JP2515299B2 - ヒ−トシヨツクたんぱく質遺伝子hsp83を含む発現ベクタ−及びこれを用いる誘導的発現 - Google Patents

ヒ−トシヨツクたんぱく質遺伝子hsp83を含む発現ベクタ−及びこれを用いる誘導的発現

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野及び関連技術の説明 この発明はドロソフィラ・メラノガスター(Drosophi
la melanogaster)由来のヒートショックたんぱく質遺
伝子(hsp83)を用いて生理活性物質を生産する技術に
係る。
本発明の関連する技術としては、ドロソフィラ・メラ
ノガスター由来のヒートショックたんぱく質遺伝子であ
って分子量が約70キロダルトンのヒートショックたんぱ
く質遺伝子(hsp70)ヒートショック発現制御DNA塩基配
列を使用して動物細胞で異種遺伝子の制御的発現があ
る。
発明の目的及び概要 本発明の目的は、外来の生理活性物質構造遺伝子を真
核生物細胞、特に動物細胞で誘導的に発現させ、目的と
する生理活性物質を生産させるについて、従来の技術に
比較して強い発現量で確実に反復実施できる技術を提供
することにある。
本発明は前記の目的を達成するための手段として、発
現制御DNA塩基配列としてドロソフィラ・メラノガスタ
ーのヒートショックたんぱく質遺伝子hsp83ヒートショ
ック発現制御DNA塩基配列又はその誘導配列を用いるこ
とに特徴があり、この配列により転写制御を受けるよう
に外来の構造遺伝子を結合し、転写に必要な他の因子も
有効に結合してベクターなどを構築し、真核生物細胞で
得た形質転換細胞で望みの時にヒートショック処理して
遺伝子の機能を誘導的に発現させて目的を達することが
出来る。
発明の態様の更に詳細な説明 本発明の方法によれば外来の生理活性物質構造遺伝子
を真核生物細胞、特に動物細胞で誘導的に、望みの時に
強い発現量で確実に発現させ、その生理活性物質を得る
ことができる。
本発明の方法によれば外来の生理活性物質の遺伝子発
現を通常は停止させておき、必要な時にそれを進行させ
ることできるので産業上の有用性が極めて大きい。
また、本発明によると宿主として用いる動物細胞の生
長に有害な生理活性物質あるいは有害な量の生理活性物
質を産生する能力を有する形質転換細胞を得ることもで
きるので自然には行われていない生理活性物質の生産を
行うことも出来る。
本発明の云う「ドロソフィラ・メラノガスターの約83
キロダルトンのヒートショックたんぱく質(hsp83)遺
伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列」とは次の
こと意味する。
ドロソフィラ・メラノガスターの約83キロダルトンの
ヒートショックたんぱく質(hsp83)・遺伝子のヒート
ショック発現制御DNA塩基配列とはhsp83遺伝子中のヒー
トショックによる発現を可能とするのに必要なDNA塩基
配列のことであり、ホルムグレン等により示されたTATA
ボックス配列及びその上流の制御要素を含み、あるいは
その他の未知の制御配列を含むものである。
約83キロダルトンのドロソフィラ・メラノガスターの
ヒートショックたんぱく質については以前hsp80,81,82
あるいば83と報告されてきたが、全DAN塩基配列の決定
することにより正確な分子量が算定され、以前のhsp83
は最近はhsp82であったとされている場合があるが、本
発明に言うhsp83はそのhsp82と同一のものである。
本発明に言う誘導配列とは、元の配列に対し、本発明
において目的としてヒートショック発現制御の能力を損
なうことなく、あるいは能力の向上を伴って塩基置換、
削除、挿入、転位されたDNA塩基配列のことを云う。
ヒートショックたんぱく質(以下hspと略記すること
がある)は真核生物の進化において高度に保存的(cons
ervative)であったことが知られており、ドロソフィラ
hsp83が分類される、分子量80キロダルトンから90キロ
ダルトルの「第一のクラス」のhspはマウク細胞、ヒト
細胞等いくつかの真核生物で見つかっている。
従ってドロソフィラ以外の真核生物のドロソフィラhs
p83遺伝子に相当する「第1のクラス」のhsp遺伝子には
ドロソフィラhsp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA
塩基配列と同一か極めて類似の配列で本発明に利用でき
るものが当然に存在していると考えられるがこれも誘導
配列に含める。
ヒートショック発現制御DNA塩基配列を使用して外来
遺伝子を誘導的に発現させることは、すでにドロソフィ
ラhsp70遺伝子で試みられていたことではある。
然し、知られているそれらの発現実験の結果は発現量
が低いものでしかないし、我々の追試によっても例えば
hsp70遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列を使
用し、ヒト正常細胞由来組織プラスミノーゲン活性化因
子(t−PA)の発現を試みたが発現は甚だ微弱であり、
活性で測定した場合産生されたt−PAの検出はほとんど
不可能であった。
またドロソフィラhsp70のヒートショック発現制御DNA
塩基配列を用いてインフルエンザウィルスヘマグルチニ
ンたんぱく質遺伝子の発現実験(特開昭59−192091)も
