JP2514690B2 - 超電導線材の製造方法 - Google Patents

超電導線材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は焼結セラミックスからなる長尺の線材料の
加工方法に関するものである。より詳細には、高い超電
導臨界温度を備えた超電導線材である複合酸化物焼結体
を有効に利用し得る線材として製造する新規な製造方法
に関する。
従来の技術 超電導現象下で物質は完全な反磁性を示し、内部で有
限な定常電流が流れているにも関わらず電位差が現れな
くなる。そこで、電力損失の全くない伝送媒体としての
超電導体の各種応用が提案されている。
即ち、その応用分野は、MHD発電、電力送電、電力貯
蔵等の電力分野、或いは、磁気浮上列車、電磁気推進船
舶等の動力分野、更に、磁場、マイクロ波、放射線等の
超高感度センサとしてNMR、π中間子治療、高エネルギ
ー物理実験装置などの計測の分野等、極めて多くの分野
を挙げることができる。
また、ジョセフソン素子に代表されるエレクトロニク
スの分野でも、単に消費電力の低減のみならず、動作の
極めて高速な素子を実現し得る技術として期待されてい
る。
ところで、嘗て超電導は超低温下においてのみ観測さ
れる現象であった。即ち、従来の超電導材料として最も
高い超電導臨界温度Tcを有するといわれていたNb3Geに
おいても23.2Kという極めて低い温度が長期間に亘って
超電導臨界温度の限界とされていた。
それ故、従来は、超電導現象を実現するために、沸点
が4.2Kの液体ヘリウムを用いて超電導材料をTc以下まで
冷却していた。しかしながら、液体ヘリウムの使用は、
液化設備を含めた冷却設備による技術的負担並びにコス
ト的負担を極めて大きく、超電導技術の実用化への妨げ
となっていた。
ところが、近年に致ってII a族元素あるいはIII a族
元素の酸化物を含む焼結体が極めて高いTcで超電導体と
なり得ることが報告され、非低温超電導体による超電導
技術の実用化が俄かに促進されようとしている。既に報
告されている例では、ペロブスカイト型酸化物と類似し
た、例えばオルソロンビック構造等の結晶構造を有する
と考えられる〔La,Ba〕2CuO4あるいは〔La,Sr〕2CuO4
の複合酸化物が挙げられる。これらの物質では、30乃至
50Kという従来に比べて飛躍的に高いTcが観測され、更
に、Ba、Y、Cuの複合酸化物からなる超電導材料ではよ
り高いTcも報告されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、これらの超電導材料は焼結体として得
られるので、一般的に脆く取り扱いに注意が必要であ
る。即ち、機械的なストレスによって容易に破損あるい
は亀裂を生じ、特に細線化した場合には極めて容易に折
損するので、実際の利用には大きな制約が伴う。
また、焼結体超電導材は、超電導特性を有する粒子の
みで完全に均質な多結晶体を形成することが困難である
と共に、超電導体一般の性質として、外部磁場や冷却温
度の変動によって局部的に超電導状態が破れる場合があ
る。ところが、この種の焼結体超電導材料は従来の超電
導材料よりも熱伝導率が低く、また電気抵抗も高い。従
って、上述のように超電導状態が破れた箇所では超電導
体を流れる電流によって局部的な発熱が生じ、冷却媒体
と接触したような場合には冷却媒体の爆発的な気化を誘
起する。そこで、従来の金属系の超電導体は超電導体を
細いフィラメントとして形成し、多数のフィラメントを
Cu等の良導体によって一体に形成し、超電導が破れた場
合の伝熱体並びに電流のバイパスとすることによって危
険を回避していた。
これに対して、前述のような近年開発された高いTcを
有する超電導焼結体は、上述のような構成を採ることが
困難であり、現状では線材としての利用が困難であると
されている。
このような事情に鑑み、本発明者らは強度や靭性低下
