JP2516079Y2 - エンジンの冷却システム - Google Patents

エンジンの冷却システム

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JP2516079Y2
JP2516079Y2 JP1989061591U JP6159189U JP2516079Y2 JP 2516079 Y2 JP2516079 Y2 JP 2516079Y2 JP 1989061591 U JP1989061591 U JP 1989061591U JP 6159189 U JP6159189 U JP 6159189U JP 2516079 Y2 JP2516079 Y2 JP 2516079Y2
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cooling water
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和寿 時松
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、エンジンの冷却システムに関する。
(従来の技術) 従来、自動車用エンジンの水冷式冷却装置は、ラジエ
ータ,ウォータポンプ,サーモスタット,シリンダブロ
ックとシリンダヘッドにそれぞれ設けられたウォータジ
ャケット及びラジエータとウォータジャケットを連通す
る通路(ホース)等により構成されており、ウォータポ
ンプによって冷却水をシリンダブロック,シリンダヘッ
ド及びサーモスタットの順に循環させる。そして、冷却
水が所定温度を超えると、サーモスタットを開弁して冷
却水をラジエータに導き、当該ラジエータで冷却した冷
却水をシリンダブロック,シリンダヘッド,サーモスタ
ット及びラジエータの順で循環させるようになってい
る。
(考案が解決しようとする課題) ところで、冷却装置は、本来シリンダブロックを適温
に維持すると共に、シリンダヘッドを十分に冷却すべき
ものである。すなわち、シリンダブロックの温度が高過
ぎると焼付が生じ、低過ぎるとシリンダの潤滑油のフリ
クション等の増加により燃費が悪化する。
また、シリンダヘッドは冷やす程よく、十分に冷却さ
れると吸気体積効率が増大して燃費が向上し、またシリ
ンダヘッドに配置された吸排気弁等の各部の熱疲労が軽
減されて耐久性が向上する。
しかるに、従来の冷却装置は、上述のようにラジエー
タで冷却された冷却水を先にシリンダブロックに送り、
該シリンダブロックを冷却した後シリンダヘッドに送る
ようになっている。このため、冷却水はシリンダブロッ
クに適した高い温度に調整されており、シリンダヘッド
を十分に冷却することができないという問題がある。
本考案は、上述事情に鑑みてなされたもので、シリン
ダブロックを適温に維持すると共に、シリンダヘッドを
十分に冷却し得るエンジンの冷却システムを提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本考案によれば、ラジエータ
で冷却され、ウォータポンプで加圧された冷却水をエン
ジンのシリンダヘッドの一端に導いて該シリンダヘッド
を冷却させた後に前記シリンダヘッドの他端から前記ラ
ジエータに還流させる第1の冷却水通路と、前記シリン
ダヘッドから冷却水をシリンダブロックへ分流させて該
シリンダブロックを冷却させた後に前記ラジエータに還
流させる第2の冷却水通路と、前記第1、第2の冷却水
通路の前記エンジンよりも下流側部分を接続する接続部
と、前記接続部に介装され、前記第2の冷却水通路内の
冷却水温度が所定温度以下の時には前記第2の冷却水通
路の下流側部分を閉じる一方、前記第1の冷却水通路の
下流側部分を全開状態とし、前記第2の冷却水通路内の
冷却水温度が前記所定温度を越えて上昇した時にはその
冷却水温度に応じて前記第2の冷却水通路の下流側部分
を徐々に開く一方、前記第1の冷却水通路の下流側部分
の開度を制限するサーモスタットとを備える構成とした
ものである。
(作用) ラジエータで冷却された冷却水は、ウォータポンプに
よって加圧され、シリンダヘッドを通ってラジエータに
還流する第1の冷却水通路を循環して、シリンダヘッド
をラジエータの能力を一杯に使って冷却する。
また、シリンダヘッドからシリンダブロックに分流す
る冷却水は、所定温度を超えると、第1の冷却水通路の
開度を制限しながらサーモスタットが開弁することで第
1の冷却水通路のみならず良好に第2の冷却水通路を介
