JP2517908B2 - 四輪駆動装置の制御方法 - Google Patents

四輪駆動装置の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車等の車輌に用いられる四輪駆動装置
の制御方法に係り、特に車輌用自動変速機と組合せられ
て用いられる四輪駆動装置に組込まれるセンタディファ
レンシャル装置の差動作用を制御する制御方法に係る。
従来の技術 自動車の車輌に用いられる四輪駆動装置の一つとし
て、後輪と前輪との間にて差動作用を行うセンタディフ
ァレンシャル装置と、前記センタディファレンシャル装
置の差動作用を選択的に制限する差動制御装置とを有す
る四輪駆動装置が既に提案されており、この種の四輪駆
動装置は、例えば、実開昭47−203号、特開昭50−14702
7号、特開昭60−176827号の各公報に示されている。
センタディファレンシャル装置を有する四輪駆動装置
に於ては、センタディファレンシャル装置の差動作用に
より車輌旋回時に前輪と後輪との回転半径の差によりタ
イトコーナーブレーキ現象が生じることが回避される
が、この反面、降雨路、積雪路、泥路等の悪路走行によ
って複数個の車輪のうちのいずれか一つでも路面に対し
てスリップを生じて駆動力を失うと、センタディファレ
ンシャル装置の差動作用により全ての車輪の駆動力が減
少するという現象が生じ、踏破性が著しく低減する。こ
のためセンタディファレンシャル装置を有する四輪駆動
装置に於ては、センタディファレンシャル装置の差動作
用を選択的に制限する差動制御クラッチの如き差動制限
装置が設けられている。
またセンタディファレンシャル装置が後輪と前輪とに
駆動トルクを不均等分配する不均等分配型のセンタディ
ファレンシャル装置であると、センタディファレンシャ
ル装置が差動制限装置によって差動作用を行うことを禁
止されていない時には、後輪と前輪に対するトルク分配
量が互いに異り、後輪に対するトルク分配量が前輪に比
して大きい場合には車輌の発進性能が改善され、これに
対し前輪に対するトルク分配量が後輪に比して大きい場
合には車輌の直進走行性能が改善される。
発明が解決しようとする問題点 ところで、車輌用自動変速機に於ては、一般に、車速
とスロット開度に代表される機関出力とに応じて変速が
行われ、加速時や登坂路走行時にはシフトダウンが行わ
れる。この時には内燃機関の出力軸トルクが増大し、更
に車輌用自動変速機の変速段が低速段に代わることによ
り変速機の出力軸トルクが増大し、このため駆動車輪が
走行路面に対してスリップを生じ易く、駆動性能が低下
する虞れがある。また降坂路走行時に於て、エンジンブ
レーキ効果を得るために、マニュアルシフトレンジがD
レンジより2レンジ、更にLレンジに変更されると、こ
のマニュアルシフトチェンジに伴いシフトダウンが行わ
れる。特に、マニュアルシフトチェンジによるシフトダ
ウン時にはなるべく早期に変速が終了するようその変速
は素早く行われるようになっているため、この変速に伴
い変速機の出力軸トルクが急激に変化し、このため特に
駆動車輪が走行路面に対しスリップを生じ易く、このス
リップによって充分な制動効果が得られなくなる虞れが
ある。
また、旋回走行時にキックダウンによるシフトダウン
が生じると、後輪に対するトルク分配量が大きいものに
於ては後輪の駆動トルクが急激に増大して後輪のコオー
ナリングフォースが減少し、これにより車輌がオーバス
テア気味になり、これとは反対に前輪に対するトルク分
配量が大きいものに於ては前輪の駆動トルクが急激に増
大して前輪のコーナリングフォースが減少し、これによ
り車輌がアンダステア気味になり、いずれの場合も操縦
安定性に影響を与え、この現象は高速運転時である時ほ
ど顕著なものとなる。
本発明は上述の如き問題点を解決した改良された四輪
駆動装置の制御方法を提供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 上記の如き目的は、本発明によれば、変速装置と、前
記変速装置に変速を指令する制御装置と、後輪と前輪と
の間にて差動作用を行うセンタディファレンシャル装置