行われているがその場合にはヒートショックで誘導しな
くても目的のたんぱく質の産生がみられておりヒートシ
ョックによる誘導の発現制御の効果か否かが明確ではな
い。
このようなヒートショックによる発現制御DNA塩基配
列を利用する固有の効果が明瞭でない従来技術に就い
て、我々は前記の目的を実現する為に研究を重ねた結
果、特許請求の範囲に特定した構成によってはじめて、
明確に誘導を実現し得たものである。
即ち本発明ではドロソフィラhsp70遺伝子とは異なるh
sp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列を用
い、形質転換された動物細胞で外来遺伝子の制御のきい
た発現と十分な発現量を得ているのである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
「ドロソフィラ・メラノガスターのhsp83遺伝子のヒ
ートショック発現制御DNA塩基配列」を得るにはクロー
ン化されたhsp83遺伝子より酵素を用いる方法で、また
は他の物理的方法等でヒートショック発現制御DNA塩基
配列を含むDNA断片として取り出す方法あるいはDNA合成
法も用いることができる。
本発明者等は簡便な方法としてクローン化されたhsp8
3遺伝子より制限酵素で切断する方法を用い、目的のDNA
塩基配列を含む約190塩基対DNA断片を取り出した。
「ドロソフィラ・メラノガスターのhsp83遺伝子のヒ
ートショック発現制御DNA塩基配列の誘導配列」を得る
為には既知のヒートショック発現制御DNA塩基配列に対
して塩基置換、削除、挿入、転位等を行うことになる
が、その為には合成DNAを用いる方法が適当であると考
えられる。
またドロソフィラhsp83遺伝子に相当する真核生物の
「第1のタイプ」のhsp遺伝子から酵素法あるいは物理
的方法で「誘導配列」を取り出しても良い。
本発明で云う「発現ベクター」とは、ある遺伝子を発
現するべく構築されたベクターであり、その本体は、DN
Aである。一般にこの種のDNAは環状二重鎖の形態すなわ
ちプラスミドと普通言われているものである。
目的の外来遺伝子のDNA塩基配列に対しいくつかのDNA
塩基配列を連結することによりその遺伝子を有効に発現
させる工夫は既に幾つもなされている。本発明ではドロ
ソフィラhsp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基
配列あるいはその誘導配列を用いて誘導的発現を可能に
する工夫がなされている。
すなわち、本発明では「発現ベクター」を構築する
際、ヒートショック発現制御DNA塩基配列を含むDNA断片
を少なくとも1つを、目的の生理活性物質の構造遺伝子
がそのヒートショック発現制御DNA塩基配列の発現制御
下となる様に結合する。
そして外来の生理活性物質の構造遺伝子の下流にはそ
の構造遺伝子自体のものでも良いが、少なくとも1つの
任意の他の適当な転写終了及びポリA付加の指令を内在
するDNA塩基配列が存在する様にし、1つの転写可能な
ユニットをなすようにする。 この転写可能なユニット
を作成するにあたって目的の構造遺伝子のコード領域 他に5′及び3′フランキング領域のある部分を含んで
いてもかまわないし、あるいは構造遺伝子がイントロン
を含んでいてもかわまないし、またヒートショック発現
制御DNA塩基配列のあるいは転写終了及びポリA付加の
指令を内在するDNA塩基配列の前後に転写の邪魔になら
ない長さのDNAあるいは邪魔にならない性質のDNA塩基配
列をリンカーDNA含めて挿入してもかまわない。
「発現ベクター」は宿主細胞中でエピゾームとして、
又は染色体DNAに組み込まれた部分として複製可能でな
ければならない。エピゾームとして複製可能にする為に
は、宿主細胞中で有効に働く複製起点を「発現ベクタ
ー」中に含ませる。
真核生物細胞を宿主細胞として用いる場合、その真核
生物細胞内で働く染色体外複製起点を「発現ベクター」
中に含ませることによりその「発現ベクター」をエピゾ
ームとして核外で増殖させることが可能となり高いコピ
ー数が実現できる。
ここに用いられる染色体外複数起点には、例えばSimi
an Virus 40(SV40)やウシ乳頭腫ウィルスの複製起点
等がある。
一方染色体内に組み込む方法は、形質転換細胞当たり
の導入された遺伝子のコピー数は、通常高くはないが、
宿主の染色体複数に従って組み込まれた遺伝子複製され
るので安定で、細胞の増殖につれ細胞当たりの導入され
た遺伝子の変動が起こる可能性はエピゾームのような染
色体外複製系に比べて低い。
以下「宿主細胞」の説明のところでも述べる様に「発
現ベクター」に遺伝子選択マーカーを挿入することが
「発現ベクター」を導入して得られる形質転換体を選択
する目的でしばしばなされる。
真核生物細胞を宿主として用いる場合でも、「発現ベ
クター」に原核生物で有効な複製起点、遺伝子選択マー
カーを含ませて原核生物細胞中でプラスミドDNAの形態
で増殖させる工夫がしばしばなされる。
例えば大腸菌プラスミドpBR322由来の複製起点または
アンピシリン耐性遺伝子を発現ベクターに含ませること
により、そのベクターを大腸菌に導入して増殖させ、プ
ラスミドDNAとして大量に回収することができる。
「宿主動物細胞」とは、上記の発現ベクターをその細