してもラジエータに循環する。
これにより、シリンダヘッドが常に良好に冷却される
とともにシリンダブロックが適温に維持される。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づき説明す
る。
第1図は、エンジンの冷却システムの概略構成を示
し、この冷却システムは、冷却水を冷却するラジエータ
1と、冷却水を圧送するウォータポンプ2とを備え、エ
ンジン本体3のシリンダブロック4とシリンダヘッド5
にはそれぞれ冷却水を通すウォータジャケット(図示せ
ず)が設けられている。
そして、ラジエータ1の出口とウォータポンプ2の入
口との間及びウォータポンプ2の出口とシリンダヘッド
5の一端のウォータジャケットの入口との間には、それ
ぞれ冷却水通路6,7が設けられ、またシリンダヘッド5
の他端のウォータジャケットの出口とラジエータ1の入
口との間の冷却水通路9には、サーモスタット8が接続
されている。
また、シリンダブロック4とシリンダヘッド5との間
には、シリンダブロック4のウォータジャケットとシリ
ンダヘッド5のウォータジャケットとを連通する複数の
小径の通路10が設けられており、シリンダヘッド5のウ
ォータジャケット内の冷却水がこれら通路10を通ってシ
リンダブロック4のウォータジャケットに分流するよう
になっている。なお、これら通路10は、シリンダブロッ
ク4の複数のシリンダが平均して冷却されるように調整
されている。
また、上記シリンダブロック4のウォータジャケット
の出口とサーモスタット8とは冷却水通路11により連通
されている。シリンダヘッド5のウォータジャケットに
送り込まれた冷却水は、各通路10を介してシリンダブロ
ック4のウォータジャケットに分流され、当該ウォータ
ジャケットを通って、シリンダブロック4を冷却した後
サーモスタット8を介してラジエータ1に還流可能とさ
れている。
サーモスタット8は、通常冷却水通路9を連通し、冷
却水通路11を閉塞しており、冷却水通路11内の冷却水の
温度が所定の温度、例えば略80℃を超えると当該温度に
応じて開弁してシリンダブロック4のウォータジャケッ
ト内の冷却水を冷却水通路11を通してラジエータ1に流
す。尚、サーモスタット8の開弁の程度に応じて冷却水
通路9の上流側の通路9aから下流側の通路9bへ流れる冷
却水の流れが制限される。更に、上記冷却水通路6から
冷却水通路11のサーモスタット8の感温部8a近傍にかけ
て、これら通路6,11を連通する小径のリーク通路12が設
けられており、このリーク通路12は冷却水通路11内の冷
却水を僅かに流してサーモスタット8の冷却水通路11内
の冷却水の感温を容易にしている。
また、ウォータポンプ2の上方にはサージタンク13が
配置されており、このサージタンク13とウォータポンプ
2の入口とを連通する給水パイプ(メイクアップライ
ン)14が設けられている。この給水パイプ14は、ウォー
タポンプ2の入口側を加圧して、ウォータポンプ2の入
口負圧の増大によるキャビテーションを防止し、高水温
時におけるウォータポンプ2の能力低下を防止する。な
お、サージタンク13とラジエータ1との間及びサージタ
ンク13とシリンダヘッド5のウォータジャケットの間に
は、夫々エア抜パイプ15,16が設けられており、これら
エア抜きパイプ15,16は給水パイプ14よりも小径とさ
れ、当該給水パイプ14の圧力を大気圧以上に保持するよ
うになっている。
以下に作用について説明する。
ラジエータ1で冷却された冷却水は、冷却水通路6か
らウォータポンプ2に至り、当該ウォータポンプ2によ
って圧送されて、冷却水通路7からシリンダヘッド5の
ウォータジャケットに押し込まれ、吸気孔、吸排気バル
ブ等のシリンダヘッド5の各部を冷却した後、冷却水通
路9の上流側の通路9a,サーモスタット8及び冷却水通
路9の下流側の通路9bを通ってラジエータ1に還流し、
ラジエータ1とシリンダヘッド5のウォータジャケット
の間を循環する。
また、シリンダヘッド5のウォータジャケットに圧送
された冷却水は、各通路10からシリンダブロック4のウ
ォータジャケットへ分流し、シリンダブロック4のシリ
ンダ廻を冷却する。
このシリンダブロック4のウォータジャケット内の冷
却水は、その一部がリーク通路12を僅かに流れてサーモ
スタット8の感温部8aに接触する。
そして、シリンダブロック4のウォータジャケット内
の冷却水の温度が所定の温度、例えば略80℃を超える
と、サーモスタット8が徐々に開弁して冷却水通路11を
