JP2514872B2 - 直流電源装置 - Google Patents

直流電源装置

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JP2514872B2
JP2514872B2 JP3167640A JP16764091A JP2514872B2 JP 2514872 B2 JP2514872 B2 JP 2514872B2 JP 3167640 A JP3167640 A JP 3167640A JP 16764091 A JP16764091 A JP 16764091A JP 2514872 B2 JP2514872 B2 JP 2514872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流電力を出力する直流
電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不安定な直流電源電圧を安定な直流電圧
に調整するか、電圧レベルを変化させる、あるいは直流
電源から絶縁した直流電圧を取り出すのにDC・DCコ
ンバータが使われている。このDC・DCコンバータは
内蔵している半導体スイッチをオン,オフ動作をさせて
電力変換の機能を果たすものであるが、実際の半導体ス
イッチでは、オンとオフの間の状態遷移にかなりの時間
を要するため、スイッチング損を生じる。この半導体ス
イッチのスイッチング損を図9のパルス幅制御(以下P
WMという)するDC・DCコンバータを例にとって説
明する。図9は回路構成を示す。図において、Eは直流
電源、Q1 〜Q4 は半導体スイッチ、D1 〜D8 はダイ
オード、Tはトランス、Ld はリアクタ、Cd はコンデ
ンサ、RL は負荷を示す。まず、回路の動作を図10に
よって説明する。図10は電圧,電流および半導体スイ
ッチに与える信号のタイムチャートを示す。図におい
て、信号q1 〜q4 をそれぞれインバータ回路を構成す
る半導体スイッチQ1 〜Q4 に与えると、半導体スイッ
チの対Q1 ,Q4 及びQ2 ,Q3 が交互にオン・オフ動
作して直流電源1の電圧Eを交流電圧に変換する。点a
b間の電圧Vabがこれである。これをトランスTの1次
巻線に与え、トランスの2次巻線に誘起した交流電圧を
整流ダイオードで直流電圧に整流する。これをリアクタ
d とコンデンサCd で構成した平滑フィルタに与え
る。リアクタLd に流れる電流Id は連続であるから、
半導体スイッチQ1 〜Q4 がオフの状態にあるときの電
流は整流ダイオードDを通って流れる電流I0 となる。
負荷RL にはコンデンサCd の電圧が印加される。負荷
L に与えられる電圧は直流電源電圧Eと半導体スイッ
チQ1 〜Q4 のオン状態にある時間とオフ状態にある時
間との関数で決まる。一般的にはPWM制御、すなわち
一定期間内のオン時間の比率を制御して決める。
【0003】次に、図10を用いてインバータ回路を構
成する半導体スイッチQ1 〜Q4 のスイッチング損の発
生メカニズムを説明する。図において、いま、半導体ス
イッチ対Q1 ,Q4 に信号q1 ,q4 がそれぞれ与えら
れてオン状態にあり、リアクタLd の電流Id は直流電
源1から流れている電流Iabに等しくなっているとする
(この場合のトランスTの変圧比は1であるとす
る。)。点ab間の電圧Vabは直流電源の電圧Eのレベ
ルに等しくなっている。時間t1 において信号q1 ,q
4 をゼロとする。半導体スイッチQ1 およびQ4 は時間
をかけてスイッチ・オフの状態に移行する。半導体スイ
ッチQ1 およびQ4 にかかる電圧は徐々に増加し、従っ
て、電圧Vabは徐々に低下する。この間、リアクタLd
の電流Id は半導体スイッチQ1 およびQ4 を通って流
れ続ける。時間t2に達すると半導体スイッチQ1 およ
びQ4 にかかる電圧が直流電源電圧Eに等しくなり、従
って、電圧Vabはゼロとなる。また、それまで半導体ス
イッチQ1 ,Q4 から流れていた電流Iabはゼロとな
り、代わって、平滑リアクタLd に流れる電流Id はダ
イオードDを通して循環電流I0 となって流れ始める。
このt1 からt2 までの期間が半導体スイッチQ1 ,Q
4 がオンからオフに至る遷移期間であり、この間、半導
