JP2518171Y2 - 電子秤の電磁部 - Google Patents

電子秤の電磁部

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JP2518171Y2
JP2518171Y2 JP1991056320U JP5632091U JP2518171Y2 JP 2518171 Y2 JP2518171 Y2 JP 2518171Y2 JP 1991056320 U JP1991056320 U JP 1991056320U JP 5632091 U JP5632091 U JP 5632091U JP 2518171 Y2 JP2518171 Y2 JP 2518171Y2
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moisture
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coil
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proof
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吉康 塩崎
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A&D Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は電磁平行式秤量装置の電
磁部の構造に係り、特にコイルの防湿を効果的に行える
電磁部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】重量測定装置の一つである電磁平衡式の
秤量装置(以下「電子天秤」と称する)は微量の測定が
可能であり、最近では測定可能な最小重量が0.01m
g(十万分の1g)の装置も提供されている。このよう
な微量を測定できる装置では従来殆ど問題とならなかっ
たことが、秤量装置としての精度を左右する大きな問題
として指摘されるようになってきた。この問題の一つが
電磁部コイルの吸湿問題である。
【0003】図3は電子天秤に於ける電磁部の構成状態
を示す。20はコイルでありボビンと称する巻付け対象
である支持体21に導線が巻付けられることにより構成
されている。コイル20を有する支持体21はヨーク2
2内に収納されて電磁部を構成し、ヨーク22は秤量装
置本体23に対して固定され、かつ支持体21に対して
は秤量物の荷重を伝達するビーム(図示せず)が接続さ
れている。
【0004】図4は支持体21に形成されたコイル20
の詳細を示す。
【0005】コイル20は直径0.08mm乃至0.1
6mm程度の非常に細い導線24の周囲にポリウレンタ
ン等の絶縁性を有する高分子材料からなる絶縁性被膜2
5を被覆することにより形成された線材を支持体21に
対して例えば8〜10層程度巻き廻すことにより構成さ
れている。
【0006】ここで前記導線24を被覆する絶縁性被膜
25は高分子材料である。即ちこの高分子被膜25は顕
微鏡的にみれば多孔質であり、従って絶縁性被膜25は
多孔質性故に装置使用中に微量ではあるが水分を吸収す
る。この場合、コイル20の表面積にもよるが、湿度5
0%の状態から湿度90%の状態に変化した際に、コイ
ル20の吸湿によってコイル重量は約2〜6mg増加す
ることが確認されている。
【0007】一方支持体21に接続されるビームは、ビ
ームの支点から秤量物の荷重が負荷される端部までを1
とした場合、この支点から支持体21の接続部までの距
離は2.5〜5程度と大きく設定され、このようにモー
メントアームを大きく取ることにより電磁部の反応を敏
感にするように構成されている。このためコイル20に
おける吸湿による重量増加は僅か数mgであっても、秤
量装置の最小目盛りが0.01mg程度の精密な装置に
なるとその重量変化は測定対象重量の100倍以上にも
なり、秤量装置の測定精度に極めて大きな影響を与える
ことになる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】図5は上述したコイル
部の吸湿問題を解決する為に提案されている構成を示す
実開昭47−136号、特願昭62−225344号
等)。
【0009】この構成では、支持体21に形成さたコイ
ル20を包むように支持体21の全表面に被膜26が形
