JP2518272Y2 - ろ過装置 - Google Patents

ろ過装置

Info

Publication number
JP2518272Y2
JP2518272Y2 JP5348793U JP5348793U JP2518272Y2 JP 2518272 Y2 JP2518272 Y2 JP 2518272Y2 JP 5348793 U JP5348793 U JP 5348793U JP 5348793 U JP5348793 U JP 5348793U JP 2518272 Y2 JP2518272 Y2 JP 2518272Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
container
side wall
magnet
attached
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5348793U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0724405U (ja
Inventor
松本  孝
Original Assignee
株式会社松本機械製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社松本機械製作所 filed Critical 株式会社松本機械製作所
Priority to JP5348793U priority Critical patent/JP2518272Y2/ja
Publication of JPH0724405U publication Critical patent/JPH0724405U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2518272Y2 publication Critical patent/JP2518272Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Centrifugal Separators (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、原液を固形物と液分と
に分離するろ過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原液を固形物と液体とに分離する装置と
して、遠心分離機や内圧ろ過機等のろ過装置が用いられ
ている。この種のろ過装置においては、側壁部に多数の
透過孔を有する容器を設けて、該容器の側壁部の内側に
フィルタを取り付け、容器内に供給された原液中の液分
をフィルタと容器の透過孔とを通して容器外に排出する
ことにより原液を固形物と液体とに分離するようにして
いる。
【0003】例えば遠心分離機においては、多数の透過
孔を有する側壁部の内側にフィルタを取り付けた円筒状
の容器(バスケット)を高速回転させて容器内に原液を
供給し、容器の回転により生じる遠心力を利用して原液
中の液分をフィルタと容器の透過孔とを通して容器外に
排出することにより、原液を固形物と液体とに分離す
る。
【0004】また内圧ろ過機においては、同じく多数の
透過孔を有する側壁の内側にフィルタを取り付けた円筒
形または箱形の容器内に原液を所定の圧力を加えて供給
し、原液に加えられた圧力を利用して液分をフィルタと
容器の透過孔とを通して排出することにより原液を液体
と固形物とに分離する。
【0005】この種のろ過装置において、濾布や濾紙の
ような可撓性を有するフィルタを用いる場合には、多数
の透過孔を有する容器の側壁部の内面にフィルタを沿わ
せて配置し、フィルタの要所をネジ止めや糸かがり等の
手段により容器に固定していた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】濾布や濾紙等の可撓性
を有するフィルタを容器の側壁部の内面に沿わせて、そ
の要所をネジ止めや糸かがり等により容器に固定する方
法をとった場合、可撓性を有するフィルタを容器の側壁
部に完全に密着させて取り付けることは困難であり、取
り付けられたフィルタと容器の側壁部との間に隙間が生
じるのを避けられない。このような状態でろ過を行う
と、フィルタと容器の側壁部との間に隙間が形成された
部分でフィルタが隙間分だけ外側に引っ張られ、隙間が
大きい場合にはフィルタが破れることがあった。