胞に導入して形質転換細胞を得る目的で用いる細胞であ
る。宿主動物細胞は発現ベクターに合わせて有効に機能
する様に選ばれる。すなわち宿主に用いる細胞には発現
ベクターに含まれる目的の遺伝子の転写ユニットが働き
目的の物質の遺伝子が転写され、続いてその物質の生産
がなされる性質が要求される。
発現ベクターであるプラスイミドDNAをその宿主動物
細胞である原核生物細胞に導入する方法には例えばカル
シウム処理法が、またセキツイ動物細胞に導入する方法
としては、例えばリン酸カルシウム法等がありこれらの
いずれも本発明に用いられる。
また宿主細胞が哺乳動物細胞である場合には、選択マ
ーカー遺伝子として例えばネオマイシン耐性(NeoR)遺
伝子、細菌キサンチン・グアニン・ホスホリボシル・ト
ランスフェラーゼ(XGPRT)遺伝子を「発現ベクター」
に導入して用いると野生型の細胞を使用しても形質転換
体の選択が可能である。
また例えば選択マーカー遺伝子としてチミジンキナー
ゼ(TK)遺伝子あるいはジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)
遺伝子を使用する場合には、それぞれの遺伝子を含む発
現ベクターが導入されて得られた形質転換体の選択の為
に、それぞれの遺伝子が欠損している哺乳動物細胞の変
異株を宿主細胞として用いる必要がある。
DHFR阻害剤であるメトトレキセート(MTX)を含む培
地で哺乳動物細胞を培養すると、DHFR遺伝子は染色体内
で増殖する性質があり、そのDHFR遺伝子と大腸菌XGPRT
遺伝子の両方を含む発現ベクターで形質転換したチャイ
ニーズ・ハムスター卵巣細胞で有効濃度のMTX存在下で
は両方の遺伝子が連動して増幅する。
染色体内で目的の遺伝子のコピー数を増大させる方法
としては、DHFR遺伝子を用いる方法は確実かつ有用であ
る。
本発明に云う「生理活性物質」には例えば酵素、ホル
モン、リンフォカイン類、ウィルス抗原または免疫原並
びに他の種々なポリペプチドあるいはいくつかのポリペ
プチド集合体がある。
このような物質のうちある種のポリペプチド、特に真
核生物由来のある種のポリペプチドは、細胞内の諸酵素
により切断、プロセシング、糖鎖の付加やその他の修飾
により変形を受け、あるいはS−S結合等により複雑な
高次構造が形成されるが、この様な変形は原核生物細胞
中で起こりにくいと考えられる。
例えばその生理活性物質がヒト組織プラシミノーゲン
活性下因子(t−PA)である場合、それはフィブリン溶
解の活性を有する生理活性物質であるが、その遺伝子が
転写され翻訳された後、得られるポリペプチドはそのN
端のリーダー配列が切断され、糖鎖の修飾を受け、S−
S結合により高次構造が形成され、そして細胞外に分泌
される。
ヒトt−PAは上述のように単純なポリペプチドでな
く、また細胞外に分泌される性質があるので生産された
t−PAの検出が容易であること等の特徴がある為、本発
明のヒートショック発現制御DNA塩基配列を用いた誘導
的発現の実験に使用した。
しかし本発明はもちろんこれに制限されるわけではな
い。
ヒトt−PA遺伝子は、実際的にはヒト染色体DNAより
クローン化されたゲノムDNAクローンあるいはメラノー
ム培養細胞mRNAよりクローン化されたcDNAであり、また
ヒト正常細胞(例えばMTC017株)よりクローン化された
cDNAクローンあるいはゲノムDNAクローンであり、プラ
スミド中にクローン化された形態であって、いずれも本
発明に用いうる。
ここでは、外来の生理活性構造遺伝子の例としてヒト
正常細胞由来t−PA遺伝子選んで発明の効果を示す。
ドロソフィラhsp83遺伝子のヒートショック発現制御D
NA塩基配列を含むDNA断片はhsp83遺伝子のクローンより
分離した。
そのDNA断片を、外来遺伝子の例として用いるヒト正
常細胞由来t−PA構造遺伝子が組み込まれているプラス
ミドDNA中の正しい位置に正しい方向で挿入した。
この連結にはヒートショック発現制御DNA塩基配列と
t−PA構造遺伝子が前者が後者を制御するのに不都合が
ないように注意を払った。
このプラスミドには、大腸菌で増殖するのに必要な複
製開始部位、大腸菌で働く選択マーカー及びt−PA構造
遺伝子を有効に働かせる為に必要な他のDNA断片を導入
した。
宿主として用いる細胞には、この分野の実験によく使
用されている哺乳動物培養細胞を使用した。
発現ベクターには例えばtk遺伝子の様な選択マーカー
遺伝子を導入し、形質転換された細胞の選択を容易にし
た。
得られた形質転換細胞については、ヒートショック有
り、無しの両方の条件下についてt−PA生産を調べた。
この点は培養液中に蓄積されたt−PAの活性を調べるこ
とにより目的の達成を確かめることができる。
またドロソフィラhsp70遺伝子のヒートショック発現
制御DNA塩基配列を含むDNA断片を、hsp70遺伝子のクロ
ーン(サブクローンB8)より制限酵素を用いて分離し、
上述のhsp83遺伝子を用いる場合と同一な方法と手順で
t−PA産生能をその活性で調べた。
その結果ヒートショックによる誘導がない場合は、hs
p70遺伝子もhsp83遺伝子もそのヒートショック発現制御
DNA塩基配列を用いたt−PA発現は見られなかった。
しかし、ヒートショックによる誘導を行った場合、hs
p70遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列を用い