体スイッチQ1 ,Q4 には電流Iabが流れ、電圧も印加
された状態にあり、(電圧×電流)で決まる電力損失を
伴う。オフ時間が経過して時間t3 において信号q2
3 をそれぞれ半導体スイッチQ2 ,Q3 に与えてこれ
をスイッチ・オンさせると半導体スイッチQ2 ,Q3
流れる電流Iabがゼロから次第に増加する。この電流が
平滑リアクタLd に流れている電流Id のレベルに達す
るまではダイオードDに循環電流I0 も流れ続ける。こ
の間、平滑フィルタに加わる電圧はゼロレベル(実際に
はダイオードDの電圧ドロップ分の2ボルト程度がかか
っている)であり、半導体スイッチQ2 ,Q3 には直流
電源電圧Eがかかっている。従って、電圧Vabはまだゼ
ロの状態にある。時間t4 で半導体スイッチQ2 ,Q3
の電流は平滑リアクタに流れる電流Id に達する。しか
し、ダイオードDには順方向に電流が流れた直後には逆
方向にも電流が流れるという好ましくない特性があり、
半導体スイッチQ2 ,Q3 は、時間t4以降も、平滑リ
アクタLd に流れるId を流すと同時にダイオードDに
逆方向の電流を流すことになり増加する一方である。ダ
イオードDが逆方向特性を回復する時間t5 に至って、
半導体スイッチQ2 ,Q3 に流れる電流はId に等しく
なる。また半導体スイッチQ2 ,Q3 にかかる電圧がゼ
ロになる(実際には半導体スイッチQ2 ,Q3 の電圧ド
ロップ分の2ボルト程度の電圧がかかる)。従って、電
圧Vabも確立する。この時間t3 からt5 までの期間が
半導体スイッチQ2 ,Q3 がオフからオン状態に遷移す
る過程であり、半導体スイッチQ2 ,Q3 には電圧Eが
かかっている状態で電流が流れるので電力損失を伴う。
時間t5 以降は半導体スイッチQ2 ,Q3 はオン状態に
あり、平滑フィルタには直流電源電圧Eが変圧器で変圧
されて加えられる。一定時間経過後に信号q2 ,q3
ゼロとすると前述の時間t1 〜t2 と同様な経過を経て
半導体スイッチQ2 ,Q3 はスイッチ・オフとなる。次
に、信号q1 ,q4 を半導体スイッチQ1 ,Q4 に与え
ると前述の時間t3 〜t5 と同様な経過を経て最初の状
態に移行する。
【0004】以上説明したように、インバータ回路の半
導体スイッチQ1 〜Q4 にはオンとオフの間の移り変わ
りに電力損失を伴う。これらを合わせて以下スイッチン
グ損と言う。時間t2 において、半導体スイッチQ1
4 を流れる電流Iabが急激に減少する。また、時間t
5 において、ダイオードDが逆方向特性を回復した時に
電流Iabが急変する。この時に、電流の変化率(dIab
/dt)と、半導体スイッチの配線等にあるインダクタ
ンスの積に対応したスパイク電圧が発生して、これがス
イッチング・オフした半導体スイッチQ1 ,Q4 に過電
圧として印加される。このスパイク電圧は半導体スイッ
チQ1 ,Q4 を破壊したり、故障確率を高めてしまう。
半導体スイッチQ2 ,Q3 をオフさせた時にも同様な過
電圧が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術ではインバー
タ回路の半導体スイッチQ1 〜Q4 のオン・オフのスイ
ッチング毎にスイッチング損があるために、高周波でス
イッチングさせると半導体スイッチQ1 〜Q4 の発熱量
が大きくなる。これは大きな半導体冷却系を必要として
直流電源装置を大きくし、効率も低下させる。一方、半
導体スイッチQ1〜Q4 の発熱量を抑えるとスイッチン
グ周波数を高くすることができないので、平滑フィルタ
を大きくする必要があり、装置が大きくなり、制御性も
ある程度犠牲になる。また、半導体スイッチQ1 〜Q4
にかかるスパイク電圧が過大になるため、直流電源装置
の信頼性を低下させる。
【0006】本発明は上記の欠点を改善するために提案
されたもので、その目的は、インバータ回路を構成する
半導体スイッチQ1 〜Q4 がPWMスイッチングの過渡
状態において発生するスイッチング損を抑制して、半導
体冷却系の簡素化を可能とし、許容スイッチング周波数
の上限をより高くすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は直流電源とトランスの1次巻線とを半導体ス