冷却水通路9の下流側の通路9bに連通させる。
これに伴ないシリンダブロック4のウォータジャケッ
ト内の冷却水がサーモスタット8,通路9bを通って、ラジ
エータ1に還流する。即ち、シリンダヘッド5のウォー
タジャケットから分流してシリンダブロック4のウォー
タジャケットに流入した冷却水は、通路11,9bの経路で
循環する。
なお、サーモスタット8が開弁された際には、シリン
ダヘッド5のウォータジャケットから通路9aに流れる冷
却水が上述のようにサーモスタット8の開弁の程度に応
じて制限され、シリンダブロック4のウォータジャケッ
ト内の冷却水は通路10において抵抗があっても、シリン
ダヘッド5のウォータジャケットから分流し、サーモス
タット8の開弁の程度に応じて循環する。
従って、シリンダヘッド5のウォータジャケットに
は、サーモスタット8の開閉に拘わらず、常にラジエー
タ1で冷却された冷却水が通過し、当該シリンダヘッド
5は、ラジエータ1の能力一杯に冷却され、吸気体積効
率が増大して燃費が向上すると共に、各部の熱疲労が減
少してエンジンの耐久性が向上する。
また、シリンダブロック4のウォータジャケットにつ
いては、シリンダブロック4が適温になるまで冷却水の
循環が抑制され、シリンダブロック4が昇温した後は冷
却水の通過量が必要に応じて増減される。このため、シ
リンダブロック4のライナ廻が適温に維持される。
(考案の効果) 以上説明したように本考案によれば、ラジエータで冷
却され、ウォータポンプで加圧された冷却水をエンジン
のシリンダヘッドの一端に導いて該シリンダヘッドを冷
却させた後にシリンダヘッドの他端からラジエータに還
流させる第1の冷却水通路と、シリンダヘッドから冷却
水をシリンダブロックへ分流させて該シリンダブロック
を冷却させた後にラジエータに還流させる第2の冷却水
通路と、第1、第2の冷却水通路のエンジンよりも下流
側部分を接続する接続部と、接続部に介装され、第2の
冷却水通路内の冷却水温度が所定温度以下の時には第2
の冷却水通路の下流側部分を閉じる一方、第1の冷却水
通路の下流側部分を全開状態とし、第2の冷却水通路内
の冷却水温度が所定温度を越えて上昇した時にはその冷
却水温度に応じて第2の冷却水通路の下流側部分を徐々
に開く一方、第1の冷却水通路の下流側部分の開度を制
限するサーモスタットとを備える構成としたので、シリ
ンダブロックを適温に維持しながらシリンダヘッドを十
分に冷却することができ、この結果、吸気体積効率を増
大するとこができ、エンジンの性能を向上させることが
可能となる。また、シリンダヘッドを十分に冷却するこ
とができるために、シリンダヘッドの耐久性を向上させ
ることができ、また、シリンダブロックの冷却水温を高
めにすることにより燃費の改善を図ることが可能となる
等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のエンジンの冷却システムの一実施例を
示す概略構成図である。 1……ラジエータ、2……ウォータポンプ、3……エン
ジン、4……シリンダブロック、5……シリンダヘッ
ド、8……サーモスタット。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジエータで冷却され、ウォータポンプで
    加圧された冷却水をエンジンのシリンダヘッドの一端に
    導いて該シリンダヘッドを冷却させた後に前記シリンダ
    ヘッドの他端から前記ラジエータに還流させる第1の冷
    却水通路と、 前記シリンダヘッドから冷却水をシリンダブロックへ分
    流させて該シリンダブロックを冷却させた後に前記ラジ
    エータに還流させる第2の冷却水通路と、 前記第1、第2の冷却水通路の前記エンジンよりも下流
    側部分を接続する接続部と、 前記接続部に介装され、前記第2の冷却水通路内の冷却
    水温度が所定温度以下の時には前記第2の冷却水通路の
    下流側部分を閉じる一方、前記第1の冷却水通路の下流
    側部分を全開状態とし、前記第2の冷却水通路内の冷却
    水温度が前記所定温度を越えて上昇した時にはその冷却
    水温度に応じて前記第2の冷却水通路の下流側部分を徐
    々に開く一方、前記第1の冷却水通路の下流側部分の開
    度を制限するサーモスタットと、を備えたことを特徴と
    するエンジンの冷却システム。
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