JP2514239Y2 - 消防用ホ―スの巻取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は消防署の公用消防ホースあるいは消防団、自
治会等を主体とする防災市民組織で使用する私用消防ホ
ース等の巻取装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、消防用ホースはその使用後、水切りをし乾か
してから二つ折りにして手でもって一々丸めて円形の渦
巻き束としていた。

（考案が解決しようとする課題） 上記した長い消防用ホースを手でもって一々丸めて円
形の渦巻き束にするには余りにも時間と労力がかかり過
ぎる欠点があった。

特に、平常時に消防訓練を何回も行う際に、消防用ホ
ースを目的に向けて迅速に且つ直すぐにからむことなく
長く伸ばすことが行われるが、長く伸ばすたびに又元の
円形の渦巻き束にしなければならないが、その度に一々
手で行わなければならず訓練回数に影響すると共に平均
的に固くきちんと巻くことが難しく煩雑な手間がかかり
過ぎて面倒であった。

（課題を解決するための手段） 而して、本考案では巻取り機本体に於ける回転軸体の
一側に長短一対の巻取り体を突設し、該巻取り体の間に
二つ折りにしたホース本体を挟み込んでハンドル操作に
より該ホース本体を円形の渦巻き束に巻くように成して
ある。

（作用） ハンドルを所定方向に回転操作することにより回転軸
体を同方向に回転し、長短一対の巻取り体の間に二つ折
りにして挟んだホース本体は円形の渦巻き束状に巻き込
まれる。

然る後、取り外し杆の操作により巻取り案内板を傾斜
せしめて渦巻き束を短い巻取り杆より外した後、手で該
渦巻き束を長い巻取り杆より取り外すものである。

（実施例） １は巻取り機本体で機枠２に一対の回転軸受け３を取
付けてあり、該回転軸受け３に回転軸体４を支受せしめ
てある。

従って、回転軸体４は所定方向に回転せしめられる。
５は回転軸体４の一側に突設した長杆巻取り体、６は同
じく短杆巻取り体であり、この一対の巻取り体（5,6）
間に第３図に示す如く二つ折りにしたホース本体７を差
し込み挟持するものである。

８は回転軸体４にキー溝９とキー10及び凹溝11とキー
12とから成る遊び機構13により遊嵌せしめた巻取り案内
板で、回転軸体４と同体にキー溝９及びキー10を介して
回転すべく成してある。

又、後述するホース取外し機構14の操作により該巻取
り案内板８は遊び機構13に規制されつつ斜め方向（矢標
Ａ方向）に偏角され前面8Aの一部を前記短杆巻取り体６
の先端6Aより外方に位置すべく成してある。

而して、回転軸体４、巻取り案内板８の同体的回転に
より長短一対の巻取り体（5,6）により巻き取られた渦
巻き状のホース本体７は短杆巻取り体６より強制的に外
されるので、後は手でもって長杆巻取り体５より取り外
せばよい。

15は巻取り案内板８の貫通孔部、16は回転軸体４の他
側に取付けた回転ハンドルで、この回転操作により回転
軸体４を所定方向に回転せしめて二重の長尺状のホース
本体７を巻き取る。

17は前記したホース取外し機構14の一部を構成する偏
角板で逆Ｕ字穴部18には前記回転軸体４を貫通せしめて
ある。

19は偏角板17の支点基部で不動部20の先端21を該偏角板
17の折曲凹部22内に位置付けしてある。

而して、この支点基部19によりルーズリーに該偏角板
17を偏角且つ少し直線方向に移動可能に支持している。

24は偏角板17の上部23に取付けた偏角操作ハンドルで
押当て板25を一体的に取付けてある。

26は巻取り機本体１に於ける上板27の一部に形成した
案内溝孔で前記偏角操作ハンドル24を遊嵌してあり、押
当て板25が案内溝孔26に沿ってスムースに矢標Ｂ方向に
移動すべく成してある。

