロウイルスのtar要素を含む請求の範囲26のベクタ
    ー。
  28. 【請求項28】トランス活性化性レトロウイルスがHTLV
    −I、HTLV−II、HTLV−IIIまたはBLVである請求の範囲
    26のベクター。
  29. 【請求項29】発現しようとする遺伝子に対し5′に位
    置するエンハンサーをさらに含む請求の範囲26のベクタ
    ー。
  30. 【請求項30】エンハンサーがシス作用性調節要素に対
    し同種である請求の範囲29のベクター。
  31. 【請求項31】さらにtat遺伝子を含む請求の範囲26の
    ベクター。
  32. 【請求項32】シス作用性調節要素を含むDNAセグメン
    トであって、シス作用性調節要素がHIVウイルスゲノム
    に相当し、HIVのLTRに機能し得るように結合された遺伝
    子に負の調節効果を有する、HIVヌクレオチド約−340か
    ら−185の間に位置し、U3領域中の領域(NRE領域とい
    う)を含み、さらにHIVのLTRのR領域中の領域であって
    tar要素といわれる、トランス作用性タンパクに応答し
    得る領域を含むDNAセグメント。
  33. 【請求項33】シス作用性調節要素がHIVのtar要素であ
    る請求の範囲32のDNAセグメント。
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