と、前記センタディファレンシャル装置の差動作用を選
択的に制限する差動制限装置とを有する四輪駆動装置の
制御方法に於て、前記制御装置の変速指令に基づいて変
速装置の変速時に前記差動制限装置により前記センタデ
ィファレンシャル装置の差動作用を制限することを特徴
とする四輪駆動装置の制御方法によって達成される。
前記差動制限装置により前記センタディファレンシャ
ル装置の差動作用を制限する変速はシフトダウン、特に
第一速段へのシフトダウンの如く、原動機の出力軸トル
クが比較的大きく増大する、或いは減少する出力軸トル
クの変化量が大きい変速であってよい。
発明の作用及び効果 本発明による四輪駆動装置の制御方法によれば、変速
時、特にシフトダウン時には差動制限装置によってセン
タディファレンシャル装置の差動作用が制限され、これ
により後輪と前輪とが直結状態、或いは直結状態に近付
き、前輪と後輪とに駆動トルクがほぼ均等に分配される
ことによって車輪が走行路面に対しスリップしにくくな
り、これに伴い駆動性能或いは制動性能が向上するよう
になる。
またシフトダウン時には差動制限装置によってセンタ
ディファレンシャル装置の差動作用が制限されることに
より、センタディファレンシャル装置が不均等分配型セ
ンタディファレンシャル装置であってもシフトダウン時
には後輪と前輪とが直結状態、或いは直結状態に近付く
ことによって前輪と後輪とに対する駆動トルクの分配が
均等に近付き、或いは均等になり、これにより後輪と前
輪に対するトルク分配量の相違に起因して旋回時に車輌
がオーバステア気味或いはアンダステア気味になること
が回避される。尚、タイトコーナブレーキ現象が生じて
運転性能に障害が生じるのは低速運転時であるから、低
速運転時にはシフトダウンが行われてもセンタディファ
レンシャル装置が差動作用を行うように差動制限装置の
差動制限作用が禁止されればよい。
実施例 以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳
細に説明する。
第1図は本発明による制御方法の実施に使用される四
輪駆動装置を示すスケルトン図である。図に於て、1は
内燃機関を示しており、該内燃機関は車輌の前部に縦置
きされており、該内燃機関の後部には車輌用自動変速機
2と四輪駆動用トランスファ装置3とが順に接続されて
いる。
車輌用自動変速機2は、コンバータケース4内に設け
られた一般的構造の流体式トルクコンバータ5とトラン
スミッションケース6内に設けられた歯車式の変速装置
7とを有し、流体式トルクコンバータ5の入力部材8に
よって内燃機関1の図示されていない出力軸(クランク
軸)に駆動連結されて内燃機関1の回転動力を流体式ト
ルクコンバータ5を経て変速装置7に与えられるように
なっている。変速装置7は、遊星歯車機構等により構成
されたそれ自身周知の変速装置であって複数個の変速段
の間に切換わり、その変速制御を油圧制御装置9により
行われるようになっている。
四輪駆動用トランスファ装置3はフルタイム4WDのた
めの遊星歯車式のセンタディファレンシャル装置10を有
しており、センタディファレンシャル装置10は、変速装
置7より回転動力を与えられる入力部材としてのキャリ
ア11及び該キャリアに担持されたプラネタリピニオン12
と、プラネタリピニオン12に噛合したサンギア13及びリ
ングギア14とを有し、リングギア14は後輪駆動軸15に接
続され、サンギア13は後輪駆動軸15と同芯のスリーブ状
の前輪駆動用中間軸16に接続されている。四輪駆動用ト
ランスファ装置3には前輪駆動用中間軸16と平行に前輪
駆動軸17が設けられており、前輪駆動用中間軸16と前輪
駆動軸17とはその各々に取付けられたスプロケット18及
び19に噛合する無端のチェーン20により駆動連結されて
いる。
後輪と前輪との駆動トルク配分比はサンギア13とリン
グギア14との歯数により決まり、これは次式により示さ
れる。
Rr=1/(1+Rg) Rf=Rg/(1+Rg) 但しRr:後輪配分比率 Rf:前輪配分比率 Rg:サンギア歯数/リングギア歯数 リングギア14の歯数はサンギア13の歯数より当然大き