イッチを介して接続し、前記トランスの2次巻線とリア
クタとコンデンサの直列回路で構成した平滑フィルタと
を整流ダイオードを介して接続し、前記コンデンサから
負荷に給電する直流電源において、ダイオードと半導体
スイッチとの並列回路と、これに直列に接続された共振
コンデンサよりなる共振スイッチを前記整流ダイオード
の直流出力側に並列に設け、かつ、共振スイッチを構成
する共振コンデンサと半導体スイッチの接続点と平滑フ
ィルタのリアクタとコンデンサの接続点との間をスナバ
ダイオードを介して接続し、半導体スイッチに流れる電
流を共振スイッチの作動によってゼロに減らしてから半
導体スイッチをオフさせ、また半導体スイッチをオンさ
せるには、流れる電流の増加を共振回路と作用するリア
クタによって抑制し、電流が小さい期間にオンを確立さ
せることを特徴とする直流電源装置を発明の要旨とす
る。さらに本発明は直流電源とトランスの1次巻線とを
半導体スイッチを介して接続し、前記トランスの2次巻
線とリアクタとコンデンサの直列回路で構成した平滑フ
ィルタとを整流ダイオードを介して接続し、前記コンデ
ンサから負荷に給電する直流電源において、共振コンデ
ンサとこの共振コンデンサを放電させるダイオードの直
列回路を前記整流ダイオードの直流出力と並列に設け、
共振コンデンサとダイオードの接続点と平滑フィルタの
リアクタとコンデンサの接続点との間に共振コンデンサ
を充電させるスナバダイオードを介して接続し、半導体
スイッチに流れる電流を共振スイッチの作動によってゼ
ロに減らしてから半導体スイッチをオフさせ、また半導
体スイッチをオンさせるには、流れる電流の増加を共振
回路と作用するリアクタによって抑制し、電流が小さい
期間にオンを確立させることを特徴とする直流電源装置
を発明の要旨とする。
【0008】
【作用】本発明は直流電源装置において、ダイオードと
半導体スイッチとの並列回路と、これに直列に接続され
た共振コンデンサよりなる共振スイッチを前記整流ダイ
オードの直流出力側に並列に設けたことによって、半導
体スイッチのスイッチングの過渡状態において発生する
スイッチング損の発生を抑制することができる作用を有
する。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。な
お、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行いうること
は言うまでもない。
【0010】図1は本発明の直流電源装置の第1の実施
例を示す。図において、1は直流電源、2は平滑フィル
タ、3は共振スイッチ、4は制御装置で、Q1 〜Q4
インバータ回路を構成する半導体スイッチで、夫々の半
導体スイッチに並列に整流ダイオードD1 〜D4 が接続
されている。半導体スイッチQ1 とQ2 との接続点a
と、半導体スイッチQ3 とQ4 との接続点bとの間にト
ランスTの1次巻線が接続され、2次巻線は共振リアク
タLR を介してダイオードD5 〜D8 よりなるブリッジ
に与えられ、このブリッジの出力は平滑フィルタ2を介
して負荷RL に与えられる。なお、共振スイッチ3は整
流ブリッジの出力側と平滑フィルタ2との間に挿入され
ている。制御装置4は半導体スイッチQ1 〜Q4 とQR
のオン,オフ信号を与えるものである。なお、半導体ス
イッチとしてはバイポーラ・トランジスタ(Bipolar Tr
ansistor),MOS・FET,サイリスタ,ゲート・タ
ーンオフ・サイリスタ(GTO),IGBT(Insulate
d Gate Bipolar Transistor )等が使われるが、ここで
は代表としてバイポーラ・トランジスタを使って説明す
る。
【0011】図2は図1の実施例を説明するための動作
波形を示したものである。Iabは点a,b間に流れる電
流、Vabは点a,b間の電圧、IR は共振スイッチに流
れる電流、VR はコンデンサCR の両端電圧、I0 は整
流ブリッジより平滑フィルタ2,負荷Rl に流れる電流
を示す。q1 〜q4 ,qR は制御信号を示す。
【0012】次に動作について説明する。制御装置4か
らオン信号q,qが与えられていてインバータ回路
の半導体スイッチQ,Qがオン状態にあるとする。