【0007】またフィルタを取り付ける際には、フィル
タの多数の箇所をネジ止めや糸かがりにより固定する必
要があるため、その取り付け作業に多くの手間がかかる
という問題もあった。
【0008】本考案の目的は、可撓性を有するフィルタ
を容器の側壁の内側に容易に取り付けることができるよ
うにしたろ過装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案は、側壁部に多数
の透過孔を有する容器と、可撓性を有する材料からなっ
ていて容器の側壁部の内面に添わせた状態で複数の箇所
が容器の側壁部に結合されたフィルタとを備えて、容器
内に供給した原液中の液分をフィルタを通して容器外に
排出することにより原液を固形物と液体とに分離するろ
過装置に係わるものである。
【0010】本考案においては、容器の側壁部及びフィ
ルタの互いに結合される箇所の一方に磁石を、他方に強
磁性体からなる固定具をそれぞれ固定し、固定具を磁石
に吸着させることによりフィルタを容器の側壁部に結合
するようにした。
【0011】また容器の側壁部の内側に剛性を有する第
1のフィルタを取り付け、該第1のフィルタの内面に添
わせて可撓性を有するフィルタを取り付ける場合がある
が、この場合には、第1のフィルタ及び第2のフィルタ
の一方に磁石を、他方に強磁性体からなる固定具をそれ
ぞれ固定して、固定具を磁石に吸着させることにより第
1のフィルタを第2のフィルタに固定する。
【0012】本考案のろ過装置は、遠心分離機や内圧ろ
過機等、側壁部に多数の透過孔を有する容器と、該容器
の側壁部の内側に取り付けられたフィルタとを有して、
原液を固形物と液体とに分離する処理を行う装置を全て
包含する。容器は回転駆動されるものでもよく、静止状
態に保持されるものでもよい。
【0013】容器は、フィルタが取り付けられる側壁部
を有する形状のものであればよく、円筒形,箱形(立方
体,直方体)等の任意の形状の容器が用いられる場合に
本考案を適用できる。
【0014】本考案において、「強磁性体」とは、磁石
に吸着される性質を有するものを意味する。
【0015】本考案において「可撓性」とは、布や紙の
ように容易に変形し得る(柔軟性を有する)性質を意味
し、「剛性を有する」とは、自重により変形せず、かつ
容器の側壁部の内周に配置された状態で原液の処理時に
加えられる力によっては殆ど変形しない程度の強度を有
していることを意味する。
【0016】剛性を有する第1のフィルタとしては、例
えばステンレス鋼等の耐蝕性材料からなる金網を円筒状
に成形したものを複数個積層して多層構造としたもの
や、多孔性を有する焼結金属を円筒状に成形したもの等
を用いることができる。
【0017】
【作用】上記のように容器の側壁部及びフィルタの互い
に結合される箇所の一方に磁石を、他方に強磁性体から
なる固定具をそれぞれ固定して、固定具を磁石に吸着さ
せることによりフィルタを容器の側壁部に結合するよう
にすると、各磁石と対応する固定具とを磁気吸引力によ
りワンタッチで結合していくだけでフィルタを取り付け
ることができるため、ネジ止めや糸かがりによる場合に
比べて、フィルタの取り付け作業を容易にすることがで
きる。容器の側壁部の内側に剛性を有する第1のフィル
タを取り付け、該第1のフィルタの内側に可撓性を有す
る第2のフィルタを取り付ける場合も、同様に第2のフ
ィルタの取り付け作業を簡単にすることができる。
【0018】また上記のように、磁石と該磁石に吸着さ
れる固定具とを用いて可撓性を有するフィルタを取り付
けると、可撓性を有するフィルタの外側に隙間が生じた
状態で原液の処理が行われて隙間が生じた部分でフィル
タが外側に引っ張られた場合に、磁石と固定具との間に
相対的な滑りが生じてフィルタに無理な力が加わるのを
防止するため、フィルタが破れるのを防ぐことができ
る。
【0019】
【実施例】図1ないし図4は本考案を遠心分離機に適用
した実施例を示したもので、図1は全体の構造を示す縦
断面図、図2はバスケットとその側壁部の内側に取り付
けられたフィルタとを示した横断面図、図3及び図4は
それぞれ図2の要部の拡大縦断面図及び拡大横断面図で
ある。
【0020】図1において、1は円筒状に形成されたケ
ーシングで、このケーシングは脚部1Aにより支持され
ている。3はケーシング1内に配置された容器(バスケ
ット)である。この容器はステンレス鋼からなってい
て、円筒状の側壁部201と、側壁部201の下端を閉
