JP2514234C - - Google Patents

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JP2514234C
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Kobe Steel Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ばね特性、熱間加工性、はんだ耐熱剥離性に及び導電率優れた端子
・コネクター用銅合金に関するものである。 [従来の技術] 従来、端子・コネクター用材料としては、黄銅やりん青銅等が使用されるのが
一般的である。黄銅は、成型加工性に優れているが、Znの含有量が多いため耐
応力腐蝕割れ性が劣り、導電率が28%IACSと低いという欠点を持つ。また
りん青銅は、Snの含有量を多くすることにより優れた強度とばね限界値を得る
ことができるが、導電率が25%IACS以下と低く、耐熱性も悪いという欠点
を持っ。 一方、近年の電気・電子機器の軽薄短小化のニーズに伴い、使用される部品も
小型化が進んでいる。これに対応して、端子・コネクターの電極間ピッチは近接
化し、電極数は増加し、電流容量が大きくなってきている。 このため、従来の黄銅やりん青銅の端子・コネクターでは、 導電率が低いので小型化しにくい、 耐熱性が悪い、すなわちジュール熱の発生により接合部の嵌合力低下をきた
し、端子としての機能が劣化する、 等の不都合を生じるようになってきた。 従って、端子・コネクターの小型化・高密度化に伴う電流容量の増大に対応す
べく高導電性・高耐熱性を有し、且つ従来と同等以上の強度、ばね限界値、耐食
性特に耐応力腐食割れ性を有する端子・コネクター用材料が要望されている。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記に説明した端子・コネクター用銅合金の問題点を解決し、強度
と導電性に優れる端子・コネクター用銅合金を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、 Ni:0.4〜4.0wt%、 Si:0.1〜1.0wt%、 Zn:0.05〜1.0wt%、 Mg:0.05〜0.5wt%(0.05wt%は含まず)、 Cr,Ti,Zrのうち1種以上の元素を、それぞれ0.001〜0.01w
t%(0.01wt%は含まず)を含有し、残部がCuと不可避的の不純物から
なることを特徴とするばね特性、熱間加工性、はんだ耐熱剥離性及び導電率に優
れた端子・コネクター用銅合金に存在する。 [作用] 本発明によれば、導電率および耐熱性に優れ、かつ、りん青銅並みの強度とば
ね限界値を有する端子・コネクター用銅合金を得ることができる。 本発明に係る強度と導電性に優れる端子・コネクター用銅合金について、以下詳
細に説明する。 (Ni;0.4〜4.0wt%) Niは、Siと共に添加することにより、Ni2 Siを生成し、導電率と銅
合金の強度とを向上させることができる。 しかし、後述するようにSiが0.1〜1.0wt%含有されていたとしても
、Niの含有量が0.4wt%未満では強度の向上は期待できない。また、4.
0 wt%以上では、もはや強度の向上は限界に達し、さらに加工性が悪くなる。よ
ってNi含有量は0.4〜4.0wt%とする。 (Si;0.1〜1.0wt%) Siは、上述のように、Niとともに化合物を形成して銅合金の強度を向上さ
せることができる。 しかし、上述のようにNiが0.4〜4.0wt%含有されていても、Siの
含有量が0.1wt%未満では強度の向上は期待できない。また1.0wt%以
上含有されると、加工性と導電率が低下する。従ってSi含有量は0.1〜1.
0wt%とする。 (Zn;0.05〜1.0wt%) Znは、はんだおよびSn層の剥離を抑制する効果がある。 しかし、含有量が0.05wt%未満ではこのような効果は少なく、また1.