電流Iab(Iに等しい)が流れて直流電源1から平
滑フィルタ2を介して負荷Rに給電している。信号q
,qの停止、すなわちインバータ回路の半導体スイ
ッチQ、Qのスイッチオフに先だって、時間t01
において共振スイッチ3の半導体スイッチQを制御装
置4からの信号qによってオンさせると、共振コンデ
ンサCに直流電源1から電流が流れ始める。この時の
電流Iは共振リアクタLと共振コンデンサCの直
列共振電流であり、流れる方向は図示の矢印とは逆であ
る。半導体スイッチQ,Qおよび共振リアクタL
に流れる電流は電流IとIの和であり、パルス状に
増加する。共振コンデンサCの共振電流によって直流
電源電圧E(トランスの変圧比が1の場合)より高いレ
ベルにまで充電される。時間t02で充電が終わり、次
に、共振コンデンサCに蓄えられた電荷は共振ダイオ
ードD,共振コンデンサCを通して放電が始まり、
矢印の方向に電流Iが流れる。リアクタLの作用で
電流Iは電流IabとIの和に等しい大きさでほぼ
一定であるから、電流Iの増加にともない電流Iab
は減少する。時間t03で電流IがIに等しくなる
と電流Iabはゼロになる。さらに放電が進み時間t
05で共振コンデンサCの電荷がゼロになると共振ダ
イオードDに流れる電流はゼロになる。共振リアクタ
に流れる電流は連続てあるから、共振ダイオードD
の電流がゼロになった時点で、電流Iはダイオード
からダイオードD,DあるいはD,Dに切
り替わって流れる電流Iとなる。これによってリアク
タLの電流Iの連続性は保たれる。
【0013】時間t05以前の、共振ダイオードDR が通
電している時間t04において制御装置4からの信号qR
で半導体スイッチQ1 ,Q4 をオフさせると電圧Vab
ゼロとなり、半導体スイッチQ1 ,Q4 にはほぼ直流電
源電圧Eの電圧がかかる。半導体スイッチQ1 ,Q4
電流はすでに時間t03の時点でゼロになっているのでス
イッチ・オフの過程ではスイッチング損は生じない。一
方、時間t01の時点で半導体スイッチQR がオンすると
きには、共振リアクタLR の電流抑制作用によって電流
R は徐々に増加することになるので、スイッチング・
オンの過渡状態では電流IR はまだ小さいレベルにあ
る。このため半導体スイッチの電圧と電流の積できまる
スイッチング損は小さい。共振ダイオードDR が通電し
ていて電流IR が図示の方向に流れている期間に半導体
スイッチQR をオフさせると、すでに半導体スイッチQ
R の電流はゼロになっているからオフにともなうスイッ
チング損は生じない。
【0014】時間t06に制御装置4から信号q2 ,q3
をインバータ回路の半導体スイッチQ2 ,Q3 に与えこ
れをオンさせる。この時点では、リアクタLd に流れる
電流Id はダイオードD5 〜D8 に流れる電流I0 であ
る。共振リアクタLR の作用で半導体スイッチQ2 ,Q
3 がオンしても電流Iabは急激には増加しない。スイッ
チングの過渡期間は大きな定数をもつリアクタLd のた
めId は一定であるとみなせる。電流I0 とIabの和は
d に等しく一定であるから、IabはI0 の減少にみあ
って増加する。電流Iabのレベルが小さいうちに半導体
スイッチQ2 ,Q3 のオンの過渡期間が終了するので半
導体スイッチQ2 ,Q3 のスイッチング損は小さい。電
流I0 がゼロに達する時間t07以降はリアクタLd に流
れる電流Id のすべてが半導体スイッチQ2 ,Q3 を通
して流れる電流Iabとなる。
【0015】次に半導体スイッチQをオンさせると前
記t01,t05と同じ過程を経て半導体スイッチ
,Qがオフする。一定時間経過後に半導体スイッ
チQ,Qをオンさせると前記t06,t07の過程
を経て最初の状態に戻る。これで半導体スイッチQ
のオン・オフの1サイクルが終わる。引き続いてこ
のオン・オフのサイクルを繰り返して直流電源1から負
荷Rに制御された電圧で電力が送られる。以上説明し
たように、インバータ回路の半導体スイッチQ〜Q
のスイッチングのタイミングとして、オン時には、出力
電流の流れるループに挿入されているリアクタの電流増
加抑制の機能を利用し、スイッチングオンの過渡期間に
おける電流増加を抑える。すなわち、電流の小さい期間