じるように設けられた底壁部202と、側壁部の上端に
取り付けられた環状の端部壁203とを有している。容
器2の底壁部202の中央に設けられたボス部204に
回転軸3が取り付けられ、この回転軸3はケーシングの
底部に設けられた軸受部4により回転自在に支持されて
いる。ケーシングの下部にはインバータにより駆動され
る電動機や油圧モータ等からなる回転駆動源5が取り付
けられ、回転駆動源5の出力軸に回転軸3が連結されて
いる。
【0021】容器2の底壁部の中央には固形物を溜める
ためのすり鉢状の凹部205が設けられ、ケーシング1
の上端を閉じるように取り付けられた蓋板1Bを貫通さ
せて設けられた固形物排出管6が凹部205内に挿入さ
れている。固形物排出管6は図示しない吸引装置に接続
されていて、容器の底部の凹部205内に溜められた固
形物が固形物排出管6を通して外部に吸引排出されるよ
うになっている。7は蓋板1Bを貫通させて容器2内に
挿入された原液供給パイプで、この原液供給パイプは、
上下方向に間隔を開けて並ぶ複数の噴出口7aを有して
いる。原液供給パイプ7は、図示しない原液タンクにバ
ルブを介して接続されていて、この原液供給パイプから
容器2内に原液が供給される。
【0022】ケーシングの蓋板1Bにはまた掻取刃駆動
軸8が上下動自在かつ回転自在に取り付けられて該駆動
軸8が容器2内に挿入され、駆動軸8の下端に掻取刃9
が取り付けられている。駆動軸8は蓋板1Bの上に取り
付けられた図示しない掻取刃駆動装置により駆動され
て、掻取刃9を上下動させるとともに、容器2の側壁部
201に接近する方向と該側壁部201から離れる方向
とに回動させる。
【0023】容器201の側壁部201には多数の透過
孔hが形成され、側壁部201の内周面に添わせた状態
で濾布や濾紙等からなる可撓性フィルタ10が取り付け
られている。
【0024】ケーシング1内の下部には環状の導液枠1
1が取り付けられている。この導液枠11は、ケーシン
グの側壁部の下端に設けられた排液口1aに向って下降
するように傾斜した底部11aを有していて、容器2の
透過孔hを通して排出された液体が導液枠11により案
内されて排液口1aから外部に排出されるようになって
いる。
【0025】フィルタ10は帯状に形成されていて、そ
の長さは容器2の側壁部201の内周の円周長よりも僅
かに長く設定され、図2に示すように容器2の側壁部2
01の内周に添わせた状態で配置されてその両端10
a,10bの所定幅の部分が互いに重合させられる。フ
ィルタ10は容器の側壁部201の周方向及び軸線方向
の全体にほぼ均一に分布するように設定された多数の結
合箇所で側壁部201に結合される。
【0026】本考案においては、容器の側壁部201及
びフィルタ10の互いに結合される箇所の一方に磁石
を、他方に強磁性体からなる固定具をそれぞれ固定し
て、固定具を磁石に吸着させることによりフィルタを容
器の側壁部に結合する。
【0027】本実施例では、図5(A)または(B)に
示したように、容器の側壁部201に周方向(X方向)
及び軸線方向(Y方向)にそれぞれ一定の間隔を隔てた
状態で円柱状の多数の磁石20が固定され、各磁石は容
器の径方向に着磁されている。図3及び図4に示したよ
うに、本実施例では、各磁石20が容器2の側壁部に設
けられた孔内に挿入された状態で配置され、ネジ止めま
たは接着により容器の側壁部に対して固定されている。
容器2は磁性が弱いステンレス鋼からなっているため、
このように磁石20を容器の側壁部に設けた孔内に直接
埋設するようにしても磁石の吸引力が低下してフィルタ
の取り付けに支障を来す恐れはない。
【0028】フィルタ10には、所定の磁石20に対応
する位置に位置させて多数の固定具21が接着やネジ止
め等により固定され、各固定具21が対応する磁石に吸
着されて、フィルタ10が容器の側壁部201に取り付
けられている。
【0029】各磁石20としてはフェライト磁石や希土
類磁石等の、小形で十分な吸引力を発揮する焼結磁石を
用いるのが好ましい。また各固定具21としては、軟鉄
等の強磁性体からなる薄板を用いる。各磁石20及び固
定具21の形状は任意である。また固定具21と磁石2
0とは、1対1で対応していてもよく、各固定具が複数
の磁石に対応していてもよい。例えば図5(A)に示す
ように、固定具21を容器の軸線方向に延びる帯板状に
形成して1つの固定具21に複数の磁石20を対応させ
