JP2516615B2 - 通電感熱転写用記録材料 - Google Patents

通電感熱転写用記録材料

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JP2516615B2
JP2516615B2 JP62039551A JP3955187A JP2516615B2 JP 2516615 B2 JP2516615 B2 JP 2516615B2 JP 62039551 A JP62039551 A JP 62039551A JP 3955187 A JP3955187 A JP 3955187A JP 2516615 B2 JP2516615 B2 JP 2516615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、通電感熱転写用記録材料に関する。
詳しくは、無騒音タイプライター、電子計算機のアウ
トプットあるいは模写電送の記録等の印字記録に有用な
通電感熱転写用記録材料に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、感熱転写記録は、ノンインパクトで無騒音、低
コスト、小型軽量化が可能であることから電子計算機、
ファクシミリ等の分野で注目されており、特に通電ヘッ
ドによる通電感熱転写する方法は、有力なハードコピー
として最も有望視されている方式である。
一般に、通電感熱転写記録方法は、抵抗層、導電層及
びインキ層等からなる通電感熱転写記録材料に通電記録
電極と帰路電極とからなる通電ヘッドを押圧接触させて
通電し、抵抗層を発熱させて昇温加熱する。その熱を導
電層がインク層に伝達してインク層が昇温し、溶融流動
することにより、被記録材料上に転写記録される。
かかる通電感熱転写記録方法では、通電により抵抗層
が発熱するため、抵抗層の抵抗値を適正に設定すること
が重要であり、従来から、導電性カーボンブラックをポ
リカーボネート樹脂に分散させて抵抗層を形成する方法
(特開昭54−87234号公報記録)また、ナイロン−6等
のポリアミド樹脂にカーボンブラックを分散させて抵抗
層を形成する方法(特開昭59−120494号公報記載)等が
知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記した、従来の方法で形成された抵
抗層は、耐熱性が不充分であり、充分なドット濃度を出
す条件(高印加電圧−電流)の時に熱による損傷を受
け、フィルムの穴あき、切断、及びドット品質のむら等
をひき起こす等の問題点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、かかる問題点を解決すべく鋭意
検討した結果、特定の変性ポリカーボネート樹脂にカー
ボンブラックを配合した抵抗層を用いることにより、充
分なドット濃度を出す条件(高印加電圧−電流)の時で
も熱による損傷を受けないことを見い出し本発明に到達
した。
すなわち本発明の要旨は通電により抵抗層を発熱させ
て、インク層を被記録紙に熱転写させることにより記録
を得る通電感熱転写記録法において該抵抗層が、カーボ
ンブラック10〜60重量%と下記一般式(I)又は下記一
般式(I)及び(II)で表わされる繰り返し単位からな
る変性ポリカーボネート樹脂40〜90重量%とからなり、
かつ該樹脂成分全体に占める一般式(I)で表わされる
繰り返し単位の割合が30〜100重量%であることを特徴
とする通電感熱転写用記録材料に存する。
(上記式中でR1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、
炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であり、R1
びR2の少なくとも一方はアリール基である またXは、 −O−、−S−、−SO−又は−SO2−で示される二価の
基を示す(R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、又
は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)) 以下本発明を詳細に説明する。
本発明のカーボンブラックとしては、導電性カーボン
ブラックをはじめとして、通常のカーボンブラックのい
ずれをも単独或は、二種以上を混合して用いることがで
きるが、特に好ましくは、水銀ポロシィメーター法によ
り測定される細孔容積が2.5cc/g以下、また水銀ポロシ
ィメーター法により測定される分布の最大ピーク位置が
200Å以上であって、かつDBP(ジブチルフタレート)吸
収量が20〜250ml/100gのカーボンブラックである。
本発明に使用する変性ポリカーボネート樹脂は、下記
一般式(III)で表わされるビスフェノール化合物とホ
スゲンとを常法に従い反応させることによって得られ