た場合ほんのわずか(trace)の活性が認められただけ
であったが、hsp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA
塩基配列を用いた場合、十分の発現量すなわちSV40初期
プロモーターを用いた通常の発現と同程度の発現量を得
た。
次に実施例を示して本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明のほんの一例示にすぎないものであ
る。
実施例 1.ドロソフィラhsp83遺伝子のヒートショック発現制御D
NA塩基配列を含むDNA断片の単離とその塩基配列の制御
下にあるヒト正常細胞由来t−PA遺伝子を含むプラスミ
ドの構築。
1−A)両端がHin d III粘着末端であるドロソフィラh
sp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列を含
む200bpDNA断片。
ドロソフィラ・メラノガスターhsp83遺伝子の5′−
フランク領域を含むBamHI−Sal IサブクローンaDM4.46
を制限酵素(EcoRl(Bethesda Reseach Laboratories I
NC,以下BRLと略す)及びXhoI(BRL)消化し、アガロー
ス電気泳動で分画し電気溶出で760塩基対(bp)EcoRI−
Xho I断片を得た。
DNA断片の長さは塩基対(bp)の数で示すが、この明
細書で示す値は全てこの技術分野の常識に従っておよそ
の値であるとして読まれるべきものである。
得られた断片の3′−粘着末端をDNAポリメラーゼI
クレノフ断片(BRL)で常法に従ってうめて平滑末端と
した。
両端が平滑末端となつた760bp DNA断片を制限酵素Rsa
I(New England Biolabs,以下NEBと略す)で消化し、
アガロースゲル電気泳動で分画して190bp EcoRI/Fill−
Rsa I断片を電気溶出で得た。
次に市販のHin d IIIリンカーDNA(d5′−GCAAGCTTGC
−3′,BRL)の5′端のリン酸化をT4ポリヌクレオチド
キナーゼ(BRL)を用い常法に従って行った。
このリンカーDNAの塩基配列は対称であるので適当な
条件下で、例えば下記のリガーゼ反応の条件下で、アニ
ールすると2本鎖DNAになる。
5′端がリン酸化されたHin d IIIリンカー0.45μg
と190bp EcoRI/Fill−Rsa I断片0.63μgを供給者が示
す反応緩衝液37μに溶解し、T4 DNAリガーゼ(BRL)
6ユニットを加え12℃で5時間インキュベートした。
反応生成物を制限酵素Hin d III(BRL)で消化しアガ
ロース電気泳動で分画し両端がHin d IIIの粘着端であ
る200bp DNA断片を電気溶出で得た(図1)。その200bp
Hin d III断片にはヒートショック発現制御DNA塩基配
列が含まれている。
1−B)ヒト正常細胞由来t−PA遺伝子及び同遺伝子の
転写開始、転写終了の情報を与えるS40由来のDNA塩基配
列、SV40由来のエンハンサー及び複製開始起点、tk遺伝
子、アンピシリン耐性遺伝子、原核生物で働く複製開始
点を含むプラスミドpSVtPA。
プラスミドpSVM−dhfr(Lee,F.et al.,1981,Natuer 2
94:228に従って得られたもの)を制限酵素 Bgl II(BR
L)で消化し直鎖状とした。
その直鎖状プラスミドDNAの粘着末端をDNAポリメラー
ゼIクレノフ断片を用いてうめて平滑末端とした。
そのDNA断片を Hin d IIIで消化し、細菌アルカリ性
ホスファターゼ(BAP;BRL)を用いて5′−端のリン酸
を常法に従って除き、アガロースゲルで分画し長さが約
4.4キロ塩基対(kbp)であるDNA断片を電気溶出により
得た。
そのDNA断片には、SV40初期プロモーター、原核生物
で働く複製開始点、アピシリン耐性(AmpR)遺伝子また
はSV40初期トランスクリプト読取終止及びボリAシグナ
ル、SV40由来のエンハンサー及び複製開始起点が含まれ
ていた(図2−a)。
いくつかのヒト正常細胞(染色体2n=46)のうちt−
PA生産能の高い一株(MTC 017)を選び大量に培養し、
その培養細胞から全mRNAを抽出しオリゴdTセルロースを
使用してポリ(A)+mRNAを分離回収した。
そのmRNAを用いてGublerとHoffmanの方法でcNDA遺伝
子バンクを作成した。
ヒトt−PAのアミノ酸配列を反映した合成オリゴヌク
レオチドプローブを用いてt−PAをコードするcDNAをク
ローン化した。t−PA遺伝子の全塩基配列はマクサム−
ギルバート法で確かめた。
プラスミドpT−1(ヒト正常細胞MTC−017 株由来で
t−PA cDNAを含むもの)から以下に述べる方法で、t
−PAのコード領域がそれら断片を連結することにより得
られる2本のDNA断片を調製した。
プラスミドpT−1を制限酵素Bgl II及びBal I(NEB)
で切断しアガロース電気泳動で分画し1860bp DNA断片を
電気溶出で得た(図2−c)。そのDNAはt−PAのほと
んどのアミノ酸配列の暗号と3′−フランク領域を含ん
でいた。
次にpT−1を制限酵素BamHI(BRL)及びSca I(NEB)
で切断しアガロース電気泳で分画し970bp DNA断片を電