てもよく、図5(B)に示すように各固定具21を正方
形状(矩形または円形等でも可)に形成して1つの固定
具を1つの磁石20に対応させるようにしてもよい。
【0030】フィルタ10は通常その両端10a,10
bを重合させた(オーバラップさせた)状態で配置する
ので、フィルタ10の両端10a,10bの互いに重合
される部分にそれぞれ同じように強磁性体からなる固定
具21を取り付けて、フィルタの両端10a,10aに
それぞれ取り付けられた固定具21を同じ磁石20に吸
着させることにより、フィルタ10の両端10a,10
aを正しく重合させた状態で容器の側壁部に対して固定
するようにするのが好ましい。このように構成しておく
と、フィルタの両端を重合させた状態で容器の側壁部に
確実に固定できるため、フィルタの端部がめくれた状態
になるのを防ぐことができる。
【0031】なお図面においては、便宜上固定具21の
厚さを誇張して示しているが、実際の固定具21は十分
に薄いものでよい。
【0032】上記の実施例のように、容器側に磁石20
を取り付け、フィルタ側に固定具21を取り付けるよう
にすると、磁石20は容器の側壁部内に埋め込むことが
でき、また固定具21としては十分に薄いものを用いる
ことができるため、フィルタ10と容器の側壁部との間
に大きな隙間が形成されることがない。しかし、本考案
はこのように容器側に磁石を取り付ける場合に限定され
るものではなく、フィルタ10側に磁石を取り付け、容
器2側に固定具を取り付けるようにしてもよい。但しこ
の場合には、フィルタの磁石を取り付けた部分が内径側
に突出しないようにするために、フィルタに取り付けた
磁石をはめ込むための凹部を容器の側壁部に設けて、該
凹部内に固定具を配置するようにするのが好ましい。
【0033】上記のように、容器2の側壁部201及び
フィルタ10の互いに結合される箇所の一方に磁石を、
他方に強磁性体からなる固定具をそれぞれ固定して、固
定具を磁石に吸着させることによりフィルタを容器の側
壁部に結合するようにすると、各磁石と対応する固定具
とを磁気吸引力によりワンタッチで結合していくだけで
フィルタを取り付けることができるため、ネジ止めや糸
かがりによる場合に比べて、フィルタの取り付け作業を
容易にすることができる。
【0034】また上記のように、磁石と該磁石に吸着さ
れる固定具とを用いて可撓性を有するフィルタを取り付
けると、可撓性を有するフィルタの外側に隙間が生じた
状態で原液の処理が行われて隙間が生じた部分でフィル
タが外側に引っ張られた場合に、磁石と固定具との間に
相対的な滑りが生じてフィルタに無理な力が加わるのを
防止するため、フィルタが破れるのを防ぐことができ
る。
【0035】更に上記実施例のようにフィルタの端部を
重合させる場合に、磁石と強磁性体金属とを用いて重合
部を固定するようにすると、フィルタの端がめくれるの
を防ぐことができる。
【0036】本実施例の遠心分離機により原液を固形物
と液体とに分離する処理を行う場合には、容器2を高速
回転させ、原液供給パイプ7から容器2内に原液を供給
する。容器2内に原液を供給すると、原液中の液分が遠
心力によりフィルタ10と側壁部201の透過孔hとを
通して容器外に排出されるため、側壁部201の内周に
固形物の層が形成されていく。容器の側壁部201の内
周に形成される固形物層の厚さが所定の値になったとき
に原液の供給を停止し、液分の排出を完全に行わせた
後、容器の回転速度を低下させて、容器を低速回転させ
ながら、掻取刃9を固形物層中に侵入させて、該固形物
を容器の底壁部側に落下させる。掻取刃9により落下さ
せられて凹部205内に集められた固形物を固形物排出
管6を通して外部に排出する。
【0037】上記の実施例では、容器2の回転軸をケー
シングの底部に支持しているが、容器の回転軸をケーシ
ングの蓋板1Bに取り付けた軸受装置により支持する場
合もある。また上記の実施例では、容器の底部に溜った
固形物を固形物排出管6を通して外部に吸引排出すると
したが、容器2の底部を開口させて、その開口部から固
形物を排出するようにする場合もある。
【0038】上記の実施例では回転駆動源5をケーシン
グの下部に取り付けて、該回転駆動源の出力軸を容器の
回転軸に連結しているが、ケーシングの側方またはケー
シングの側壁に回転駆動源を配置して、該回転駆動源の
出力軸をベルト等を介して容器の回転軸に伝達する場合
もある。
【0039】上記の実施例においては、容器2を磁性が