にスイッチングを完了させスイッチング損失の発生を抑
制する。電流が増加するのはスイッチングオン完了後で
あり、スイッチング損失は発生しない。また、スイッチ
ングオフ時には、オフに先だって、まず、付加した共振
回路を作動させて、半導体スイッチに流れる電流をゼロ
レベルまで減少させる。電流ゼロの状態になってから半
導体スイッチをオフさせる。したがってスイッチングオ
フの過渡期間に発生する損失をゼロに抑えられる。共振
回路の半導体スイッチは共振回路自体の作動でオン、オ
フともにスイッチング損失は生じない。
【0016】図3は本発明の第2の実施例を示す。図1
の第1の実施例における半導体スイッチQ1 〜Q4 を使
ったブリッジ・インバータ回路に代わって、半導体スイ
ッチをQ01のみで構成した従来から知られている1石フ
ォワード形DC−DCコンバータを使っている。このコ
ンバータはQ01がオンしている期間のみトランスの巻線
1 からn2 に電力変換が行われて給電が可能である。
半導体スイッチQ01がオフしている期間にはトランスT
に蓄えられた励磁エネルギーが巻線n3 から直流電源1
に回収される。このときのトランスTの巻線に誘起する
電圧は半導体スイッチQ01がオンしている期間とは逆の
極性になっていてトランスTは磁気的にリセットされ
る。従って、トランスTから見ると交流電圧の半波のみ
が給電に寄与する。
【0017】図4において時間t01〜t05の期間に半導
体スイッチQR の作用で半導体スイッチQ01をソフトに
スイッチング・オフする。この過程は図1の実施例と同
じである。時間t04からt′05の期間にトランスTの電
圧Vn が負の極性になるところが図1の実施例とは異な
る。時間t06〜t07の半導体スイッチQ01のスイッチン
グ・オンの過程も図1の実施例と同じである。図3の実
施例においても共振スイッチ3の効果は図1の場合と同
様で、半導体スイッチQ01のスイッチング損を極めて小
さい値に抑えることができる。本発明は図1,図3の実
施例で説明したように半導体スイッチQR およびQ1
4 、あるいはQ01は大きな電流値をスイッチングする
ことはないので、電流の変化分(dIab/dtあるいは
dIQ01 /dt)と配線等のインダクタンスとの積で決
まるスパイク電圧は小さなレベルにとどまり、その結果
として、半導体スイッチQ1 〜Q4 ,Q01,QR にかか
る電圧ストレスが小さくなり、制御装置のノイズによる
誤動作も発生しにくくなる。また、直流電源装置から外
部に出ていくノイズも少なくなる。
【0018】図5は本発明の第3の実施例を示す。図に
おいて、1は直流電源、4は制御装置、RL は負荷、Q
1 〜Q4 ,QR は半導体スイッチ、D1 〜D8 はダイオ
ード、DS はスナバダイオード、LR は共振リアクタ、
Rは共振コンデンサ、DR は共振ダイオード、Ld
平滑用リアクタ、Cd は平滑用コンデンサ、Tはトラン
スを示す。図1の実施例における共振コンデンサCR
半導体スイッチQR の接続点と平滑フィルタのリアクタ
d とコンデンサCd の接続点との間に新たにスナバダ
イオードDS を付加した構成になっている。スナバダイ
オードDS と共振コンデンサCR の直列回路が平滑リア
クタLd と並列に接続されている。
【0019】図6はこの動作を説明するための図であ
る。図において、Iabは点a,b間を流れる電流、Vab
は点a,b間の電圧、IS はスナバダイオードDS を流
れる電流、IR は共振電流、VR は共振コンデンサCR
の両端電圧、I0はダイオードブリッジD5 〜D8 を流
れる電流、q1 〜q4 ,qR は半導体スイッチをオン,
オフさせる信号を示す。図6における時間t01〜t06
期間の動作はダイオードDs の存在には関わりなく図2
の場合と同様である。時間t06の時点では整流ダイオー
ドに電流I0 が流れているので点PN間の電圧はゼロで
ある(実際にはダイオードの電圧降下分の約2ボルトの
電圧が出ている)。従って、共振コンデンサCR の電荷
はダイオードDR を通して放電していまい、この両端の
電圧VR はほぼゼロになっている。時間t06の時点で半
導体スイッチQ2,Q3 をオンさせると電流Iabが徐々
に増加して、一方、電流I0 は減少する。電流I0 がゼ