る。
この際下記一般式(IV)から選ばれるビスフェノール
化合物を併用してもよい。
上記一般式(III)で表わされるビスフェノール化合
物及び一般式(IV)で表わされるビスフェノール化合物
の使用量は、夫々30〜100重量部及び70重量部以下の範
囲から選ばれる。
ここで一般式(III)で表わされるビスフェノール化
合物の具体例としてはビス(4−ヒドロキシフェニル)
ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルブタン等が挙げられ
る。
また一般式(IV)で表わされるビスフェノール化合物
の具体例としてはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタンの様なビス(ヒド
ロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙
げられる。
これらの樹脂を本発明において使用する場合、その還
元粘度(ηsp/C)は0.6g/dlの塩化メチレン溶液中20℃
で測定して0.22〜0.70のものが適当である。すなわち該
還元粘度を有する樹脂はガラス転移温度が160〜230℃の
間にあり、優れた耐熱性を有するので好ましい。
上記カーボンブラックと変性ポリカーボネート樹脂の
混合割合は、重量比で10:90〜60:40、更に好ましくは2
0:80〜50:50である。
すなわちカーボンブラックが10重量%以下では、抵抗
層を導電性が小さ過ぎ、また60重量%以上ではフィルム
の強度が不足するため不適である。
また必要に応じて分散剤、油滑剤、柔軟剤等の添加剤
を適量配合してもよい。
本発明の抵抗層は、上記カーボンブラックと変性ポリ
カーボネート樹脂を均一混合した後、溶融押出法や溶液
流延法により、厚さ30μm以下好ましくは、20μm以下
のフィルム状に製膜して得られる。
溶融押出法としては、一般に公知のものであれば特に
限定されるものではなく、具体的にはT型ダイスから押
し出しフラットなフィルムを成型する方法(Tダイ
法)、リング状の円形ダイスから押し出すと同時に圧搾
気体を吹き込みチューブ状のフィルムを成型する方法
(インフレーション法)、あるいはこれらの方法で得ら
れたフィルムに延伸を与える延伸法等が挙げられる。
また、溶液流延法は、樹脂を溶解した有機溶剤系の中
にカーボンブラックを入れ、ボールミル等で十分混合
し、カーボンブラックを分散させた塗料をリバースロー
ルやグラビアロール、ドクターブレード等を用い、ポリ
エステルフィルムやガラス板等の支持体上に塗布し、溶
剤を蒸発乾燥後支持体から剥離し導電性フィルムを得
る。
以上の様にして得られた本発明の導電性フィルムは導
電層及びインク層あるいは導電層、剥離層及びインク層
等を積層形成してなる通電感熱転写用記録材料の抵抗層
として用いられる。
例えば、抵抗層、導電層及びインク層の三層からなる
通電感熱転写用記録材料を作製する場合には、上記の方
法にて得た導電性フィルムからなる抵抗層を形成した
後、導電層としてアルミニウム等の良導電性物質の薄膜
を蒸着法等により抵抗層上に形成する。そしてインク層
はホットメルト法あるいは溶液法により抵抗層とは反対
側の導電層上に塗工する。
該インク層は、公知の感熱転写用記録材料に用いられ
ているものであれば特に限定されるものではなく、その
成分構成は例えばパラフィンワックス、変性ワックス、
カルナバワックス等のワックスを約60重量%、色材顔料
または染料を約20重量%、樹脂を約20重量%とするのが
よい。
以上の様に夫々各層を形成するが、各層の層厚は、イ
ンク層;導電層;抵抗層が1〜10μm;0.01〜0.2μm;30
μm以下好ましくは、2〜5μm;0.05〜0.1μm;20μm
以下とするのがよい。
なお、インク層と導電層との剥離を良好にするため
に、インキ層と導電層との間にポリケトン等の剥離層を
設けてもよい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
表1に本実施例で用いた変性ポリカーボネート樹脂の
原料ビスフェノール化合物を示す。
実施例1 約100μmに粉砕した表1の樹脂No.1の樹脂1.140kgと
下記カーボンブラック“#10B"(三菱化成株式会社製)
*10.860kgとを内容積約9のヘンシェルミキサーに
装入し、室温下2,500rpmで1分間混合した。
*1細孔容積:0.75cc/g 細孔分布の最大ピーク位置:600Å DBP吸収量:86ml/100g 得られた混合物を140℃に昇温した真空乾燥器内に静
置し、12時間乾燥後、2軸混練機(30φ、L/D=25)に
て混練してチップ状のコンパウンドを得た。
このコンパウンドを真空乾燥器内で140℃で24時間乾
燥し、次いでTダイ付単軸押出機(D=30φ、L/D=2
2)を用い、ダイス温度290℃、リップのクリアランス0.