弱いステンレス鋼により形成しているため、容器2に設
けた孔内に磁石20を埋め込んでいるが、容器が鉄等の
強磁性体からなっている場合には、図6(A)に示すよ
うに容器201に磁石の外径よりも大きい内径を有する
孔201aを設けて、各孔201a内に磁石20を配置
し、磁石20と孔201aの内周との間の隙間に樹脂や
アルミニウム等の非磁性材料22を充填する構造にすれ
ばよい。図6(A)のように容器の側壁部201を貫通
させて孔201aを設ける場合には、遠心力により磁石
20が抜け出すのを防ぐために、容器の側壁部201の
外周側に押え板23を固定して、磁石20を押え板23
に接着やネジ止め等により固定するのが好ましい。また
図6(B)に示すように容器の内側にのみ開口した孔2
01a´を設けて、孔201a´の内径よりも小さい外
径を有する磁石20を孔201a´の底部に接着やネジ
止めにより固定し、磁石20と孔201a´の内周との
間の隙間に樹脂やアルミニウム等の非磁性材料22を充
填するようにしてもよい。
【0040】図6(A),(B)のように構成する場
合、磁石20と孔201aまたは201a´の内周との
間の隙間に非磁性材料22を充填しておくと、固形物が
隙間に侵入することがないため、容器の洗浄を容易にす
ることができる。しかし必ずしも磁石20と孔201a
または201a´の内周との間に非磁性材料を充填する
必要は無く、磁石20と孔201aまたは201a´の
内周との間に隙間を形成したままにしてもよい。
【0041】容器が強磁性材料からなっている場合に、
図6(B)に示すように各磁石20を配置すると、孔2
01a´の容器内への開口部を取り囲む部分に磁石20
の内端部(容器の径方向の内側に向いた端部)の磁極
(図示の例ではN極)と異なる極性の磁極(図示の例で
はS極)が現れるため、固定具を吸着する力を強くする
ことができる。また図6(A)において押え板23とし
て強磁性材料の板を用いた場合にも同様の効果を得るこ
とができる。
【0042】また容器2がステンレス鋼等の磁性が弱い
材料からなっている場合、図6(C)に示したように、
容器の側壁部201に設けた有底の孔201a´内にカ
ップ状の磁極部材23を嵌合させ、磁極部材23の内径
よりも小さい外径を有する磁石20を磁極部材23内に
同心的に配置して、磁石20の一端の磁極面を磁極部材
23の底部に接着またはネジ止め等により固定すると、
磁極部材23の開口部に磁石20の内端部側の磁極と異
なる極性の磁極が現れるので、固定具を吸着する力を強
化することができる。
【0043】磁石20として、厚みが薄いものを用いる
場合、または磁石20としてある程度厚みを有するもの
を用いる場合でも、フィルタの局部的な出っ張りが問題
にならない場合には、図6(D)に示すように、磁石2
0を容器の側壁部201の内周面に固定するようにして
もよい。
【0044】なお一般に磁石20及び強磁性材料からな
る固定具21は耐蝕性を有しないため、磁石を侵す成分
を含む原液を処理するろ過装置の場合には、磁石20及
び固定具21を耐蝕性の被膜で覆う処理(コーティング
塗装やライニング処理等)を施す必要がある。
【0045】上記の実施例では、可撓性を有するフィル
タを容器の側壁部の内周に直接取り付けるようにした
が、図7に示すように、側壁部201の内周に剛性を有
する第1のフィルタ25を取り付けて、第1のフィルタ
25の内周に可撓性を有する第2のフィルタ10を取り
付ける場合もある。この場合、第1のフィルタ25は、
ステンレス鋼製の金網の積層体、ステンレス板に微細な
孔を無数に形成した多孔板、あるいは多孔性焼結金属等
からなっていて、容器2の側壁部201の内周に隙間な
く嵌まり込むように形成されている。
【0046】このように、容器の側壁部の内周に取り付
けられた第1のフィルタ25の内側に可撓性を有する第
2のフィルタ10´を取り付ける場合には、図7に示し
たように、第1のフィルタ25に磁石20を固定し、第
2のフィルタ10´側に固定具21を固定するか、また
は第1のフィルタ25に固定具を固定し、第2のフィル
タ10´に磁石を固定することにより、本考案を適用す
ることができる。図7に示した例では、第1のフィルタ
25に設けられた孔内に磁石20が挿入された状態で固
定されている。
【0047】上記の実施例では、遠心分離機に本考案を
適用したが、内圧濾過機等の他のろ過装置(可撓性を有
するフィルタを用いるもの)にも本考案を適用すること