気溶出で得た。そのDNA断片にはt−PAのN−末端付近
のアミノ酸配列の暗号、また5′−フランク領域が含ま
れていた。
そのDNA断片を制限酵素Hga I(NEB)で消化し、アガ
ロース電気泳動で分画し515bp DNA断片を電気溶出で得
た。
得られたDNA断片にはt−PAのN末端付近のアミノ酸
配列の暗号と7bpの5′−フランク領域の情報が含まれ
ていた t−PA遺伝子の5′−フランク領域を上述の4.4kbpDN
断片のHin d III末端に連結する為に必要である2本の
合成リンカーDNAを作成した。
このリンカーDNAのうち1つは塩基配列が5′−AGCTT
ACGCTGTGA−3′であるリンカーHH1で、他の1つは塩基
配列が5′−TTGCTTCACAGCGTA−3′であるリンカーHH2
であった。
これらのリンカーDNAを例えば下記のリガーゼ反応の
条件下でアニールさせると2本鎖DNAが得られるが、そ
のDNAはSV40初期プロモーターを含む4.4kbp DNA断片のH
in d III粘着末端につながるHin d III末端、またt−P
Aの5′−フランク領域を含む515bp DNA断片のHga I粘
着末端につながる末端を有していた。
またこれらのリンカーDNAをアニールさせて得られる
2本鎖DNAはHin d III粘着末端を除いて、その塩基配列
がプラスミドpT−1のt−PAの5′−フランク領域の配
列と同一にした。
これらリンカーDNAは固相法−ホスホトリエステル法
で合成し、常法により精製した。
リンカーHH2の5′−末端をT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼを用いてリン酸化した。5′−末端がリン酸化され
ていないリンカーHH1 0.4μg、5′−末端がリン酸化
されているリンカーHH2 0.4μg及び515bp DNA断片0.6
μgを供給者が示す反応緩衝液20μに溶解し、T4DNA
リガーゼ0.15ユニットを加えて15℃で1時間インキュベ
ートした。
反応終了後65℃で5分間インキュベートし、0℃に冷
却した。反応生成物をBgl II及びHin d IIIで消化し、
6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画し、125bp
DNA断片を電気溶出で単離した。
その125bp DNA断片には2本のリンカー由来の塩基配
列が含まれており、一端がHin d III端、他端がBgI II
端であった(図2−b) 一端がHin d III粘着端で他端が平滑端である4.4kbp
DNA断片(図2−a)、一端が5′−端にリン酸を欠くH
in d III粘着端で他端がBgl II粘着端である125bp DNA
断片(図2−b)、一端がBgl II粘着端で他方が平滑端
である1860bp DNA断片(図2−c)を材料として下記の
様にしてライゲーションを行いプラスミドpSVtPA(図
2)を得た。
すなわち4.4kbp DAN断片150ng、125bp DNA断片12ng及
び1860bp DNA断片200ngを供給者の示す反応液15μに
溶解し、T4DNAリガーセ0.02ユニットを加え、まず15℃
で1時間インキュベートし、そしてT4DNAリガーゼ2ユ
ニットを加え、15℃で1時間インキュベートし、次に65
℃で5分間インキュベートし0℃に冷却した。
その反応で得られたDNA溶液で大腸菌DH−1株(Low,
B.,1986,Proc.Natl.Acad.Sci.,60:160に従って得られた
もの)を塩化カルシウム法で形質転換した。
得られたアンピシリン耐性株について〔γ32P〕ATP
(Amersham)とT4ポリヌクレオチドキナーゼで標識ラベ
ルしたHH1リンカーDNA(プローブ1)とt−PA遺伝子の
コード領域より得られる470bp EcoRI断片を〔α32P〕CT
P(Amersham)を用いてニックトランスレーションして
標識ラベルしたDNA(プローブ2)をそれぞれプローブ
としてコロニーハイブリダイゼーション法で図2に示し
た目的のプラスミドpSVtPAを含む形質転換株をスクリー
ニングした。
46個に形質転換株を2系列のニトロセルロースフィル
ター(#541;Whatman)上に成育させた。そのフィルタ
ーをアルカリで処理し、中和し、洗浄しそして風乾し
た。
次にフィルターをプレハイブリダイゼーション液(18
0mMトリス塩酸(pH8.0)、6mM EDTA,0.9M塩化ナトリウ
ム、0.5%Noidet−P40(BRL)、5Xデンハート溶液(水1
000mlにフィコール1g、ポリビニルピロリドン1g、DSA 1
gを含む)、100μg/mlの煮沸した超音波処理サケ精子DN
Aを含む)10ml中でフィルターを55℃で2時間インキュ
ベートした。
プレハイブリダイゼーションの後一方のフィルター
に、標識品プローブ1(1×107カウント/分)を含む
プレハイブリダイゼーションと同一組成の液10mlを加え
30℃で2時間インキュベートしハイブリダイゼーション
を行った。
他のフィルターに標識品プローブ2(1×107カウン
ト/分)を含むプレハイブリダイゼーション液と同一組
成の液10mlを加え45℃で2時間インキュベートしハイブ
リダイゼーションを行った。
次にフィルターを6XSSC溶液(0.9M塩化ナトリウム,0.