いから、この実施例に於ては後輪の駆動トルク配分量は
前輪の駆動トルク配分量より大きい。
四輪駆動用トランスファ装置3はサンギア13とリングギ
ア14とを選択的にトルク伝達関係に接続する油圧差動式
の差動制御クラッチ21が設けられており、該差動制御ク
ラッチの差動は四輪駆動用トランスファ装置3に設けら
れた油圧制御装置22により行われるようになっている。
後輪駆動軸15には自在継手23によりリアプロペラ軸24
の一端が駆動連結されている。
前輪駆動軸17には自在継手25によりフロントプロペラ
軸26の一端が連結されている。フロントプロペラ軸26
は、車輌用自動変速機2の一側方をその軸線に対し略平
行に延在しており、他端にて自在継手27によりフロント
ディファレンシャル装置30の入力軸であるドライブピニ
オン軸31の一端に連結されている。ドライブピニオン軸
31は内燃機関1のオイルパン29の一体成型されたディフ
ァレンシャルケース32より回転可能に支持されている。
ドライブピニオン軸31の端部には傘歯車よりなるドラ
イブピニオン33が設けられており、該ドライブピニオン
はフロントディファレンシャル装置30のリングギア34と
噛合している。
油圧制御装置9及び22は電気式の制御装置35よりの制
御信号に基いて切換作動して変速装置7の変速段の切換
制御と差動制御クラッチ21の係合−解放制御を行うよう
になっている。制御装置35は、一般的構造のマイクロコ
ンピュータを含み、車速センサ36より車速に関する情報
を、スロットル開度センサ37より内燃機関1のスロット
ル開度に関する情報を、マニュアルシフトポジションセ
ンサ38よりマニュアルシフトレンジに関する情報を、マ
ニュアル切換スイッチ40よりその切換状態、即ちセンタ
ディファレンシャルロックモードであるか否かに関する
情報を各々与えられ、基本的にはマニュアルシフトレン
ジと車速とスロットル開度とに応じて予め定められた変
速パターンに従って変速装置7の変速段の切換制御のた
めの制御信号を油圧制御装置9へ出力し、また第2図に
示されている如きフローチャートに従って差動制御クラ
ッチ21の係合と解放の制御のための制御信号を油圧制御
装置22へ出力するようになっている。
第2図に示されたフローチャートは所定時間毎に繰返
し実行され、ステップ100に於ては、変速装置7がシフ
トダウンを実行中であるか否かの判別が行われる。シフ
トダウン実施中である時にはステップ102へ進み、これ
に対しシフトダウン実施中でない時にはステップ101へ
進む。
ステップ101に於ては、マニュアル切換スイッチ40に
よりセンタディファレンシャルロックモードが設定され
ているか否かの判別が行われる。センタディファレンシ
ャルロックモードにある時にはステップ102へ進み、こ
れに対しセンタディファレンシャルロックモードでない
時にはステップ103へ進む。
ステップ102に於ては、差動制御クラッチ21を係合さ
せることが行われる。これにより差動制御クラッチ21が
係合し、サンギア13とリングギア14とが直結され、前後
輪直結の四輪駆動状態となる。
ステップ103に於ては、差動制御クラッチ21を解放す
ることが行われる。これにより差動制御クラッチ21が解
放され、センタディファレンシャル装置10が差動作用を
自由に行い得る状態になり、また前輪と後輪とに駆動ト
ルクが不均等分配され、後輪に対する駆動トルク分配量
が前輪に比して大きくなる。
上述の如く本発明による四輪駆動装置の制御方法によ
れば、マニュアルル設定されるセンタディファレンシャ
ルロックモード時でない時にもシフトダウン実施中であ
る時には差動制御クラッチ21が係合して前後輪直結の四
輪駆動状態となり、前輪と後輪とに対する駆動分配量が
互いに等しくなり、シフトダウンに伴い内燃機関1の出
力軸トルクが急激に増大しても後輪に対する分配トルク
量が激増することが回避され、後輪が走行路面に対しス
リップすることが回避され、駆動性能及び制動性能が向
上する。また車輌旋回時にオーバステア現象が生じるこ
とが回避される。
シフトダウン時に内燃機関1の出力軸トルクが急激に
増大することによって駆動車輪が走行路面に対しスリッ