45mm、押出量2kg/H、引取り速度12m/minで15μmのフィ
ルムを得た。
比較例1 実施例1の樹脂をナイロン−6(三菱化成工業株式会
社製“ノバミッド1030CA"、ガラス転移温度70℃)に変
える以外は全て実施例1と同じ方法で導電性フィルムを
製造した。
比較例2 実施例1の樹脂をビスフェノールAを原料とするポリ
カーボネート樹脂(三菱化成工業株式会社製“ノバレッ
クス7030A"、ガラス転移温度150℃)に変える以外は全
て実施例1と同じ方法で導電性フィルムを製造した。
実施例2 実施例1の樹脂を表1の樹脂No.2の樹脂に変える以外
は全て実施例1と同じ方法で導電性フィルムを製造し
た。
応用例 実施例1で得たフィルム上に市販の真空蒸着装置を用
い0.08μmの厚みにアルミニウムを蒸着した。
その後、蒸着面上に下記組成のインキを4μmの厚み
で塗布した。
(インキの組成と作成方法) カーボンブラック(三菱化成社製“MA−8") ……15部 パラフィンワックス ……25部 酸化ワックス ……40部 エチレン・酢酸ビニル共重合体(ヘキスト社製TM−PEV
−720) ……20部 以上の混合物をミキサーで予備混合後6インチ3本ロ
ールミルで5回混練した。このインキの内には3μm以
上のカーボンブラック凝集塊は皆無であった。
出来上ったリボンを印加電圧12V、パルス周波数100H
z、パルス幅2ms、紙送り速度16mm/Sの条件で普通紙上に
印字した結果、鮮明でかつツブレの無い文字が記録され
た。
同様の処方で実施例2及び比較例1、2で得たフィル
ムを使い印字テストを行なったところ、実施例2の場合
実施例1と同様鮮明でかつツブレの無い文字が記録され
た。一方、比較例1、2で得たフィルムの場合はフィル
ムに穴があき、またヘッドも汚れ、得られる文字は次第
に薄くなり、最終的には、文字が転写されなくなってし
まった。
〔発明の効果〕
以上説明した様に本発明により得られる通電感熱転写
用記録材料は耐熱性に優れており、充分なドット濃度を
出す条件で使用することができ、その商業的価値は高
い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通電により抵抗層を発熱させて、インク層
    を被記録紙に熱転写させることにより記録を得る通電感
    熱転写記録法において該抵抗層が、カーボンブラック10
    〜60重量%と下記一般式(I)又は下記一般式(I)及
    び(II)で表わされる繰り返し単位からなる変性ポリカ
    ーボネート樹脂40〜90重量%とからなり、かつ該樹脂成
    分全体に占める一般式(I)で表わされる繰り返し単位
    の割合が30〜100重量%であることを特徴とする通電感
    熱転写用記録材料。 (上記式中で、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、
    炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であり、R1
    びR2の少なくとも一方はアリール基である。 またXは −O−、−S−、−SO−又は−SO2−で示される二価の
    基を示す(R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又は
    炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)。)
  2. 【請求項2】該カーボンブラックの水銀ポロシィメータ
    ー法により測定される細孔容積及び細孔分布の最大ピー
    ク位置がそれぞれ2.5cc/g以下及び200Å以上であつて、
    かつDBP(ジブチルフタレート)吸収量が20〜250ml/100
    gであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    通電感熱転写用記録材料。
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