28は前記上板27の一部に形成した垂直ストップ部で前
記した巻取り案内板８を当接すべく成してある。

而して、偏角操作ハンドル24を矢標Ｂ方向に動かすと
偏角板17は支点基部19を支点として少し直線方向に動き
ながら矢標Ｃ方向に偏角するので押当て板25を介して巻
取り案内板８は矢標Ａ方向に偏角し、巻き取られた渦巻
き状のホース体７を短杆巻取り体６より外す。

29及び30はホース本体７を巻き取るための案内ローラ
ーで固定軸31に対しフリーに回転すべく遊嵌してある。

この一対の案内ローラー（29,30）間の距離ｌはホー
ス本体７の幅ｌ′、略同じにしてある。

32は固定軸31を固定するためのアーム部で巻取り機本
体１の一部より張出してある。

7Aはホース本体７の一端に取付けた放水口金具、7Bは
同じく他端に取付けた吸水口金具である。

次に本考案装置の使い方について説明する。

先ず、乾いている長尺状態のホース本体７を略中間部で
２つ折りに成し、その折り部Ｐを第３図に示す如く長杆
巻取り体５に引っ掛け、該ホース本体７を長杆巻取り体
５と短杆巻取り体６との間に挟持せしめる。然る後、回
転ハンドル16を所定方向に回転せしめると回転軸体４、
巻取り案内板８も同体に同方向に回転し二つ折りの長尺
状態のホース本体７は第４図に示す如く一対の長短の巻
取り体（5,6）によって二重のまま円形の渦巻き束状に
巻き取られる。然る後、偏角操作ハンドル24を第７図上
矢標Ｂ方向へ移動せしめると偏角板17が支点基部19を支
点として少し直線方向に移動しながら矢標Ｃ方向に偏角
する。

然る時、変角操作ハンドル24の押当て板25が巻取り案
内板８に圧接し該巻取り案内板８を矢標Ａ方向に斜め押
出する。

その際、巻取り案内板８の前面8Aの一部が短杆巻取り
体６の先端6Aより外方に移動せしめられるので長短一対
の巻取り体（5,6）に巻き取られていた渦巻き状のホー
ス本体７は短杆巻取り体６より強制的に押し出されて外
れる。

従って、渦巻き状のホース本体７は長杆巻取り体６に
より保持されるので、後は手でもって取り外せばよい。
然る時、第５図に示す如き二重の円形の渦巻き状のホー
ス本体７が得られる。

（考案の効果） 而して、本考案は叙上の如き構成及び作用を有するの
で下記の如き効果がある。

（ａ）従来の如き煩わしさがなく簡単且つスムースにホ
ース本体を平均的に固く且つ真直ぐにして崩れることな
く二重の円形の渦巻き状に巻くことが出来る。

（ｂ）巻いた後のホース本体も容易に取外すことが出来
る。

（ｃ）二次的効果として、何回も消防訓練を短時間で行
い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図は本考案装置の斜視図、第３図は一対
の長短巻取り体にホース本体を挟持する状態の斜視図、
第４図はホース本体を巻き取っている状態の斜視図、第
５図は二重の円形渦巻き状のホース本体の斜視図、第６
図は回転軸体とホース取外し機構との関係を示す斜視
図、第７図は本考案装置の要部の縦断側面図である。 １……巻取り機本体、４……回転軸体 ５……長杆巻取り体、６……短杆巻取り体 ７……ホース本体、８……巻取り案内板 14……ホース取外し機構

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸体４の一側に長杆巻取り体５と短杆
   巻取り体６とを設けると共に巻取り案内板８を該回転軸
   体４に同体回転及び偏角可能に装着し、二つ折りにした
   長尺状のホース本体７の折り部Ｐを前記長杆巻取り体５
   に引っ掛けて、該ホース本体７を一対の長短の巻取り体
   （5,6）間に挟持せしめる一方、前記巻取り案内板８に
   ホース取外し機構14を連繋せしめた消防用ホースの巻取
   り装置。