プを生じる虞れがあるのは、特定の変速段へのシフトダ
ウン時であって、しかも内燃機関1のスロットル開度が
所定値以上である場合にはこのような特定の条件下にて
のみ前後輪直結の四輪駆動状態が得られるようになって
いてもよく、この場合は第3図に示される如きフローチ
ャートに従って差動制御クラッチ21の制御が行われれば
よい。
また第4図は本発明による制御方法の実施要領の他の
一例を示すフローチャートである。尚、このフローチャ
ートによる制御の実施に際しては操舵角センサ39より車
輌の操舵角に関する情報も用いられる。
第4図に示されたフローチャートは所定時間毎に繰返
し実行され、ステップ300に於ては、車速Vが所定値Vse
t以上であるか否かの判別が行われる。所定値Vsetは、
センタディファレンシャル装置10の作動により旋回時に
操縦安定性に実質的な影響が生じる車速に応じて設定さ
れ、V≧Vsetである時にはステップ301へ進み、V≧Vse
tでない時にはステップ304へ進む。
ステップ301に於ては、操舵角Θが所定値Θset以上で
あるか否かの判別が行われる。所定値Θsetはセンタデ
ィファレンシャル装置10の作動により旋回時に操縦安定
性に実質的な影響が生じる操舵角に応じて設定されてお
り、Θ≧Θsetである時にはステップ302へ進み、これに
対しΘ≧Θsetでない時にはステップ104へ進む。
ステップ302に於ては、変速装置7がシフトダウンを
実施中であるか否かの判別が行われる。シフトダウン実
施中である時にはステップ303へ進み、これに対しシフ
トダウン実施中でない時にはステップ304へ進む。
ステップ303に於ては、差動制御クラッチ21を係合さ
せることが行われる。これにより差動制御クラッチ21が
係合し、サンギア13とリングギア14とが直結され、前後
輪直結の四輪駆動状態となる。
ステップ304に於ては、マニュアル切換スイッチ40に
よりセンタディファレンシャルロックモードが設定され
ているか否かの判別が行われる。センタディファレンシ
ャルロックモードである時にはステップ303へ進み、こ
れに対しセンタディファレンシャルロックモードでない
時にはステップ305へ進む。
ステップ305に於ては、差動制御クラッチ21を解放す
ることが行われる。これにより差動制御クラッチ21が解
放され、センタディファレンシャル装置10が差動作用を
自由に行え得る状態になり、また前輪と後輪とに駆動ト
ルクが不均等分配され、後輪に対する駆動トルク分配量
が前輪に対する駆動トルク分配量より大きくなる。
上述の如き制御方法によれば、マニュアル設定される
センタディファレンシャルロックモード時でない時にも
高速走行下の車輌旋回中に於てシフトダウンが行われた
時には差動制御クラッチ21が直結状態となって前輪と後
輪とに対する駆動トルク分配量が互いに等しくなり、後
輪に対する分配トルク量は急激に増大することが回避さ
れ、後輪が走行路面に対してスリップすること及び車輌
旋回時にオーバステア現象が生じることが未然に回避さ
れる。
第5図は本発明による四輪駆動装置の制御方法の実施
要領のもう一つの一例を示すフローチャートである。
ステップ401に於ては、4→1シフトダウン指令が出
力された否かの判別が行われる。4→1シフトダウン指
令はマニュアルシフトレンジがDレンジよりLレンジに
切換えられたことに基くシフトダウンであり、この時に
はステップ402へ進み、そうでない時にはステップ408へ
進む。
ステップ402に於ては、スロットル開度がアイドル開
度相当の第一の所定値以下であるか否かの判別が行われ
る。スロットル開度が第一の所定値以下である時にはス
テップ405へ進み、これに対しスロットル開度が第一の
所定値以下でない時にはステップ403へ進む。
ステップ403に於ては、スロットル開度が高負荷運転
時に相当する第二の所定値以上であるか否かの判別が行
われる。スロットル開度が第二の所定値以上である時に
はステップ404へ進み、スロットル開度が第二の所定値
以上でない時にはステップ408へ進む。これにより、ス
ロットル開度が中間開度である時には4→1シフトダウ
ンが行われても差動制御クラッチ21の係合は行われな