の原因となる有機系粘着剤を使用せずに実用的に十分使
用できる程度に長手方向の寸法を断面方向の寸法に対し
て長く形成できる焼結セラミックス線の製造法として、
さきにセラミックス原料粉末を筒体中に充填し、該原料
粉末を充填した金属筒体を伸線加工した後焼結する方法
を提案した。しかしながら、このようなダイス伸線加工
では未だ十分な強度の焼結セラミックス線といえず、ま
た断線の傾向がみられるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、高いTcを有する超電導線材を、超電導特性の安定
度が高く、且つ形状の自由度が大きい線材として使用す
ることが可能な新規な超電導線材の製造方法を提供する
ことにある。
課題を解決するための手段 即ち、本発明に従い、複合酸化物系超電導材料に含ま
れる元素の各酸化物または炭酸塩の粉末を混合した粉末
混合物、または該粉末混合物を焼成した後粉砕して得ら
れる焼成体粉末を原料粉末とし、該原料粉末をAg製また
はAg合金製の筒体中に充填し、該筒体を焼鈍した後伸線
加工を含む塑性加工し、更に、原料粉末の焼結温度以上
の融点をもつ金属層を前記筒体の外側表面に付加して伸
線した後これを加熱して筒体中の原料粉末を焼結するこ
とを特徴とする超電導線材の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、前記金属層は、前記筒体に
対する鍍金処理によって形成することができる。また、
他の態様によれば、前記筒体の外径よりも大きな内径を
有する金属製筒体をクラッドすることによっても形成す
ることができる。
前記原料粉末としては、周期律表II a族から選択され
た1種である元素αの化合物粉末、周期律表III a族か
ら選択された1種である元素βの化合物粉末および周期
律表I b族、II b族、VIII b族、V IIIa族またはIV a族
から選択された1種である元素γの化合物粉末の混合物
を有利に適用することができ、ここで元素α、β、γの
組合せとしては、Ba−Y−Cu、Ba−La−Cu、Sr−La−Cu
等を例示することができる。
更に、前記元素βのうち、10乃至80%をSc、Laあるい
はランタノイド元素から選択された1種または2種の元
素で置換することもできる。
また、本発明の適用はその他の複合酸化物系超電導材
料にも適用することができ、Bi−Ca−Sr−CuあるいはTl
−Ca−Ba(Sr)−Cu等も例示することができる。
本発明の好ましい態様によれば、筒体への充填に当た
って、原料粉末を予め造粒しておくことが有利である。
また、筒体への塑性加工は、ダイス伸線、ローラダイ
ス伸線、圧延ロール伸線、スウェージング、押出伸線等
によって実施することができる。
ここで、筒体の塑性加工に際して、該筒体を焼鈍する
ことが有利であり、この場合の加熱温度は筒体の再結晶
温度以上で前記焼結温度未満であることが好ましく、具
体的には160℃以上であることが好ましい。
また、焼結時の加熱温度は、前記原料粉末のうち最も
融点の低いものの融点を上限として該融点との差が100
℃以内の温度範囲であることが好ましく、更に、前記焼
結工程後に、10℃/分以下の冷却速度で徐冷する工程を
含むことが有利である。
作用 本発明によるセラミックス線材の製造方法は、金属製
の筒体に原料粉末を充填したものを焼鈍して伸線し、更
に、原料粉末の焼結温度以上の融点をもつ金属層を前記
筒体の外側表面に付加した後これを筒体を加熱すること
によって筒体中の原料粉末を焼結することをその主要な
特徴としている。
即ち、筒体に収容した原料粉末を伸線加工すると、筒
体の肉厚が減少して強度が低下し、特に製品の破断応力
が低下する。また、完全な破断に至らない場合でも、内
部の超電導焼結体を十分に支持することができず、微視
的な破断を生じて超電導特性が劣化する。そこで、本発
明の特徴によれば、伸線工程を経た筒体の外側表面に、