成されている。被膜26はアルミニウム箔等の金属箔を
支持体表面に貼り付けるようにするか、表面を金属鍍金
することにより形成され、これによりコイル20の防湿
を行うようにしている。この構成は一応の防湿が可能で
ある反面次のような問題がある。
【0010】先ずアルミニウム箔等の金属箔の場合に
は、顕微鏡的に観察すると、金属を薄く伸ばして箔とす
る工程で極めて微小な孔(ピンホール)が形成されるこ
とは避けられない。従ってこのような箔をコイル部分に
貼着させて防湿被膜を形成しても湿気の一部はこのピン
ホールを介して侵入し、完全な防湿は期待できない。ま
た箔を貼りつける作業中に箔にを折ったりして箔に孔が
あいてしまう事態も考えられる。このため金属箔の貼り
付け作業には細心の注意を必要とし、かつ作業に長時間
を要し、従って装置の大量生産には不向きの構成であ
る。
【0011】また支持体表面を金属鍍金する方法では被
膜の厚さを均一に成形することが困難であって、防湿上
不必要に厚い部分や、薄すぎて防湿が困難になる部分等
が生じ、従って製品の歩留りが悪く実用に耐えるのは極
めて困難である。
【0012】更に金属鍍金による方法を簡易化し、より
作業性の高い樹脂コーティング方法も提案されている
が、樹脂そのものが前述の如く吸湿性を有し、また例え
吸湿性が極めて少ない樹脂を使用したとしてもコーティ
ング面積が大きいため吸湿による重量増加は無視できる
ものではなく、結局問題の解決にはならない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案は上述の問題点を
解決すべく構成されたものであって、支持体と、この支
持体に嵌合するよう予めリング状に形成された防湿用の
リングとから成り、この防湿リングを支持体に嵌合固定
することにより支持体に形成されたコイルを防湿リング
で覆うようにしてコイル部の吸湿をほぼ完全に防止する
ように構成されたことを特徴とする。
【0014】
【作用】金属材料等から構成され、かつ一定の肉厚を有
している防湿リングはそれ自体としては完全に湿気を遮
断し、支持体に嵌合固定されることによりコイル部を完
全に覆い、湿気がコイル部に侵入することをほぼ完全に
防止する。
【0015】
【実施例】以下本考案の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。
【0016】図1および図2において、符号1は電子天
秤の電磁部の一部を形成する支持体であって非磁性金
属、例えばアルミニウムにより形成されている。この支
持体1は平面円形の上板部1aと、この上板部1aに連
設する周壁1bとにより略円筒形に形成され、かつ上板
部1aと対向する面は開放された構成となっている。ま
た周壁1bの上部周縁部、即ち上板部1aの周縁部は上
端に向かってその径が大きくなるよう、所謂オーバーハ
ングしたテーパー面1eとなっている。さらにこの上板
部1aの中央には秤量物の荷重を伝達するビーム(図示
せず)の一端が接続するビーム取付部1cが突設されて
いる。
【0017】一方支持体1の周壁bの外周面には、その
周方向に沿って溝1dが凹設され、この溝1dに対して
は図4に示すものと同様な導線、即ち直径0.08mm
乃至0.16mm程度でかつ絶縁性被膜25を有する導
線24が複数段巻き廻され、この導線によりコイル2が
形成されている。
【0018】符号3は前記支持体1に取り付けられる防
湿リングであり、やはりアルミニウム等の非磁性金属に
より形成されいている。この防湿リング3の本体を成す
周壁3aは、防湿リング3を軽く形成する観点からは
えば0.3〜0.5mm程度の薄肉に形成されること
望ましいが、この肉厚でも従来技術に用いられている箔
に比較すればその肉厚はかなり厚く、従って箔に生じる
ピンホール等の小孔が形成される虞は全くない。なお、
防湿リング3の重量に対する許容値の設定が緩ければ上
記以上の肉厚に構成しても何ら支障はないことは当然で
ある。またこの防湿リング3の周壁3aの下端縁にはリ
ング内部に展出するように係止部3bが平面環状に突出
形成されている。
【0019】次に、防湿リング3の装着に当たっては同
リングの係止部3bが下部に位置する状態で図1の矢印
の如くこの防湿リング3を支持体1の下部から挿入す
る。この場合防湿リング3の内径は支持体1の外径とほ
ぼ等しく形成されているため防湿リング3は支持体1の
外周面とほぼ密着係合するようにして支持体1に装着さ
れる。この場合支持体1の上部側縁は前述の如くテーパ