0wt%以上ではもはやその効果は向上せず導電率が低下する。よってZn含有
量は0.05〜1.0wt%とする。 (Mg;0.05〜0.5wt%) Mgは、熱間加工性および強度特にばね限界値を向上させる効果がある。また
、造塊時に原料より混入してくる低融点のSと反応し、高融点のMgSを形成し
、熱間加工性を向上させる効果を有する。 Mgは、0.05wt%以上含有されるとばね限界値を向上する効果が生ずる
。 しかし、0.5wt%を越えて含有されてもばね限界値の向上は平衡に達し、
かえって溶解鋳造時の湯流性および鋳造性が劣化する。したがって、Mgの含有
量は0.05〜0.5wt%とする。 (Cr,Ti,Zr;0.001〜0.01wt%) Cr,Ti,Zrは、鋳塊の粒界を強化し、熱間加工性を向上させる効果があ
る。 しかし、0.001wt%未満ではその効果が少なく、また、0.01wt%
を越えて含有されると溶湯が酸化し易くなり、健全な鋳塊が得られなくなる。よ
って、Cr,Ti,Zrのいずれか1種以上を0.001〜0.01wt%とす
る。 次に製造法について説明する。 まず本発明合金を用いて通常の半連続鋳造法により鋳塊を造塊し、800℃
〜870℃の温度より熱間加工する。 次に、この鋳塊の焼入れをおこなう。この時、焼入れ開始時の温度は600
℃以上が望ましく、冷却速度は15℃/秒以上が望ましい。なぜなら、温度が6
00℃未満では冷却速度を15℃/秒以上としても、また600℃以上の温度で
も冷却速度が15℃/秒未満では、いずれもNiおよびSiが固溶できず、析出
硬化処理以前に析出を始め、その析出物が凝集粗大化し、銅合金を強化する効果
が低減するからである。 続いて30%以上の冷間加工を行ない、さらに析出硬化処理(焼鈍)を行な
う。析出硬化は500℃でおこなうのが最も良く、400〜550℃でおこなう
ことが望ましい。なぜなら、Ni2 Siの析出量が最も多くなる温度、すなわ
ち導電率の最も高くなる温度が500℃であり、400℃未満の温度ではNi2
Si化合物の析出量が少ないからである。時間は5分〜4時間とする。5分未
満では完全な析出が起こらず、4時間を越えてもそれ以上の導電率の向上は期待
できないからである。 [実施例] 本発明に係る強度と導電性に優れる端子・コネクター用銅合金の実施例を説明
する。 試験片としては、第1表および第2表に示す化学成分の合金を用いた。以下に
試験片の製造方法を示す。 抵抗加熱型電気炉で大気中にて木炭被覆下で溶解し、厚さ50mm、幅80
mm、長さ180mmの鋳塊を溶製した。 次いで、各々の鋳塊の表裏面を約2mm面削した。 鋳塊を870℃に加熱し、厚さ15mmまで熱間圧延した。 続いて、この鋳塊を700℃に再加熱し、水中に投入し急冷した。この時の
冷却速度は30℃/秒であった。 次に、表面の酸化物を機械的に除去後、厚さ0.4mmまで冷間圧延し、5
00℃の温度で2時間の析出硬化処理を行なった。 さらに、厚さ0.25mmまで冷間圧延した。 最後に、ばね限界値および伸びの向上のために400℃の温度で低温焼鈍を
行なった。 以上の方法で製造したサンプルを用い、引張試験と、応力緩和率、ばね限界値
、導電率および耐熱性の測定を行なった。 引張試験、応力緩和率、ばね限界値および導電率の試験片は長手方向を圧延方
向とした。また、引張試験は、2Ton万能試験機を用い、JIS13号B試験
片にて行なった。ばね限界値の測定は、JISH3130に基づいて行なった。
導電率は、JISH0505に基づいて測定した。応力緩和率は、中央部の応力
が耐力の80%となるよう治具にてU字曲げを行ない、150℃で500時間保
持し、一定時間経過後常温にて曲げ癖を測定し、次式より算出したものである。 応力緩和率(%) =(I1−I2)/I1−I0×100 (数値の小さい程よい) I0 :治具の長さ I1 :開始時の試料の長さ I2 :500時間経過後の試料端部間の水平距離 以上の各試験における本発明合金と比較合金の測定結果を第3表に示す。 第3表からも明らかなように本発明合金は比較合金であるNo.10の黄銅あ
るいはNo.11のりん青銅よりも導電率および耐熱性に優れ、かつ、りん青銅
並みの強度とばね限界値を有する。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る強度と導電性に優れる端子・コネクター用
銅合金は、端子・コネクターに適したばね限界値、50%IACS以上の導電率
および優れた応力緩和率を兼ね備えた合金である。従って、端子・コネクターの
小型化に対応でき、また電流容量の増大に対して接合部の嵌合力の低下による端
子の機能の劣化がほとんどなくなるため、電子・電気機器業界への貢献度は多大
なものとなる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 Ni:0.4〜4.0wt%、 Si:0.1〜1.0wt%、 Zn:0.05〜1.0wt%、 Mg:0.05〜0.5wt%(0.05wt%は含まず)、 Cr,Ti,Zrのうち1種以上の元素を、それぞれ0.001〜0.01w
    t%(0.01wt%は含まず)を含有し、残部がCuと不可避的の不純物から
    なることを特徴とするばね特性、熱間加工性、はんだ耐熱剥離性及び導電率に優
    れた端子・コネクター用銅合金。

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