い。これはスロットル開度が中間開度である時には変速
機の出力軸トルクが急激に大きく増大も減少もせず、差
動制御クラッチ21を係合させる必要がないからである。
ステップ404に於ては、タイマのセット値Tを所定値T
1setに設定することが行われる。またステップ405に於
ては、タイマのセット値Tを所定値T2setに設定するこ
とが行われる。所定値T2setは所定値T1setより大きく、
これは、スロットル開度が第一の所定値以下である時に
はスロットル開度が第二の所定値以上である時に比して
変速に要する時間が長いからである。
ステップ406に於ては、差動制御クラッチ21を係合さ
せることが行われる。これにより差動クラッチ21が係合
し、サンギア13とリングギア14とが直結され、前後輪直
結の四輪駆動状態となる。
次にステップ407に於ては、タイマの差動を開始する
ことが行われる。ステップ407の次はステップ408へ進
む。
ステップ408に於ては、タイマが差動中であるか否か
の判別が行われる。タイマが差動中である時にはステッ
プ409へ進み、これに対しタイマが作動中でない時には
ステップ410へ進む。
ステップ409に於ては、タイマのタイマ値がセット値
Tより大きいか否かの判別が行われる。タイマ値がセッ
ト値Tより大きい時にはステップ410へ進み、これに対
しタイマ値がセット値Tより大きくない時にはステップ
410と411の実行を飛ばすことが行われる。
ステップ410に於ては、差動制御クラッチ21を解放す
ることが行われる。これにより差動制御クラッチ21が解
放され、センタディファレンシャル装置10が差動作用を
自由に行い得る状態になる。
ステップ410の次はステップ411へ進み、ステプ411に
於ては、タイマの作動を停止してこれをリセットすると
が行われる。
上述の如きフローチャートに従って行われる四輪駆動
装置の制御特性は第6図或いは第7図に示されている。
第6図に示されている如く、変速機の軸出力トルクが
シフトダウンに伴って急激に増大する時には差動制御ク
ラッチ21が係合していて前後輪直結の四輪駆動状態とな
り、これにより駆動性能が向上する。これに対し第7図
に示されている如く、変速機の軸出力トルクがシフトダ
ウンに伴って急激に増大する時には、差動制御クラッチ
21の係合により前後輪直結の四輪駆動状態が得られて制
動性能が向上する。
尚、変速時の差動制御クラッチの係合は完全係合でな
くてもよく、或る所定の滑りを許す非完全係合であって
もよい。
上述のタイマのセット値、即ち、変速時に差動制御ク
ラッチ21を係合させる時間は、この制御が各変速段に於
て行われるならば、スロットル開度以外に、変速の種類
とマニュアルシフトレンジとに基いて実際に必要な変速
所要時間に応じて可変設定されれば良い。
以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に
説明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であること
は当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による制御方法の実施に用いられる四輪
駆動装置の一例を示すスケルトン図、第2図乃至第5図
は各々本発明による四輪駆動装置の制御方法の実施要領
を示すフローチャート、第6図及び第7図は変速時の差
動特性を示すグラフである。 1……内燃機関,2……車輌用自動変速機,3……四輪駆動
用トランスファ装置,4……コンバータケース,5……流体
式トルクコンバータ,6……トランスミッションケース,7
……変速装置,8……入力部材,9……油圧制御装置,10…
…センタディファレンシャル装置,11……キャリア,12…
…プラネタリピニオン,13……サンギア,14……リングギ
ア,15……後輪駆動軸,16……前輪駆動用中間軸,17……
前輪駆動軸,18、19……スプロケット,20……無端チェー
ン,21……差動制御クラッチ,22……油圧制御装置,23…
…自在継手,24……リアプロペラ軸,25……自在継手,26
……フロントプロペラ軸,27……自在継手,29……オイル