ロになった時点t08で点PN間の電圧は高くなり、共振
コンデンサCR とダイオードDS の直列回路に電流IS
が流れだし時間t09までコンデンサCR を充電する。こ
のコンデンサCR の電圧はダイオードDS の作用で、次
に半導体スイッチQRがオンするまで保持される。時間
09以降については電圧VR を除いては図2の場合と同
様である。
【0020】次にダイオードDS の効果を説明する。共
振コンデンサCR とダイオードDS の回路はサージ抑制
の機能を持つ。ダイオードには順方向に通電した直後に
逆方向の電圧を印加すると一定期間逆方向に電流が流れ
るという欠点がある。整流ダイオードD5 〜D8に流れ
ている電流I0 がゼロになった直後は点X,Y間は短絡
状態になっていてリアクタLR に流れる電流はId 以上
に増加する。ダイオードの逆方向特性が回復して逆電流
がゼロとなるとリアクタLR に流れた過剰な電流のパス
がなくなり、点PN間にサージ電圧が現れる。しかし、
このサージ電圧の原因である過剰電流に対して、コンデ
ンサCR ,ダイオードDS およびコンデンサCd の回路
によるパスを形成してあるのでサージ電圧が過大になる
ことが防がれる。このダイオードDS は図3の第2の実
施例にも適用できることはいうまでもない。また、この
ダイオードDS は、半導体スイッチQR がなくても作用
する。すなわち、ダイオードDS の通電によって共振コ
ンデンサCR は充電し、この際にサージ電圧の抑制効果
を生み出す。次に、ダイオードDS の通電によって共振
コンデンサCR は放電し、最初の状態に戻る。
【0021】これまでの実施例の説明では、共振リアク
タLR をトランスTの2次巻線と直列に挿入していた
が、共振リアクタLR はトランスTの1次巻線側に挿入
しても同様に作用する。また、トランスTの1次−2次
巻線間の漏洩リアクタンスも等価的に共振リアクタの作
用をするので、漏洩リアクタンスが必要な大きさを持っ
ていれば、改めて、共振リアクタLR を挿入しなくてよ
い。
【0022】図7に本発明に適用する制御装置4の構成
例を示す。図8はその動作を説明するための波形例を示
す。αは直流電源装置の出力電圧で、これは平滑フィル
タ2のコンデンサCd の電圧に対応する。αと基準の直
流電圧とを誤差増幅器に入力し、その出力βを得る。三
角波発生器はチョッパあるいはDC/DCコンバータを
スイッチング動作させる周波数の三角電圧波形γを出力
する。コンパレータはその入力のβとγを比較してβが
γよりレベルが高い期間にPWM信号δを出力する。単
安定マルチバイブレータはPWM信号δがゼロレベルに
なる時点からあらかじめ定めた時間までの幅を持つパル
ス信号εを出力する。一方、フリップフロップはPWM
信号δがゼロから立ち上がる時点に同期した2つの信号
θ1 およびθ2 を交互に出力する。OR回路はPWM信
号δとパルス信号εの和をとって信号πを出力する。A
ND回路1は信号θ1 とπとの積をとって信号ω1 を出
力する。同様にAND2の出力として信号ω2 を得る。
図3の1石フォワード・コンバータを動作させるには信
号πおよびεをそれぞれ半導体スイッチQ01およびQR
に与える。図1,5のDC/DCコンバータを動作させ
るには半導体スイッチ対であるQ1 ,Q4 に信号ω1
与え、Q2 ,Q3 には信号ω2 を与える。また、QR
は信号εを与える。
【0023】
【発明の効果】本発明は、(1)半導体スイッチのスイ
ッチング損失低減のための付加手段、(2)同スイッチ
ング時に生じるサージ電圧の抑制手段、(3)ならびに
これらの制御法に関するものである。したがって、従来
の回路に付加して使えるので、電圧制御範囲が広くと
れ、制御性がよく、したがって信頼性が高く、小容量か
ら大容量の装置に適用して実績の豊富なPWM制御イン
バータ回路に付加すると大きな効果を生む。具体的に
は、半導体スイッチのスイッチング損失がほぼゼロにな
ることから、スイッチング周波数を任意に選択できる。
周波数を高く選べばトランスやフィルタのリアクタやコ
ンデンサの小形化を図れ、これは装置の小形化、軽量化
に寄与する。装置の効率向上にも寄与する。発熱の減少
に伴い半導体スイッチの冷却のために付加する放熱フィ
ンの小形化が図れ、これも装置の小形化、軽量化に寄与