09Mクエン酸ナトリウム)で30℃で30分3回洗浄し風乾
した。
そのフィルターを増感スクリーンを使用し、X線フィ
ルムに−70℃で12時間露光した。
アンピシリン耐性の47クローンのうち42クローンがプ
ローブ1及びプローブ2の両方にポジティブな反応を示
した。
ポジティブクローンのうち1つからアルカリ法でプラ
スミドDNAを調製した。
得られたプラスミド及び前記のプラスミドpT−1をHi
n d III、Bgl II、Sca I、BamHIでそれぞれあるいは組
み合わせて用い消化し、アガロース電気泳動で分画し、
そのパターンを比較した結果得られたプラスミドは正し
く構築されたpSVtPAであることが確認できた。
また合成DNAリンカーを使用して連結したHin d III部
位とその上流、またそのHin d III部位からBgl II部位
までのDNA塩基配列をマキサムギルバード法で決定し
た。
その結果プラスミドpSVtPAが正しく構築されたことが
塩基配列レベルでも確認出来た。
プラスミドpSVtPAの塩基配列のうちSV40初期プロモー
ターが含まれるPvu II部位からBgl II部位の配列を図3
に示した。
1−C)ドロソフィラ hsp83遺伝子のヒートショック発
現制御DNA塩基配列をプラスミドpSVtPAに挿入すること
によるプラスミドpHStPAの構築。
実施例1−A)で示した200bp Hin d III断片にはド
ロソフィラ・メラノガスターのhsp83遺伝子のヒートシ
ョック発現制御DNA塩基配列が含まれていた。
その断片を以下に述べる方法で実施例1−B)で示し
たプラスミドpSVtPAのHin d III切断部位に挿入した。
まずpSVt−PAをHin d IIIで消化し、BAP処理を行い
5′−端のリン酸を除去した。200bp Hin d III断片0.0
3μgとHin d IIIで消化し、BAP処理した直鎖状プラス
ミドpSVtPA0.1μgを供給者が示す反応溶液19.5μに
融解させ、T4 DNAリガーゼ0.05ユニットを加え15℃で3
時間インキュベートした。
反応で得られたDNA溶液で大腸菌DH−1株を塩化カル
シウムを用い形質転換した。
出現したアンピシリン耐性のクローンのうち6クロー
ンについてそれぞれ急速法でプラスミドDNAを調製し
た。
得られたそれぞれのプラスミドDNAを制限酵素BglII及
びXba I(BRL)で消化し、6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動で分析した。
その結果4クローンがpSVtPAのHin d III部位に200bp
Hin d III断片を目的とする方向に含むプラスミドDNA
を含んでいた。
その4クローンのうち1クローンからアルカリ法でプ
ラスミドDNAを調製した。
得られたプラスミド及びプラスミドpSVtPAをHin d II
I.Bgl II、Sca I、BamHIでそれぞれあるいは組み合わせ
て用いて消化し、それぞれのプラスミドDNAの制限酵素
消化パターンをアガロース電気泳動で調べ、目的のプラ
スミドpHStPA(図4)が正しく構築されたこと確認し
た。
プラスミドpHStPAのXba I部位からBgl II部位までの2
10bp DNA断片のDNA塩基配列をマキサム・ギルバート法
で決定し、得られたプラスミドpHStPAが正しく構築され
たことを塩基配列レベルで確認した。
pHStPAの2つのHin d III部位及びBgl II部位を含むD
NA断片のDNA塩基配列を図5に示した。
1−D)ヘルペスシンプレックスウィルス−1のtk遺伝
子を含むDNA断片をプラスミドpHStPAに挿入することに
よりプラスミドpHStPA−tkの構築。
ヘルペスシンプレックスウィルス−1(HSV−1)のt
k遺伝子を含む3.4kbp BamHI断片を、プラスミドptkから
調製し以下の方法で実施例1−C)で示したプラスミド
pHSt−PAのBamHI部位に挿入した。
まずpHStPAをBamHIで消化しBAP処理を行い5′−端の
リン酸を除去した。
3.4KbpBam HI断片0.05μgとBamHIで消化しBAP処理し
た直鎖状プラスミドpHStPA0.2μgを供給者が示す反応
溶液19.5μに融解せしめ、T4DNAリガーゼ0.05ユニッ
トを加え15℃で3時間インキュベートした。
反応で得られたDNA溶液で大腸菌DH−1株を塩化カル
シウムを用い形質転換した。
出現したアンピシリン耐性のクローンのうち7クロー
ンについてそれぞれ急速法でプラスミドDNAを調整し
た。
得られたそれぞれのプラスミドDNAをBamHIで消化し、
アガロースゲル電気泳動で分析した。
その結果6クローンが3.4kbp BamHI断片を含むプラス
ミドを保有していることがわかった。
その6クローンより得られたプラスミドDNAを制限酵
素Bgl II及びSac I(NEB)で消化し、アガロース電気泳
動で分析した。その結果1つのプラスミドではtk遺伝子
がt−PA遺伝子に対し同一方向となるように挿入されて
いたのでこのプラスミドをA型とし、他の5つのプラス
ミドではtk遺伝子がt−PA遺伝子に対し逆方法になるよ
うに挿入されていたのでこれらのプラスミドをB型とし
た。A型プラスミドpHStPA−tkを保有するクローンより
アルカリ法でプラスミドDNAを調製した(図6)。
pHStPA−tkの構築と同一の方法でHSV−1tk遺伝子を含
む3.4kbp BamHI断片を実施例1−B)で示したプラスミ
ドpSVtPAのBamHI部位に挿入しpSVtPA−tkを得た。
pSXtPA−tkにはSV40初期プロモーターに連結したt−
PA遺伝子が含まれるのでこのプラスミドでは以下に述べ
るhsp83遺伝子のヒートショック発現制御DNA塩基配列を
含むpHtPA−tkを用いた発現実験に対する対照実験で使
用した。
2.プラスミドpHStPA−tkによるマウスLtk-細胞の形質転
換細胞でヒートショックによるt−PA遺伝子の誘導的発
現。
マウスLtk-細胞(Kit,S,et al.,1963,Expl.Cell Re
s.,31:297に記載の方法で得られたもの)は10%牛脂児
血清(FCS)を含むRPMI−1640(Flow Lab.)培地中で5
%CO2を含む空気中で37℃で培養した。
増殖した細胞を直径10cmのシャーレにそれぞれ1×10