主に強度改善の目的で異種金属層を設け、これを解決す
る。尚、本発明の特徴によれば、筒体を形成する金属と
してはAgが好ましいが、その理由は後述する。
尚、異種金属層の形成方法としては、メッキ法あるい
はクラッド法等の、従来金属の複合材を製造するために
利用されていた方法を種々適用できる。また、この金属
層は、形成後に少なくとも焼結工程と、場合によっては
焼鈍工程に曝されるので、このような加工時の加熱温度
よりも十分に融点が高いことが望ましい。
ここで、焼鈍工程における加熱温度は、原料粉末が焼
結しない温度範囲で行うことが好ましい。即ち、この工
程では、筒体の加工を有利に行うものであり、原料粉末
の加工は、後述する焼結工程において実施される。
また、焼結に際して、焼結温度は、焼成体の溶融温度
を上限とし、溶融温度との差が100℃以内の温度である
ことが望ましい。何故ならば、焼結温度が上記範囲より
も低いと、原料粉末の焼結反応が進行せず、得られた焼
結体の強度が極端に低くなる。一方、焼結温度が上記範
囲を越えると、焼結中に液相が生じ、原料粉末の溶融あ
るいは分解が発生する。このような反応を経た焼結体の
Tcは大きく低下する。更に、本発明の好ましい態様に従
えば、焼結後に線材を徐冷、特に好ましくは10℃/分以
下の速度で冷却することも好ましい。この操作によっ
て、焼結体の組織の均質化が進み好ましい超電導特性が
得られる。
前述の原料粉末は、そのまま焼結したのでは実質的に
バルク状の製品しか得られない上に、製品自体の強度も
低い。しかしながら、本発明に従って、Ag製のパイプに
充填した後に伸線し更に焼結、焼鈍することによって、
焼結以前に複雑な形状、例えばコイル状に形成すること
ができるのみならず、焼結中あるいは焼結後に伸線加工
することが可能となり、更に、焼結後もAg製部材が機械
的な支持体として部材の強度を保証する。従って、線材
としても実用可能となる。
使用する金属筒体は加工性に富む材料が好ましく、上
記した如く焼結前または焼結後に金属被覆を除去する場
合は、研磨等により機械的に除去する方法、硝酸等の腐
食液により化学的に除去する方法などを採用できる。従
って、使用する金属筒体の材料としては、銅、鉄、ニッ
ケルあるいはコバルト等が使用可能であるが、本発明の
好ましい態様に従えば、このAgは金属が好ましい。
即ち、Agの酸化物には、高温度下で分解して酸素を放
出する性質を有するものがあり、特に酸素含有量の影響
を大きく受ける複合酸化物超電導材料に好ましく影響す
るためである。このようなAg特有の効果が、本発明の方
法において、焼結時にも発揮されることをいうまでもな
く、本発明の方法に従って製造された超電導ワイヤが極
めて優れた超電導特性を発揮する理由もここにあると考
えられる。
Ag製の部材に充填する材料粉末は、複合酸化物超電導
材料を形成する元素の化合物、一般的には酸化物あるい
は炭酸塩を使用することができるがこれに限定されな
い。また、これらの化合物粉末を焼成または焼結したも
のを粉砕して改めて粉末としたものを用いてもよい。
この焼成した後粉砕する工程は、複数回繰り返すこと
も好ましく、これらの操作によって複合酸化物の組織の
微細化並びに均質化が達成される。その結果、特に超電
導現象の開始温度Tcと材料の電気抵抗が完全に零となる
温度Tcfとの差ΔTが小さくなり、液体窒素のような入
手が容易で廉価な冷却媒体を用いる際に有利である。
伸線加工は、従来金属線材の伸線加工に利用していた
各種の加工方法、即ちダイス伸線、ローラダイス伸線、
圧延ロール伸線、スウェージング、押出伸線等がいずれ
も利用可能であるが、特にローラダイス伸線が有利であ
る。その理由は、ローラダイス伸線が基本的に駆動しな
いロールによる圧延であり、加工時の引張応力がダイス
伸線よりも小さいために、断線しにくいという特徴を有
するからである。即ちローラダイス伸線は基本的に圧延
伸線であり、軸方向の引張応力による断線が生じ難く