ー面1eとなっているので、防湿リング3をやや強く押
し込むことにより防湿リング3の上部内周面とテーパー
面1eとが強固に密着する。この状態で防湿リング3下
端の係止部3bは支持体1の下端部周縁に密着係止さ
れ、支持体1の外周部に形成されたコイル2は支持体1
と防湿リング3とにより完全に密閉されることになる。
【0020】なお、防湿リング3を単に支持体1に嵌挿
するのではなく、防湿リング3と支持体1の接触面に対
して予め高分子材料等からなる接着材またはこれに準ず
る樹脂材料を塗布しておいてもよい。このようにすれば
防湿リング嵌挿後の防湿リング3と支持体1の密着性を
より良好することが可能となる。但し、これら高分子材
料自体は前述の如く吸湿性を有するものであるが、その
塗布面は支持体1と防湿リング3の密着面に限られるた
め、大気と接触する部分は殆ど無く、従ってこれら高分
子材料による吸湿は事実上無視することが可能である。
【0021】上述の構成とすることにより支持体のコイ
ルの防湿はほぼ完全に達成することができるが、これに
加えて非磁性体金属材料により形成された防湿リングが
支持体1に装着されることにより、従来は支持体1の内
部にのみ形成されていた渦電流が防湿リング3の外側に
も形成されるようになり、従来のコイルに比較して電流
供給に対する電磁部の反応が早くなるという副次的効果
も発揮する。
【0022】
【考案の効果】本考案は以上にその構成を具体的に説明
したように支持体に形成されたコイルの防湿を、この支
持体とは別個に形成された防湿リングにより行うように
構成されているので、防湿リングを通過して湿気がコイ
ル部に到達する虞はなく、コイル部の防湿をほぼ完全に
達成することができる。
【0023】また本構成は、基本的には支持体に対して
防湿リングを装着するだけであるので、作業は容易であ
りかつ特別の熟練を要せず、従って秤量装置として高い
生産性を達成するこが可能となる。
【0024】さらに防湿リングの装着により前述の如く
防湿リング外部にも渦電流が発生するので従来のコイル
に比較して電流供給に対する電磁部の反応が早くなる
等、各種の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】防湿リングの装着状態を示す支持体と防湿リン
グの斜視図である。
【図2】防湿リングを装着した支持体の断面図である。
【図3】従来のコイル及び支持体の装着状態を示す電子
天秤電磁部の分解斜視図である。
【図4】図3に示すコイルおよび支持体の拡大断面部分
図である。
【図5】従来型の防湿構造を有する支持体の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 1a 上板部 1b 支持体周壁 1d コイル形成用溝 1e テーパー面 2 コイル 3 防湿リング 3a 周壁 3b 係止部 24 導線 25 絶縁性被膜

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に導線を巻き廻すことによりコイ
    ルが形成され、このコイルが電子秤の電磁部の一部を構
    成し、かつ当該コイル形成部を防湿するものにおいて、
    コイルを形成支持する支持体1と、この支持体1に嵌挿
    固定される防湿リング3とから成り、支持体1は平面円
    形の上板部1aと、この上板部1aに連設する周壁1b
    とにより略円筒形に形成され、上板部1aと対向する面
    は開放され、周壁1bの外周面の溝1dにはコイル2が
    成形配置され、防湿リング3は前記支持体1の外径とほ
    ぼ等しい内径を有する円筒状に形成され、円筒を成す周
    壁3aの下端縁にはリング内部に展出するように係止部
    3bが平面環状に突出形成され、当該防湿リング3を支
    持体1に嵌挿することにより下端の係止部3bは支持体
    1の周壁1bの下部端縁と密着係合して前記コイル2を
    密閉防湿するよう構成したことを特徴とする電子秤の電
    磁部。
  2. 【請求項2】 前記支持体1の上板部1aの周縁部は上
    端に向かってその径が大きくなるようテーパー面1eと
    して形成され、防湿リング3の上端縁は前記支持体1の
    テーパー面1eと密着係合するよう構成したことを特徴
    とする請求項1記載の電子秤の電磁部。
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