6細胞ずつスプレッドし16時間培養した。
得られた細胞につき、シャーレ1枚に対しA型のpHSt
PA−tk DNA5μgをリン酸カルシウム法で導入し、形質
転換実験を行った。
細胞は10%FCS及びHAT(ハイポキサンチン、アミノプ
テリン、チミジン)含むMEM培地(Flow Lab.)で5%CO
2を含む空気中、37℃で12日間培養しtk+となった細胞を
選択した。
この結果約100個のコロニーがHAT培他で増殖して10枚
のシャーレ中に出現した。そのコロニーのうち96コロニ
ーをクローニングリングで分離し24ウエルディシュに移
し、HAT培地で更に増殖させた。
ディシュのウエル中で細胞がコンフルエントになるま
で増殖すると、培地をFCSを含まないRPMI−1640培地に
交換し5%CO2を含む空気中で37℃で24時間インキュベ
ートした。
得られた培養上清20μを取り出し、フィブリンプレ
ート法で既知のウロキナーゼ(UK)活性に比較しながら
培地中に蓄積されたt−PAのフィブリンクロット溶解活
性を測定した。
その結果全てのクローンの培養上清のt−PA活性は陰
性であった。
次にその96クローンについて、それがヒーショック処
理することによりt−PAを産生するかどうか調べた。
まず細胞を24ウエルディシュでコンフルエントになる
まで増殖させた。培地をあらかじめ43℃に暖めたRPMI−
1640に交換し、細胞を43℃で1時間空気中でインキュベ
ートし、さらに5%CO2を含む空気中で37℃でインキュ
ベートした。
24時間後に20μの培地を取り出しフィブリンプレー
ト法でt−PA活性を測定した結果4クローンが陽性であ
った。
t−PA活性を与える培養液上清に抗t−PA血清を混合
するとフィブリンクロット溶解活性は消失したが、同培
養液上清に抗UK血清を混合しても活性は消失しなかっ
た。
それら4クローンのうちt−PA産生能の高かったクロ
ーン#P48の産生能は5.2ユニット/ml/日であった。そし
てこのクローン#P48を2ケ月にわたって継代培養した
がt−PAを生産する能力の低下はみられなかった。
プラスミドpSVtPA−tkをマウスLtk-細胞にリン酸カル
シウム法で導入してtk+となった形質転換体を得た。
得られた66クローンについて前記同様の方法で37℃で
インキュベートし、培地中に蓄積したt−PA活性を調べ
たところ7クローンが陽性であった。
t−PA産生能の高かったクローン#P6のt−PA産生能
は4.2ユニットml/日であった。
この値に比較してクローン#P48は少し良いt−PA産
生能(5.2ユニット/ml/日)を示したが、このことは動
物細胞での発現実験でよく用いられるSV初期プロモータ
ーに比較してドロソフィラhsp83のプロモーターはプロ
モーター活性が同程度に強いことを示したものであっ
た。
クローン#P48についてヒートショックによるt−PA
遺伝子の発現を更に詳細に調べた。
まずヒートショック前あるいは後で形質転換細胞より
全RNAを調製し、t−PA遺伝子の発現量をmRNAレベルを
解析した。
ヒートショック処理前、また43℃で1時間ヒートショ
ック処理した後のそれぞれの細胞を集め全RNAをグアニ
ジウム・セシウムクロライド法で調製した。
ヒートショック処理後細胞を5%CO2を含む空気中で3
7℃でインキュベートし0時間、1時間、8時間あるい
は24時間後にそれぞれ全RANを調製した。
tk遺伝子を含むptk5でLtk-細胞を形質転換し得られた
tk+のクローン#tk2についても#P48と同一条件でヒー
トショック前あるいは後で全RANを調製した。
それぞれの条件で直径10cmのディシュ8枚より細胞を
集め全RANを調製したが、得られたRNA量は250μgから3
80μgであった。
それぞれの全RNA10μgをフォルムアミドを含むアガ
ロースゲルで分画し、ニトロセルロースフィルターにト
ランスファーし、そのフィルターを真空オーブンで80℃
で2時間焼いた。フィルターは2シリーズ準備した。
2枚のフィルターを50%のホルムアミドを含むプレハ
イブリダイゼーション液50ml中で42℃で4時間インキュ
ベートしプレハイブリダイゼーションを行った。
SV40初期プロモーターを含む325bp Pvu II−Hin d II
I断片をニックトランスレートして得た標識プローブ
(2.6×107カウント/分)をプレハイブリダイゼーショ
ン液と同一組成の液25mlに加えてハイブリダイセーショ
ン液を作成し、またt−PAをコードする領域の470bp Ec
oRI断片をニックトランスレートして得た標識プローブ
(2.6×107カウント/分)を含む25mlのハイブリダイゼ
ーション液を作成した。それぞれのフィルターのハイブ
リダイゼーションを42℃で19時間行った。
フィルターを2×SSCで20℃で30分3回、次に1×SSC
で20℃で30分3回洗浄し風乾した。それらフィルターを
増感スクリーンを使用し−70℃でX線フィルムを12時間
露光した。
その結果#P48クローンはヒートショックをしない場
合t−PA mRNA合成はみられず、ヒートショック後1時
間後には大量のt−PA mRNAが合成されていることが判
明した。ヒートショック後8時間あるいは24時間後には
t−PA mRNA量は徐々に減少していた(図7)。
#P48クローンでは、使用したプラスミドpHStPA−tk
の構成からSV40初期プロモーターが働きt−PAmRNAが合
成される可能性あったが、EcoRI470bp断片をプローブと
して調べるとヒートショック前にt−PA mRNAを合成し
ていないこと、SV40初期プロモーターを含む325bp Pvu
II−Hin d III断片をプローブとして調べるとその断下
にハイブリダイズするmRANバンドは極く微量であるか検
出されないかであったことによりその可能性は否定され
た。
#tk2クローンを用いて行った対照実験では、ヒート
ショック前、ヒートショック後1時間目、8時間目また
は24時間目では共にt−PA mRNAが検出されなかった。
#P48クローンについて、ヒートショック後に培地中
に蓄積されたt−PAの活性の時間的変動をフィブリンプ
レート法で測定して調べた。
その結果43℃1時間のヒートショック後細胞を5%CO
2を含む空気中37℃でインキュベートすると培養液中に
8時間目に弱いt−PA活性が検出され、16時間目に最大