パン,30……フロントディファレンシャル装置,31……ド
ライブピニオン軸,32……ディファレンシャルケース,33
……ドライブピニオン,34……リングギア,35……制御装
置,36……車速センサ,37……スロットル開度センサ,38
……マニュアルシフトポジションセンサ,39……操舵角
センサ,40……マニュアル切換スイッチ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速装置と、前記変速装置に変速を指令す
    る制御装置と、後輪と前輪との間にて差動作用を行うセ
    ンタディファレンシャル装置と、前記センタディファレ
    ンシャル装置の差動作用を選択的に制限する差動制限装
    置とを有する四輪駆動装置の制御方法に於て、前記制御
    装置の変速指令に基づいて変速装置の変速時に前記差動
    制限装置により前記センタディファレンシャル装置の差
    動作用を制限することを特徴とする四輪駆動装置の制御
    方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の四輪駆動装置
    の制御方法に於て、変速装置の変速時に於ける前記差動
    制限装置による前記センタディファレンシャル装置の差
    動制限は前記変速装置の変速指令信号の出力に同期して
    起動するタイマにより計測される時間により時間制御さ
    れることを特徴とする四輪駆動装置の制御方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項の四輪駆動装置の制
    御方法に於て、前記時間制御は変速と種類とスロットル
    開度とマニュアルシフトレンジとに基いて実際に変速に
    必要な時間に応じて行われることを特徴とする四輪駆動
    装置の制御方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かの四輪駆動装置の制御方法に於て、前記差動制限装置
    により前記センタディファレンシャル装置の差動作用を
    制限する変速装置の変速はシフトダウンの変速であるこ
    とを特徴とする制御方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かの四輪駆動装置の制御方法に於て、前記差動制限装置
    により前記センタディファレンシャル装置の差動作用を
    制限する変速装置の変速は第一速段へのシフトダウンの
    変速であることを特徴とする制御方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれ
    かの四輪駆動装置の制御方法に於て、前記変速装置は自
    動変速装置であり、前記差動制限装置によって前記セン
    タディファレンシャル装置の差動作用を制限する変速装
    置の変速はマニュアルシフトチェンジに伴うシフトダウ
    ンの変速であることを特徴とする制御方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項乃至第6項のいずれ
    かの四輪駆動装置の制御方法に於て、前記センタディフ
    ァレンシャル装置は後輪と前輪とに駆動トルクを不均等
    分配する不均等分配型のセンタディファレンシャル装置
    であることを特徴とする四輪駆動装置の制御方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれ
    かの四輪駆動装置の制御方法に於て、前記差動制限装置
    により前記センタディファレンシャル装置の差動作用を
    制限するのは車速が予め定められた値以上であるときに
    限られることを特徴とする四輪駆動装置の制御方法。
JP61121438A 1986-01-20 1986-05-27 四輪駆動装置の制御方法 Expired - Fee Related JP2517908B2 (ja)

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