い。従って、具体的に後述するように、従来の方法では
達成することのできなかった、断面方向の寸法の30倍以
上の長手方向寸法という大きな加工率の伸線が可能とな
る。また、有機系のバインダを用いることなく焼結に付
すことができるので、極めて純度の高いセラミックス線
材を得ることができる。尚、伸線工程並びに中間焼鈍工
程は必要に応じて繰返し行なってもよい。
尚、一般に酸化物超電導材料は、酸素欠陥がその超電
導特性に大きく影響する。これは、結晶構造と共に超電
導特性を決定する大きな要因となっている。
前述のBa−Y−Cu、Ba−La−CuあるいはSr−La−Cu系
の複合酸化物系超電導材料の場合では、複合酸化物の塑
性を 一般式:(A1-x Bx)CyDz (但し、Aは周期律表II a族元素であり、Bは周期律表
III a族元素であり、Cは周期律表I b、II b、III b、V
III a、IV a族元素から選択された1種であり、DがO
(酸素)である) であらわしたときに、各数値x、y、zが、それぞれ0.
1≦x≦0.9、1.0≦y≦4.0、1.0≦z≦0.5程度において
好ましい超電導特性が得られるようである。従って、前
記原料粉末の混合時には、これらの組成比が達成される
ように調製することが好ましい。尚、本発明の適用は、
この系の複合酸化物超電導材料に限定されるものではな
く、Bi−Sr−Ca−Cu系、Tl−Ca−Ba(Sr)−Cu系等につ
いても有利に適用できる。
また、特にBa−Y系の複合酸化物において、Baの10乃
至80%をMg、Ca、Srから選択した1種または2種の元素
と置換する、あるいはYの10乃至80%をSc、La、タンタ
ノイド族から選択された元素の1種または2種と置換す
ることによってより優れた超電導特性が得られる。尚、
置換量がこの範囲よりも低いと有意な効果が発揮され
ず、また、この範囲を越えた場合は、最早Ba−Y系複合
酸化物の特性を得ることができない。
この発明の方法により得られるセラミックス線材は金
属の被覆層を有するセラミックス線材として得られる
が、後にこの金属被覆を除去してもよいし、金属種によ
っては被覆を残すことにより複合材料としても利用する
ことができる。
以下に本発明を実施例より具体的に説明するが、以下
の開示によって本発明の技術的範囲は何等制限されるも
のではない。
実施例 市販のY2O3粉末20.8重量%、BaCO3粉末54.7重量%お
よびCuO粉末24.5重量%をアトライターで湿式混合した
のち110℃で1時間乾燥した混合粉末を大気中880℃で24
時間焼成した後、これをボールミルで粉砕して100メッ
シュ以下に篩分けした。この焼成から粉砕、篩分けまで
の工程を3回繰返して行なった。
こうして得られた焼成体粉末を原料粉末として外径5m
m、内径4mm、長さ1mのAg製筒体に充填したのち両端を封
じた。このAg製筒体を、600℃に加熱して焼鈍し、ロー
ラダイスにより1ブロックの平均減面率38%で1.0mmφ
まで20個の試料について伸線した。
上述のようにして得られた1.0mmφまで伸線できた1
個の穴形ダイス伸線材とローラダイス伸線材5個に更に
750℃×20分の中間焼鈍を施した。その後再び前者は穴
形ダイスで、後者はローラダイスで0.3mmφまでの伸線
を試みたところ、前者は0.42mmφで断線したのに対し、
後者は5個の試料とともに0.3mmφまで伸線が可能であ
った。
しかし、その偏径差は±0.16mmφもあり、均一でな
く、保持体のAg製筒体の強度が不十分なため、破断応力
が小さかった。そこで、1.0mmφの試料に外径3mmφ、内
径1.5mmφのSUSステンレスパイプをクラッドし、これを
外径1.5mmφまで伸線加工し、続いて930℃で3時間の焼
結を実施した後、10℃/分の冷却速度で冷却した。こう
して得られた線材は、均一な外観を有し、偏径差は最大
±0.005mmで単金属の伸線材と同様の極めて良好であっ