ができる。
【0048】上記の実施例のように、掻取刃9を用いる
遠心分離機においては、掻取刃9をフィルタ10に接近
させて固形物を掻き取った後に、フィルタ10の内周に
残留する固形物層をできるだけ少なくすることが望まし
いため、本考案を適用するに当たっては、上記実施例の
ように、磁石を容器の側壁部に設けた凹部または孔内に
配置する等の手段を講じて、フィルタ10の内周に形成
される出っ張りをできるだけ少なくするように配慮する
のが好ましい。
【0049】本考案において、磁石20及び固定具21
は容器の側壁部の周方向及び軸線方向の全域に亘ってほ
ぼ均一に分布するように配置されていればよく、それぞ
れの配置の仕方は任意である。例えば図5に示した例で
は、磁石20を縦横に行列を成すように配置している
が、磁石20を千鳥状に配置してもよい。
【0050】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、ろ過装
置の容器の側壁部及びフィルタの互いに結合される箇所
の一方に磁石を、他方に強磁性体からなる固定具をそれ
ぞれ固定して、固定具を磁石に吸着させることによりフ
ィルタを容器の側壁部に結合するようにしたので、各磁
石と対応する固定具とを磁気吸引力によりワンタッチで
結合していくだけでフィルタを取り付けることができ、
ネジ止めや糸かがりによってフィルタを取り付けていた
従来のろ過装置に比べて、フィルタの取り付け作業を容
易にすることができる。
【0051】また本考案によれば、可撓性を有するフィ
ルタの外側に隙間が生じた状態で原液の処理が行われて
隙間が生じた部分でフィルタが外側に引っ張られた場合
に、磁石と固定具との間に相対的な滑りを生じさせてフ
ィルタに無理な力が加わるのを防止することができるた
め、原液の処理時に働く力によりフィルタが破れるのを
防ぐことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の全体的な構成を示した縦断面
図である。
【図2】図1の実施例の容器の側壁部とその内側に取り
付けられたフィルタとを示した横断面図である。
【図3】図2の要部の拡大縦断面図である。
【図4】図2の要部の拡大横断面図である。
【図5】(A)及び(B)はそれぞれ磁石と固定具の異
なる配置例を示した説明図である。
【図6】(A)ないし(D)は磁石の取付け構造の種々
の変形例を示した断面図である。
【図7】本考案の他の実施例の要部を示した断面図であ
る。
【符号の説明】 2 容器 201 容器の側壁部 h 透過孔 10 可撓性を有するフィルタ 10´ 第2のフィルタ 20 磁石 21 固定具 25 第1のフィルタ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁部に多数の透過孔を有する容器と、
    可撓性を有する材料からなっていて前記容器の側壁部の
    内面に添わせた状態で複数の箇所が容器の側壁部に結合
    されたフィルタとを備え、容器内に供給した原液中の液
    分をフィルタを通して容器外に排出することにより原液
    を固形物と液体とに分離するろ過装置において、 前記容器の側壁部及びフィルタの互いに結合される箇所
    の一方に磁石が、他方に強磁性体からなる固定具がそれ
    ぞれ固定され、 前記固定具が磁石に吸着されてフィルタが容器の側壁部
    に結合されていることを特徴とするろ過装置。
  2. 【請求項2】 側壁部に多数の透過孔を有する容器と、
    剛性を有するように形成されて前記容器の内面に添わせ
    て配置された第1のフィルタと、可撓性を有する材料か
    らなっていて前記第1のフィルタの内面に添わせた状態
    で複数の箇所が前記第1のフィルタに結合された第2の
    フィルタとを備え、容器内に供給した原液中の液分を前
    記第1及び第2のフィルタを通して容器外に排出するこ
    とにより原液を固形物と液体とに分離するろ過装置にお
    いて、 前記第1のフィルタ及び第2のフィルタの互いに結合さ
    れる箇所の一方に磁石が、他方に強磁性体からなる固定
    具がそれぞれ固定され、 前記固定具が磁石に吸着されて第1のフィルタが第2の
    フィルタに結合されていることを特徴とするろ過装置。