の活性が検出され、24時間目または48時間目には徐々に
活性が低下していくことがわかった。
次にヒートショック前または後に培地中に蓄積したt
−PAの分子種について、フィブリン−アガーゲル法で調
べた。
得られた培養上清20μを7.5%SDS−ポリアクリルア
ミドゲルで分画しフィブリンアガーゲルでt−PA活性を
示す分子種を調べた(図8)。
その結果分子量約70キロダルトンの位置にt−PAの明
瞭なフィブリンクロット溶解活性が認められ、分子量約
100キロダルトンの位置にマイナーな活性が認められ
た。
分子量約100キロダルトンの位置に認められるマイナ
ーな分子種は、分子量約70キロダルトンの位置に認めら
れるt−PAに関連した副産物であると予想された。例え
ばt−PA−t−PAインヒビター結合体が生じると分子量
約100キロダルトンの位置にt−PA活性が生じることが
報告されているが、図8で認められたマイナーな分子種
はそのようなものと考えられる。
以上特定の具体例によって本発明を説明したが、本発
明が当業者の技術常識に従って均等の範囲において種々
の変更および置換を行って実施できることは言うまでも
ないことである。
【図面の簡単な説明】
図1は両端がHin d III粘着末端に変更されたドロソフ
ィラ・メラノガスターhsp83遺伝子のヒートショック発
現制御DNA塩基配列を含む長さが約200bpであるDNA断片
を得る手順を示す図である。 図2はプラスミドpSVtPAの構築手順を示す図である。 図3はpSVtPAのPvu II−Bgl II断片のDNA塩基配列を示
す図である。 図4はプラスミドpHStPAの構築手順を示す図である。 図5はpHStPAの2つのHin d III部位及びBgl II部位を
含むDNA断片のDNA塩基配列を示す図である。 図6はプラスミドpHStPA−tkの構築を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/50 9281−4B C12N 5/00 B C12R 1:91) (C12N 5/00 B C12R 1:91)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophi
    la melanogaster)の約83キロダルトンのヒートショッ
    クたんぱく質遺伝子(hsp83)のヒートショック発現制
    御DNA塩基配列を含む下記の配列あるいはその元の配列
    に対し、本発明において目的としているヒートショック
    発現制御の能力を損なうことなく塩基置換、削除、挿
    入、転移されたDNA塩基配列を少なくとも1つ含み、か
    つその塩基配列によって転写制御を受けるように外来の
    生理活性物質の構造遺伝子を結合し、転写に必要な他の
    因子を有効に結合し、形質転換された宿主動物細胞内で
    その構造遺伝子の誘導的発現を可能とする発現ベクタ
    ー。
  2. 【請求項2】外来の生理活性物質の構造遺伝子が、ヒト
    組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)遺伝子であ
    る特許請求の範囲第1項記載の発現ベクター。
  3. 【請求項3】外来の生理活性物質の構造遺伝子が、ヒト
    正常細胞より分離されたヒトt−PA遺伝子である特許請
    求の範囲第2項記載の発現ベクター。
  4. 【請求項4】原核生物宿主中で増殖を可能にする原核生
    物の複製系を含む特許請求の範囲第1項記載の発現ベク
    ター。
  5. 【請求項5】形質転換された宿主動物細胞の選択を可能
    にする少なくとも1つの遺伝的選択マーカーを含む特許
    請求の範囲第1項記載の発現ベクター。
  6. 【請求項6】遺伝的選択マーカーがアンピシリン耐性及
    びチミジンキナーゼ遺伝子である特許請求の範囲第5項
    記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】発現ベクターがプラスミドpHStPAである特
    許請求の範囲第1項記載の発現ベクター。
  8. 【請求項8】発現ベクターがプラスミドpHStPA−tkであ
    る特許請求の範囲第1項記載の発現ベクター。
  9. 【請求項9】ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophi
    la melanogaster)の約83キロダルトンのヒートショッ
    クたんぱく質遺伝子(hsp83)のヒートショック発現制
    御DNA塩基配列を含む下記の配列あるいはその元の配列
    に対し、本発明において目的としているヒートショック
    発現制御の能力を損なうことなく塩基置換、削除、挿
    入、転移されたDNA塩基配列を少なくとも1つ含み、か
    つその塩基配列によって転写制御を受けるように外来の
    生理活性物質の構造遺伝子を結合し、転写に必要な他の
    因子を有効に結合し、形質転換された宿主動物細胞内で
    その構造遺伝子の誘導的発現を可能とする発現ベクター
    によって形質転換された動物細胞。
  10. 【請求項10】発現ベクターがプラスミドpHStPAである
    特許請求の範囲第9項記載の動物細胞。
  11. 【請求項11】形質転換前の動物細胞がチミジンキナー
    ゼ遺伝子欠損動物細胞であり、発現ベクターがプラスミ
    ドpHStPA−tkである特許請求の範囲第9項記載の動物細
    胞。
  12. 【請求項12】動物細胞がヒトt−PAを産生することを
    特徴とする特許請求の範囲第10項記載の動物細胞。
  13. 【請求項13】動物細胞ヒトt−PAを産生することを特
    徴とする特許請求の範囲第11項記載の動物細胞。
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Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,78(6)〔1981〕P.3775−3778

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