た。
こうして得られた線材について、以下のようにして超
電導特性を測定した。即ち、定法に従って試料の両端に
Ag導電ペーストによる電極を付け、クライオスタット中
で液体水素に浸して一旦25Kまで冷却し、試料が超電導
を示すことを確認した後ヒータによって徐々に昇温し、
試料が超電導を失い始め、電気抵抗を示し始める温度
(Tcf)と、試料の超電導が消失して常態と同じ電気抵
抗を示す温度(Tc)とを測定した。尚、温度の測定はキ
ャリブレーション済みのAu(Fe)−Ag熱電対を用いて測
定し、電気抵抗の測定は直流4点プローブ法によって行
った。このような測定の結果、この試料は87Kという高
い温度まで超電導を維持した。
実施例2 市販のLa2O3粉末85.5重量%、SrCO3粉末3.1重量%お
よびCuO粉末11.4重量%をアトライターで湿式混合した
のち乾燥し、混合粉末を100kg/cm3の圧力でプレス成形
し、大気中900゜で20時間焼成したのち、これを粉砕し
て100メッシュ以下に篩分けした。
この造粒処理した原料粉末を外径5mm、内径4mm、長さ
1mのAg製筒体に充填したのち、両端を封じた。この原料
粉末を充填した筒体を外径1.8mmまで押線加工し、続い
て真空中にて1050゜で2時間の焼結を実施した。
その結果Ag製筒体の大部分は溶出し、厚さ0.01〜0.06
mmのAlで被覆された長さ7.7mの線材が得られたが、偏径
差が最大±0.10mmもあり、不均一であった。この線材に
対して、内径2mm、外径3.5mmのステンレス製のパイプを
用いて実施例1と同様の処理を実施したところ、最終焼
結でAgの大部分は溶出したが、線材全体としては均一な
外観を有するセラミックス線が得られた。この線の偏径
差は最大±0.006mmで極めて良好な値を示した。
この超電導線材の臨界温度は85Kであった。
発明の効果 以上詳述の如く、本発明に従う超電導線材の製造方法
によれば、原料粉末を充填した金属筒体を焼鈍した後に
伸線することにより、機械的な強度あるいは靭性に劣る
セラミックスを有効な線材として製造することが可能と
なる。即ち、長手方向の寸法が断面方向の寸法の30倍以
上であって、しかも高強度かつ高靭性の超電導線材が得
られる。
本発明は、いわゆるセラミックスに広い範囲で適用す
ることができるが、特に高い超電導臨界温度を備えなが
ら焼結体として得られるためにその利用が制限されてい
た超電導複合酸化物焼結体を線材として製造する場合に
有利に適用できる。即ち、本発明の方法によって製造さ
れた超電導線材は、強度、成形性に優れるので、超電導
コイルあるいは電力電送媒体としての線材をとして有利
に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢津 修示 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 上代 哲司 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−252309(JP,A) 特開 昭63−232210(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合酸化物系超電導材料に含まれる元素の
    各酸化物または炭酸塩の粉末を混合した粉末混合物、ま
    たは該粉末混合物を焼成した後粉砕して得られる焼成体
    粉末を原料粉末とし、該原料粉末をAg製またはAg合金製
    の筒体中に充填し、該筒体を焼鈍した後伸線加工を含む
    塑性加工し、更に、原料粉末の焼結温度以上の融点をも
    つ金属層を前記筒体の外側表面に付加して伸線した後こ
    れを加熱して筒体中の原料粉末を焼結することを特徴と
    する超電導線材の製造方法。
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