JP5348793U 1993-10-01 1993-10-01 ろ過装置 Expired - Lifetime JP2518272Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5348793U JP2518272Y2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ろ過装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5348793U JP2518272Y2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ろ過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0724405U JPH0724405U (ja) 1995-05-09
JP2518272Y2 true JP2518272Y2 (ja) 1996-11-27

Family

ID=12944208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5348793U Expired - Lifetime JP2518272Y2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ろ過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2518272Y2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5327122B2 (ja) * 2010-03-30 2013-10-30 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 油圧制御装置
DE102018130204A1 (de) * 2018-11-28 2020-05-28 Andritz Kmpt Gmbh Filtrationsvorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0724405U (ja) 1995-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4067810A (en) Fluid filter magnet assembly
JP2000195718A (ja) 磁気掛止具
WO1997022395A9 (en) Filter having magnetic components and method of manufacturing same
CA2241029A1 (en) Filter having magnetic components and method of manufacturing same
US3616622A (en) Mounting means for vacuum cleaner bags
US2430157A (en) Magnetic separator for removing finely divided magnetic material from liquids
JP3890329B2 (ja) 変速機液フィルタアセンブリ
KR910008308A (ko) 전자기 클러치
JP2518272Y2 (ja) ろ過装置
US3959145A (en) Magnetic separator with scraper means
FR2484868A1 (fr) Filtre magnetique
JP6121877B2 (ja) 磁性体の分離装置及びその方法
JPS60128741U (ja) 磁性体の分離装置
JPH07284606A (ja) 油水分離装置
JP3653623B2 (ja) 切粉飛散防止装置
JP2003154213A (ja) 濾過装置
JPS6333607Y2 (ja)
JP4698797B2 (ja) 遠心濾過装置
JP2001137595A (ja) 電気洗濯機
JP2003135913A (ja) ストレーナ
JP2534444Y2 (ja) 遠心分離機
JPS6234574Y2 (ja)
KR101942871B1 (ko) 비접촉식 동력전달형 원심 탈수기
JPH07303810A (ja) 磁気分離機
JPS634820A (ja) 積層磁石を用いたロ過装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960716