する。半導体スイッチのスイッチングに伴って発生する
サージ電圧の抑制効果が高いので信頼性が高くなり、半
導体スイッチ、ダイオードとしてより低い耐圧、したが
って低価格の部品の選定を可能とする。これは装置の信
頼性向上、コストダウンに寄与する。サージ電圧の発生
に付随して生じる高周波電磁ノイズもサージ電圧の低減
に伴い減少する。これは装置から発生する公害として問
題視されている電磁ノイズ放射の低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流電源装置の第1の実施例を示す。
【図2】第1の実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例を示す。
【図4】第2の実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施例を示す。
【図6】第3の実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図7】本発明を構成する制御装置の一例を示す。
【図8】制御装置の動作を説明するための図である。
【図9】従来例を示す。
【図10】従来例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2 平滑フィルタ 3 共振スイッチ 4 制御装置 E 直流電源電圧 T トランス RL 負荷 Q1 〜Q4 ,QR 半導体スイッチ D1 〜D8 ダイオード DS スナバダイオード LR 共振リアクタ Ld 平滑用リアクタ Cd 平滑用コンデンサ CR 共振コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−178422(JP,A) 特開 平1−295675(JP,A) 特開 平4−236165(JP,A) 実開 平2−142980(JP,U) 実開 平2−104787(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源とトランスの1次巻線とを半導
    体スイッチを介して接続し、前記トランスの2次巻線と
    リアクタとコンデンサの直列回路で構成した平滑フィル
    タとを整流ダイオードを介して接続し、前記コンデンサ
    から負荷に給電する直流電源において、ダイオードと半
    導体スイッチとの並列回路と、これに直列に接続された
    共振コンデンサよりなる共振スイッチを前記整流ダイオ
    ードの直流出力側に並列に設け、かつ、共振スイッチを
    構成する共振コンデンサと半導体スイッチの接続点と平
    滑フィルタのリアクタとコンデンサの接続点との間をス
    ナバダイオードを介して接続し、半導体スイッチに流れ
    る電流を共振スイッチの作動によってゼロに減らしてか
    ら半導体スイッチをオフさせ、また半導体スイッチをオ
    ンさせるには、流れる電流の増加を共振回路と作用する
    リアクタによって抑制し、電流が小さい期間にオンを確
    立させることを特徴とする直流電源装置。
  2. 【請求項2】 直流電源とトランスの1次巻線とを半導
    体スイッチを介して接続し、前記トランスの2次巻線と
    リアクタとコンデンサの直列回路で構成した平滑フィル
    タとを整流ダイオードを介して接続し、前記コンデンサ
    から負荷に給電する直流電源において、共振コンデンサ
    とこの共振コンデンサを放電させるダイオードの直列回
    路を前記整流ダイオードの直流出力と並列に設け、共振
    コンデンサとダイオードの接続点と平滑フィルタのリア
    クタとコンデンサの接続点との間に共振コンデンサを充
    電させるスナバダイオードを介して接続し、半導体スイ
    ッチに流れる電流を共振スイッチの作動によってゼロに
    減らしてから半導体スイッチをオフさせ、また半導体ス
    イッチをオンさせるには、流れる電流の増加を共振回路
    と作用するリアクタによって抑制し、電流が小さい期間
    にオンを確立させることを特徴とする直流電源装置。
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